ウクライナのインフラと市民社会へのサイバー攻撃は人権侵害だ

以下は、EUおよびウクライナのコミュニケーションの権利団体が共同で出した声明の日本語訳(JCA-NET)を転載しました。 ウクライナのインフラと市民社会へのサイバー攻撃は人権侵害だ2022年2月18日|午後5時19分ツイート シェア更新日 2022年2月24日 – 私たちは、重要なサービスやインフラに影響を及ぼすサイバー攻撃が続く中、国中の人口密集地を標的としたロシアの大規模な軍事侵攻に耐えているウクライナの人々とともにあります。デジタルの権利侵害はオフラインの暴力を可能にし、エスカレートさせます。人々の安全と幸福に不可欠なデジタルシステムを標的とした計算された攻撃は、容認できるものではありません。 国際社会は、ウクライナの市民社会と最も危険にさらされている人々を支援するために、以下の提言を早急に取り入れる必要があります。ウクライナでデジタルサービスを提供し、機密性の高いユーザーデータを扱うすべての公共および民間事業体は、潜在的なセキュリティおよび人権問題について自社のサービスを早急に見直し、サービスへの予想される影響をユーザーに明確に伝え、この危機の中、そしてウクライナ政 […]

ロシアのウクライナ侵攻は、ロシアの政治秩序を不安定にしかねない

以下はTruthoutの論文の翻訳です。 米英の当局者やメディアは、以前からロシアのウクライナ侵攻が「間近に迫っている」と警告している。このような侵攻の見通しがどうであれ、ロシアの政治体制の性格と、侵攻によってそれがどのように変化しうるかという重要な問題を提起しているのも事実である。 投稿者ヴォロディミル・イシチェンコ著投稿日2022年2月21日 米英の当局者やメディアは、以前からロシアのウクライナ侵攻が「間近に迫っている」と警告してきた。そのような侵攻の見通しがどうであれ、ロシアの政治体制の性格と、侵攻によってそれがどのように変化しうるかという重要な問題を提起しているのも事実である。 多くの人が言っているように、仮にロシアがウクライナ軍を破り、ウクライナの大部分(特に南東部と中部)を占領できたと仮定してみよう。問題は、このウクライナの一部をどうするかである。問題は、ロシア軍に対するウクライナの大規模なゲリラ戦の可能性が低いことにあるのではない。問題は、現在のようなロシア国家が、ウクライナ人にも世界にもほとんど何も提供できないことである。 ロシア帝国主義の復活、ドンバス問題を武力で解決 […]

普通のロシア人はこの戦争を望んでいない

以下はJacobinの記事の翻訳です。 02.24.2022 イリヤ・マトヴェーエフ イリヤ・ブドレイツキスウラジーミル・プーチンはウクライナへの侵攻を開始し、自軍がウクライナの抵抗を制圧できると考えているようである。しかし、この攻撃はプーチンの政権を大きく揺るがしかねない。ロシア人はすでに、戦争に対する熱意を著しく欠いているのだ。 ロシアが昨夜、ウクライナを攻撃した。最悪の事態が確認された。侵略の程度は完全に把握されていないが、ロシア軍が南東部(いわゆる「人民共和国」の国境沿い)だけでなく、国中のターゲットを攻撃したことはすでに明らかである。今朝、各都市のウクライナ人は爆発音で目を覚ました。 ウラジーミル・プーチンは、この作戦の軍事目的、すなわちウクライナ軍の完全降伏を明確にしている。政治的な計画はまだ不明だが、おそらくキエフに親ロシア政権を樹立することを意図している可能性が高い。ロシア指導部は、抵抗はすぐに打ち破られ、ほとんどの一般ウクライナ人は新政権を忠実に受け入れると想定している。ロシア自身への社会的影響は明らかに深刻である。すでに午前中、欧米の制裁が発表される前から、ロシアの […]

ウクライナでネオナチの宣伝に協力する欧米メディア

以下はFairの記事の翻訳です。 FEBRUARY 23, 2022 JOHN MCEVOY 商業メディアが戦争を推進するとき、彼らの主要な武器の一つは、省略によるプロパガンダである。 最近のウクライナ危機の場合、西側ジャーナリストは、冷戦終結後のNATOの拡大や、2014年のマイダンクーデターに対する米国の支援に関する重要な文脈を省略している(FAIR.org、1/28/22)。 省略によるプロパガンダの3つ目の重要なケースは、ネオナチのウクライナ軍への統合に関するものだ(FAIR.org、3/7/14、1/28/22)。もし企業メディアが、ネオナチが入り込んだウクライナの治安機関に対する西側の支援や、これらの部隊がアメリカの外交政策の最前線の代理人として機能していることについてもっと批判的に報道すれば、戦争に対する国民の支持は減り、軍事予算はもっと疑問視されるかもしれない。 最近の報道が示すように、この問題を解決するひとつの方法は、ウクライナのネオナチという不都合な事柄にまったく触れないことである。 アゾフ大隊 2014年、アゾフ大隊はウクライナ東部の親ロシア派分離主義者との戦闘を […]

プーチンのウクライナ侵攻に抗議するロシア人1000人以上逮捕

以下はCommon Dreamsの記事の翻訳です。 プーチンのウクライナ侵攻に抗議し、1000人以上のロシア人が逮捕された。「これは前例のない残虐行為であり、いかなる正当化もできない」とロシア全土の都市から約200人の関係者が発言した。 ジェシカ・コルベット 2022年2月24日ウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナへの侵攻を批判する人々は、木曜日に公開書簡を寄せ、ロシアの街頭に出て、現在進行中の空と地上からの攻撃に抗議し、1000人以上の逮捕者を出す結果になった。 ロシア国内外での抗議は、モスクワがロシアの攻撃で少なくとも「ウクライナの軍事インフラの地上施設74カ所」が破壊されたと主張したことから起こった。 36歳のコンピュータープログラマー、ドミトリーは、ロシアの首都でモスクワタイムズに語った。「何もいいことはありません。戦争ではなく、合意形成が必要なのです」。 イリヤ・マトヴェーエフとイリヤ・ブドレイツキーは、Jacobin誌(注)でロシア人の戦争への支持はないと指摘した。(注)Jacobinの記事 https://jacobinmag.com/2022/02/ordina […]

ウクライナ駐在の英国司令官がネオナチとつながりのある国家警備隊と会い、「軍事協力を深める」ことに

以下はDeclasifiedの記事の翻訳です。 ウクライナ駐在の英国司令官がネオナチとつながりのある国家警備隊と会い、「軍事協力を深める」ことになった。ウクライナ国家警備隊によると、英国軍は昨年の会合で、1000人規模のネオナチ部隊を含む同軍の訓練を開始することに同意したという。英国国防省はこれに反論している。 MATT KENNARD 2022年2月15日 昨年キエフで行われた会議の写真-英国職員は非公開だと思っていた-がウクライナ国家警備隊(NGU)によって投稿された。 英国国防省は、NGUを訓練する計画はなく、英国人指揮官は誤った引用であったとDeclassifiedに語った。 しかし、英軍はNGUに関与しており、「(NGUの)戦闘活動の特殊性」を認識している。 2020年、別の極右ウクライナ人グループのメンバーらしき人物がサンドハーストで訓練を受ける 首都キエフでの会談の詳細と写真は、昨年、ウクライナ国家警備隊(NGU)のウェブサイトにウクライナ語で掲載された。 Declassifiedは、英国国防省(MoD)が2021年9月の会合は非公開であり、公表されるべきではないと考えて […]

(Common Dreams)ファイザー社がワクチンの秘密契約を利用して政府に強圧をかける方法

以下は、Common Dreamsの記事の訳です。日本でも健康被害が出た場合の製薬会社などの賠償責任を免除する方針昨年暮に報道され、改正予防接種法に盛り込まれた。しかし、パブリックシチズンの報告書で報じられている内容は、単なる賠償免責にとどまらない深刻な内容をいくつも含んでいる。危機のなかで必死の思いでワクチンを調達しようとする政府の狼狽を資本は最大限に利用した。まさにナオミ・クラインのいうショックドクトリンがCOVID-19ではまさに地球規模で展開されたともいえる。 政府は、納期が遅れてもクレームはつけられないばかりか、ワクチンの寄付を受けることも他国からワクチンを購入することもファイザーの許可が必要だという契約を南米諸国は締結させられた。しかも、ワクチンの特許についても、TRIPS協定の棚上げに反対し、自由なワクチン生産を阻止した。今年に入ってからも、国際的共同購入枠組み(COVAX)が十分に機能せず、一向に途上国へのワクチン供給が進んでいない。先進国は、COVAXへの協力を表向き積極的なポーズをとっているが、ファイザーをはじめとする多国籍製薬資本との契約が平等なワクチン供給の障害 […]

Appleが暗号政策を転換(エンド・ツー・エンド暗号化が危機に)

ここ数週間、監視社会問題やプライバシー問題にとりくんでいる世界中の団体は、アップルが政策の大転換をしようとしていることに大きなショックを受けました。これまでユーザしか解読できないとされていたエンド・ツー・エンド暗号化で保護されていたはずのiCloudに捜査機関が介入できるようにするという声明をAppleが出したのです。以下はこのアップルの方針転換への世界各国91団体による反対声明です。日本ではJCA-NETが署名団体になっています。 いつものことですが、人権団体が取り組みにくい問題(今回は主に児童ポルノ)を突破口に、暗号化に歯止めをかけようとする米国政権の思惑が背後にあると思います。日本でもデジタル庁が秋から発足します。官民一体の監視社会化に対抗できる有力な武器は暗号化ですが、そのことを「敵」も承知していて、攻勢を強めているように思います。今回はAppleの問題でしたが、日本政府の暗号政策での国際的な取り組みの方向は明確で、捜査機関には暗号データを復号可能な条件を与え、こうした条件を満たさない暗号技術の使用を何らかの形で規制しようとするものになるのではと危惧しています。とくにエンド・ツ […]

愛国主義のイデオロギー装置としてのオリンピック:シモーヌ・バイルス途中棄権への右派メディアの非難

米国の体操選手、シモーヌ・バイルスが途中棄権したことは、たぶん、世界的にはトップの報道の出来事ですが、日本のメディアの関心は低いですね。 Daily Beastによると、米国内の右派メディアなどがバイルスに対して一斉に非難の声を上げているとのこと。 「保守的な評論家やライターの多くが、バイルスに「傲慢」「利己的」というレッテルを貼り、彼女が子どもたちの良いお手本にならないと主張」という記事のなかで、いくつかの右派の論客やメディアを紹介しています。 いずれも、メンタルの問題を理由に途中棄権するなどは許せないというわけですが、国を代表している選手が自分の都合で棄権し、しかも謝罪すらしない、結果として金メダルはロシアがさらった…といったことを罵っている。こうした人たちが複数の右派メディアなどで繰り返しているようです。(右派メディアそのものにアクセスして確認できていません)バイルスは、先に、自身の性的虐待被害とメンタルな問題を抱えてきたことを公表しています。彼女が黒人で最も人気のあるアスリートのひとりであることとともに、彼女のこれまでの行動にも右派にはがまんならなかったのかもしれま […]

抗議声明(名古屋:わたしたちの表現の不自由展中止問題)

名古屋市栄の市民ギャラリーで起きた展覧会の中止事件は、2019年の愛知トリエンナーレで中止のきっかけをつくった出来事とよく似ている。問題全体の構造をみると、公的な展示施設や行政vs脅迫・攻撃者という構図は「見かけ」であり、イデオロギーの構図がかすると、公権力と脅迫者の側には心情的な共同性があり(下記の声明では心情的共謀と表現されている)、むしろ展覧会の主催者との対立がはっきりしている。公権力があからさまな違法行為による弾圧を行使することは稀で、たいていは、こうした権力の意向を汲む者たちがテロや暴力の担い手になる。更んにその背景には、いまだに根強い「日本人は正しい」と信じる「日本人」たちの自民族中心主義だ。植民地支配や戦争責任を明確にできていないだけでなく、これらについて議論することすらままならない事態が、学校でも世論を代弁するとされるメディアにおいてもますます強まっている。こうした背景と公権力のサポタージュによる事実上の検閲の行使とは密接に関係している。日本の状況は理性や道理が通用しないナショナリズムに支配されてきたが、それが、もう一段強化されているように思う。しかも、上からだけでなく […]

(共同声明)東京オリンピック・パラリンピックにおける生体認証技術の使用を直ちに中止することを求める

人を生体認証によって特定するという試みは、たぶん近代権力が迷い込んだ支配の究極の形態そのものが行き着いた隘路だろう。人間は嘘吐きであるから、いかなる証明も信用ならない、という深い猜疑心を権力が抱くとき、権力の末期症状が垣間みえてきたということを意味しているようにも思う。オリンピックについても監視社会についての言いたいことは多々ある。いずれ書くことになるだろう。 (共同声明)東京オリンピック・パラリンピックにおける生体認証技術の使用を直ちに中止することを求める 2021年7月9日 よびかけ団体(あいうえお順) 2020「オリンピック災害」おことわり連絡会 JCA-NET アジア女性資料センター 盗聴法に反対する市民連絡会 日本消費者連盟 武器取引反対ネットワーク(NAJAT) 問い合わせ hantocho-shiminren@tuta.io 070-5553-5495 小倉利丸 私たちは、政府・民間を問わず、網羅的大量監視の導入には反対の立場である。この原則を前提にした上で、以下、特に深刻な問題を引き起す生体認証技術の利用に絞って私たちの見解を明らかする。 私たちの要求は以下である。 組 […]

パレスチナ闘争に連帯するLeftEast声明

パレスチナ闘争に連帯するLeftEastからの声明 2021/5/14 東エルサレムのシェイク・ジャラー地区からの家族の強制追放、ラマダン期間中のアル・アクサ・モスクでの礼拝者への攻撃、包囲されたガザ地区への残忍な空爆、イスラエル国内のパレスチナ人コミュニティを標的とした人種差別的な警察や暴徒による暴力など、最近のイスラエル国家によるパレスチナ人に対する入植者・植民地主義的な暴力が激化していることをはっきりと非難する。私たちは、ここ数日のあからさまに非対称な暴力の即時停止を要求するとともに、この地域の状況に対する唯一の正当な解決策は、自決権およびすべての難民の帰還の権利を含む、パレスチナ人の基本的人権の承認にあると主張する。 私たちは、この暴力が、パレスチナに対する英国の植民地支配から生まれた入植者植民地国家イスラエルの建国以来行われてきた、民族浄化、アパルトヘイト、収奪の文脈の中で展開されていると理解している。この植民地化のプロセスは、1948年にパレスチナ人が意図的かつ組織的に大量追放された「ナクバ」(大惨事)において頂点に達した。この収奪のプロセスは、軍事的侵略、占領、入植の連続 […]

Sheikh Jarrah:FacebookとTwitterが組織的に抗議活動を封じ込め、証拠を削除

現在、パレスチナ情勢は極めて緊迫している。イスラエルによるエルサレムでのパレスチナ人強制排除と軍、警察による弾圧は深刻だ。これに加えて、イスラエルは、パレスチナ人ノ抵抗運動を弾圧する手段として、SNSの発信を封じ込める作戦にでており、Facebook、Twitter、Instagramがイスラエル当局の指示に「自主的」に応じて膨大な数の投稿を削除し、イスラエルの暴力と人権侵害の貴重な当事者による記録を抹殺しようとしている。以下は、これに抗議する声明です。AccessNowから訳出しました。 2021年5月7日|午後2時35分 للقراءة بالعربية هنا FacebookとTwitterは、エルサレムのSheikh Jarrah地区でパレスチナ人家族が自宅から立ち退かされていることに抗議し、記録しているユーザーを組織的に黙らせています。私たちは、FacebookとTwitterに対し、こうした削除を直ちに停止し、影響を受けたコンテンツとアカウントを復活させ、コンテンツが削除された理由を明確かつ公に説明することを要求します。 ここ数日、人々はFacebook、Instagra […]

欧州におけるFar Right政治テロ

以下は、ROARマガジン 10号のオンライン版に掲載されたLiz FeketeへのROARの編集者Joris Leverinkのインタビュー記事の飜訳です。文中、日本語ではほぼ一括して「極右」と訳される“extreme,” “far,” “hard,” “ultra”-right” が使い分けられているので、これらは原語のままとしました。(小倉利丸 2021年5月16日改訳) フランスの大統領選に立候補したマリー・ルペン、ドイツのPEGIDA(ペギーダ)、ハンガリーのEU国境で移民を狩るファシスト集団など、過去20年間、欧州各地で過激な右翼政党や運動が復活している。こうした人種差別的なイデオロギーの人気が高まっている背景には、欧州の多くの政府が実施している新自由主義的な緊縮財政政策の結果、経済的な不安定さや社会的な不安定さ、政治的な偏向が高まっていることがある。 COVID-19のパンデミックは、草の根の連帯活動を通じて人々をひとつにまとめ、私たち全員の利益のために社会の中で最も弱い立場にある人々を守ることの重要性を再認識させた。しかし、このパンデミックは、移民や難民などの […]

Spotifyはスパイするな:180以上の音楽家と人権団体のグローバル連合が音声認識技術に反対の立場を表明

以下はAccessNowのウェッブに掲載された共同声明の訳です。コンピュータによる生体認証技術の高度化のなかで、アートや文化の世界でもAIへの関心が高まり、こうした技術が一方で深刻な監視や個人の識別と選別、あるいは収益源としてのデータ化への危険性がありながら、他方で、これを「面白い」技術とみなして遊ぶような安易な考え方も広がりかねないところにあると思う。監視を逆手にとったアート作品は最近も増えているが、こうした作品が果した監視資本主義を覆す力になっているのかといえばそうとはいえず、ギャラリー空間という人工的な安全な空間のなかで監視されるという不愉快な経験を参加型の表現行為に昇華させて文化的な快楽へと転移させてしまう。Apotifyが音楽でやろうとしていることはこうした文脈のなかでみる必要もあると思う。多くの音楽ファンがAIによる価値判断を肯定的に受け入れ、これを前提とした作品の制作や聴衆の選別を促すような音楽産業の商品生産によって、音楽文化そのものが既存の偏見を再生産する文化装置となる。こうしたことが音楽文化の周辺部である種のサブカルチャーとして登場しつつ次第にメインストリームにのしあ […]

排除のプロトコル:COVID-19ワクチンの「パスポート」が人権を脅かす理由

以下は、Access Nowという団体が公表したワクチン・パスポートによる人権侵害のリスクについてのレポートの概要である。 日本でもワクチン・パスポートの議論が活発になってきた。3月15日の参議院予算委員会で河野ワクチン担当大臣が「国際的にワクチンパスポートという議論が今いろんなところで行われておりますが、この接種記録システムを使うことで、対外的にワクチンパスポートが必要になった場合にはこれをベースにそれを発行することもできるようになりますので、国トータルとしても必要なことだ」と発言。経団連もワクチン・パスポートを提案している。一般に現在議論されているワクチン・パスポートはデジタルをベースにするものが考えられている。(日経ビジネス、Business Insider ) EUの欧州委員会は、EU域内の移動の自由をめぐり、「デジタルグリーン証明書」の導入を提案している。  欧米やイスラエルでのワクチンパスポートの具体的な政策実施が進むなかで、日本のメディアの基調はプライバシーや監視社会化よりも乗り遅れることへの危機感を煽っているようにもみえる。(NHK政治マガジン3/31) 以下に訳したよ […]

匿名公共サービスを可能とする社会システムへの転換を考えたい

デジタル監視社会化法案と私が勝手に呼んでいるいわゆる「デジタル改革関連法案」が参議院で審議中だ。 議論の大前提にあるのは、デジタル庁に賛成であれ反対であれ、政府・行政が住民に対して必須となる公共サービスを提供するためには、住民の個人情報の取得は必須であり、これを前提とした政府・行政組織は当然だという発想だ。この発想が前提となって、サービスや利便性のために個人情報を提供することに疑問をもたない感覚が私たちのなかにも醸成されてきた。 この個人情報を差し出すかわりに公共サービスを受けとるというバーターは、近代国民国家が人口統計をとり、国勢調査を実施し、徴兵制を敷き、外国人や反政府活動家を監視し、福祉・社会保障を充実させる政策をとるなかで、19世紀から20世紀にけて、ファシズムであれ反ファシズムであれ、あらゆる政府の基本的な性格として定着してきたものといえよう。コンピュータ・テクノロジーの人口監視への応用から現代のビッグデータ+AI+5Gによる監視社会の傾向は、この近代国民国家によるサービス・利便性と個人情報の提供という関係をひとつの土台としている。 もうひとつの要因が個人情報の商品化だ。人々 […]

法・民主主義を凌駕する監視の権力と闘うための私たちの原則とは

Table of Contents 1. はじめに 2. プライバシーの権利は100年の権利だ 3. 「デジタル」をめぐる三つの原則 3.1. 原則その1、技術の公開性―技術情報へのアクセスの権利 3.2. 原則その2、個人情報を提供しない権利―匿名の権利 3.3. 原則その3、例外なき暗号化の権利―通信の秘密の権利 4. 3原則を無視したデジタル社会はどうなるか 4.1. ビッグデータ選挙―個人情報の奪い合いで勝敗が決まる 4.2. プライバシー空間が消滅する―IoTとテレワークが生み出すアブノーマルなニューノーマル 4.3. 現状の環境では、政府と資本によるデジタル化は権利侵害にしかならない 4.4. 現行の民主主義の限界という問題 5. 三つの原則を維持するための方法はまだある 1 はじめに 政府のデジタル政策が急展開している。地方創生・国家戦略特区として立ち上げられたスーパーシテイ構想、国土交通省が主管するスマートシティ、安倍前首相が2020年1月の世界経済フォーラムで日本の国家戦略として強調したSociety5.0など、政府、自治体はこぞってコンピュータと情報通信ネットワーク […]

最近のネットの動向について(よいことより悪いことの方が多い)

私のもうひとつのブログ「反監視情報」に掲載したものです。 https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/ すごく乱雑なサイトです。検索窓をつかって必要な情報を探してみてください。 なお飜訳なども不正確なところが多々あると思います。気付いたときに修正し ているのですが、読み難いかもしれません。セミナーやメーリングリストで質 問などしていただいて構いません。よろしく。 ●世界各地のインターネット遮断のマッピング 世界中で、インターネットを政府が遮断するなどの動きが広がっています。現 在ネットの世界に政府がどのような干渉や弾圧を加えているのか、マップを使っ て紹介しています。とても深刻な事態になっていると思います。 ●KeepItOn: 2021年選挙ウォッチ 選挙期間中にネットを遮断する政権が世界中にあります。民主主義の基本的な ツールを使わせない国の現状レポート ●GoogleとAppleのプライバシーに関する変更点について Markupのメールマガジン(2021年3月20日)の記事を訳したもの。Marku […]

4.6秘密保護法廃止!共謀罪法廃止!NO!デジタル庁「12.6・4.6を忘れない6日行動」

[embedyt] https://www.youtube.com/watch?v=J_caLBXgW_U[/embedyt] 以下の集会で話します。 <国会前行動> ●日 時:2021年4月6日(火) 12時〜13時 ●場所:衆議院第2議員会館前 <院内集会>-デジタル庁と監視社会- -オールデジタルにならない社会を目指して- ●日時:4月6日(火)13時30分〜15時 30分 ●会場:衆議院第2議員会館第4会議室 ●お話:小倉利丸さん(批評家) 「超監視社会に向かうデジタル庁構想-オールデジ   タルにならない社会を目指して-」  オンライン配信⇒https://youtu.be/J_caLBXgW_U ●共催  共謀罪NO!実行委/「秘密保護法」廃止へ!実行委