パレスチナ闘争に連帯するLeftEast声明

投稿日: カテゴリー: パレスチナ・中東ファシズム、ネオナチ、極右地域声明、アピールなど

パレスチナ闘争に連帯するLeftEastからの声明
2021/5/14

Original graffiti by Social Centre Dunja.

東エルサレムのシェイク・ジャラー地区からの家族の強制追放、ラマダン期間中のアル・アクサ・モスクでの礼拝者への攻撃、包囲されたガザ地区への残忍な空爆、イスラエル国内のパレスチナ人コミュニティを標的とした人種差別的な警察や暴徒による暴力など、最近のイスラエル国家によるパレスチナ人に対する入植者・植民地主義的な暴力が激化していることをはっきりと非難する。私たちは、ここ数日のあからさまに非対称な暴力の即時停止を要求するとともに、この地域の状況に対する唯一の正当な解決策は、自決権およびすべての難民の帰還の権利を含む、パレスチナ人の基本的人権の承認にあると主張する。

私たちは、この暴力が、パレスチナに対する英国の植民地支配から生まれた入植者植民地国家イスラエルの建国以来行われてきた、民族浄化、アパルトヘイト、収奪の文脈の中で展開されていると理解している。この植民地化のプロセスは、1948年にパレスチナ人が意図的かつ組織的に大量追放された「ナクバ」(大惨事)において頂点に達した。この収奪のプロセスは、軍事的侵略、占領、入植の連続した過程を通して、また、イスラエル国家の法体系によって支えられた法的なフィクションを通して、現在まで続いている。差別と暴力を立法化したこれらの行為は、かつての南アフリカ政権の「大アパルトヘイト」構想を反映したものであり、歴史的な故郷であるパレスチナ人の基本的人権を否定し、パレスチナ人よりもこの地域のユダヤ人住民を優遇する人口統計学的・法的現実を作り出すためのものである。この戦略は、イスラエル国家の強制機構によって管理されている狭いゲットー化されたバンツータンにパレスチナ人を閉じ込めることによって、パレスチナ人の国外移住の条件を事実上作り出すことを意味している。数十年に及ぶ既存の「和平プロセス」は、このことが存在する限り、この現実をほとんど変えることができず、かえってアパルトヘイトの力学を定着させ、入植活動の激化を許している。

また、私たちは、自分たちの地域である東中欧におけるファシズム、反ユダヤ主義、イスラム恐怖症の過去と現在が、イスラエルの国家設立に寄与していることを認識している。この歴史は、現在のイスラエル/パレスチナに対する国の政策に反映されている。しかし、進歩的なユダヤ人の声が常に指摘してきたように、シオニズムの植民地主義的、反動的な性格は、冷戦時代とその余波の中で、右翼的な、しばしば明確な反ユダヤ主義政権との協力に結びついてきた。1990年代初頭以降、何十億ドルにも相当する米国との外交的な連携や軍事的な結びつきによって、何十ものポスト社会主義国の政府が、イスラエル国家の軍事化や、パレスチナ人に対して恒久的に例外状態を課し、維持することに関与してきた。イスラエルは、1990年代のバルカン戦争から最近のナゴルノ・カラバフ紛争に至るまで、民族浄化や大量虐殺に従事する政権に武器を与えてきた。また、国境警備技術を提供し、ヨーロッパにおける現在の難民危機の人種差別的管理にも関与している。イスラエルとこの地域との二国間軍事援助の大部分は、ポーランド、ハンガリー、エストニア、ロシア、ウクライナ、ルーマニアなどの右翼政権と関連していることは、示唆に富むものである。

このような背景から、私たちはパレスチナ人の闘いを個別の原因に関連するものとしてではなく、より公正で公平な世界を目指す今日の反植民地的闘争の焦点として捉えている。暴力的な民族紛争と追放の歴史が続く地域から言えることとして、私たちはパレスチナにおける正義への道が複雑であることを認識しており、パレスチナ人の自決権こそが、パレスチナ人とイスラエル人双方の安全と尊厳をもたらす唯一の道であると考えている。この目的のために、LeftEastは、アパルトヘイトを終わらせ、自由、自決、難民の帰還を求めるパレスチナ人の正当な闘争を支援することを約束する。こうした線に沿って、我々はポスト社会主義地域の進歩的な集団と運動に以下のことを提唱したい。(1)国内およびヨーロッパ全土で反ユダヤ主義とイスラム恐怖症と戦い続けること。なぜなら、これらの形態の人種差別は、この地域で右翼やファシストの政治や運動が復活するための重要な燃料だからである。(2)連帯の具体的な行為として、ボイコット、投資引き上げ、制裁(BDS)を求めるパレスチナ市民社会の呼びかけに学び、これを採用することを検討すること。(3)東中欧とイスラエル/パレスチナの両方で人権侵害を同時に助長しているイスラエルとの既存の軍事貿易を終わらせるための調査と主張を継続すること。

LeftEast Statement in Solidarity with the Palestinian Struggle

Sheikh Jarrah:FacebookとTwitterが組織的に抗議活動を封じ込め、証拠を削除

投稿日: カテゴリー: 未分類

現在、パレスチナ情勢は極めて緊迫している。イスラエルによるエルサレムでのパレスチナ人強制排除と軍、警察による弾圧は深刻だ。これに加えて、イスラエルは、パレスチナ人ノ抵抗運動を弾圧する手段として、SNSの発信を封じ込める作戦にでており、Facebook、Twitter、Instagramがイスラエル当局の指示に「自主的」に応じて膨大な数の投稿を削除し、イスラエルの暴力と人権侵害の貴重な当事者による記録を抹殺しようとしている。以下は、これに抗議する声明です。AccessNowから訳出しました。

Protest and human rights

2021年5月7日|午後2時35分
للقراءة بالعربية هنا

FacebookとTwitterは、エルサレムのSheikh Jarrah地区でパレスチナ人家族が自宅から立ち退かされていることに抗議し、記録しているユーザーを組織的に黙らせています。私たちは、FacebookとTwitterに対し、こうした削除を直ちに停止し、影響を受けたコンテンツとアカウントを復活させ、コンテンツが削除された理由を明確かつ公に説明することを要求します。

ここ数日、人々はFacebook、Instagram、Twitterを利用して、イスラエル警察の蛮行や、ユダヤ人入植者によるパレスチナ人活動家や住民への暴力的な攻撃を記録し、糾弾しています。

これらの暴力行為を記録した何百もの投稿やアカウントが急増するなかでInstagramとTwitterでこれれが削除されました。これらのコンテンツ削除やアカウント停止の規模は、ユーザーからの報告やデジタル権利団体の記録によると、極めて顕著です。

FacebookとTwitterは、これらの行為についてユーザーに何の説明もしていません。また、Instagramでは、Sheikh Jarrahに関する数百件のストーリーが削除されていますが、これには過去の投稿も含まれています。このような恣意的で不透明な決定は、パレスチナ人の表現の自由に対する権利や、オンライン上での結社や集会の自由に対する権利など、パレスチナ人の基本的な権利の重大な侵害にあたります。FacebookとTwitterは、国連の「ビジネスと人権に関する指針」に基づいて、この権利を尊重することを約束しています。FacebookとTwitterは、これらのケースを拡大するための作業を行っていますが、タイミングが重要です。私たちは、FacebookとTwitterは、パレスチナ人の声を反映したアカウントやコンテンツの検閲を直ちに停止し、復活させることを要求します。これらの企業は、これらの削除について調査を開始し、その調査結果を透明性を持って公開しなければなりません。

InstagramとTwitterで削除されたコンテンツや停止されたアカウントは、Sheikh Jarrahで起きていることを記録・報道するとともに、イスラエルの民族浄化、アパルトヘイト、迫害の政策を糾弾しています。これらの違反行為は、パレスチナ人ユーザーに限らず、ソーシャルメディアを利用してSheikh Jarrahの深刻な状況に対する認識を高めようとしている世界中の活動家にも影響を与えています。

今回のコンテンツ削除は、市民社会団体が長年にわたって記録してきた、パレスチナ人やその関係者の声を一貫して検閲し、沈黙させようとする組織的な取り組みの一環です。これらのプラットフォームでパレスチナ人の発言が削除された過去の同様の事例は、イスラエルのサイバーユニット(インターネット照会部門)の要請によるものとされています。サイバーユニットは、ソーシャルメディア企業に対してコンテンツ削除の「自主的」要請を行うことを任務としています。

Sheikh Jarrahのコンテンツは、デジタルな記録とメディアの認識を必要とする人権侵害数の多さ厳しさを示しています。ソーシャルメディアのプラットフォームは、他に手段を持たないコミュニティが、自由、正義、尊厳に対する要求を聞き入れるための重要な空間を提供します。組織、活動家、人権擁護者が、現場で行われている人権侵害を暴露し、記録するために、オンラインスペースを利用できるようにすべきです。これは、プラットフォームが、国際的な人権基準に基づいて、透明性と一貫性のあるコンテンツ・モデレーション・ポリシーを構築し、それを一貫性、透明性、公平性のある方法で適用して初めて機能するものです。

私たち署名団体は、FacebookとTwitterに対し、以下のことを緊急に要求します。

●Sheikh Jarrahに関連するアカウントや投稿が削除された理由を、透明性をもって公開するとともに、これらの事例について直ちに調査を開始すること。
●表現の自由に関する国際基準に違反して、現在オフラインにされているすべてのアカウントとコンテンツを直ちに復活させること。
●パレスチナに関連するコンテンツの削除に関わる意思決定プロセスの透明性を確保する。
●表現の自由に関する国際基準に違反する政府や裁判所の命令に抵抗することを公に約束すること。
●イスラエルのサイバーユニットが提出した苦情件数、コンテンツ削除、アカウント停止、その他のコンテンツ制限などの要求に関する詳細なデータと、削除された、または復活したコンテンツのカテゴリーに関する詳細を公開すること。
●Santa Clara Principles on Transparency and Accountability in Content Moderation(コンテンツの調整における透明性と説明責任に関するサンタクララ原則)に定められている基本原則を遵守すること。

署名団体

7amleh
Access Now
Action Center on Race & the Economy (ACRE)
ARTICLE 19
Center for Constitutional Rights
Electronic Frontier Foundation
Free Speech on Israel
Friends of Sabeel North America
Gulf Centre for Human Rights (GCHR)
INSMnetwork – Iraq
Jewish Network for Palestine
Jewish Voice for Peace
JOSA
Masaar-Technology and Law Community
MediaJustice
MILEN – Media and Information Literacy Expert Network
Mnemonic
MPower Change
Pen Iraq
Ranking Digital Rights
SMEX
Taraaz
The Tahrir Institute for Middle East Policy (TIMEP)
United Methodists’ Holy Land Task Force

Sheikh Jarrah: Facebook and Twitter systematically silencing protests, deleting evidence

欧州におけるFar Right政治テロ

投稿日: カテゴリー: ファシズム、ネオナチ、極右資本主義批判

以下は、ROARマガジン 10号のオンライン版に掲載されたLiz FeketeへのROARの編集者Joris Leverinkのインタビュー記事の飜訳です。文中、日本語ではほぼ一括して「極右」と訳される“extreme,” “far,” “hard,” “ultra”-right” が使い分けられているので、これらは原語のままとしました。(小倉利丸 2021年5月16日改訳)

フランスの大統領選に立候補したマリー・ルペン、ドイツのPEGIDA(ペギーダ)、ハンガリーのEU国境で移民を狩るファシスト集団など、過去20年間、欧州各地で過激な右翼政党や運動が復活している。こうした人種差別的なイデオロギーの人気が高まっている背景には、欧州の多くの政府が実施している新自由主義的な緊縮財政政策の結果、経済的な不安定さや社会的な不安定さ、政治的な偏向が高まっていることがある。

COVID-19のパンデミックは、草の根の連帯活動を通じて人々をひとつにまとめ、私たち全員の利益のために社会の中で最も弱い立場にある人々を守ることの重要性を再認識させた。しかし、このパンデミックは、移民や難民などの社会的弱者をスケープゴートにしたり、ますます不足する資源を獲得するための無価値な競争相手にしたりすることで、社会の断片化、個人化、偏向化をさらに進める可能性も秘めている。

ROARの編集者Joris Leverinkのこのインタビューでは、Institute of Race Relationsのディレクターであり、『Europe’s Fault Lines:Racism and the Rise of the Right』(Verso Books, 2019)』の著者であるLiz Feketeが登場します。リズ・フェケテは、人種差別と極右を研究してきた数十年の経験をもとに、ヨーロッパにおける至高主義イデオロギーの深い根源、far rightのさまざまな現れ方、extreme rightによる警察や軍への浸透、新自由主義、緊縮財政、権威主義、外国人恐怖症などとの関連性について説明している。

右翼からの脅威の高まりに対応して、彼女は 「文化的多元主義を守るために…ヨーロッパの人道的伝統の中で最も優れたものをすべてとり入れる 」反ファシスト運動の必要性を訴えている。

●この10年間で、極右の政党や運動の力、広がり、訴求力が恐ろしく高まっています。2011年のブレイビクの襲撃事件から、2017年のルペンのフランス大統領選への立候補、そして最近ではハヌアでの人種差別的な襲撃事件まで。しかし、これは新しい現象とは程遠いものです。あなたは、ヨーロッパには 「人種差別と権威主義の長い歴史がある 」と主張していますね。ヨーロッパ全体での右派の台頭を理解するのに役立つ、歴史的な背景を少し教えてください。

私は歴史家ではありませんので、ファシズムをめぐる活動や執筆活動の中で学んだことをもとにしています。

ヨーロッパの暗い過去は、通常、ナチスドイツやソ連の全体主義体制の観点からのみ理解されていますが、フランスやイギリスを中心とした植民地主義や、南ヨーロッパの独裁政権なども、ヨーロッパに長い影を落としています。

ナチス・ドイツやソ連を強調しすぎて、フランスやイギリスの経験を犠牲にすることは、我々の社会で中心的な地位を占めていた人々が犯した犯罪を忘れてしまうような、一種の歴史的近視を引き起こします。人種差別は、植民地時代と帝国時代の重要な組織メカニズムであり、南ヨーロッパの権威主義は、冷戦時代に西ヨーロッパの大国によって育てられました。アイルランド、バスク、カタルーニャなどの地域や民族自決運動の弾圧は、ヨーロッパの歴史の重要な部分を占めています。

1961年にパリで行われたフランスとアルジェリアの戦争に抗議した300人ものアルジェリア人が殺されたり、警察にセーヌ川に投げ込まれて溺れたりしたことも忘れてはなりません。

このように、ヨーロッパの歴史の中で極端な例外として描かれている2つの全体主義体制に焦点を当てることで、フランコのスペイン、(ゲオルギオス・パパドプロス)大佐政権下のギリシャ、サラザールのポルトガルにおける反共産主義の右派独裁政権に対する西欧列強の支援が見えなくなってしまうのです。また、戦後の人種科学や優生学プログラムへの継続的な熱意も記録から消えている(例えばスウェーデンでは、1976年までロマの女性に対する強制的な不妊手術が行われていた)。

私は、独裁政治、植民地主義、人種科学、優生学の遺産にますます興味を持っています。これを単なる歴史の問題としてではなく、「黄金の夜明け」に関する最近の記事で書いているように、この遺産は今も私たちの中にあると考えています。

独裁は、帝国と同様に、過去のものではなく、現在の私たちを支配する構造、政策、プロセス、政治文化にその痕跡を残す支配の構造です。

●21世紀の極右勢力にはさまざまな顔があり、その代表者はブリュッセルの欧州議会の廊下からヨーロッパ南部の国境のパトロールまで、どこにでも見られます。“extreme,” “far,” “hard,” “ultra”-rightの違いは何でしょうか。また、なぜこのような区別をすることが重要なのでしょうか?

誰もがナチスやファシストだと言うだけでは、効果がありません。彼らを本気で打ち負かそうとするならば、道徳的であるだけではなく、戦略的、戦術的である必要があります。

学者たちは、右翼をそれぞれの “ファミリー “という観点から研究しています。右翼のどのファミリー、傾向、異なるグループ、政党、組織から生まれてくるのかを理解することは重要です。しかし、学者は分類にとらわれる傾向があり、何が変化しているのかが見えてこないのです。私は『Europe’s Fault Lines』の中で、万華鏡のイメージを使って次のように論じています。「政党や傾向の形成と再形成は、万華鏡の中のガラスの破片の動きのようなもので、筒を回転させるたびに新しいパターンや形態をとる」。

私は、一見バラバラに見えるさまざまな選挙基盤が集まったときに生まれる新しいパターンを示すために、また、イギリスの保守党のようなかつての中道右派政党が極右のプログラムの要素を取り入れている様子をとらえるために、「強硬右派hard right」という言葉を使っています。

「極右extreme right」とは、伝統的な保守政党の右に位置する政党で、特に人種差別的な言葉やレトリックの使用をいとわず、民主主義の枠組みの中で活動し、選挙に参加し、暴力を主張するまでには至らない傾向にある政党を指します。

最後に、「極右far right」は、ごく少数の例外を除き、暴力を否定せず、その国のファシストやネオナチの過去とより密接に関連しているという点で、極右extreme rightとは区別されます。

1990年代以降、extremist政党は、社会の周辺部から中心部へと移動し、地方レベルでの権威を強化し、欧州各地の自治体や地域政府に権力基盤を確立してきました。私たちは、中心部と周辺部、そして極右extreme rightと新たに構成されたhard rightとの間の収斂と親和を目の当たりにしています。

●最近の著書の序文では、「今日の人種差別、ポピュリズム、ファシズムについて何が新しいのか、そして1930年代の古典的ファシズムと何が違うのかを発見したい」というニーズが執筆の動機になったと述べています。今日の人種主義、ポピュリズム、ファシズムについて何が違うのか、そしてこの違いを理解することがなぜ私たちの政治的組織化に重要なのか、説明していただけますか?

古典的ファシズムは、1930年代に国民国家間の帝国的な対立が激しかった時代に生まれました。今日では、国境を越えた資本の代理人となった国民国家の力がはるかに弱まっているため、状況は異なっている。古典的なファシズムも「国家の恐怖」によって運営されていましたが、今日の世界では、異論を唱える人々や過剰人口をテクノロジーによって選択的に抑圧することができるため、国家が大衆を見境なく抑圧する必要はなくなっているのです。

私たちが目にしているのは、警察が主導する、未登録の移民、多文化貧困層、黒人やますます増加する権利を奪われた白人に対する戦争です。忍び寄る流動化―テクノロジーを通じた政府―が舞台裏ですでに起きているために、型どおりの例外状態を設ける必要はもはやありません。

残念なことに、この「技術的フィックス」と権威主義的な漂流は、パンデミックによって激化しています。ロックダウンは、多文化が共存する地域での厳重な取り締まりをもたらし、ロマや移民のコミュニティは、対象を絞った隔離や軍事的な監禁区域に置かれています。国はこの危機を利用して、コロナウイルスのデータプラットフォームを構築し、警察産業複合体、特に移民局とつながりのある民間企業が、機密性の高い個人情報にアクセスできるようにしています。

ファシズムは、単なるイデオロギーや思想の集合体ではなく、人間の生活そのものに対する姿勢なのです。このような動きは、社会的、市民的、民主的な権利だけでなく、人間の尊厳をも脅かすものです。

なぜこれが組織化にとって重要なのか?私たちは、誰が最も抑圧され、最も監視されているのかを特定しなければなりません。国家権力の影響力は私たち皆に異なる影響を及ぼしていることを認識し、これに対応して行動し、社会で最も抑圧され、犠牲になっている人々を中心に組織化しなければならないのです。

最後に、私たちは、いわゆるナショナリストのたわごとを断ち切らなければなりません。国民国家の力が弱まっていることを理解すれば、これが偽のナショナリズムであることがわかります。hard rightはナショナリストを装っていますが、彼らはグローバリゼーションの恩恵を受けているグローバルエリートの一員です。ナショナリズムは、グローバルエリートの中での闘争という目的のための手段にすぎません。私たちはナショナリストの戦争を見ているのではありません。世界の舞台で影響力を競い合う、グローバリゼーションの対立軸を見ているのです。米国のヘゲモニーは衰退し、新たなヘゲモニー軸が形成されつつあります。

●先の質問に続いて、近年、政治的中道は「ポピュリズム」という言葉を使って、左派と右派の政治を非難しています。例えばイギリスでは、ジェレミー・コービンもナイジェル・ファラージもポピュリズムであると非難されています。しかし、これは政治的視点の重要な違いをなきものにしてしまう危険性があります。ポピュリズムという言葉は、今でも有効だと思いますか?新しいポピュリズムは必要ですか?

私はポピュリズムという言葉が好きではありませんし、ほとんど使っていません。ポピュリズムという言葉は、エリートが基本的に現状を維持するための強力なツールなのです。ジェレミー・コービンのプログラムは国際社会主義の要素を取り入れた社会民主主義的なものだったのに、彼をポピュリストと呼ぶのは馬鹿げています。ナイジェル・ファラージは右翼的な権威主義者で、ポピュリズムを手段として使っていますが、彼の政治は右翼的な権威主義の伝統にしっかりと根ざしています。

右翼的な文脈でポピュリズムという言葉を使うことにはまだ意味があると思いますが、私は「右翼ポピュリスト」と分類されるような政治的ファミリーを実際に見たことがありません。むしろ、ポピュリズムは権威主義のサブセットであると考えています。ポピュリズムとは、代表制民主主義の要素を排除しようとする極右勢力が採用する政治スタイルです。そのために、彼らは、民主主義の特定の側面を排除したいと考えているので、民意、フォルクvolk(民衆)、あるいは国民投票のより一層の必要性について語るでしょう。

実際、メディアで宣伝されている外国人嫌いのポピュリズムは、ネイティビスト(訳注1)の想像力の最悪の本能に訴えかけるように設計されているように思えます。その意味で、ポピュリズムは反民主主義的な動きの一部なのです。私は左翼的なポピュリズムを主張するつもりはありません。左翼は民主主義を放棄するのではなく、拡大するべきです。

●あなたは著作の中で、新自由主義、緊縮財政、そして右派のネイティビズムの受容の関係を指摘しています。どのようなメカニズムなのか、詳しく教えてください。

*写真キャプション:トリエステで行われたイタリアのネオ・ファシスト「CasaPound」のデモ。Photo by Erin Johnson / Flickr

欧州が中東やアラブ諸国での戦争を支援することで、イスラム教徒に対する敵対的なイメージが強まり、イスラム恐怖症が助長される一方で、世界経済のグローバル化や新自由主義の受け入れによって生じた不安感が、”自国民優先 “のネイティビズムを生み出す土壌となってきました。

EUが新自由主義を受け入れ、後には緊縮財政を導入したことで、加盟国レベルでも、強力な中核国がアジェンダを設定するEU内でも、欧州の権威主義が強化されました。

保守主義の主流の中にある超国家主義者の反乱によって強化された再構成されたhard rightが、ネオリベラリズムの宿敵を代表しているのか、それともその解決策を表しているのかは、決して明確ではありません。パンデミック前には、ナショナリズムとネオリベラリズムが融合し、少なくとも短期的には、EU加盟国の多くで政治文化の中心が非自由主義的な方向に向かうことが示唆されてましたが、これは移民への対応だけのことでありませんでした。しかし、逆説的ではありますが、パンデミックの発生により、この状況が変わりそうな兆しが見えています。人々は怯えており、市民的自由やロックダウンを破る権利に焦点を当てた far-rightの反応は、彼らが支持を失っていることを意味しています。全てがどうなるのか不確実なのです。

EUのポスト共産主義の国々では、民主化の名のもとに新自由主義的な市場改革が行われました。ここでは、共産党政権崩壊後に実施された「移行プロセス」の成果に対する広範な反発を利用して、権威主義的な右翼政党が躍進しています。

豊かな富と自由を約束する新自由主義は、もはや説得力のあるシナリオではなく、特に組織的な腐敗が政治プロセスの中で制度化されつつあリます。それゆえ、ナショナリズムの絆創膏や、反多文化主義や反移民のナラティブが心地よく感じられるのです。ハンガリー、ポーランド、スロバキアの主流の政治家たちは、権威主義、民族ナショナリズム、国民国家という使い古された言葉を口にし、19世紀風の社会ダーウィニズムや反ロマ、反移民の人種差別主義に口実を与えています。また、超富裕層のナルシスティックなライフスタイルに直面して、社会的コントロールを維持するために、カトリックやカルヴァン主義といった宗教の規律的な力が呼び覚まされてもいます。

新たな腐敗したエリートも、さほど新しくもない腐敗したエリートも、近代の移民をほとんど受け入れてこなかった国では、被害者感情を上手にあやつり、流入外国人が自国を占領するなどと言って恐怖 を煽りたてます。新自由主義の荒廃から国民を守ることができなかった自分たちの失敗や、今ではCOVID-19抑制の失敗した目を背けたあげくに中国叩きの口調が際だっています。

新自由主義のエリートたちは、かつては「地球村」の美徳を讃えていましたが、グローバル化をより愛国的で権威主義的な包装で包むことによって、ナショナリストの挑戦に応えようとしています。実際には、権威主義的な解決策は常に新自由主義の一面であり、その表面的なイデオロギーとは対照的に、その実践においてはナショナリストが構築可能なものが多くあります。弱者を処罰することは、ハンガリーの権威主義的ナショナリズム同様、イギリスの新自由主義にも内在しています。

ナショナリズム、ネイティビズム、軍隊精神、市民と移民の境界線の設定、イスラム教徒 を “内なる敵” に見立てた国家安全保障の約束、これらはすべて目的のための手段であり、市場―国家とともに成長してきた技術的な安全保障装置であり、この中で、民衆は自分で自分を取り締まることにひそかに手を染めているのです。この意味で、ナショナリズムは新自由主義との決別を表すものではなく、民主主義との決別を可能にする環境を提供しているのです。

●far-rightの武装勢力は、政治家、活動家、移民、難民、イスラム教徒などを攻撃したり、暗殺したりして、ますます殺傷能力のある武器をもつようになっています。あなたは ultra-rightの草の根の反乱」や 「人種差別の反乱」について書かれていますね。まず、ここで扱っている組織やイデオロギーの種類について説明してください。また、システムレベルでは安定と民主主義、ローカルレベルでは特定のグループや個人に対する脅威はどの程度のものなのでしょうか?

彼らの唯一の真のイデオロギーは人種差別と人種戦争です。しかし、この点において、彼らはインターネット上に出回っている様々な陰謀論を利用することが可能です。ユーラビアeurabiaから白人ジェノサイドGreat Replacementからオルタナティブ右翼の白人エスノナショナリズムや白人至上主義まで。

Ultra-rightの組織は、 far-rightの国境警備隊、組織化されたサッカーのフーリガン、コンバットスポーツグループ、 Autonomous Nationalists、アイデンティタリアンなど様々です。『Europe’s Fault Lines』の中で、私はultra rightは「流動的で、絶えず変化し、進化するシーンを構成している。その様々なイデオロギーの形成は、網の目のような関係でゆるやかにつながっており、音楽、サッカー、格闘技などの特定のサブカルチャーが提供する空間で、時には分裂し、時には集結する」と書いています。

国家がやるべきことをやっていれば、ultra rightは安定と民主主義の脅威にはならないはずです。ヨーロッパの国家は、ultra rightに対処するために簡単に展開できる膨大な力を持っていますが、問題はultra rightが彼らの視野に入っていないことです。その理由は、ultra rightの主な標的が国家や国家機関ではなく、少数民族だからなのです。

特定の国家体制にとって、このような非民主的な勢力は、危機の際には道具として頼ることができ、国家ができないような汚い仕事をするために利用することができます。しかし、その一方で、彼らは地域レベルで特定のグループや個人に対する脅威を増大させています。モスクやシナゴーグ、亡命者センター、ギリシャ・トルコ国境やギリシャの島々の人道支援者への攻撃が増えています。一つの人種差別が他の人種差別を引き起こすのです。このような状況は非常に憂慮すべきものであり、私が生きてきた中で、これほどまでに激しいものは考えられません。特に、ソーシャルメディアが緊張感を煽り、自警団の活動を短期間で動員する役割を果たしているためにそうなっています

●今日のヨーロッパでは、極右の武装勢力はどのような形で現れているのでしょうか?

ヨーロッパでは、政治的に組織化された、人種的な動機に基づいた明かに悪質な暴力が発生しています。それが最も顕著なのは、産業が空洞化した農業地帯であったり、港町や都市の保護・サポートの施設(lieux de vie)(訳注2)であったりするのですが、こうした場所では未登録の移民やロマの人々がキャンプをしたりする一方で、警察やfar-rightの自警団の残虐な暴力にさらされており、警察なのか自警団なのかの見分けがつかないことすらあります。

ザクセン州ケムニッツでネオナチ、サッカーのフーリガン、格闘技の狂信者の組み合わせによって追い詰められた「外国人」たちは、2018年8月にこの組織的暴力と警察の共犯関係を身をもって体験しました。ドイツ警察は2日間にわたって路上をほとんど統制できなかっただけでなく、連邦情報機関のトップであるハンス-ゲオルク・マーセンは、外国人排斥の暴力について「意図的な誤報」が流布されており、人種差別主義者が外国人を追い詰める様子を撮影したビデオは偽物であると訴えたのです。数カ月にわたってさらに扇動的な発言をした後、マーセンは解雇になりましたが、彼は依然としてアンゲラ・メルケル首相のキリスト教民主党のメンバーであり、首相の亡命政策に対する抗議として2017年に結成された党内グループ「Werteunion」の声高な支持者でもあります。

これはドイツだけの問題ではありません。ヨーロッパ全体で、警察や諜報機関は極右暴力の被害者を組織的に見殺しにし、ファシズムの成長と直接的または間接的に共謀しています。この共謀には、「陰謀を企てる、協力する」という積極的な意味と、「道徳的、法的、公式に」反対すべきことに「目をつぶる」「知らないふりをする」という行動の失敗の両方に理解されるなければなりません。

軍や警察の一部が極右勢力を支持している証拠は、明白です。英国では、軍人が極右テロリスト集団「ナショナル・アクション」に所属していたとして起訴されています。フランスでは、Jean Jaurès Foundationによる報告書「Who do the Barracks Vote For(兵舎は誰に投票するのか)」が、軍や準軍の存在感が強い地域でfar rightへの支持が高まっていることを警告しています。フランス議会のfar right に関する調査報告書の最初の提言は、far right グループに関与している軍人や元軍人の監視を強化することでした。

しかし、このような場当たり的な取り組みや遅々として進まない調査では、脅威のレベルに対応できません。当局は居眠り運転しているようなものです。ネオナチの「黄金の夜明け」がギリシャの警察や軍に深く組織的に侵入していたこと、その議員全員が現在アテネで裁判にかけられていること、そして最近ドイツで発覚した「Uniter Group」の陰謀について、警鐘を鳴らすべきだったのではないでしょうか?

ネオナチ政党「黄金の夜明け」は、クーデターを計画していた軍の精鋭部隊、国家情報局、反テロリスト特別部隊、移民警察、機動制圧部隊(Force of Control Fast Confrontation)などに侵入していたことが明らかになったときには、国会で第3党となっていました。

一方、Uniter Groupは、ドイツとオーストリアの現役・元兵士による極右ネットワークで、連邦軍の物資から武器・弾薬を盗み、Xデーに抹殺すべき政治家や左翼関係者のヒットリストを作成したとして捜査を受けています

●ヨーロッパには、人種差別や権威主義の長い歴史があるだけでなく、反ファシストや反権威主義の組織化の歴史もあります。ファシズムや外国人嫌いの暴力の復活に対して組織化することの重要性、どのような戦略や戦術を追求すべきか、そしてその目的は何か、あなたの見解を説明していただけますか?

民主主義の基本理念である文化的多元主義を守るためには、反ファシズム運動が必要ですが、それだけでなく、反人種主義的で、地域社会にしっかりと根付く必要があります。また、反ファシズム運動は、社会主義的な多元主義や左翼的な文化的民主主義の刷新の中心となり、ヨーロッパの人道的な伝統の中であらゆる最も優れたものを受け入れる必要があります。反ファシスト運動は、単にファシストに対抗して動員するだけではなく、ギリシャの反ファシストたちが主張するように、「私たちがどのような世界に住みたいかという政治的闘争であり、民主主義、連帯、社会正義のための闘いでもある」のです。

現在の反ファシスト運動は、1970年代の過去の抵抗運動の最盛期に比べて、人種的にもジェンダー的にもはるかにインクルーシブになっています。反ファシズムは、グローバルエリートが受け入れている多文化主義と機会の平等というおとぎ話のようなものに対するダイナミックな反撃として再浮上しています。

反ファシズムとは、進歩的で包括的なコミュニティに結集し、共通の敵に毅然と立ち向かう集団的な闘いです。しかし、現代の反ファシズムが新自由主義やファシズムに対する物質的・文化的な反撃として成長するためには、far rightに対する動員と、極右勢力を育てている制度や文化に対する批判を組み合わせなければなりません。私たちは、暴徒による暴力が発生するたびごとに、国レベル、ヨーロッパレベルで迅速に行動しなければなりません。

リズ・フェケテLiz Fekete

ロンドンのInstitute of Race Relationsのディレクターであり、Race & Class Journalの顧問編集者でもある。最新の著書は、『Europe’s Fault Lines: Racism and the Rise of the Right (Verso Books, 2019)』は、2019年のBread & Roses Award for Radical Publishingを受賞した。

訳注1:ネイティビズムnativism 。Liz Feketeは上記の著書のなかでこの言葉を「移民から生来のあるいはすでに定住している住民の利益を守るという考え方」と説明している。民族や人種といった概念を避けており、いわゆるレイシストと一括りにできない立場をとりつつ移民否定を主張する。エコロジストのなかにも移民は生態系に反すると主張して移民に反対する考え方がある。Alexandrer Reid RossはAgainst Fascist Creepのなかで、日本でも映画Endgameの原作者で知られているDerrick Jensenはネイティビズムの立場からメキシコ国境の閉鎖を主張したと指摘している。

訳注2:lieux de vie。wikipedia(フランス語)では以下のように説明されている。「家庭的、社会的、心理的に問題のある状況にある子供、青年、成人を少人数で受け入れ、個人的なサポートを提供する社会的または医療的な小規模施設のこと」

付記:読者の方から飜訳の不備をご指摘いただきました。いくつか重要な改訂を行いました。ありがとうございます。(2021年5月17日)

Far-Right Political Terror in Europe

Spotifyはスパイするな:180以上の音楽家と人権団体のグローバル連合が音声認識技術に反対の立場を表明

投稿日: カテゴリー: Technology声明、アピールなど文化監視社会

以下はAccessNowのウェッブに掲載された共同声明の訳です。コンピュータによる生体認証技術の高度化のなかで、アートや文化の世界でもAIへの関心が高まり、こうした技術が一方で深刻な監視や個人の識別と選別、あるいは収益源としてのデータ化への危険性がありながら、他方で、これを「面白い」技術とみなして遊ぶような安易な考え方も広がりかねないところにあると思う。監視を逆手にとったアート作品は最近も増えているが、こうした作品が果した監視資本主義を覆す力になっているのかといえばそうとはいえず、ギャラリー空間という人工的な安全な空間のなかで監視されるという不愉快な経験を参加型の表現行為に昇華させて文化的な快楽へと転移させてしまう。Apotifyが音楽でやろうとしていることはこうした文脈のなかでみる必要もあると思う。多くの音楽ファンがAIによる価値判断を肯定的に受け入れ、これを前提とした作品の制作や聴衆の選別を促すような音楽産業の商品生産によって、音楽文化そのものが既存の偏見を再生産する文化装置となる。こうしたことが音楽文化の周辺部である種のサブカルチャーとして登場しつつ次第にメインストリームにのしあがることで、支配的なイデオロギー装置の一翼を担うようになる。これまでのテクノロジーと文化がたどった途はこれだった。この途の初っ端で、まったをかける動きが登場したことがせめてもの救いだが、こうした動きに日本のアーティストがどのように呼応するだろうか。


Spotifyはスパイするな:180以上の音楽家と人権団体のグローバル連合が音声認識技術に反対の立場を表明
2021年5月4日|午前5時30分
Lea en español aquí.

本日、「アクセス・ナウ」、「ファイト・フォー・ザ・フューチャー」、「ユニオン・オブ・ミュージシャン・アンド・アライド・ワーカーズ」をはじめとする世界中の180以上の音楽家や人権団体の連合体は、スポティファイに対し、新しい音声認識特許技術を使用、ライセンス、販売、収益化しないことを公約するよう求める書簡を送った。

Spotifyは、この技術によって「感情の状態、性別、年齢、アクセント」などを検知し、音楽を推奨することができると主張している。この技術は危険であり、プライバシーやその他の人権を侵害するものであり、スポティファイやその他の企業が導入すべきものではない」と述べている。

2021年4月2日、Access NowはSpotifyに書簡を送り、同社に特許技術の放棄を求めた。2021年4月15日、SpotifyはAccess Nowの書簡に対し、同社が 「特許に記載された技術を当社の製品に実装したことはなく、その予定もない 」と回答した。

当連合体は、Spotifyが現在この技術を導入する予定がないと聞いて喜んでいるが、なぜSpotifyはこの技術の使用を検討していたのか、という疑問が生じる。仮にSpotifyがこの技術を使用しないとしても、他の企業がこの技術を導入すれば、Spotifyはこの監視ツールから利益を得ることができる。この技術を使用することは許されない。

Access Nowの米国アドボカシーマネージャーであるJennifer Brody (she/her)は、「Spotifyは、危険な侵襲的技術を導入する予定はないと主張しているが、それはほとんどごまかしにすぎない。」「同社が実際に人権保護へのコミットメントを示したいのであれば、有害なスパイウェアの使用、ライセンス供与、販売、または収益化しないことを公に宣言する必要がある」と述べている。

「手紙に署名したミュージシャンでFight for the FutureのディレクターであるEvan Greer (she/they)は、「訛りから音楽の趣味を推測したり、声の響きから性別を判別できると主張するのは、人種差別的でトランスフォビア的で、ただただ不気味だ」と述べていまる。「Spotifyは、今すぐにこの特許を使用する予定はないと言うだけでは不十分で、この計画を完全に中止することを約束する必要がある。彼らは、ディストピア的な監視技術を開発するのではなく、アーティストに公正かつ透明性のある報酬を支払うことに注力すべきだ」と述べている。

Rage Against the MachineのギタリストであるTom Morello (he/him)は、この手紙に署名し、「企業の監視下に置かれていては、ロックをプレイできない。Spotifyは今すぐこうしたことをやめて、ミュージシャン、音楽ファン、そしてすべての音楽関係者のために正しい行動をとるべきだ。」と述べた。

Speedy OrtizとSad13のメンバーであり、音楽家・関連労働者組合のメンバーであるSadie Dupuis (she/her)は、「不気味な監視ソフトウェアの開発に無駄なお金を使う代わりに、Spotifyはアーティストに1ストリームあたり1円を支払うことと、すでに収集している私たち全員のデータについてより透明性を高めることに注力すべきだ」と述べている。

「Spotifyは現在、この侵略的で恐ろしい技術を使用する予定はないという保証だけでは十分ではない。広告を提供し、プラットフォームをより中毒性のあるものにするために、彼らは特に性別、年齢、訛りなどで監視し、差別するための特許を申請した。Spotifyは、この技術の前提を完全に否定し、音声認識特許の使用、ライセンス供与、販売、収益化を絶対に行わないことを約束しなければならない」と、Fight for the Futureのキャンペーン・コミュニケーション・ディレクター、Lia Holland (she/they)は述べていまる。「私たちの世界的なアーティスト、パフォーマー、組織の連合体は、監視資本主義とそれが永続させる不正なビジネスモデルに嫌悪感と不安を抱いている。Spotifyは、音声認識のことは忘れ、その鍵を捨てなければならない」。

Access Now」と「Fight for the Future」が企画したこの書簡には、アムネスティ・インターナショナル、Color of Change、Mijente、Derechos Digitales、Electronic Privacy Information Center、Public Citizen、American-Arab Anti-Discrimination Committeeなどの人権団体が署名している。

署名したミュージシャンには、Tom Morello (Rage Against the Machine), Talib Kweli, Laura Jane Grace (Against Me!), of Montreal, Sadie Dupuis (Speedy Ortiz, Sad13), DIIV, Eve 6, Ted Leo, Anti-Flag, Atmosphere, Downtown Boys, Anjimile, illuminati hotties, Mirah Yom Tov Zeitlyn, The Blow, AJJ, Kimya Dawsonなど。


以下書簡の全文の訳です。

https://www.accessnow.org/cms/assets/uploads/2021/05/Coalition-Letter-to-Spotify_4-May-2021.pdf

2021年5月4日
Daniel Ek
共同創業者兼CEO、Spotify
Regeringsgatan 19
SE-111 53 ストックホルム
スウェーデン
親愛なるEk氏。
私たちは、最近承認されたSpotifyの音声認識特許に深く憂慮している世界中の音楽家や人権団体のグループとして、あなたに手紙を書きます。
スポティファイは、この技術により、特に「感情の状態、性別、年齢、アクセント」を検出して音楽を推薦できると主張しています。この推薦技術は危険であり、プライバシーやその他の人権を侵害するものであり、スポティファイやその他の企業が導入すべきものではありません。
この技術に関する私たちの主な懸念事項は以下の通りです。

感情の操作
感情の状態を監視し、それに基づいて推薦を行うことは、この技術を導入した企業が、ユーザーに対して危険な権力を持つことになります。

差別
トランスジェンダーやノンバイナリーなど、性別の固定観念にとらわれない人を差別せずに性別を推測することは不可能です。また、訛りから音楽の好みを推測することは、「普通」の話し方があると仮定したり、人種差別的な固定観念に陥ることなく行うことはできません。

プライバシーの侵害
このデバイスは、すべてを記録しています。監視し、音声データを処理し、個人情報を取り込む可能性があります。また、「環境メタデータ」も収集されます。これは、Spotifyが聞いていることを知らない他の人々が部屋にいることをSpotifyに知らせる可能性があり、彼らについての差別的推論に使用される可能性があります。

データセキュリティ
個人情報を取得することにより、この技術を導入した企業は、政府機関や悪意のあるハッカーの監視対象となる可能性があります。

音楽業界の不公平感の増大
人工知能や監視システムを使って音楽を推薦することは、音楽業界における既存の格差をさらに悪化させることになります。音楽は人と人とのつながりのために作られるべきであり、利益を最大化するアルゴリズムを喜ばせるために作られるべきではありません。

ご存知の通り、2021年4月2日、Access NowはSpotifyに書簡を送り、特許に含まれる技術はプライバシーやセキュリティに重大な懸念をもたらすため、放棄するよう求めました。
2021年4月15日、SpotifyはAccess Nowの書簡に対し、「特許に記載されている技術を当社の製品に実装したことはなく、その予定もありません」と回答しました。
Spotifyが現在この技術を導入する予定がないと聞いたことは喜ばしいことですが、なぜこの技術の使用を検討しているのかという疑問があります。私たちは、御社がレコメンデーション技術を使用、ライセンス、販売、収益化しないことを公に約束することを求めます。Spotifyが使用していなくても、他の企業がこの監視ツールを導入すれば、貴社は利益を得ることができます。この技術のいかなる使用も容認できません。
2021年5月18日までに、私たちの要求に公に回答していただくようお願いします。
敬具。

Artists: Abhishek Mishra The Ableist AGF Producktion OY AJJ Akka & BeepBeep And Also Too Andy Molholt (Speedy Ortiz, Laser Background, Coughy) Anjimile Anna Holmquist (Ester, Bad Songwriter Podcast) Anti-Flag Aram Sinnreich A.O. Gerber Ben Potrykus (Bent Shapes, Christians & Lions) The Blow Catherine Mehta Charmpit Coven Brothers Curt Oren Damon Krukowski Daniel H Levine DIIV Don’t do it, Neil Don’t Panic Records & Distro Downtown Boys Eamon Fogarty Elizabeth C ella williams Evan Greer Eve 6 Flobots Fureigh Generacion Suicida Get Better Records Gordon Moakes (ex-Bloc Party/Young Legionnaire) Gracie Malley Guerilla Toss Harry and the Potters Hatem Imam Heba Kadry Human Futility The Homobiles The Hotelier illuminati hotties Isabelle jackson itoldyouiwouldeatyou Izzy True Jacky Tran Jake Laundry Joanie Calem Johanna Warren Kal Marks Ken Vandermark Kevin Knight (Nevin Kight) Khyam Allami Kimya Dawson Kindness Kliph Scurlock (The Flaming Lips) La Neve Landlady Laura Jane Grace Leil Zahra Lemon Tree Records Liliane Chlela Liz Ryerson Locate S,1 Lyra Pramuk Making Movies Man Rei Maneka Marshall Moran Mason Feurer Mason Lynass – Twenty Ounce Records Mirah Yom Tov Zeitlyn of Montreal My Kali magazine Nate Donmoyer Nedret Sahin – Mad*Pow Nick Levine / Jodi Norjack not.fay OLVRA Paramind Records Pedro J S Vieira de Oliveira Phirany Pile Pujol Rayan Das Sadie Dupuis (Speedy Ortiz, Sad13) Sam Slick The Shondes Slug (Atmosphere) So Over It Sound Liberation Front Stella Zine Stevie Knipe (Adult Mom) STS9 Sukitoa o Namau Suzie True Taina Asili Talib Kweli Tamra Carhart Tara Transition Ted Leo Thom Dunn / The Roland High Life Tiffany, Okthanks Tom Morello Yoni Wolf

Organizations: 18 Million Rising AI Now Institute, NYU Access Now Advocacy for Principled Action in Government American-Arab Anti-Discrimination Committee (ADC) Amnesty International Article 19 Center for Digital Democracy Center for Human Rights and Privacy Citizen D / Državljan D Color of Change Conexo Creative Commons Uruguay Cyber Collective Damj, The Tunisian Association for Justice and Equality Datos Protegidos Demand Progress Education Fund Derechos Digitales Encode Justice Electronic Privacy Information Center (EPIC) Electronic Frontier Norway epicenter.works EveryLibrary Fight for the Future Fundación Acceso Fundación Huaira Fundación InternetBolivia.org Global Voices Gulf Centre for Human RIghts (GCHR) Heartland Initiative Hiperderecho Homo Digitalis Independent Jewish Voices INSMnetwork – Iraq Instituto Brasileiro de Defesa do Consumidor (IDEC). Instituto para la Sociedad de la Información y Cuarta Revolución Industrial (Peru) IPANDETEC Centroamérica ISUR, Centro de Internet y Sociedad de la Universidad del Rosario IT-Pol Denmark Japanese American Citizens League Kairos Masaar – Technology and Law Community Massachusetts Jobs with Justice Mawjoudin for Equality MediaJustice Mijente Mnemonic Mozilla Foundation National Black Justice Coalition National Center for Lesbian Rights National Center for Transgender Equality OpenMedia Open MIC (Open Media & Information Companies Initiative) PDX Privacy PEN America Presente.org Privacy Times Public Citizen R3D: Red en Defensa de los Derechos Digitales Ranking Digital Rights #SeguridadDigital Simply Secure Sursiendo, Comunicación y Cultura Digital SMEX Taraaz TEDIC Union of Musicians and Allied Workers Venezuela Inteligente X-Lab

Individuals: Caroline Sinders, Founder, Convocation Design + Research Gus Andrews, Digital Protection Editor at Front Line Defenders Jessica Huang, Fellow, Harvard Kennedy School Joseph Turow, University of Pennsylvania Professor and Author of The Voice Catchers Justin Flory, UNICEF Office of Innovation Michael Stumpf, Scholar, Systems biology Dr. Sasha Costanza-Chock, Researcher, Algorithmic Justice League Tonei Glavinic, Director of Operations, Dangerous Speech Project Valerie Lechene, Professor, University College London Victoria Barnett, Former Director of Ethics, Holocaust Museum