1968年―89年―そして世界と日本の現在を考える:分断の時代を越える2.2シンポ

1月12日(土)巧妙になる市民監視:私たちの対抗アクションは?+セキュリティの入門実践セミナー

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巧妙になる市民監視

私たちの対抗アクションは?
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◆お話 小倉利丸さん(盗聴法に反対する市民連絡会)

◆運動の現場から
★共通番号いらないネット(共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会)
原田富弘さん
★すべての基地にNOを!ファイト神奈川
木元茂夫さん・星野潔さん
★共謀罪、盗聴法などの運動体から
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◆日時:2019年1月12日(土) 15時30分〜18時
◆会場:かながわ県民センター301号室
◆資料代 500円
◆主催:監視社会を考える1.12集会実行委員会
盗聴法に反対する市民連絡会
共通番号いらないネット
住基ネットに「不参加」を!横浜市民の会
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共謀罪、秘密保護法、盗聴法改悪、共通番号制と監視立法が次々に成立しました。
2019年5月には天皇代替わり、2020年には東京オリンピックが開催されますが、
テロ対策の強化を名目にこれらの監視立法が私たち、市民活動の様々な自由(集会・
結社の自由)を脅かすようになってきました。

特に、共謀罪の成立を踏まえて、こうした監視への対抗手段、私たちがやれる市民のためのサイバーセキュリティなど、海外のアクティビストの実例などを紹介しながら、「仲間のセキュリティを守る」「市民みんなのセキュリティを守る」ことを通じて、言論・表現の自由や人権の確保を目指すために何をしたらいいのかを考えたいと思います。

一方、私たちも日常生活のなかでスマホや家電が便利なツールとして「安心・安全」のための監視機能を担うようになり、市民一人ひとりが監視する側にもなっていると思います。私たちの運動を広げていくために欠かせない、ケイタイやパソコンなどのコミニュケーションの道具の見直しから実践することも大切なライフスタイルの変革になるはずです。ご一緒に考えてみませんか。


この集会の終了後、同じ会場で、実際に自分達のネットのセキュリティの防衛について、パソコンやスマホを操作しながらの実践セミナーを開催します。

自分達の日常生活や活動の必需品であるパソコンやスマホを監視社会の脅威から少しでも守り、私たちのプライバシーの権利や市民的自由を確実なものにするための、誰にでも出来るちょっとした作業を参加した皆さんと実際にやってみます。お時間の許す方はぜひご参加ください。

◆日時:2019年1月12日(土) 18時30分〜20時30分

◆会場:かながわ県民センター301号室

会場費:カンパ

主催:盗聴法に反対する市民連絡会有志

連絡先:070-5553-5495 rumatoshi@protonmail.com (小倉)

ナビゲーター:小倉利丸

内容

・GmailやYahooメールなどや契約しているプロバイダーのウエッブメールはメール本文を含めて第三者に読まれるリクスがあります。暗号化されたメールサービスを使うことでこのリスクを回避します。日本語に対応し、パソコンでもスマホでも使えるスイスに拠点を置くProtonmailやドイツのTutanotaを紹介し、そのインストールや使い方を実際にやってみます。

・tuitterやLine、あるいはSkypeなどは、個人情報が第三者に取得される危険性があります。通話、ショートメッセージ、ビデオ通話などを暗号化して第三者による通信内容の取得ができないサービスにSignalがあります。このSignalをスマホのアプリとしてインストールしてその使い方を実際にやってみます。

・Torブラウザ。ウエッブにアクセスすることによって、アクセス先は多くの情報を取得します。こうした情報の取得をさせないでウエッブを閲覧できるTorブラウザをインストールして使いかたを実際にやってみます。 そのほか参加された皆さんの希望や意見をふまえて内容が変更されます。また、時間の制約もあるので、全てを行なうことができない場合もあります。ご了承ください。


(日程変更のお知らせ)2月5日に変更:5回小倉利丸著『絶望のユートピア』 (桂書房) を枕に 社会を変える夢を見るための連続講座

ATTACの『絶望のユートピア』 (桂書房) を枕に 社会を変える夢を見るための連続講座の日程を申し訳ありませんが、下記のように変更させていただきます。予定を組んでいただいていたかもしれません。ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。ご参加いただけるようであればよろしくお願いします。

なお本はお持ちでなくても構いません。また、当日購入される方は後払い、分割払いでお渡しします。

当日の参考資料「労働概念の再検討:労働の廃絶論をめぐって」 (下記のリンクからダウンロードしてください)
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/wp-content/uploads/2019/02/roudouhaizetu.pdf

新規の日程
2月5日(火)19時から
場所 ATTAC首都圏事務所
千代田区神田淡路町 1-21-7 静和ビル 1 階 A
地下鉄「小川町」B3出口。連合会館の裏手です。
https://www.mapion.co.jp/m2/35.69575861,139.76569319,16
事前に読んでくる必要はありません。1 話完結の 5 回連続。途中参加・途中欠席可。参加費は 500 円

テーマ:「労働概念の再検討」
資本主義批判のなかで「労働」批判は重要な柱です。伝統的な考え方では、主に資本による労働者の搾取を「剰余労働」、つまり利潤の源泉になる労働に焦点をあてて批判してきました。しかし、この考え方では、そもそも労働者が働くということの意味や、「具体的有用労働」と呼ばれる使用価値を形成する労働そのものに内包されている問題を正面から扱うことができませんでした。実は、人びとが自分の<労働力>を資本に売って生活することの最大の問題は、労働時間全体が資本の意志に従属せざるをえないということ自体にあります。働くことを倫理や道徳によって称揚する一方で、働くことの根源的な意味を資本主義が人びとに納得させたことは一度もありません。

しかも、伝統的な資本主義の製造業や農業の世界と違って、現代では、圧倒的に多くの人びとは、人間を相手に労働をしています。営業の仕事であれ、事務職であれ、医師や看護師であれ、教師であれ、あるいは家事労働であれ、労働の対象は人間(店の客、会社の同僚、患者、生徒、妻た夫や子ども)です。労働者は、資本の意志を内面化させながら、人の欲望や知識や感性をコントロールすることを労働にています。こうした社会は、かつての階級闘争のモデルのような物づくりの労働者の連帯の戦略では対応できない問題を抱えます。コミュニケーションが労働になった世界は、人びとの世界観や価値観からイデオロギーに至るまでを労働によって再生産する社会になります。

同時に、伝統的な資本主義の世界同様、人びとは分裂して相互に内的な関連性をもつことができない断片した時間を日々横断しながら過します。私的な生活空間と職場との間には有機的な繋がりは一切ありません。職場の仕事は「私」の人生や生活にとって賃金とリンクする以外に意味をもつものではありません。夫婦も親子も、異る生活時間をばらばらに過しながら「家族」という幻想を共有するような意識を構築します。ほとんど全ての人びとは、この支離滅裂な時間を「当たり前」のようにして暮せる精神性を資本主義は再生産するのです。この奇妙で異常な日常こそが「正常」とみなされる社会が資本主義であり、その核心部分に労働という「意味」を剥奪された行為が居座っています。

19世紀の資本主義は、それまで精神医学という新な領域を「病い」としてカテゴリー化し、更に心理学も発達するようになります。資本主義がメンタルな領域に固有の問題を抱えてきたことの表れですが、こうした問題を、資本主義批判=労働批判の文脈で議論することはあまり注目されてきませんでした。しかし、上述したように、合理的な一貫性のない日常の分断された時間がもたらす人びとの意識への深刻な傷の問題は、資本が組織化する労働に人びとが動員される構図と不可分なものといえます。

そしてまた、この分断された日常の不合理性は、ナショナリズムの基盤をもなすといえます。資本主義の合理的な世界がもたらした不統一な日常のなかで、そしてまた市場経済が強いる相互の競争のなかで、人びとが相互の共感を生み出すものとして、一体感を構築する仕掛けとして国民国家のイデオロギーが機能します。労働者は「国民」として再生産されるという構造は、教育から社会福祉まで一貫した前提をなします。こうして人びとは、支離滅裂で無意味な労働と私生活の時間を「国家」や「国民」の神話で埋めあわせられるような仕掛けが用意されます。労働の無意味さと国家の神話作用は、資本主義の表裏一体のものです。この意味で、階級闘争は、国家を越えることなしには、国民的階級闘争、つまりあの忌しい国家社会主義に収斂する危険性を孕むことになります。

当日はこうしたお話をすこしして、皆さんとの議論に時間をなるべくとりたいと思います。よろしくお願いします。

小倉利丸