主宰者からのお知らせ

弾圧に抵抗した100年前のアーティストたち――エロシェンコと宮城与徳と大杉栄

投稿日:
ふくおか自由学校から転載します。

tytle1.jpgアジア太平洋戦争前から戦中まで、活動家たちは国家権力側に監視され続けました。そんな弾圧のなか、したたかに抵抗をみせた二人のアーティストたちにスポットをあてます。盲目の詩人であるワシリイ・エロシェンコと、沖縄出身の移民青年画家・宮城与徳。更に、恋と革命に生きた大杉栄にもつながるのはアナキズム、そしてエスペラント語。100年前に描かれた言葉やキャンバスが現代に蘇り、希望が投射される時間です。

問題提起 小倉利丸(おぐら・としまる)さん
1951年生まれ。経済学者、評論家。富山大学名誉教授。
専門は現代資本主義論、情報資本主義論。監視社会に対する
批判的な視点から研究・発言を続ける。
著書に『絶望のユートピア』(2017年、桂書房)など多数。

日時   2018年 6月23日(土) 開場13:30、開演14:00、終了16:30

会場   あいれふ視聴覚室
福岡市中央区舞鶴2-5-1 あいれふ8F
福岡市営地下鉄空港線「赤坂駅」3番出口より徒歩約4分

定員   66名

参加費  一般 1000円   / 学生 500円

申込み方法こちら

PP21 Fukuoka Freedom School

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主宰者からのお知らせ

プロプライエタリ社会をハックする:セキュリティー・エデュケイション

投稿日:

当初、インターネットは社会を変える民衆のツールとして現れたように見えました。しかし、そのツールはどのような使い方も可能なものでした。猛威を振るう資本の流れは、ドットコムバブルを引き起こし、インターネットを資本に取り込んだのです。それは資本と政府が渇望する民衆管理のツールとして発展し始め、SNSの出現によってその能力は飛躍を遂げています。同時にインターネットの自由の保護に邁進する人たちも現れています。その最先鋒である「Electronic Frontier Foundation(電子フロンティア財団)」が進めるデジタル・セキュリティー・ラーニングサイト「Security Education Companion」を参照しつつ、そのノウハウを共有しましょう。

今回のセミナーの内容
・Security Education Companionの解説
・SNSの設定チェック(Facebookの設定)
Tailsの使い方(起動時に行う設定とデータの保存方法)
※PCとTailsのUSBをお持ちください。予備も用意します(USB代実費)。

日 時:2018年5月18日(金)19:00~21:00
場 所:素人の乱12号店|自由芸術大学
杉並区高円寺北3-8-12 フデノビル2F 奥の部屋
参加費:投げ銭+ワンドリンクオーダー
サポーター:小倉利丸、上岡誠二

監視社会

戦争を煽るJアラート

投稿日:

(転載に際しての前書き) 下記の文章は昨年(2017年)10月に執筆したものだ。丁度朝鮮半島情勢が緊迫していた時期に、戦争を煽る国内の動員体制の一貫としてJアラートに関心が良せられていた時期である。その後、朝鮮半島情勢の緊張が大幅に緩和されたにもかかわらずJアラートの体制が一貫して維持されている。こうした現状への批判の意味も含めて以下、文章を転載する。


現在日本政府が国内で対応している有事を前提とした「国民保護」を名目とした動員体制は、法制度の枠組も含めて、実質的には戦時動員体制といっていいものだ。この体制は、ポスト冷戦期のグローバル資本主義による旧社会主義圏と第三世界の統合過程がもたらした地域紛争と切り離せない日本の安全保障政策の変質に結果だが、その淵源は、1999年の周辺事態法に遡ることができる。「国民保護」は、2001年「同時多発テロ」を契機に日本が、対テロ戦争の参戦国として、主としてロジティクスの一端を担うことを鮮明にして以降の日米同盟の質的な変化に対応した国内体制の整備であった。法制度でいえば、2003年以降たてつづけに成立した武力攻撃事態対処関連法、有事法制関連法などだが、国民保護法(2004)もまた有事関連法に位置付けられて成立し、Jアラートはこの国民保護法を根拠として制度化された。

 

自然災害と戦争を同じ「災害」の枠組のなかで捉えて、「防災」という概念で一体化する動きは、国民保護法の制定以降顕著になってきた。そして、ここ数年、朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮と略す)によるミサイル発射実験のたびに、防災訓練などが、一気に戦争を前提とした戦災訓練へと転換してきた。毎年91日を防災の日として、この時期に繰り広げられてきた自衛隊、消防、自治体、学校、地域住民の防災組織やボランティア組織による防災訓練も、北朝鮮のミサイルへの対応を公然と掲げたミサイル防災の様相を帯びた。これまでも「防災」体制は、一貫していわゆる北朝鮮の脅威を口実として、治安維持の性格を色濃くもってきたが、昨年以降、戦争法制の整備とも連動して、自然災害に対する防災という建前をかなぐり捨てて、直截に戦争防災という様相を露骨に示しはじめたように思う。

 

通称「Jアラート」と呼ばれている全国瞬時警報システムは、消防庁が管轄しているにもかかわらず、実態として自然災害よりも治安維持を内包させた戦争対応といった性格を濃厚にもちはじめ、それに連動して消防そのものもまた、治安維持組織の性格を持ちはじめているようにみえる。

 

 銃後動員体制のインフラとしてのJアラート

 

Jアラートは、総務省消防庁側の配信設備で構成される送信局と、都道府県・市町村側の受信局で構成される。ミサイル発射など有事関連は、内閣官房から国民保護関係情報として発信され、気象庁からは気象関係情報が発信される。これらを消防庁が受け、通信衛星(SUPER BIRD B2)経由で各自治体などに配信する。その後、自治体などへの配信には、通信衛星に加えて、かの悪名高いマイナンバーカードの管理システムなどを担う地方公共団体情報システム機構が運営する総合行政ネットワーク(LGWAN)とインターネットの地上回線も加えられる。各自治体などの受信局設備でこれらの情報を受け、市町村防災行政無線、ケーブルテレビ、コミュニティFMなどに自動起動装置を介して住民に配信される。気象庁からは携帯電話会社を通じて、エリアメール、緊急速報メールが配信される。これを数秒から数十秒以内に実現しようというのがJアラートの目論見だ。

 

Jアラートと総称されているシステムは、実際にはいくつかの独立したシステムから構成されている。内閣官房からの「国民保護情報」と気象庁の災害情報それぞれが独立して有している監視と情報発信のシステム、これらを統合して運用する消防庁のシステム、通信衛星やLGWANなどを介して各自治体が受信するため受信システム、そして、この受信システムからの情報を受けて、情報の種別に応じた処理を行なうシステム、そして情報を受信すると自動的に起動して住民へ情報を配信するシステムなどに分けられる。これらのシステムは、誤作動やシステムの不具合がこれまでもあったように、決して単純な仕組みではない。

 

Jアラートの受信システムは、現在民間企業3社、センチュリー、理経、そしてパナソニックの寡占市場である。受信システムは、ミサイル発射などへのより迅速な対応のためという理由で、来年システム更新があり、パナソニックはこの市場から撤退すると言われており、将来的にはセンチュリーと理経の二者のみが受信システムを販売することになりそうだ。報道によれば現行機種は19年度以降、現行の受信システムは使用できなくなるというから、全ての自治体はシステムの更新投資を余儀なくされる。売り手にとっては、極めて旨味のあるビジネスになる。これまでも全ての市町村にもJアラートを配備するために、国の全額補助などが行なわれてきているので、受信システムメーカーの利権は大きい。適正な価格での市場競争などありえようもない寡占市場だから、まさに戦争や危機で越え太る死の商人が、戦場の兵器だけでなく、銃後の動員体制でも遺憾無く発揮されているといえそうだ。

 

災害から戦争対応へ

 

Jアラートは、設置当初自然災害への緊急避難対応を主とする位置付けだった。瑣末なことのようにみえるが、消防庁はこのシステムを立ち上げる際に「全国瞬時警報システム(J-ALERT)は、津波警報や緊急地震速報、緊急火山情報や弾道ミサイル情報といった対処に時間的余裕のない事態が発生した場合に、通信衛星を用いて情報を送信し、市町村の同報系防災行政無線を自動起動することにより、住民に緊急情報を瞬時に伝達します。」と述べていた。(『全国瞬時警報システム(J-ALERT)についての検討会報告書、実証実験結果及び標準仕様書』2006)

 

ところが最近では「弾道ミサイル情報、津波警報、緊急地震速報など、対処に時間的余裕のない事態に関する情報」というように弾道ミサイルがまずトップに表示されるようになった。いわゆる武力攻撃や有事といった事態で想定されている項目がいくつかあり、航空攻撃情報、ゲリラ・特殊部隊攻撃情報、大規模テロ情が列挙されているが、ミサイル以外の他の項目が「攻撃」を想定しているのに対して、弾道ミサイルに関してだけは「攻撃」の文言がない。そのためにミサイルに関しては、実験であれ演習であれ、攻撃でなくとも攻撃同様の緊急避難の体制をとることになる。このセコい制度上の些細な文言に、実はこのシステムの本質が図らずも露呈している。すなわち有事に対応するための、避難と動員を一体化させて、この枠組に地域住民の草の根の組織から巻き込むということである。そして、実際に、攻撃とも言い難いミサイル発射をあたかも「攻撃」ともみまがう不安と恐怖を煽ることで北朝鮮への敵意を醸成するための格好の口実として利用してきた。こうした動きに、冷静な状況判断をなすこともなく、自治体や企業が半ば自発的に巧妙に同調してきたといえる。

 

他方で、Jアラートでは、原発への攻撃や火災は想定されていても、現実に最も可能性の高い原発事故については例示すらされていない。自然災害と国民保護法が前提している武力攻撃事態のいずれにも該当しないからなのだろう。これまでの災害の実害からすれば、原発事故は地震とも連動する最も深刻な被害をもたらし、繰り返し人災としての事故を起してきたにもかかわらず、まるで原発事故など皆無であるかのような対応である。消防機関と原子力事業者との消防活動に関する連携強化のあり方検討会の「消防機関と原子力事業者との消防活動に関する連携強化のあり方検討会報告書」(http://www.fdma.go.jp/neuter/about/shingi_kento/h28/renkei_kyouka/houkoku/houkoku.pdf)をみても、原発火災を中心とした対応しか検討されていない印象が強く、とうてい東日本大震災と原発事故を正面から総括しているとはいいがたい。火災や自然害とは全く無関係といってもいい「国民保護」への消防庁の力の入れようはかなり異常なものと映る。まるで自衛隊や警察と一体となった治安機関であるかのようですらある。

 

ミサイルによる被害よりも交通事故で死亡する確率の方が格段に高いにもかかわず、この異常な危機の扇動は、言外に、日本の世論を感情に北朝鮮敵視へと誘導することになる。戦争に踏み切ることをより容易にし、改憲を必要とする立法事実を演出する上で、Jアラートは格好の舞台装置となっている。

 

戦争を回避不可能な天災とする発想

 

「国民保護」は、外部からの武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態(武力攻撃事態)と、武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態又は当該行為が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態(緊急対処事態)に分けられている。武力攻撃事態の例示としては、着上陸侵攻、ゲリラ・特殊部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空機による攻撃などであり、緊急対処事態の例示としては、原子力事業所等の破壊、石油コンビナートの爆破等、ターミナル駅や列車の爆破等、炭疽菌やサリンの大量散布等、航空機による自爆テロ等が挙げられている。(消防庁国民保護室「国民保護のしくみ」、消防庁ウエッブサイトから)こうした事態を一括して「武力攻撃災害」という珍妙な命名で「災害」と位置付けている。こうして戦争はあたかも天災であるかのように扱われることになる。

 

災害には幅広い意味があるが、災害基本法では異常な自然現象又は大規模な火事など自然災害を指すものとして定義されていた。こうした定義が明らかに、1990年代以降変質した。自然災害そのものも文字通りの意味で「自然」に起因するとはいえない事態であることは、気候変動が深刻化したり自然破壊という人為的な原因を抜きには語りえないことは明らかとはいえ、武力紛争や戦争は、意図的に災害をつくりだすことを目的とした行為であって、意図せざる副作用などといったものではない。にもかかわらず、台風のような自然現象は避けることができないように、戦争もまた避けようのない事態であるかのような認識を前提とした制度が国民保護法制なのである。

 

国民保護法制には、救援、救助、避難などについて国民への協力要請と称する事実上の動員の心理的な圧力も明文化され、地域防災組織やボランティア団体への支援もまた定められている。Jアラートは、こうした「国民保護」法制の枠組のなかで、これを具体的に実施する上で、必要になる緊急避難などの行動へと住民を誘導するためのインフラであるが、同時に、このシステムは、繰り返し避難訓練などにも用いられたり、今回の北朝鮮ミサイル発射に際しても発動されるなどを通じて、ある種の積極的な参加型プロパガンダの手段としても機能している。人々は、日常的に、マスメディアなどを通じて、北朝鮮への敵視感情が繰り返し醸成されるような環境に置かれているが、こうした受け身の態度からJアラートは必要な行動へと人々を促す効果をもつ。

 

実際、官民あげてのヒテリックなミサイル恐怖症を煽るような行動がとられてきた。JR東日本は列車を止め、文部科学省は、ミサイル発射の度に自治体の教育委員会を通じて小中学校など教育機関に注意喚起の通知を出し、一部の学校では休校などの措置がとられた。そして自治体レベルでのミサイル発射を想定しての避難訓練が頻繁にみられるようになってきた。

 

戦争を煽るJアラート体制への抵抗

 

北朝鮮のミサイル発射に対して、この国の住民たちに与えられた選択肢は、戦争を前提とした避難だけで、戦争を回避するという最も重要な選択肢は―あたかも台風が避けられないのと同じように―最初から放棄させられている。政府は、憲法が義務づけている国民の財産と安全を確保するために必要な措置をとっているかのような装いをとって、防災体制を正当化するが、むしろ戦争を煽る効果に軸足がある。というのも、政府はもっぱら北朝鮮に対する人々の不安感情を煽ることによって、軍事的緊張を正当化することしかしていないからだ。国民保護法制そのものが戦争(武力攻撃事態)を想定しての体制であるから、相手国にとっては、戦争を挑発されているに等しく、戦争準備のための国内体制であると解釈されてもおかしなこととはいえない。こうなればなるほどますます軍事的な緊張が高まることになる。しかも、「国民保護」の名目は、あくまで攻撃の主体は北朝鮮など他国であって、日本は一切の武力行使の挑発行為には加担していないかのポーズをとることのよって、正義の仮面を被りつづける。しかし、現実の東アジア情勢を客観的にみれば、朝鮮戦争の休戦以降、米軍は朝鮮半島から撤退せず、韓国と日本の米軍が恒常的に北朝鮮に対して挑発的な軍事演習などを行ない、日本もまた戦争のロジスティクスの一端を担ったり、あるいは偵察衛星を打ちあげるなどの挑発を繰り返してきた。挑発は双方にあるにもかかわらず、、日本のメディアは日本や米国の挑発を挑発とは報じない。東アジアからの米軍の撤退なしに北朝鮮に核の放棄を迫ることが地域の紛争解決をもらすとはとうてい思えない。

 

だから、本来、平和を希求する人々がこのような国民保護法制の制度に組み込まれることを拒否する態度をとることが重要なのだが、地域でも職場でも、徐々に国民保護体制への巻き込みが進んでいる。たしかに、現状では、Jアラートは半分笑い話のようでもあり、各自治体などのミサイル避難訓練や学校の休校措置なども、過剰反応ではないかという素朴な実感をもつ人々も少なくないが、こうした動員体制は、マニュアル化され、各組織ごとに詳細な防災計画が策定され、担当者が置かれることによって、動員が「仕事」とされ、万が一被害があったときの責任問題を恐れて、各組織ともに過剰な同調行動ばかりが促されて、こうした危機扇動体制への疑問や批判の意思表示すら抑え込まれる雰囲気が蔓延しはじめている。他方で「北朝鮮は何をしでかすかわからない国」という「話し合ってもムダ」とい感情的な嫌悪と不安の感情も広くみられるように思う。こうした感情がヘイトスピーチや排除だけでなく、文字通りの「戦時」となれば、暴力的な敵意にすらなる危険性がある。米国は真珠湾攻撃の後、本土への攻撃はなかったものの、米国在住の日本人をことごとく収容所に収容したように、具体的に目の前には危険な事態などなくとも、排除と敵意は、権力者が煽る不安に支えられて拡大する。その結果として、レイシズムをナショナリズムの名において正当化するような事態が起き、敵対的な感情の対立が、東アジア全体の民衆相互の分断ばかりか、国内の民衆相互の分断と敵対関係を形成し、こうした事態が治安維持活動に口実を与え、警察権力の肥大化に帰結する。こうし一連の動きにJアラートのようなアクティブ型の動員・誘導のシステムは最も効果を発揮してしまうかもしれない。

 

武力攻撃事態や有事への対応などという事態を想定することが現実主義的な政策対応だという誤った考え方がある。しかし、いかなる意味においても、国家が軍事力に依存した解決を図るとき、人々の安全が保障されたためしはない。この列島に暮す人々の安全と安心を確保するための必要条件は、この地域の軍事的なリスク要因を除去すること以外になく、それは、この地域からの米軍の撤退と日本国家の非武装という戦後のラディカルな平和主義が掲げた原点を堅持すること以外にない。どのような事態になろうとも、私たち一人一人が、政府の政策や思惑への同調を拒否して、武力行使は私たちの選択ではないという立場を堅持するという反戦平和運動の原則が再確認されるべきだろう。

(初出『季刊・ピープルズプラン』78号 2017年11月)

 

主宰者からのお知らせ

集会ご案内:5月12日(土)「安倍改憲」と「祝・明治150年」問題

投稿日:

手前味噌ですいません。以下、主催者からの案内を転送します。
お近くの方は是非いらしてください。わたしは憲法学者ではないので憲法
学的な話は一切しません。(できません) 突っ込みどころ満載な話しにな
ると思います。

2018年度 第1回「集い」 ご案内
「安倍改憲」と「祝・明治150年」問題
「安倍改憲」の強い意欲と、この「明治150年記念」キャンペーンをつなぐ串刺しは何?何やらら「におい」を感じませんか?
憲法記念日後ですが、論説・問題点指摘をいただき、共に考え交流してみませんか。
ぜひ、ご参加を!
■日 時 5月 12日・土  13:30~16:30
■場 所 市川市文化会館(下図参照) 第5会議室
■お 話 小倉利丸さん (富山大学名誉教授)
<プロフィール> 1951年~  東京都生れ 法政大学卒 東大大学院経済学研究科中
退 経済学者(現代資本主義論) 現代社会論研究者 教育者 評論家
富山大学経済学部教授(2005年~)
(著書)「多様性の全体主義・民主主義の残酷 9・11以降のナショナリズム」(2005年 インパクト出版社)「抵抗の主体とその思想」(2010年 インパクト出版社)  <共著>「東アジア 交錯するナショナリズム」(2005年 社会評論社) <編著>「危ないぞ!共謀罪」(2006年 樹花舎)

◇資料代   500円     4/19現在、安倍首相(内閣)の
「行政私物化」汚濁、官邸一強に蠢く財務省の「忖度政治」、防衛省の
「公文書」隠蔽他のモラルハザード等が、自浄作用の力なく多くが外部か
らの指摘が風穴を開けるという無様を晒し、「内閣総辞職も時間の問題」
との声も上がる情勢に。その渦中の安倍首相が政治的意欲を燃やし続ける
「憲法改悪」のタイムスケジュールが公表され、とりわけ「9条改悪」
(「新安保法制」下の現自衛隊の明文化)の是非が、私たち国民ひとりひ
とりに問われようとしています(国民投票)。安倍首相の「改憲」論拠は、
一貫して「戦後レジュームからの脱却」(=押し付けられたとする現「日
本国憲法」の否定)にあり、その基本理念は2012年の「日本国憲法改
正草案」に如実であり、「明治憲法」復活を想起させる内容と言えます。
その一方で安倍政権は今年、大々的な「明治150年記念事業」を計画し
ているといいます。官邸HPには「明治以降の歩みを次世代に残すことや、
明治の精神に学び日本の強みを再認識することは、大変重要なことです。」
「次世代を担う若者にこれからの日本の在り方を考えてもらう契機とす
る。」などとあります。

主催・戦争はいやだ!市川市民の会

共謀罪

声明 知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議による「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」に反対する。

投稿日:

以下、JCA-NETの声明を転載します。海賊版サイトへのブロックの問題はこの声明のなかで指摘されていますが、こうしたブロックが公権力とプロバイダーによって恣意的に行なえる土台が構築されかねない極めて危惧すべき政策だと考えます。


声明
知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議による「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」に反対する。
2018年4月23日
JCA-NET理事会
東京都千代田区外神田3-4-10 神田寺ビル4階D
問い合わせ先
小倉利丸(理事)
toshi@jca.apc.org

4月13日、政府の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議は「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策(案)」を公表した。(以下「緊急対策案」と呼ぶ)

この緊急対策案は「昨今運営管理者の特定が困難であり、侵害コンテンツの削除要請すらできない海賊版サイト(例えば、「漫画村」、「Anitube」、「Miomio」等のサイト。)が出現し、著作権者等の権利が著しく損なわれる事態となっている」と現状を分析した上で、「インターネット・サービス・プロバイダ(lSP)等による閲覧防止措置(ブロッキング)を実施し得る環境を整備する必要」を提言するものになっている。

「緊急対策案」は、ブロッキングが憲法第21条第2項、電気通信事業法第4条第1項に定められている「通信の秘密」条項を「形式的に侵害する可能性がある」こと、また憲法21条の表現の自由への影響を「懸念」するとした上で、敢えて刑法でいう緊急避難(刑法第37条)に該当する案件であるとして、「違法性が阻却」されるという立場をとった。

JCA-NETは、この緊急対策案に対して明確に反対の態度を表明するとともに、この緊急対策案の撤回と、ブロッキングを合法化する法整備に反対する。以下、その理由を述べる。

(1)憲法で保障されている私たちの権利を侵害する政策であること。「緊急対策案」は、政府が自らの政策の策定によって憲法に保障された基本的人権を制約できるという憲法理解を前提にしている。政府は、憲法が定めている私たちの基本的人権としての通信の秘密や言論・表現の自由を尊重すべき義務を負うにもかかわらず、むしろ、その義務を放棄し、逆に私たちに権利の放棄を強いるものである。「海賊版」問題が現在いかなる状況にあろうとも、私たちの通信の秘密や言論・表現の自由を制約する理由にはならない。

(2)ブロッキングはアクセスの犯罪化に道を開きかねない。「緊急対策案」は、いわゆる「海賊版」サイトの閉鎖やコンテンツのアップロードの犯罪化ではなく、アクセスするユーザをブロックという手段を用いて事実上の行政処分と同等の効果を持たせようとしている。海賊版対策としてウエッブサイトを停止させる強制措置は、米国で2011年にSOPA法案(Stop Online Piracy Act、海賊行為防止法案)として立法化が図られたが、検閲に反対する大規模な運動が国際的に起き、頓挫した経緯がある。日本政府はこの経験を踏まえて、米国などに拠点を置くサイトを標的にするのではなく、日本国内のユーザをターゲットにしてその権利を制限する措置にでた。日本政府に従順なISPと市民的自由の権利意識が低いこの国のユーザたちなら容易に飼い馴らせると踏んだに違いない。なんとも馬鹿にされたものだ。日本のユーザは怒らなければいけない。アクセスは権利であり犯罪ではない。アクセスのブロックこそが憲法に保障された権利を侵害する権力犯罪である。

(3)ISPに違法行為を行なわせ、政府の管理下に置く政策である。「緊急対策案」は、ブロッキングをISPなど「あくまで民間事業者による自主的な取組として、民間主導による適切な管理体制の下で実施されること」としているが、これはISPを政府の管理・監督下に置く体制を構築することになる。ISPは憲法と電気通信事業法が保障している私たちの通信の秘密を遵守する責任を負う。ISPが逆に、この責任を放棄させられて通信の秘密を侵害し検閲行為を行なうことになれば、明かな違法行為の当事者となる。政府公認の犯罪がまかり通ることになる。ISPはユーザのプライバシーや通信の秘密を技術的にも保障すべきであり、政府の検閲の手先となるような政治的な圧力に屈するべきではない。

(4)ネットアクセスの監視を恒常化させ、自由なコミュニケーションを阻止することになる。サイトブロッキングでは、ネットのサイトアクセスをISPが監視し、違法性のあるコンテンツへのアクセスを検知した場合に、当該サイトへのアクセスをブロックすることになる。ISPは常時ユーザの行動を監視する一方で、アクセス先のコンテンツの違法性を判断してブロックを実施する。どのサイトを違法と判断するのかを個々のISPに委ねることは現実的ではないから、結局は政府が著作権等の業界団体を巻き込みながら、違法サイトの判断において主導権を握ることになるだろう。個々のISPは、政府や業界団体の指導のもとでユーザを監視する役割りを強いられる。このような体制のなかでユーザは、常に契約先のISPに監視の目に不安が感じなければならず、ネットにおける自由なアクセスやコミュニケーションを阻害されるようになるのは明かだ。

(5)ISPはユーザのプライバシー情報を政府に提供する目的で保有せざるをえなくなる。通信の秘密を保持するために、ISPは必要のないユーザの個人情報を保持すべきではない。しかし、ブロッキングが実施されることになれば、ISPは将来の訴訟等を前提にしてユーザのアクセスログなどを蓄積しなければならなくなる。しかも、このプライバシー情報は、政府や捜査機関等に開示することを目的として保持するということになる。言論・表現の自由は権力に対してプライバシーの権利、コミュニーションの自由が確立していることが大前提である。政府によるプライバシー情報の把握体制は、この前提そのものを崩すことになる。

(6)監視のない自由なコミュニケーション技術もまた規制される可能性がある。この制度が実効性をもつためには、ISPがユーザの行動を把握できないような技術をユーザーが用いることを規制する方向へと向いかねない。VPNの利用や端末間(エンド・ツー・エンド)の暗号化された通信、アクセス先を秘匿できるネットワークサービスなどがことごとく規制される恐れがあるなど、政府が把握できないようなユーザのネットでの行動が網羅的に規制されるか違法とされる恐れがある。

(7)より一般的なサイトブロッキングに道を開く危険性がある。サイトブロッキングはこれまで児童ポルノに限定されてきたが、それが今回は「海賊版」に拡大されたのであって、こうした規制拡大の傾向を踏まえると、サイトブロックの手法が今後も更に拡大される可能性があると言わざるをえない。「緊急対策案」は、当面の措置として、「『漫画村』、『Anitube』、『Miomio』の3サイト及びこれと同一とみなされるサイトに限定してブロッキングを行うことが適当」としているが、将来はこの限りではない。政府は、刑法の緊急避難条項を拡大解釈し、司法の判断も立法措置もなしで、政府が独断で違法と判断したサイトへのアクセスをブロックできるとした。これは、緊急避難条項の拡大解釈であり、法の支配をないがしろにする行政府の明かな暴走である。現政権は、権威主義的な改憲、秘密保護法、安保関連法制などの戦争法制、盗聴法の改悪、共謀罪新設、2020年の東京オリンピックを念頭においてのサイバーテロ対策など、立て続けに人権をないがしろにする法律や政策を打ち出している。共謀罪のようなコミュニケーションの犯罪化の法律を念頭に入れたとき、また世界各国の独裁的権威主義的な政府のネット規制の現状を踏まえたとき今回の海賊版問題への対処と同様の手段を用いて、違法行為の疑いを理由に、政府への異論や反対運動がブロックされる恐れがある。

(8)「緊急対策案」は政府の人権侵害を正当化し、憲法をないがしろにする法制度への道を開く。政府などの公権力による干渉や監視によって、その自由が侵害される危険性がどこの国でも高まってきている。インターネットにおけるコミュニケーションの自由は、ISPが通信の秘密を遵守しユーザのプライバシーの権利を最優先とすることでその自由なコミュニケーションが保障されるものだ。しかし、この体制は、公権力による介入や干渉に対しては脆弱だ。「緊急対策案」はまさに、コミュニケーションの自由を侵害する典型的な公権力による介入である。緊急対策として導入された制度が既成事実となり、それが立法事実としての口実を与え、結果として憲法をないがしろにする法制度を正当化する恐れがある。このような一連の流れに道筋をつけさせないためにも「緊急対策案」には断固として反対する。

以上の声明は下記を参考にして作成された。

知的財産戦略本部
第4回 検証・評価・企画委員会『模倣品・海賊版対策の現状と課題』内閣府 知的財産戦略推進事務局
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2…
「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」(案)(概要)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/180413/siryou1.pdf
「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」(案)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/180413/siryou2.pdf
インターネット上の海賊版サイトに関する進め方について別ウィンドウで開きます
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/180413/siryou3.pdf

各団体が出した声明
一般社団法人インターネットユーザー協会
主婦連合会
「政府による海賊版サイトへのブロッキング要請に反対する緊急声明」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1804/11/news113.html

一般社団法人インターネットコンテンツセーフティ協会
(理事団体)
一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会
一般社団法人テレコムサービス協会
一般社団法人電気通信事業者協会
「著作権侵害サイトへのブロッキングに関する声明」
http://netsafety.or.jp/news/info/info-026.html

一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構
「インターネット上の漫画海賊版サイトのブロッキング要請に対するEMAの意見」
http://www.ema.or.jp/press/2018/0411_01.pdf

情報法制研究所(JILIS)
「著作権侵害サイトのブロッキング要請に関する緊急提言の発表」
https://www.jilis.org/pub/20180411.pdf

共謀罪

私たちのサイバーセキュリティを! 共謀罪で萎縮しないための実践セミナー

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以下の文章は4月2日に開催された同名の集会で配布したものです。発言の機会を与えてくださった主催者に感謝します。

1 はじめに

共謀罪反対運動は、下記のような批判を共謀罪に投げかけてきました。

「普通の市民団体や組合が組織的犯罪集団に!!
政府・法務省は、共謀罪はテロリスト集団や組織的犯罪集団が対象であり、普通の団体には適用されないといっていますが、これはウソです。法案には組織的犯罪集団とはどういう集団なのかなどの規定はありません。市民団体、組合、会社などの団体のメンバーが一度共謀したと判断されればその団体は組織的犯罪集団とされます。共謀罪は思想・意見・言論を処罰し、結社=団体を規制する、現代の治安維持法です。(2017年4月6日 日比谷集会呼びかけ)」

わたしは、こうした反対運動が提起した共謀罪反対の危惧を、共謀罪推進側が言うような、単なるプロパガンダだとは考えていません。皆さんもまたそうだと思います。わたしたちが市民的な自由や人権のために闘えば闘うほどわたしたちは組織的犯罪集団とみなされることになる。そうした環境のなかにいるのだ、ということを冗談でも誇張でもなく受け止めて、闘い方に創意工夫をこらすことが必要になってきたのです。

1.1 治安維持法の時代との違い

共謀罪は治安維持法の再来として批判されてきましたが、実態は戦前とはかなり違ってきています。特に、インターネットなどのコンピュータを介したコミュニケーションが与える影響は戦前にはないものです。実世界の私たちの行動にへばりついて、四六時中監視することはさほど意味のあることとは考えられません。私たちがどこにいるのかは、尾行しなくても常時持ち歩くスマホのGPSが教えてくれます。車に載ればNシステムが追跡する。ネットのメールやSNSでのコミュニケーションは通信事業者のログでほぼ把握できます。ウエッブで内閣、警察、自衛隊から企業までどこをチェックしても、必ず相手のサーバはこちらの行動を伺う技術を持っています。街中の監視カメラも次第に、ネットワーク化され、顔認証システムが搭載され、データベースと連動するようになっています。

膨大なデータを処理するのも人間ではなくコンピュータです。たった1ギガのメモリに日本語A4で40万枚から100万枚もの文書が収録できるのです。8ギガのメモリがたったの1000円程度です。しかも、政府やマスコミが警鐘を慣らす「サイバー攻撃」なるものの攻撃者になっているのは、どこの国でも政府、警察、軍隊であり、その攻撃の的は国内にいる反政府運動活動家や人権活動家なのです。

1.2 共謀罪でどのようにリスクが拡大したか

共謀罪は思想・信条を処罰する法律です。共謀罪の処罰を恐れて、私たちが思想・信条を曲げたり、反政府運動から撤退するようなことがあってはならないわけですが、同時に、共謀罪の成立によって、従来であれば違法とはみなされなかった事態が違法とされるために、捜査機関による捜査や検挙といった弾圧の可能性が拡がったことも事実です。共謀罪が前提にしているのは、会議などの議論が政府にとって不都合な異議申し立てや反政府運動などに繋ることを恐れています。他方で私たちは、行動の正当性を確保するために、仲間や多くの人たちと議論を重ね、合意を形成する過程を大切にしなければなりません。

もし、捜査機関などが、共謀罪の捜査を口実に、私たちの会議や議論の場に同席することがあるとしたら、私たちはそれでも自由な議論ができるでしょうか。言うべきことも言えなくなって沈黙する人、会議などにそもそも参加することを躊躇する人、権力の顔色をうかがいながら権力におもねるような発言をする人など、議論そのものが自由であることを阻まれて歪められるのではないでしょうか。もちろん、警察がいようといまいと、検挙される危険があろうとも、自由に自分の意見を言えるタフな人もいるに違いありません。しかし、多くの人々はそれほどタフではないのではないかと思います。

1.2.1 匿名であることの大切さ

たとえば、選挙の場合を考えてみましょう。私たちの社会では思想・信条の自由が憲法で保障されているにもかかわらず、選挙で誰に投票したのかを人に知られないように無記名で投票します。なぜ正々堂々と自分が誰に、あるいはどこの政党に投票したのかを言えないのでしょうか。自分の思想・信条を自由に表明し、その結果としていかなる意味でも社会的な不利益を被ったり差別や偏見にさらせれない社会ができない限り、無記名投票は民主主義を支える重要な条件です。「匿名」であることが自由を保障する重要な前提条件であるということは、選挙だけでなく一般に言いうることです。

あるいは、マイナンバー制度のように個人のプライバシー情報を網羅的に把握可能な仕組みは、思想・信条の自由など基本的人権が保障されているのであれば、政府がどのような個人情報を把握しようとも恐れることは何もないと言えるでしょうか。

1.2.2 萎縮効果は厳しいものがある(たとえばデモの場合)

あるいは、日本では、デモをするときに「デモ申請」なる手続を警察にする必要がありますし、デモコースやデモの時間、デモの隊列の組み方などをこと細かに指定されます。本来、デモも言論・表現の自由に属することですから、こうしたデモ申請という手続きやデモの規制は人権侵害ですから、こうした人権侵害のルールは無視してもいいはずです。しかし、実際にはなかなかそうはならず、無届けデモによる弾圧を恐れて(萎縮効果ですが)、デモ申請をし、デモの主催者もまたデモの参加者にルールを守らせるための一定の秩序維持の体制をとります。このように、私たちの自由は、憲法が謳うほど確固たるものではありません。非常に脆弱で、萎縮効果を繰り返し受けながらじりじりと自由の領域を狭めるように後退してきたのではないでしょうか。

1.2.3 警察の監視下で自由な議論はできない

このように、共謀罪がない時代であっても、萎縮しないで闘うことは決して容易なことではありませんでした。萎縮しないで闘うことは、決意表明の問題ではないと思います。今まで以上に厳しい状況を耐えながら断固として闘い続けることが必要になってしまえば、運動は大衆化せず、戦闘的な活動家たちが大衆から孤立して闘うことしか残されなくなります。社会を変える運動が大衆的な広がりを獲得するには、人々が自由闊達に、政府や権力や権威を批判あるいは否定し、未だ実現しえない社会を構想しながら、政府に対抗する日常生活の場を創出できなければなりません。このような議論の場を政府や警察の監視や圧力によって歪められないように防衛することは、私たちの基本的人権を確実なものとするために必要なことです。そして、その防衛の手段と方法は、政府や警察がどのような強制力をもって私たちの自由を奪いうるのか、という彼らの力の基盤によって規定されます。共謀罪がない時代と比べて共謀罪がある時代は、私たちがとるべき防衛の手段もまた、この悪法による影響を排除するための、今まではさほど重要とは思われなかったような条件を念頭に置いて再構築することが必要になります。

2 ネットやパソコンによるコミュニケーションと共謀罪

共謀罪の容疑を裏付けるためには、捜査機関は、実行行為以前の「話し合い」の段階での情報収集を行なう必要があります。「話し合い」の内が共謀罪に該当するのはかは、まだ検挙、起訴、裁判の実績がないので不明ですが、捜査機関や検察、裁判所が決めることになり、私たちは、「もしかしたら共謀罪で立件されるかもしれない」という不安を持てば、それが萎縮に繋ります。

2.1 これまでの捜査機関の強制捜査を踏まえると…

会議、メーリングリスト、メールでの意見交換などは一体のもので、ネットでのコミュニケーションと現実に顔を合わせての会議とが有機的に組合されて実行行為に必要な合意形成が行なわれると思います。これらの議論全体が捜査機関によって共謀を裏付ける証拠として強制捜査や潜入捜査、監視や盗聴の対象になるでしょう。裁判所もまた、共謀罪を前提として、強制捜査の令状を幅広く発付するでしょうから、共謀罪によって捜査機関は広範囲にわたって従来にはない捜査権限を手にすることになります。

従来から捜査機関による捜査の常套手段として次のようなことが行なわれてきました。

  • 家宅捜索におけるパソコン、住所録、メモなどの押収
  • 集会会場などの張り込み(場合によっては潜入)
  • デモでのビデオや写真撮影
  • 尾行
  • 職場などへの嫌がらせ的な聞き込み

以上のような捜査機関の行動は私たちにもある程度把握できますが、把握できな活動として以下の活動が行なわれています。

  • 盗聴法に基く通信の盗聴
  • プロバイダや金融期間などが取得している個人データの取得(任意あるいは令状による)

これらは、いずれも捜査に協力した(させられた)通信事業者は、当該のユーザに捜査機関による捜査があったことを告知してはならないという守秘義務が課せられるので、私たちには全く知らされません。これらを通じて、従来の捜査では、活動家の人間関係を洗い出すこと、住所録などから、職業や住所などの個人情報を取得すること、組織での役割りを特定することなどに使われてきたのではないかと推測されます。

2.1.1 捜査機関は共謀罪捜査でどのような「証拠」を欲しがるのか

共謀罪によって、捜査機関は、実行行為そのものだけでなく、「話し合い」が犯罪とされることから、捜査機関はこれまで以上に、保管されているデータの内容に関心をもつようになります。たとえば

  • 会議録や会議メモ どのような議論がなされ、誰が発言したのかなど。音声データがパソコンに残されている場合も多いと思います。
  • メーリングリスト 誰が何を発言したのか。メーリングリストのメンバーはだれか。
  • 会計関連のデータ。誰がカンパや会費を納入しているか。

こうしたデータを相互につきあわせながら、共謀罪に問えるターゲットを絞ることになるのではないかと思います。多分こうしたデータを長い期間にわたって膨大な分量を蓄積してデータベース化するだろうと思われます。ビッグデータの時代ですから、データがいかに膨大であっても、その解析技術も高度化しているので、膨大なデータであること自体は全く支障がありません。

捜査機関は、強制捜査だけでも運動への多きな威嚇になることを知っていますから、共謀罪で立件しないとしても、何年かたって共謀罪で立件されるといった事態になるための証拠を積み重ねるということになるでしょう。

裁判所の強制捜査を拒むことはほぼ不可能でしょう。プロバイダーが私たちの個人情報を提供したとしても、それが法令に基くものなら避けられないでしょう。実はもっと悪いことに日本のプロバイダーは法令に基づかない場合でも、任意で個人情報を提供する余地を残すような曖昧な「プライバシーポリシー」を掲げているのが一般的です。

2.1.2 どのようにして仲間や支援者たちのプリアバシーを防衛するか

私たちのパソコンにあるのは「私」の情報だけではありません。私のパソコンのデータのなかには、私宛に送られてきた知人、友人、あるいは活動仲間のメールや意見、思想・信条にかかわるものの含まれています。こうした第三者の思想・信条を「私」のパソコンを踏み台にして捜査機関が取得することになります。

米国の捜査機関は、捜査対象となっている人物の人間関係を「三等親」まで追跡すると言われています。つまり、私と直接コミュニケーションをとっている相手、その相手がコミュニケーションをとっている相手、さらにその相手がコミュニケーションをとっている相手まで追跡するというのです。たった1台のパソコンから把握できる情報は膨大なものになります。私個人の思想・信条が捜査機関に把握されるだけならいざしらず、何の強制捜査の対象にもなっていない人たちの個人情報まで取得されてしまうことを、萎縮しないで闘うぞ!という決意表明だけで済ますわけにはいかないと思います。

2.2 何がもできないのだろうか?

強制捜査の権限をもつ捜査機関に対して、私たちは何もできないのでしょうか?巨大な権力をもつ監視社会を敵に回して私たちは、それこそ完全に無力なのでしょうか?そうではありません。

2.2.1 私たちがすべきこととは

何はともあれ、私たちが挑戦しなければならないのは、次のような事柄です。

  • 強制捜査を拒否することはたぶんほとんど不可能だろうと思います。パソコンなどの押収は裁判所の令状があれば拒否できないでしょう。しかし、押収されたパソコンのデータに捜査機関がアクセスしようとしても技術的に困難であるような仕組みを使うことはできないものでしょうか?
  • 私たちが知らないうちに、プロバイダーなど私たちが契約している通信事業者が個人情報やメールを提供してしまう場合があります。しかし、捜査機関が押収したメールが捜査機関には読めないというような仕組みを使うことはできないのでしょうか。
  • たとえプロバイダーのメールや個人情報が押収されても、私たちは今まで通り必要な議論や運動のための戦略や戦術を議論しながらも、そもそもそこには肝心の共謀の容疑を裏付けるような捜査機関が欲しがるようなメールやデータが存在しないということは可能でしょうか。

これらはいずれも可能なのです。そしてその可能性については、広く知られてもいます。たぶんこうした技術の利用で最も先端をいっているのは企業でしょう。顧客の個人情報が漏洩しないように防御すること、競争相手から自社の社外秘の技術や経営戦略などを防御すること、国内外の本店と支店などとの間で盗聴などされないでコミュニケーションをとりこと、こうしたことが保障できるコミュニケーションの技術はインターネットのなかに長年にわたって確立されてきています。それを市民運動などは使ってこなかったのです。

2.2.2 世界中の活動家、ジャーナリスト、弁護士などの経験から学ぶ

世界中には、独裁的で抑圧的な国が多くあります。そうした国でもねばり強く抵抗運動を展開する人々や人権活動家、弁護士やジャーナリストがいます。当局の追跡や監視を逃れてネットにアクセスし情報を発信しつづける人々の数は決して少くありません。こうした人々はどうやって自分たちの言論の自由を確保しているのでしょうか?逮捕覚悟で、発信者や発信場所が特性できるような方法で発信しているのでしょうか?敵に知られずに情報発信を持続させることや、コミュニケーションを行動へと繋げる工夫を技術的なことも含めて、皆が必死になって模索しています。こうした人々の経験や知恵に私たちも学ぶべきではないでしょうか。

萎縮しないことは大切ですが、今まで通りの情報発信のスタイルを維持するのであれば、それは、私だけでなく仲間や支援してくれている人々皆をリスクに晒すことになります。こうした仲間を守り、コミュニケーションの回路を確保すること、そのために出来うる最大限のことを実践すること、それが今必要になっていることだと思います。

本日の集会では、次に二つについて、やや具体的にお話をして、当局の監視を排除して私たちの自由な空間を確保するための具体的な方法についても概略をお話します。

2.3 パソコンとネットのセキュリティの基本認識

パソコンであれネットであれ、わたしたちのセキュリティを防衛する手段の基本は、匿名性の確保と「暗号化」です。これ以外の方法はないと思ってください。

パソコンとネットのセキュリティについて次の点を常に念頭に置いてください。

2.3.1 メールは誰でも見ることができる。

宛先の人以外には絶対に知られたくないメールは電子メールで送るべきではありません。電子メールは契約しているプロバイダーのメールボックスに蓄積されます。プロバイダーのメールサーバの管理者はこのメールを読むことができます。インターネットは多くのサーバを経由して世界中と繋っています。場合によっては配送経路の途中で盗聴される危険もあります。

対策としては、重要なメールのやりとりは暗号化するか、自分の契約しているプロバイダーを使わずに、暗号化メールサービスを提供しているサイトを使う。暗号化メールサービスのサイトは世界中にいくつかありますが、以下のサイトは日本語の解説があります。

protonmail

https://protonmail.com/jp/

無料で登録ができます。個人情報は一切必要ありません。パスワードを紛失したときの回復に使うメールアドレスを別途一つ用意する必要があります。

インターネットの途中の経路での盗聴を防ぐ基本的な方法はVPN(バーチャル・プライバシー・ネットワーク)を使うことでしょう。このサービスは、多くの企業などが普通に利用しているものなので、サービスもいくつもあります。

2.3.2 パソコンのデータを暗号化する

パソコンのログインパスワードは気休めでしかない。パソコンの電源を入れたあとで、パスワードを入力しないとアクセスできないように設定していても、これはセキュリティとしてはほとんど意味がありません。このパスワードを回避してデータにアクセスすることは比較的容易です。

パソコンのデータを暗号化するには二つ方法がある。

  • ハードディスク全体を暗号化してしまう。(電源を入れたときに、ハードディスクの暗号は復号化する鍵を入力したあとで、通常のログインパスワードを入力する)
  • 暗号化して保護すべきデータを個別に暗号化する。住所録とか会議録など第三者に見られたくないデータを個々に暗号化する。

上記の二つを併用することもできる。

2.3.3 匿名でネットサーフィンする

インターネットのウエッブにアクセスするときは、かなりの個人情報が相手に取得されていると覚悟する必要があります。テレビと違って、自分の目の前にあるパソコンとアクセス先のホームページを運用しているコンピュータとの間では非常に多くのデータのやりとりがなされています。相手は私の固有名詞を知ることができない場合もありますが(ショッピングサイトでは固有名詞も判明してしまうでしょう)、調べることは不可能ではないと考えた方がいいでしょう。

最も有名な匿名でのウエッブアクセスの手段は、Torブラウザと呼ばれるホームページ閲覧ソフトを使うことだろう。このソフトは捜査機関が「闇サイト」にアクセスするために用いられているなどという風評を流して、その使用を抑制したがっているもの。しかし、これはネットでの尾行を阻止するためには必須の道具でしょう。

3 最後に:実際に日常のパソコンとネットで使えるようになることが大切

共謀罪の「効果」は長期にわたる捜査機関による情報収集と思わぬ時に思わぬ容疑で検挙や摘発へと向う危険性のあるものです。安倍政権が特に危険な政権なのではなく、今後どのような政権になろうとも共謀罪などの治安立法がある限り、警察は私たちへの弾圧の手を緩めることはないでしょう。私たちは、これに対して、出来る限りの方法で私たちの基本的人権を守るための手立てをとらなければなりません。悪法を廃止するには、大衆的な運動が必須です。その運動はどのようなものであれ、明確な反政府運動です。政府に抗うことなしに私たちの権利を回復することはできないからです。そしてこうした運動そのものを潰すことが共謀罪をはじめとする治安立法の趣旨でもあるわけですから、こうした悪法に立ち向かうことができる技術を持つこと必要でしょう。

なによりも、まず、私たちが日常的に使っているネットやパソコンの習慣をこうした共謀罪の時代に対応して変えなければなりません。コミュニケーションのライフスタイルを変えることは実は非常に難しいのです。つい慣れ親しんだこれまでと同じ環境でも大丈夫なのでは、と油断してしまいがちです。

今日の集会が終ってからが本番です。みなさんが帰宅し、まずやるべきは、自分と仲間のコミュニケーションを守り抜くために、できるこを始めることです。暗号化と匿名性を確保したネットとパソコンの利用へと是非一歩一歩進んでいってください。

3.1 (補足)わたしは何をやってきたか

共謀罪が成立して以降、上記のような危惧を抱いてわたし自身がやったことは下記です。(ネットやパソコンに関連して)

  • パソコンのデータのセキュリティの強化。(ハードディクスの暗号化)
  • クラウドサービスの見直し。(Dropboxから有料のTresoritに変更)
  • モバイル環境の見直し(タブレットの暗号化)
  • 暗号化メールサーバのサービスの利用
  • 匿名性を重視したブラウザの導入
  • VPNの導入(有料)
  • 一部のメーリングリスト管理のサーバの引越しと利用頻度の低いメーリングリストの廃止
  • 共謀罪を念頭にしたプライバシーの権利を具体的に防衛するツールの紹介サイトの開設
  • プライバシーとセキュリティについての実践セミナーの開催

まだ取り組めていないこと

  • まだ引越しできていないメーリングリストがある
  • プロバイダーの見直し作業(よりプライバシーの権利を重視するプロバイダーへの変更)
  • 何年も使用していない古いパソコンや記憶媒体のデータの保護措置

まだまだ不十分なのですが、できるところから、ネットの情報を調べたり、セキュリティの本を読んだり、パソコンやネットの初歩的な技術を学んだりしながら、右往左往しながら取り組んできました。

こうしたことは反対運動に取り組んでこられた皆さんそれぞれがなさっていることと思います。本日の集会はこれまでの対抗的な取り組みの知恵を出し合い、知識を共有しながら更に強固な私たちのプライバシーの権利を防衛するための相談の集まりにしたいと思います。

3.2 (補足)anti-surveilanceのウエッブ紹介

 

主宰者からのお知らせ

私たちのサイバーセキュリティ講座 共謀罪で萎縮しないために

投稿日:

市民活動、組合、会社などの団体のメンバーが一度共謀したと判断されれば、その団体は組織的犯罪集団とされます。私たちは、そうした環境の中にいるのだということを、冗談でも誇張でもなく受け止めて、闘い方に創意工夫を凝らすことが必要になってきたのです。

お話し: 小倉利丸さん (おぐら としまる)
批評家。専門は現代資本主義論、情報資本主義論。富山大学名誉教授。
共謀罪に対抗して私たちの自由を防衛するためのサイト
https://antisurveillance.researchlab.jp/
著書:『絶望のユートピア』 (桂書房) 共著:海渡雄一『危ないぞ共謀罪』(樹花舎)

2018年4月2日(月)19:00〜21:00
中野区産業振興センター2階セミナールーム1(45人)

施設概要・アクセス


会場の都合で先着順
資料代:500円
共催:安倍政権にNO!東京・地域ネットワーク
草の根市民広場
問合せ: 090-8311-6678

主宰者からのお知らせ

Good bye 商用SNS!! Kick out リーガルマルウェア!!

投稿日:

facebookは5000万件の個人データを不正にCambridge Anaryticaという調査会社に渡し、このデータが米国大統領選挙のために不正使用させた疑いがもたれています。トップのザッカーバーグは、不正行為を認めて謝罪する事態にまで発展し、facebookボイコット運動が拡がりはじめています。他方で、昨年以来、米国ではあらためて政府捜査機関による合法的なマルウェアを利用して大量の個人情報を盗み出す捜査手法に批判が集っています。ここ日本では、民間のビッグデータを扱うIT産業とマイナンバーのような個人情報を一元的に管理する政府のシステムとが私たちのプライバシーやコミュニケーションの自由を脅かす危険な状況になっています。4月のセミナーでは、こうした事態について簡単に概要を参加した皆さんと共有しながら、自分の使っているパソコンやコミュニケーション環境をどうしたらいいか、具体的な対策を議論します。

・facebookのボイコットをマジに議論します。金儲けや国家安全保障を理由に私たちの個人情報を売り渡すようなSNSと決別して、何を使うか。どうすべきかを考えます。
・捜査機関が使う合法マルウェアの実態と、それへの対策を議論します。

そしてこれまで同様、Linuxユーザの皆さん相互の間での情報交換の時間を設けます。ぜひパソコンを持参して参加ください。

日 時:2018年4月20日(金)19:00~21:00
場 所:素人の乱12号店|自由芸術大学
杉並区高円寺北3-8-12 フデノビル2F 奥の部屋
参加費:投げ銭+ワンドリンクオーダー
サポーター:小倉利丸、上岡誠二


「プロプライエタリをハックする」のセミナーは、多国籍企業や政府から自立したコンピュータスキルの共有を目指しています。Linuxパソコンがなくても大丈夫。全くの初心者、ネット、パソコンが苦手な皆さん大歓迎。ノートパソコンを何台か用意します。

ナショナリズム天皇制批判

国による「大嘗祭」および天皇の「即位」にかかるすべての儀式の撤回要請

投稿日:

以下、安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京の要請文を転載します。


内閣総理大臣安倍晋三 様
宮内庁長官   山本信一郎 様

私たちは、「大嘗祭」および天皇の「即位」にかかるすべての儀式を国が行う事について、政府の方針を撤回されるよう要請します。

2018年3月26日

安倍靖国参拝違憲訴訟の会・東京
http://seikyobunri.ten-no.net/

政府は、天皇退位と新天皇即位の日程を、それぞれ2019年
4月30日、5月1日と決め、2019年秋に予定されている「即位式」「大嘗祭」の日程も決まりつつあることが知らされています。そして官房長官を長とする政府の「式典準備委員会」は、
「即位礼正殿の儀」および、「剣璽等承継の儀」をはじめとする5つの「即位の礼」関連儀式を国事行為とし、「大嘗祭」については、「宗教上の儀式としての性格を有するとみられることは否定できない」としながらも、「極めて重要な伝統的皇位継承儀式で公的性格があり、費用を(公金である)宮廷費から支出することが相当」としました。国事行為であれ、公的行為であれ、現実に国の予算が支出され、国の儀式としてなされることに違いはありません。30年前の政府見解を前例として踏襲する形で論争を避ける、というコメントも付けられていました。しかし、あらかじめ反対意見を寄せつけない形式は、民主主義にも「国民主権」にも反するものです。
私たちは、「大嘗祭」および天皇の「即位」にかかるすべての儀式を国が行なう事について、以下のように考え、反対します。そして、政府の方針を撤回されるよう求めます。
憲法は、主権が「国民」にあることをはっきりとうたっています。天皇は「日本国と日本国民統合の象徴」であり、定められた「国事に関する行為のみを行」うと規定されています。国事行為は実際の政治権能を持たない儀礼的な行為であって、宮内庁という役所も持つ、国家の制度(国家機関)として天皇は存在しています。さらに、憲法20条では「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」という政教分離原則が定められ、99条で、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と規定されています。私たちは、「即位礼」「大嘗祭」を国の儀式として行なうことは、この「国民主権」「政教分離規定」「憲法擁護義務」に抵触するものと考えます。
一連の「代替わり」儀式は、それが神道儀式であるというばかりでなく、天皇を神格化する儀式です。天皇は即位した後、「大嘗祭」という皇室神道の儀式を経て神格化するという説が有力です。神格化された天皇の名の下に始めた戦争に敗北したあと、天皇は敗戦処理のひとつとして、「人間宣言」によって自ら、「現人神」であることを否定せざるを得ませんでした。
新天皇即位儀式のひとつである「剣璽等承継の儀」は、「日本神話」に由来する「神器」(レプリカ)を継承する宗教的儀式に他なりません。「大嘗祭」は、亀卜という占いで悠紀斎田・主基斎田の地を定め、神道儀式に則り生育させた稲を採取し、新天皇が新穀を天照大神に供え、共に食して五穀豊穣などを祈る宗教儀式です。また、国事行為とするという「即位礼正殿の儀」をはじめ一連の儀式も、即位の礼について神々に報告を行なう儀式など、宗教的な行為と結びついています。
国の機関が、このような宗教行為を公に行なう事自体が、憲法上許されることではありません。政府は、これらの儀式を行うことを「重要な伝統的皇位継承儀式で公的性格がある」などと強弁しています。しかし、これらの「伝統」と呼ばれる儀式のほとんどが、明治以降の近代天皇制の儀式として新たに作り出されたものであり、「大正」「昭和」「平成」の「代替わり」時に行われたに過ぎない、決して「伝統」などと言える代物ではありません。
また、「即位後朝見の儀」は、天皇が三権の長らに向かい、高い位置から即位を宣言し、「国民」を代表する首相らが下からそれに応えるという儀式ですが、それは「象徴と主権者の関係」というより「君主と臣下」の関係を表すもので、「国民主権」原則に反します。一連の儀式の意味が、天皇を神格化して主権者である「国民」の上に置く国家による儀礼である以上、それは事実上「国家神道」の祭祀であって、国家が宗教活動を行なうことを禁止する政教分離原則に対する重大な侵犯行為となります。

以上の理由により、私たちは、天皇の「即位礼」「大嘗祭」を、国が関与して行なう事に反対し、政府方針の撤回を要請します。

主宰者からのお知らせ

プロプライエタリ社会をハックする──ビッグデータの光と影

投稿日:

◎ターゲット・マーケティングの戦略◎

今回のセミナーは特別ゲストをお呼びして、ビッグデータの集め方やターゲット・マーケティングの技法をトークしてもらいます。その方法を知ることで、資本への隷属から逃れるプライバシーの守り方を学びます。
トークの時間は1時間程度です。前後にLinuxインストールや暗号化のおさらいをしますので、PCをお持ち下さい。

★トークゲスト:池田佳穂
広告代理店の開発本部でターゲット・マーケティングに従事。現在はアートセンター・オンゴーイング、TERATOTERAで翻訳のほか、海外アーティスト対応など行う。3月より定期的になんとかバー「池田バー」店主。版画女子デビューも果たす。

日 時:2018年3月2日(金)19:00~21:00
場 所:素人の乱12号店|自由芸術大学
杉並区高円寺北3-8-12 フデノビル2F 奥の部屋
参加費:投げ銭+ワンドリンクオーダー
サポーター:小倉利丸、上岡誠二