(Commons)ウクライナの平和のための組織化:ニーナ・ポタルスカへのインタビュー

(訳者前書き)以下は、ニーナ・ポタルスカへの2019年に行なわれたインタビューです。ポタルスカは、社会研究者・活動家であり、ウクライナにおける国際女性平和自由連盟(WILPF)のコーディネーターと紹介されている。彼女はLeftOppsitionという新しい左翼政党にも関わってきた。インタビューのなかで、彼女たちが必死の思いで戦争を止めること、そしてウクライナ西部、東部、ロシアや更には近隣諸国の女性たちと共同で停戦と境界を越えての共通の課題を議論する枠組を作ろうとしてきたことが語られている。私がこれまでも紹介してきた沖縄での民衆の安全保障の視点と多くの共通する問題意識が見られるが、状況はもっと厳しいなかでの民衆のための安全保障の実現になる。事実上の戦時下にあり、「平和」という言葉すら口に出せず、正直な気持も口外せずに、公式的な発言をするか沈黙する多くの市民たちの状況についても語られている。このインタビューのなかで戦争が「デエスカレーション」しつつあると将来への楽観的な見通しが語られているが、残念なことに事態は悪化の方向をとった。今、東部で活動していた女性たちのグループがどのような状況に置 […]

(illiberalism)ウクライナの西側軍事訓練の主要なハブに極右グループが拠点を構えた

(訳者まえがき) アゾフはネオナチなのかどうか、ウクライナはネオナチが跋扈する国なのか、などをめぐって日本の反戦平和運動のなかでも判断が分れていると思う。以下は、昨年(現在の2月からのウクライナ戦争以前だが2014年以降の東部の戦争(内戦)以後)に書かれたウクライナ軍内部の極右の動向についてのレポートでジョージワシントン大学のilliberalismのサイトに掲載されたものだ。 見解が分かれる理由は様々なのだが、今世界中で起きているのは、もはや極右や右翼という座標軸の原点そのものが右側に大きくシフトしており、極右の主流化という現象が生まれている、ということだ。ウクライナもロシアも同様だ。ウクライナは、選挙で極右の得票率は極めて低い。これは、米国や日本の極右政党の得票率が低いことをみればわかるように、そのことが極右が台頭していないという目安にはならない。米国なら共和党に、英国なら保守党に、日本ならば自民党や維新に極右とみなしうる傾向が浸透しており、政治の主流を乗っ取りつつある。安倍政権を極右政権だと正しく理解したメディアは日本には皆無だったように、極右やファシズムは、そうとは気づかれない […]

(UnHerd)ウクライナ、極右民兵の真実―ロシアは、ゼレンスキー軍の危険な派閥に力を与えている

(訳者前書き) ロシアがウクライナへの侵略を正当化するために、ウクライナのネオナチを一掃すること、「非ナチ化」を主張したのに対して西側の政府やメディアが一斉に反発して、ロシアの主張を偽情報だと言いたてたときに、私はとても奇妙に思ったことを思いだす。この戦争以前にウクライナの政権にネオナチが影響力を行使しようとしてきたことや、国内で(あるいは東部で) 深刻な人権侵害を引きおこしてきたことを西側政府もメディアも知っていたのでは、と思っていたからだ。しかし、このウクライナ政権と極右との関わりは、発言のちょっとした表現やニュアンスによってはロシアの侵略を正当化しかねないことにもなる。しかし、やはりきちんと議論しておく必要があると強く思うようになったのは、最近の日本のメディアにアゾフ大隊がネオナチあるいは極右の軍事組織であることを指摘することなく「東部の屈強なウクライナ軍」といった紹介であったり、公安調査庁がアゾフをネオナチ指定から外すなどの歴史の改竄が始まっている。以下に紹介する記事は、UnHerdに掲載されたもの。この問題を非常にうまく扱っていると思う。特に西側がプーチンのネオナチキャンペー […]

「戦争放棄」を再構築するために

目次 1. 民衆の安全保障再考 1 1. 軍隊が民衆を守るという「神話」 1 2. ウクライナ戦争のなかで民衆の安全保障をどう提起できるか 3 3. 国家への向きあいかた―あるいはナショナリズムの問題 4 2. 戦時に戦争を放棄する 6 1. 暴力と正義 6 2. 日常の暴力と国家の暴力 7 3. 9条が絵に描いた餅である理由 8 4. 戦争=暴力を越える拡がり 10 5. ロシアの反戦運動とウクライナの反戦運動それぞれにみられる固有の困難とは 10 6. 権力は敵前逃亡を許さない 13 1. 民衆の安全保障再考 1. 軍隊が民衆を守るという「神話」 ウクライナへのロシアによる侵略戦争があからさまな形で顕在化した今年の2月からの1ヶ月半の戦争反対の声の大半は、ロシアの侵略戦争に反対しつつ、侵略に抵抗するウクライナの民衆の武装抵抗をウクライナの軍であれ義勇軍であれ、いずれにせよ、もっと多くのもっと高性能の武器・兵器を提供して武装能力を高めることについては大いに支援するような雰囲気が一般的なように思う。だから別のところ(注)に書いたように、日本の平和運動や大衆運動のウクライナ戦争から得てい […]

(マルレーヌ・ラリュエル)プーチン侵略の知的原点:現代ロシアの宮廷にラスプーチンはいない

(訳者前書き)先にヴァロファキスのインタビューを紹介したが、そこでは、もっぱら軍事的な力学の政治に焦点を宛てて戦争の去就を判断するというクールな現実主義に基づく判断があった。ここでは、戦争へと至る経緯の背景にあるもっと厄介な世界観やイデオロギーの観点から、この戦争をみるための参考としてマレーネ・ラルエルのエッセイを紹介する。イデオロギーが残虐で非人道的な暴力を崇高な美学の装いをもって人々を陶酔の罠へと陥れることは、日本の歴史を回顧すればすぐに見出せる。いわゆる皇国史観と呼ばれ日本の侵略戦争を肯定する世界観や天皇制イデオロギーは、これまでもっぱら日本に固有のイデオロギーとして、その固有性に着目した批判が主流だったが、今世紀に入って極右の欧米での台頭のなかで論じられる価値観の構造に着目すると、そのほとんどが、日本がかつて公然と主張し、現在は地下水脈としてナショナリズムの意識を支えてきた世界観との共通性に気づく。ロシアにとっての主要なイデオロギー的な課題は「近代の超克」であり、それは西欧でもなければコミュニズムでもない、第三の道をある種の宗教的な信条と「伝統」として再定義された歴史や民族を基 […]

(ヤニス・バロファキス)ウクライナはこの戦争に勝てない―私たちは、プーチンに出口を与える道徳的な義務がある

(訳者前書き)以下は、ヤニス・バロファキスへのインタビューの翻訳。ウクライナはこの戦争に勝てない、というタイトルは、このインタビューの冒頭でヴァロファキスが断言しているものだ。ヴァロファキスは、この観点をウクライナ支持者たちが忘れがちだと警告している。この指摘は、とても重要な観点だ。ロシアのウクライナへの侵略戦争に対して、徹底して抵抗して戦うことを物心両面で支援しようとすることが反戦平和運動の主流になっているように感じるが、私は、正義を実現するまで戦い続けることは正しい「答え」だとは思っていない。ではどのように考えるべきなのかについては別途私の考えを述べる機会をつくりたいが、ヴァロファキスへのインタビューでは、私の答えとは違うのだが、しかし示唆に富むひとつのありうべき答えが示されている。彼は、政治家としての実務を担ってきた経験を踏まえて、一刻も早く人命の犠牲を増やさないための選択肢をどうつくるかについて、ゼレンスキーを「批判的に支持する」という何とも中途半端なスタンスをとるのだが、逆に、そうだからこそ、ある種の現実主義的な答えを提起できているともいえる。バロファキスは理想主義者ではなく […]

前代未聞の弾圧を受けるロシアの反戦デモ

以下はAvtonomに掲載されたロシア国内の反戦運動と権力による弾圧についてのレポートです。Avtomomはロシアとウクライナを拠点とするグループで、「直接民主主義、自治、連邦主義などの原則に基づいたリバータリアンコミュニズム(自由社会主義)の実践を目標とする地域のアナルココミュニズムの団体」と自己紹介しています。ロシア国内の反戦運動についての情報は日本でも様々紹介されているが、この記事はロシア国内のフェミニストたちの活動に注目するとともに、ロシア警察、治安機関の弾圧や弾圧目的の法制度がいかに過酷な状況をもたらしているかについても言及している。丁寧なリンクもある。(小倉利丸) 3月5日、モスクワ北東部の小都市イワノボの公共広場に、手製の看板を掲げた一人ピケが立っていた。”*** *****”. これは、プーチン大統領のウクライナ侵攻を戦争と呼ぶことが刑罰の対象となり、ロシアの独立系メディアの最後の痕跡が放送中止するという検閲の新しい波を暗示している。前日、最高刑期3年の「ロシア軍の信用毀損」禁止の新法がロシア国会で可決され、警察がこのスタンディングの抗議者を逮捕 […]

ウクライナはなぜ11の「親ロシア」政党を停止したのか?(ソツヤルニ・ルークによる声明も加えて)

(訳者前書き)以下は、LINKS, Internasional Journal of Socialist Renewalに掲載された記事の翻訳です。イシチェンコに文章は、この他「ロシアのウクライナ侵攻は、ロシアの政治秩序を不安定にしかねない」を訳してある。 戦時下には、平時には許されていた基本的人権が国家緊急事態を口実に制限されるようになるのは、民主主義を標榜する国においても一般的にみられる。特に政権に批判的な団体や個人を敵国の同調者などというレッテルを貼って排除・弾圧することに世論も容易に同意を与えてしまうために、戦争に便乗した権力の集中と人権への抑圧が進み、これが戦後の権威主義や独裁へと繋がることがある。こうした事態はロシアだけでなくウクライナでも起きている。 ウクライナの国内政治のなかで、とくにマイダン以降、左翼の運動がどのように扱われてきたのかについて、下記のエッセイでその概略がわかる。戦時にあって、労働者の権利や生存の権利はどう扱われているのか、政府への異論や反対運動を組織する余地は与えられているのか。こうした観点から戦争を見ることなく。ゼレンスキーを中心としたウクライナを一 […]

ウクライナの労働運動や左翼運動のサイト(リンク集)

以下は、ウクライナ連帯キャンペーンのサイトに掲載されているウクライナの労働運動や左翼運動のサイトへのリンク集です。各運動体の考え方や思想的歴史的なバックグラウンドについては、みなさんで直接確認してみてください。ウクライナ語、ロシア語や英語など外国語のサイトですが、機械翻訳DeepLを使って日本語に訳すことである程度は内容を把握できると思います。(翻訳の精度は完璧ではありません) Ukrainian Trade Unions KVPU – The Confederation of Free Trade Unions FPSU – Federation of Trade Unions of Ukraine NGPU Independent Union of Miners of Ukraine Regional Organisations of NGPU Trade Union of the Coal Industry of Ukraine Trade Union Labour Solidarity Independent Trade Union Defence of Labour Inde […]

ロシア:「戦争に反対する社会主義者」連合のマニフェスト

以下は、LEFTEASTに掲載されたロシアの戦争に反対する社会主義者連合の宣言です。英語からの重訳なので、訳文の後ろにロシア語原文を掲載しておきます。(小倉利丸) 2022年3月17日LeftEast編集部注:ロシアの非公式グループ「戦争に反対する社会主義者」のマニフェストの原文(以下も同様)を英語版で転載します。 この勢力は、平和と安定の約束を基盤にしつつも、結局は国を戦争と経済的破局に導いた。 歴史上の他の戦争と同様、現在の戦争も皆を賛成派と反対派に二分している。クレムリンのプロパガンダは、国民全体が権力の周りに結集したと私たちに信じ込ませようとしている。そして、惨めな祖先、親欧米のリベラル派と外敵の傭兵が平和のために戦っている。まったくもって、どうしようもない嘘だ。今回、クレムリンの長老たちは少数派であった。ほとんどのロシア人は、ロシア当局をまだ信頼している人々の間でさえ、民族紛争的な戦争を望んでいない。彼らは、プロパガンダによって描かれた世界が崩壊するのを見ないように、目をつぶっている。彼らは、今起きていることは戦争ではなく、とりわけ攻撃的なものでもなく、ウクライナの人々を「解 […]

ウクライナの戦争と新帝国主義に反対する。虐げられた人々との連帯の手紙

(訳者前書き)以下は、東欧の批判的左翼による優れた論評を掲載してきたLEFTEASTに掲載された論文の翻訳。著者のキルンは、ヨーロッパ世界が突然ウクライナ難民への門戸を開放する政策をとったことの背景にある「ヨーロッパ」と非ヨーロッパの間に引かれている構造的な排除に内在する戦争の問題を的確に指摘している。ヨーロッパが繰り返し引き起こしてきた戦争がもたらした難民には門戸を閉ざしているにもかかわらず、なぜウクライナはそうではないのか。ヨーロッパのレイシズムがここには伏在しているという。同時に、左翼が、ナショナリズムの罠に陥ることなく、国境や民族を越えて資本主義批判の原則を立てうるかどうかが試されているとも言う。ロシアにも米英EUにも与しない国際的な連帯を、ウクライナの問題としてだけではなく、欧米もロシアも仕掛けてきたグローバルサウスにおける戦争の問題を視野に入れて新たな階級闘争の理論化が必要だとも指摘している。私がこれまで読んできた論文のなかで共感できるところの多いもののひとつだ。(小倉利丸) ガル・キルン著投稿日2022年3月10日 COVID-19の大流行による長い冬が終わり、初めて垣間 […]

戦争とアナキスト:ウクライナにおける反権威主義の視点

(訳者まえがき)この論文は、アナキストのサイトCrimethIncに掲載された論文。2014年以降のウクライナの民衆運動をアナキストの観点から分析している。商業メディアや国主導のメディアはどこの国であれ、戦争を常に国家と国家の武力行使として捉え、国のなかに存在する多様な異論を無視する。国家の視線は、いつのまにか多様なはずの大衆を「国民」という心情に統合し、自らを国家と同一化して「戦争」を論じるような言論空間を作り出す。ウクライナも例外ではないが、以下の文章にあるように、ウクライナはひとつではない。西側の支配者たちにとって好都合なウクライナ、ロシアの支配者にとって好都合な別のウクライナがあり、それらがメディアを席巻しているが、そのどちらでもないウクライナがある。このどちらでもないウクライナは、まさに、ウクライナという国家と社会システムが抱えてきた矛盾の歴史を体現しており、それ自体が闘争の構造をなしている。スターリン主義とナチズムによる弾圧、そして資本主義化のなかで旧ソ連、東欧圏の反体制運動は、三重の弾圧を経験してきた。この意味でアナキズムが反体制運動に占める格別の位置があると思う。ウクラ […]

戦争とプロパガンダ

以下は、Realmediaに掲載された記事の翻訳です。 March 15, 2022 戦争では、真実が最初の犠牲となる。現代ではありがたいことに、YouTube、Twitter、Facebookなどの巨大企業は、たとえその真実が後に間違いであることが判明したとしても、私たちが受け取る情報が真実であることの保証を高めてきた。 私たちのテレビは、国家公認のロシア・トゥデイが見られないことを伝え、スプートニクとともに、Twitter、YouTube、Meta、その他のプラットフォームから削除されたことを伝えている。 YouTubeは、そのシステムが「人々を信頼できるニュースソースにつなぐ」と言うが、その中には国家公認のBBCも含まれている。BBCは、イラクが大量破壊兵器で西側を攻撃する可能性があると言い、アフガニスタンを侵略しなければならず、リビアがバイアグラで住民をレイプしようとしていると報じたことを覚えているだろうか。すべてが嘘だった。 企業の検閲の津波の中で、前例のない犠牲者がこの戦争で出ている。 長年問題なく過ごしてきたグローバル・ツリー・ピクチャーズGlobal Tree Pict […]

(The New Fascism Syllabus)純粋な暴力の非合理的な核心へ。ネオ・ユーラシア主義とクレムリンのウクライナ戦争の収束をめぐって

(訳者前書き)以下はThe New Fascism Syllabusに掲載された論文の翻訳である。著者のひとり、アレクサンダー・リード・ロスは、西側左翼運動のなかに気づかれない形で浸透しつつある極右の思想や運動について詳細に論じたAgainst Fascist Creep のなかで、米国からヨーロッパ、ロシアに至る地域を包括する網羅的な現代の極右の動向を批判的に分析した。以下の論文でも彼のこれまでの仕事が踏まえられており、とくに、プーチンの思想的な後ろ盾ともなってきたアキサンダー・ドゥーギンについての記述は、プーチンのウクライナ戦略を支える世界観を理解する上で参考になる。ドゥーギンがほとんど日本では知られていないこともあって、その反米反グローバリズムに基くヨーロッパとアジアを架橋する「ユーラシアニズム」は見過ごされがちだが、現代の極右思想の無視できない一部をなしている。(ユーラシアニズムについてはチャールズ・クローヴァー『ユーラシアニズム』越智道雄訳、NHK出版が参考になる) ウクライナとの戦争でロシアがしきりに口にするウクライナの現政権=ネオナチとみなす言説は、日本ではほとんどまとも […]

ウクライナ経由ナショナリズムと愛国心をそれとなく煽るマスメディア

8日の夜7時過ぎのNHK「クローズアップ現代」は、ウクライナに残っている人達の深刻な事態を、現地の人達と繋いで報道していたのだが、同時に、ウクライナの外にいるウクライナ出身の人々の様子も取材しており、戦争が否応なく喚起させる庶民への理不尽な暴力を映像を通じて、私たちの感情を動員する番組になっていた。ロシア国内やロシア軍兵士への取材はない。敵のロシア軍の人間たちは砲弾や戦車といった暴力によって象徴される抽象的な存在としてしか実感できない。「こちら」の側には生身の人間が、敵はプーチンか、さもなくばプーチンの手先でしかない非人間的な機械か鉄の塊。こうして私たちの感情は、ウクライナの側に同化するような構図になる。どちらの側にも殺されるべきではない人間が同じようにいることが感じられないのだ。 NHKが取材対象とした人達、とりわけ若い男性たちには共通した傾向がある。それは、ロシア軍に侵略された国を救うために戦うことを(やむなく)決意した若者や、戦うために帰国する若者の姿だ。他方で、意識的に戦うという選択をしない若者(男性)や戦いたくないという気持ちをもって逃げてきた若者は存在しないかのようだ。ウク […]

警察法改悪―まだ論じられていない大切な課題について

警察法改悪―まだ論じられていない大切な課題についていくつか簡単に述べておきたい。 衆議院をあっという間に通過してしまった警察法改悪法案だが、たぶんこのままでられば、参議院の審議もほとんど実質的な内容を伴うことなく、成立してしまいそうだ。 今回の警察法改悪とサイバー警察局新設は突然降って湧いたような話ではなく、昨年夏前にはすでに基本的は方向性については警察庁が公表し、マスメディアも報じていた。私たちの取り組みはとても遅く、昨年秋くらいから議論になりはじめたに過ぎず、この遅れの責任は反監視運動として真摯に反省しなければならないと感じている。自分たちの運動の問題を棚に上げた勝手な言い分になるが、従来の刑事司法の改悪に関わる立法問題―たとえば盗聴法や共謀罪が想起される―では、いち早く法曹界や学会の関係団体が批判や抗議声明を出したが、今回は様変りだ。弁護士会は日弁連も都道府県弁護士会も警察法改悪については一言も公式見解すら出していない。研究者や弁護士などのグループでも反対声明が出はじめたのは法案が上程されて審議に入ってからだ。しかも、国民民主党も立憲民主党もこの法案に賛成した。共産党も衆議院内閣 […]

(Truthout)戦争はウクライナの左翼に暴力についての難しい決断を迫っている

以下は、the Truthoutに掲載された記事の翻訳です。ウクライナの左翼は、以下の記事で象徴的に紹介されているように、ウクライナに残るという決断をしたばあいの二つの選択肢、つまり、徹底して非暴力不服従を選択するのか、それとも武器をとるのか、の二つの選択肢の間で決断を迫られている。ウクライナの文脈のなかで、この二つの選択肢がどのような意味をもつのかは下記の記事にあるように、容易な問題ではない。これまでも武力行使を否定してきたウクライナ平和主義運動は国内の極右に狙われ続け、他方でロシア軍に対する武装闘争を選択したイリヤらはアナキストでありながら腐敗した政府の国軍との連携を余儀なくされる。 さて、私の関心はむしろこの戦争への日本国内の論調が、反戦運動も含めて、ナショナリズムの罠を回避しきれていないことへの危惧にある。日本のなかのロシアの侵略戦争への反対という正しい主張が、侵略に対して自衛のための戦争は必要であり、だから自衛力としての自衛隊もまた必要なのだという間違った考え方を正当化しかねないのではないか。人々のナショナリズムの感情が軍事力の行使を正当化する心情として形成されてしまうのでは […]

(声明)警察法改悪反対、サイバー警察局新設に反対します

以下、転載します。(警察法改悪反対・サイバー局新設反対2・6実行委員会のウエッブから) 団体賛同は3月4日に第二次締め切り 団体賛同を募っています。(詳しくはこちらへ) 1月28日に国会に提出された「警察法の一部を改正する法律案」において、警察庁は新たに「サイバー警察局」の新設と長官官房機能の大幅強化を打ち出し、大幅な組織再編を計画しています。私たちは、以下の理由から、警察法改正案には絶対反対です。 (1) 言論・表現を専門に取り締る警察組織の新設。 「サイバー」領域とは、私たちが日常生活の基盤として利用している電子メール、SNSなどによるコミュニケーションの領域そのものであり、憲法や電気通信事業法などで「通信の秘密」が保障されている領域でもあります。また、コミュニケーションの自由は、言論、表現の自由、思想信条や信教の自由の必須条件でもあり、民主主義の基盤をなすものです。このような私たちのコミュニケーション領域は、一般の市民だけでなく報道機関も利用し、選挙など政治活動の場でもあり、医療関係者や弁護士など人権に関わって活動する人々の基盤をなすものです。サイバー警察局は、高度な技術力を駆使 […]

(LeftEast)プーチンのウクライナに対する帝国主義的戦争を非難する

以下は、LeftEastが出した声明の翻訳です。包括的に、左派がとるべきスタンスを端的に提起していると思います。LeftEastは、東欧からロシアの地域を中心に左翼運動と思想の発信メディアとして優れた論評の公開の場となってきました。最近は特にジェンダーの問題にも傾注しています。 LeftEast2022年2月25日LeftEastのメンバーは、ウクライナで戦争にエスカレートした暴力的な軍事侵略に愕然としている。これは、この数十年間見られなかった規模の流血に我々の地域を投げ込む恐れがある。私たちは、クレムリンの犯罪的な侵略を明確に非難し、ロシア軍を国際国境まで撤退させることを要求する。私たちは、この戦争を引き起こした米国、NATO、およびその同盟国の責任を忘れてはいないが、現在の状況における明らかな侵略者は、ロシアの政治的・経済的エリートである。私たちは、ロシアの許しがたい帝国主義的なウクライナ侵略を暴露することに努力を傾注するが、NATOのアグレッシブな拡大とウクライナのポスト・マイダン体制もこうした方向に道を開いたのである。革命的精神とウクライナ、ロシア、地域の人民との連帯のもとに、 […]

ウクライナのインフラと市民社会へのサイバー攻撃は人権侵害だ

以下は、EUおよびウクライナのコミュニケーションの権利団体が共同で出した声明の日本語訳(JCA-NET)を転載しました。 ウクライナのインフラと市民社会へのサイバー攻撃は人権侵害だ2022年2月18日|午後5時19分ツイート シェア更新日 2022年2月24日 – 私たちは、重要なサービスやインフラに影響を及ぼすサイバー攻撃が続く中、国中の人口密集地を標的としたロシアの大規模な軍事侵攻に耐えているウクライナの人々とともにあります。デジタルの権利侵害はオフラインの暴力を可能にし、エスカレートさせます。人々の安全と幸福に不可欠なデジタルシステムを標的とした計算された攻撃は、容認できるものではありません。 国際社会は、ウクライナの市民社会と最も危険にさらされている人々を支援するために、以下の提言を早急に取り入れる必要があります。ウクライナでデジタルサービスを提供し、機密性の高いユーザーデータを扱うすべての公共および民間事業体は、潜在的なセキュリティおよび人権問題について自社のサービスを早急に見直し、サービスへの予想される影響をユーザーに明確に伝え、この危機の中、そしてウクライナ政 […]