(+972)「私たちのジェノサイド」:イスラエルの人権団体がガザに対する慎重姿勢を放棄
(訳者前書き)戦争を押し止める大きな力は、大国や国際機関をアクターとする外交にある、という暗黙の前提を私は受け入れない。むしろ、戦争を放棄する最も重要なアクターは、戦争当事国の人々の戦争に対する拒否の意思だと考えている。だから、これまでも、ロシアやウクライナにおける反戦運動に関心を寄せてきたし、イスラエル国内の兵役を拒否する若者たちや、イスラエル国内で活動するパレスチナ系の人権団体に注目してきた。以下に訳出したのは、イスラエル国内の二つの有力な人権団体がガザにおけるイスラエルの行動をジェノサイドであることを明確にした報告を出したことを報じる記事だ。わたしはガザにおけるイスラエルの行為はジェノサイドそのものであると理解するし、私の周囲にいる多くの人たちもそう理解していると思う。しかし、イスラエル国内の世論はそうではない。所謂国際世論とイスラエル国内世論の認識の落差は非常に大きい。これだけ情報のグローバルな拡散が進展しているなかで、なぜイスラエル国内があたかも情報の閉鎖的な空間のようになり、全く異なる認識を持ち続けてきたのか。実はこの異様と思ってしまう様相は決して異様でもなければ例外でもな […]