名古屋市文化振興事業団宛の抗議文

投稿日: カテゴリー: 主宰者からのお知らせ文化表現の自由、検閲批判

名古屋市文化振興事業団が日本第一党愛知県本部主催のイベント、あいちトリカエナハーレ2020「表現の自由展・その後」に会場を貸与した件で、以下のような抗議文を提出しました。


抗議文

名古屋市文化振興事業団

理事長 杉山勝 様

役員の皆様

評議員の皆様

事業運営委員会の皆様

(上記の皆様に回覧をお願いします。もし回覧できないようでしたらご一報ください)

小倉利丸

元表現の不自由展実行委員

2020921

2020926日と27日に、名古屋市民ギャラリー栄において『あいちトリカエナハーレ2020「表現の自由展・その後」』という催しが日本第一党愛知県本部主催で開催されることを知りました。私は、日本第一党が主催するこのイベントに、地方自治体が会場を貸与することは、人種差別主義を黙認(あるいは助長)し、歴史の偽造に加担することに他ならず容認できません。よって、抗議するものです。

私は、昨年、あいちトリエンナーレの招待作家として出展した「表現の不自由展・その後」の当時の実行委員のひとりとして、出品作家たちとともに、深刻なヘイトスピーチの嵐を被った当事者です。今回の催しの開催について、名古屋市民文化事業団の会場貸与の決定に失望せざるをえません。

特に危惧するのは、主催者が、移民と外国人の排斥を主張し、いわゆる「従軍慰安婦」問題をはじめとする日本の戦争犯罪・戦争責任を「自虐史観」として否定することを明確に政策に掲げる日本第一党だという点です。このイベントが結果として人種差別主義を助長することになるのは明らかと考えます。

日本第一党とその党首の桜井誠については、米国のヘイトスピーチに取り組む有力な人権団体のひとつ、Southern Poverty Law Centerがその活動を危惧しており、2019年に公表したレポートでは日本第一党を特集し、その米国の人種差別団体との連携に注視しています。言うまでもなく、米国の人種差別は深刻であり、これに日本第一党が加担する構図があるのです。() 日本第一党の人種差別主義の問題は、名古屋や日本だけではなく、国際的にもマイノリティの人権をめぐる問題となっているということでもあります。国外の人権団体からもヘイトスピーチ団体として認知されつつある日本第一党の行動を軽視すべきではありません。

()Southern Poverty Law Center(SPLC), Intelligence Report, lissue166, 2019 Sprng, p.27-30 https://www.splcenter.org/sites/default/files/intelligence_report_166.pdf 以下も参照。SPLC, White nationalist conference in Tennessee will feature old-school racists and a few new international guests https://www.splcenter.org/hatewatch/2018/06/14/white-nationalist-conference-tennessee-will-feature-old-school-racists-and-few-new

2016年に制定された「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(以下ヘイトスピーチ規制法と呼ぶ)は国の法律ですが、その第四条で「地方公共団体は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする」、また第七条では「当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、住民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努める」として、自治体によるヘイトスピーチに対する取り組みを定めています。また、付帯決議(参議院)では、日本国憲法とともに人種差別撤廃条約を尊重し、ヘイトスピーチによって地域に「深刻な亀裂を生じさせている地方公共団体」に対しては特段に、その解消への努力のための「施策を着実に実施」することを求めています。

ヘイトスピーチ規制法が制定されたとき、名古屋市はホームページで「この法律は、不当な差別的言動、いわゆる『ヘイトスピーチ』は許されないことを宣言し、人権教育と人権啓発などを通じて、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動の解消に向けた取組を推進することとしています。」(1)と紹介し、更に今年3月には「なごや人権施策基本方針」(2)を策定し、そのなかでヘイトスピーチは許されないこと、また「差別的な言動(ヘイトスピーチ)の解消に向けた教育・啓発活動に取り組むとともに、現状把握を継続的に行」うことを「施策の基本的方向」(3)として約束しています。

また「基本方針」に添付された世論調査においても、ヘイトスピーチは「許されないことで、絶対にやめるべき」と「よくないことだと思う」と回答した市民が合せて75%になります。また外国人の人権問題についてもヘイトスピーチを挙げた割合は項目全体でも第二位と高く、ヘイトスピーチの問題は、名古屋市においても、一般の市民感情からみてもかなり深刻なものと受けとめられているといえます。(4)地域における差別と偏見は最重要課題になっているといえるのではないでしょうか。

(1)http://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000091086.html

(注2) http://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/cmsfiles/contents/0000127/127395/zennbunn.pdf

(3)なごや人権施策基本方針 p.28

(4)同上、p.71以降参照。

繰り返しますが、日本第一党は、ヘイトスピーチを繰り返してきた桜井誠が党首の政治団体で、その主張、とくに移民や外国人政策は、移民や外国人の排斥を公然と主張するものであり、また日本の植民地侵略の歴史認識を「自虐史観」と蔑視しています。その主張や過去の経緯からすれば、日本第一党がヘイトスピーチ規制法の趣旨にも名古屋市の人権施策基本方針にも抵触する行動をとるであろうことは明らかです。国際的にも問題となっているレイシストたちの行動は、一般に、自分たちの主張に同調しない者たちに対してはヘイトスピーチや時には暴力によって威嚇し、他方で、あたかも正当な市民運動や政治活動であるかのような装いもとって人種差別主義を市民に根付かせようとすることが常套手段になっています。暴力的なヘイトスピーチと一見すると穏健に見える『あいちトリカエナハーレ2020「表現の自由展・その後」』のような活動とは表裏一体であること、このことを踏まえて、行政や文化施設は、不当な差別的言動の解消に向けた取組に積極的な行動をとるべきだと考えます。

ヘイトスピーチ規制法に関しては、集会やイべントの施設利用について、憲法が禁じている検閲との兼ね合いが常に議論されてきました。日本第一党などは、表現の自由を主張してイベント開催を正当化しようとしていますが、彼らを含むレイシストやヘイトスピーチに加担してきた者たちが私たちの「表現の不自由展・その後」に対して昨年やったことは、表現の自由を踏みにじる行為だったということを私は忘れることができません。主催者である日本第一党のこれまでの主張と行動からみて、『あいちトリカエナハーレ2020「表現の自由展・その後」』なるイベントが明らかにヘイトスピーチといえる効果をもたらし、結果として地域のマイノリティの人々への偏見を助長しかねないことになるのは容易に推測しうることだと考えます。つまり名古屋市自身がそのホームページで対処すべき事態しして明記した「本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」となる可能性を秘めたものだということです。

憲法では、検閲を禁じると同時に、人権の尊重を最重要とも位置づけており、民族や出自などへの差別を偏見として認めていません。彼らの偏見に満ちた「表現の自由」には正当性はなく、地域で暮す多くのマイノリティの人権と自由が脅かされることになるのです。日本第一党のイベントは、マイノリティ当事者にとっては耐えがたいことであるということを、名古屋市と名古屋市文化振興事業団は自覚すべきです。私は名古屋市民ではありませんが、日本国籍をもつ者としても、このような人権侵害とヘイトスピーチに加担する名古屋市の決定を黙って見過すことはできません。

ヘイトスピーチには言論表現における威嚇、脅迫や罵詈雑言など暴力的な言葉だけではなく、事実を歪め、偏見を助長するような表現を通じて、人々が日本に住むマイノリティの人々の価値観や文化あるいはその存在そのものを否定したり、日本人のそれよりも劣るものとみなす言説もまたヘイトスピーチに含まれます。文化行政がこうした隠されたヘイトスピーチに対抗することなくして、多様な文化との共生を地域で実現することはできません。差別と偏見によって深刻な被害を被らないようにマイノリティの人権を確立し、人間としての平等を実現することもできません。もし、名古屋市が、『あいちトリカエナハーレ2020「表現の自由展・その後」』を容認するのであれば、その結果は、とりかえしのつかない差別と偏見、偽造された歴史認識の助長を招くことになるでしょう。これは、事実上、公権力による人権侵害の黙認であって、その責任は極めて重いと言わざるをえません。名古屋市及び名古屋市文化振興財団にとって今必要なことは、明確に排除と差別の言動を認めないためにとりうるできうる限りの行動をとることです。

CrimethInc:アナキズム関連をFacebookが禁止に―来るべきデジタル検閲

投稿日: カテゴリー: 文化民衆的自由の権利監視社会表現の自由、検閲批判

BLMが収束せず、大統領選挙が近づくなかトランプはますます横暴になっていますが、これにすりよるFacebookはもっと罪深いと思います。以下、CrimethIncの記事を訳しました。

アナキズム関連をFacebookが禁止に
来るべきデジタル検閲

Facebookは、アナキストおよび反ファシストのネット発信プロジェクト(原注)の中でも、彼らがcrimethinc.comおよびitsgoingdown.orgに関連すると考える(注)複数のFacebookページを削除した。
(原注)同じ口実で本日禁止された他のFacebookアカウントのなかには、ミュージシャンのMC Sole、Truthoutの作家Chris Steel、およびヨーロッパのニュースソースであるEnough is Enoughがある。

(注)https://twitter.com/nickmartin/status/1296175961260482560

彼らは、公式には「暴力を支持している」ことを口実にしている。この禁止措置は暴力を止めることとは無関係であり、社会運動とこれを報道するネット発信を抑えつけることがすべてだ。

(注)

ドナルド・トランプは、米国における警察の後をたたない暴力に対する全国規模の抗議の波に対して、一連のソーシャルメディアの投稿で、アナキストと反ファシストを非難し、数か月にわたって取り締まりを要求してきた。10年前、Facebookの代表は、エジプトでの民衆蜂起に果した彼らの役割を誇示していた。現在、積極的に社会運動を論じるネット発信を禁止する彼らの決定が示しているのは、ネットに登場を許される唯一の形態のアクティビスムとは、現在の当局に確実に利益をもたらす役割を果たすことが望まれているというこだ。

https://twitter.com/nickmartin/status/1296175961260482560
(訳注)8月20日、Nick Martinのツィッターのページ。(ここで、Facebookが禁止したサイトに言及されている)

暴力の定義は中立ではない。現在Facebookによる暴力の定義は、警察が年間1000人を殺害し数百万人を強制退去、誘拐、投獄することは合法だというものだ。攻撃者が政府を代表している限り、民間人を爆撃することは合法であり、白人至上主義者が群衆を襲撃するのを阻止したり、警察が撃った催涙ガス弾を警察に投げ返したりするのは「暴力」だとするものだ。体制や白人至上主義暴力からコミュニティを防衛しようとする人々の声を抑圧するのは、暴力を行使する者たちが制度的権力を保持している限り暴力行使を当然だとする意図的な決定だ。

現在の政権を明示的に支持する極右の民間武装勢力militiaとアナキストや反ファシストを一括りにするのは、問題を混乱させる戦略的な動きだ。これは、ウィリアム・バー(司法長官)が自称ファシストと反ファシストの両方を標的とする「反政府過激派」を標的にした司法省のタスクフォースを設置した際に行ったのと同じやり口だ。司法省の場合、極右の攻撃に対してコミュニティ防衛の最前線にいる人々を取り締まる人員や金を要求する口実として極右や民間武装勢力の攻撃を指摘しえた。バーと他のトランプ政権のメンバーは、ブラック・ライブズ・マターの活動家に対しても同様のことを行おうとし、BLMとネオナチスや白人ナショナリストを「人種的動機をもった過激派」として関連付けた。

シャーロッツビルでの「Unite the Right」の動員の最中に、自称ファシストがHeather Heyerを殺害(2017年8月)した後、ソーシャルメディアからファシストや白人至上主義者を排除せよという大きな草の根の圧力が発生した。現在、当時とは真逆にこの圧力は、抗議運動が国家の暴力と抑圧に関する全国的な対話を創出する上で不可欠な時期に、国家機構のトップから来ている。これは、シャーロッツビルのファシストに反対して結集した人々の見解を発表したWebサイトに対する権力からの反撃である。これが数週間の街頭闘争に直面してトランプが連邦の軍をオレゴン州ポートランドに動員した直後で、極右のスポークスパーソンが上院での証言で具体的にcrimethinc.comとitsgoingdown.orgに言及した数日後のことなのは偶然とはいえない。

極右のグループが引き続きFacebookを利用して組織し、COVID-19に関する危険な誤った情報を広めるなかで、Facebookはトランプ政権の合図を優先して反対意見を抑えている。間違いなく、これが問題にならないのであれば、将来はもっとひどいことになる。政府が社会運動を報道するネット発信を取り締まるノが当たり前になればなるほど、こうした検閲は社会のあらゆる部門に浸透し、政府が考え、想像するような事態を具体化するようになる。

この問題についてあなたが危惧するのであれば、このニュースを広く共有できるようあらゆる手段を駆使してほしい。Facebookがあなたに対して何が責任ある言論なのかを決定すべきではない。共に連帯するなかで、私たちは、より良い世界を作り出すことができる。こうした世界は、善意ある誰もが、ファシスト、政府、10億ドル規模の企業が脅したり沈黙させたりすることを恐れる必要のない世界だ。

「CrimethInc、それは、真に自由な社会の詩人や知識人たちだ。アナキストの発信に共通のテーマがあるとすれば、それは組織的暴力やシステムの暴力の脅威が存在せず、また、決してこのような状況が起き得ない社会を夢見ることだ。ここでは、棍棒、銃、爆弾を持つ男のグループが、他の人々を脅すようなことはない。これは正統性のある政治的立場というだけではなく、社会にとって必須であり、本質的かつ必要なものだ。私たちは平和で思いやりのある世界を夢見ることさえ禁じられている、と特に若者たちに語らざるをえないことほど、暴力的なことはない。」
-デビット・グレイバー、:ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス人類学教授、『債務』の著者、Facebook禁止のニュースに応答して。

Zoomが天安門関連集会を中国政府の要求で閉鎖

投稿日: カテゴリー: Technology監視社会表現の自由、検閲批判

以下、いくつかのメーリングリストに投稿した文章を転載します。

—————————————

日本のメディアでどのくらい報道されているかわかりませんが、6月11日にZoomは以下にあるような声明を出しました。5月から6月にかけて開催された4つの天安門事件関連のZoom会議に対して、中国政府が開催の中止と主催者のアカウントの削除を要求し、これにZoomが応じたという問題についての声明です。私はこの声明に納得できません。

Zoomは、今後、各国の政府が集会を中止するよな要求を出した場合に、その国から参加することができないように設計変更することを約束しています。これはIPアドレスの国別割り当てなどで制御するのであれば比較的容易と思います。このIPアドレスの割り当てによる規制を回避するとすれば、たとえばTorブラウザなどを利用することになりますが、Torが利用しているIPも全て使用できないようにする、更にはVPNも使わせないといった処置に進展しかねないと思います。

国内法に即して参加の可否を判断するという措置をZoomは、各国の国内法を遵守するものであるとし、違法ではない国の参加者の参加を妨げるものではないということから、正当化しようとしています。しかし、今回の場合、中国本土、香港、そして各国の参加者が国境を越えて議論できる場になることが重要なのであって、中国本土から参加できないのであれば、他の国の参加者の参加の自由があっても、これを集会の自由とは言わないでしょう。ちなみに。私は今回の4つのZoom会議がどのような傾向をもって天安門の事件に取り組んでいるグループが主催しているのかは全く把握できていません。反中国親トランプの勢力かもしれないわけですが、このことは事柄の本質とは関係ないと思っています。米中の大国のいずれにも異議を申し立てる運動がこうした国境を越えた連帯が作れていないのなら、それは私たちの反省材料でしかないからです。

今後、中国に限らず、日本であれどこであれ、国内法に違反すると政府や警察など行政権力がZoomに申し立てした場合、Zoomはこれを受け入れるということです。会議を中止されたりアカウントを廃止された場合の異議申し立ての手続きについては以下の声明でも一切言及されていません。これまでも捜査当局の任意の捜査に協力することを当然としてきた日本のIT業界のありかたや、共謀罪のある日本では、Zoom日本法人がいったいどのような措置をとるのか、楽観できないと思います。

しかも、Zoomは、将来の訴訟に備えて、政府側の言い分に従って、会議を中止したり、アカウントを剥奪することが妥当であることを証明するために、会議参加者のアカウントやプロファイル、会議のコンテンツなど「証拠」になるものを収集する可能性もありえます。

Zoomがこうした対応をとらざるをえなくなったのは、会議室の内容や主催者のアカウントを管理しているからです。会議室の内容、参加者について一切の情報を取得しないか、暗号化されていて内容を把握できない環境をインフラを提供する側が構築していた場合、こうした権力の介入に対してはより強い立場をとることができます。この意味でJitsi-meetのような主催者も参加者も管理しないで暗号化する会議室のシステムは人権を守る上で重要になります。

Zoomのもうひとつの弱点は、Zoomが中国を無視できないグローバルビジネスモデルを基盤にしているからです。そしてAPは、Zoomの本社は米国だが研究開発の拠点は中国にあると報じている。
https://apnews.com/2ba80f30ecaf5aa37852164c3d149514

こうした言論弾圧が起きるたびに、日本の右翼や右派メディアは欣喜雀躍してレイシスト的な中国叩きをします。しかし、問題の本質は、どこの国であれ、国境を越えたオンライン会議が自国の国益に反することはないのか、誰が参加しているのかを監視しようとする動機を十分にもっており、対処の手段を権威主義的な手法をとるのか、より巧妙な民主主義や法の支配の仮面をかぶって実行するかの違いがあるにすぎません。

天安門事件については、中国の軍が関与した弁解の余地のない虐殺行為であって中国政府を擁護できる余地は一切ないと考えています。歴史上、ドイツもイタリアもファシズムの主張は「社会主義」を巧妙に転用してきた経緯があり、日本の戦前の植民地支配の正当化もまた欧米帝国主義からアジアを解放するという欺瞞に転向マルクス主義者が加担した歴史をもっています。私は左翼のはしくれですから、さまざまな反共主義者や右翼がこうした事件をひきあいに出してコミュニズムや反資本主義の考え方を否定しようとするスタンスとも一切の共通した理解をもっていません。だからこそ、左翼にとって自由と文化の問題は最大の課題だと思っています。経済的平等については多くの議論の蓄積がありますが、自由という課題はまだ十分な議論ができているとは思えません。ネットのコミュニケーションの権利と自由もまた同様に議論半ばと思います。

オンライン会議でZoomを使わざるをえない事情がありうることを理解はしますが、この会社が人々の言論表現の自由よりも当局の判断を優先させる会社だということを理解した上で、参加している国外に人たちのリスクも考慮して使うべきでしょう。しかし、可能であれば、Zoomのようなビジネスモデルに頼らない環境を作りたいと思います。

=======================================
6月11日Zoomの声明(前書きを除いた全文)

Improving Our Policies as We Continue to Enable Global Collaboration


==========================
主な事実
5月から6月上旬にかけて、会議の詳細を含めてソーシャルメディアで公開された4つの6月4日を記念するZoomの集会について、中国政府から通知うを受けた。中国政府はこの活動が中国では違法であることを通知し、Zoom に会議とホストアカウントの停止を要求してきた。

われわれは、中国政府にユーザー情報や会議コンテンツを提供することはしていない。誰かがひそかに会議に参加できるようなバックドアもない。

中国当局は我々が会議中止の行動を起こすように要求した会議の1つについては、中国本土からの参加者がいなかったため、会議を邪魔するようなことはしない選択をした。

4つの会議のうち2つについては、米国に本拠を置くZoomチームが会議の進行中に会議のメタデータ(IPアドレスなど)を確認し、中国本土のかなりの数の参加者がいることをを確認した。

4番目の会議では、中国政府は6月4日の記念イベントを参照する会議へのソーシャルメディアの招待を示し、会議を中止するよう要求した。中国当局はまた、このアカウントに基づく以前の会議が違法であると見なしていることを私たちに通知した。米国を拠点とするZoomチームは、この以前の会議に中国本土からの参加者が出席していることを確認した。

現在、Zoomには、特定の参加者を会議から削除したり、特定の国の参加者を会議に参加させたりする機能はない。そのため、4つの会議のうち3つを中止し、3つの会議に関連するホストアカウントを一時停止または廃止することを決定した。

我々が期待に沿えなかった理由

我々は、現地の法律を遵守するのに必要な行動をとるよう努めている。我々の対応は、中国本土以外のユーザーに影響を与えてはならない。我々は2つの間違いをした:

我々は、香港特別行政区にあるアカウントをひとつ、米国にあるホストアカウント二つを一時停止または廃止にした。我々はこれら3つのホストアカウントを復活させた。

国ごとに参加者をブロックするのではなく、会議を閉鎖した。現在、国ごとに参加者をブロックする機能はない。この必要性は予想できたといえる。大きな反響があったかもしれないが、会議を継続させることもできた。

我々が取っている行動

今後、Zoomは中国政府からの要求が中国本土以外の人に影響を与えないようにする。

Zoomは、地理に基づいて参加者レベルで削除またはブロックできるようにする技術を今後数日間で開発する。これにより、我々のプラットフォームでの活動が国内で違法であると判断した場合に、地域の当局の要求に応じることができる。ただし、その活動が許されている国の参加者の議論を保護することも可能にする。

我々は、要求の種類に応じて、当社のグローバルポリシーを改善する。2020年6月30日までに公開される透明性レポートの一部として、このポリシーの概要を説明する。

ビジネス、教育、ヘルスケア、およびその他の専門的な取り組みのために人々をつなぐことに加えて、このグローバルなパンデミックにあって、Zoomは世界中の人々がつながるために選択されるプラットフォームになった。Zoomは、我々がグローバルに果たしている役割を誇りに思っており、コミュニティが集まり、組織し、共同作業し、祝うためにアイデアと会話をオープンに交換することを完全にサポートする。

「表現の不自由展・その後」を理由とした大村知事へのリコール運動反対!6.13街頭宣伝in栄

投稿日: カテゴリー: 声明、アピールなど表現の自由、検閲批判
昨年の表現の不自由展への検閲問題はまだ解決からほど遠い。名古屋では、表現の不自由展・その後の企画を認め、いったん中止されたあと再開を決定した大村知事に対して右翼側からのリコール運動なるものが始まっている。これに対して、あいちトリエンナーレの会期中連日美術館前でスタンディングの抗議を担ってきた愛知の人たちが、この理不尽なリコールへの抗議のアクションをはじめている。
ミネアポリスで起きたジョージ・フロイドさん殺害をきっかけに、警察の暴力の歴史的な背景をなす植民地主義への批判的な関心が非常に高まっている。そうしたなかで、日本の右翼は、日本の植民地支配を正当化するだけでなく、露骨なレイシズムの主張を繰り返している。このリコール運動も、リコールの主張とともに、市民にレイシズムを拡散する手段としてこの運動を利用しようとしており、民主主義の制度を逆手にとって基本的人権を扼殺しようとするものだと言わざるをえない。
以下、「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会からの呼びかけを転載します。
★★「表現の不自由展・その後」を理由とした大村知事へのリコール運動反対!6.13街頭宣伝in栄(6月13日(土)午前11時~12時@栄三越久屋大通り角) ★★
・「表現の不自由展・その後」を理由とした大村知事へのリコール運動反対!
・河村たかし名古屋市長はあいトリ2019分担金を支払え!
・私たちは歴史改ざん主義に反対します!
呼びかけ文
 6月2日高須克弥氏らは「表現の不自由展・その後」の開催と再開をおもな理由とした大村知事へのリコール運動を開始すると記者会見しました。私たちはこの大村知事へのリコール運動が、実際は「表現の自由」と「歴史の事実」に対する攻撃であると考えます。
 記者会見で高須克弥氏は「批判は自由」と言いつつ「表現の不自由展・その後」で展示された作品の存在そのものを「許せない」と批判しています。そして「公金を使っての展示が許せない」と主張しています。公金を使って展示することこそ、「表現の自由」を行政が遵守することになることを高須氏は否定しているのです。「表現の自由」の否定に他なりません。
 また、このリコール運動は河村たかし名古屋市長と密接に連携しながら進められています。高須克弥氏は以前、第二次世界大戦におけるユダヤ人大虐殺(いわゆるホロコースト)を否定し、未だ訂正も謝罪もしていません。河村たかし名古屋市長は南京大虐殺否定発言、旧日本軍性奴隷制度問題否定発言を行い、未だ訂正も謝罪もしていません。
 両者に共通しているのは歴史改ざん主義であり、この歴史改ざん主義がこの愛知の地で今、メディアの注目を浴びつつ大村知事へのリコール運動を契機に大々的に展開されようとしています。それはまさに昨年「表現の不自由展・その後」へ向けられた脅迫と圧力の本質だったと思います。あのような悲惨で恐ろしいことを再び許しては絶対にいけません。
 ぜひ 6.13街頭宣伝in栄にご参加ください。ともに声を挙げつながっていきましょう!
日時:6月13日(土)11時~12時
場所:栄三越久屋大通り角
主催:「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会
連絡先:TEL080-2041-3968(専用) Email resumetheexhibition@gmail.com