(LeftEast)時機を失した思想。革命とウクライナに関するノート
(訳者前書き) ここに訳出したのは、ウクライナ出身のコミュニスト、アンドリューがLeftEastに寄せたエッセイである。彼は、ウクライナ東部ハルキウ出身で、ハルキウの大半の家庭同様、ロシア語を家族のなかでは話す環境で育ったと、別のインタビューで語っている。ハルキウの住民の大半はロシア語話者だが、だからといってロシア支持だということではないとも語っている。 彼のこのエッセイを読んで、そのスタンスは、私とかなり近いと感じたので、訳そうと思った。私のブログで「いかなる理由があろうとも武器をとらない」と書いたときに、念頭にあったのは、左翼のなかでの、ロシアの侵略に対して武装抵抗することの必要性を主張する議論への違和感があったからだ。現実にウクライナでロシア軍に対して左翼が武装抵抗を選択したとすれば、効果的に遂行するためには、ウクライナ軍やNATOからの軍事支援を否定することは極めて困難だろうと私は判断したが、それだけでなく、日本国内の反応がとても気になった。ウクライナが侵略される状況を目の当たりにして、護憲平和主義を主張してきた人々のなかにかなりの動揺があり、自衛隊や自衛のための武力は容認する […]