(EBCO)ウクライナにおける兵役拒否の制度と兵役拒否者への不当な処遇

(訳者前書き)以下は、ヨーロッパ良心的兵役拒否委員会のサイトに掲載されているウクライナにおける徴兵制度と徴兵に伴う人権侵害いついてのレポートである。このレポートは、2022年2月のウクライナへのロシアの侵略以前に作成されたものなので、現在の戦争の状況についての直接の言及はない。しかし、戦争以前にウクライナの徴兵制度と良心的兵役拒否の実態を理解する上での基礎的な情報である。この資料からもわかるように、ウクライナの若者たちの徴兵忌避傾向は無視できない影響があり、それ故に、ウクライナ政府は強引な徴兵政策をとり、人権侵害が繰り返されてきた。同時に、ウクライナ東部の分離主義者の支配地域においてもロシア側による徴兵強制が深刻な人権侵害お引き起こしていることも報告されている。今回の戦争前のウクライナの徴兵制をめぐる人権侵害については、国連や欧米諸国も危惧していたことがわかるが、今回の戦争によって全ての危惧は忘れさられたかのようになり、ウクライナの若者たちが侵略者と命を賭けて戦うことを当然のことのようにみなして賞賛して戦う若者の背中を押すかのような論調が支配的かもしれない。民衆はひとつではない。侵略者を目前にしても戦わないことを選択する者たちの選択の権利は、戦争が正義を纏っていればいるほど尊重されるべき態度だと思う。日本でいえば非国民と言われても武器をとらず、日の丸を振って出征兵士を送るなどという愚行を拒否することが容易ならざることだったことを想起すれば、ウクライナで非戦を貫くことは実は極めたタフな行為であり、その行為を支える思想性は強靭でなければ支えられないものでもあると思う。(小倉利丸)

以下はヨーロッパ良心的兵役拒否委員会のサイトから。なお、ウクライナの法制度には精通していないので、用語などで不正確なところがあるかもしれません。オリジナルのドキュメントでご確認ください。


徴兵制あり2014年に再導入(それ以前は2012年に停止)
良心的兵役拒否1991ウクライナ法「非軍事的兵役に関する法律」で初めて承認
兵役18ヶ月高等教育を受けた男性の場合、12ヶ月
兵役民間で勤務27ヶ月高等教育を受けた男性の場合、18ヶ月
ミニマム徴兵18ヶ月18-19歳で準自発的に召集、20-27歳で強制召集。
ミニマム任意加入17ヶ月兵学校は18歳未満。士官候補生は17歳
詳細https://ebco-beoc.org/ukraine EBCOの年次報告書2021年に関する質問状
に対する国防省の回答(2022年1月12日の電子メール)、EBCOの年次報
告書2021年に関する質問状に対するウクライナ国会人権担当委員事務局
の回答(2022年1月27日の電子メール)などを含む。

2020年5月~7月の春季軍事徴兵(COVID-19のため1ヶ月延期)で16,460人、2020年10月~12月の秋季軍事徴兵で13,570人の徴兵が行われた。つまり、2020年に強制的に兵役に送られた若者の総数は30,030人であり、2019年の徴兵(33,952人)の88,5%に相当する。ウクライナ国防省の情報によると、2020年には18ヶ月の任期を終えた4,166人の徴兵者と12ヶ月の任期を終えた300人の徴兵者が兵役から解放された。

地方行政機関がウクライナ平和主義者運動に提供した情報によると、2020年には約1,538人の良心的兵役拒否者が代替勤務を行い、その95%近くが27ヶ月の任期で勤務しているとのことである。例年、代替勤務の申請の約20%が手続きの遅れを理由に、約2%が宗教的信条の証明(教会員証など)がないことを理由に、そして約1%が代替勤務を管理する地方行政機関に申請者が出頭しないことを理由に拒否されている。こうした機関は通常、軍事司令部の将校を含み、ほとんどが公務員で構成されているが、中には軍の予備役がいることもある。

代替勤務は、1999年の政令で定められた10の宗派の宗教団体に所属する宗教的拒否権者のみが利用できる。良心的兵役拒否を訴える軍人には、その拒否を認めてもらう法的手段がなく、兵役からの任意離脱は通常不可能である。これは、本人の意思に反して軍に移送された徴用工にも当てはまる。

ウクライナに蔓延する汚職は、多くの若者にとって兵役を回避するほぼ唯一の方法として今も利用されている。多くの警察の報道発表によると、2020年には、徴兵忌避者から500ドルから2700ドルの賄賂を受け取ったとして、軍事委員会の役員や軍医が数十人逮捕された。また、2020年5月には、クメルヌィツキー州行政機関の対テロ作戦、統合部隊作戦、代替勤務の参加者の職業適応部門の責任者が、遅れて提出された代替勤務の申請を遡って登録し、申請を確実に許可するために1000ドルの賄賂、キャンディ1箱、コーヒーを強要した罪で逮捕された。

2020年、キエフとジトーミル州で徴兵軍人の自殺が3件、メディアで報道された。心理療法士のミハイロ・マティアシュは、Dzerkalo Tyzhnia紙の記事の中で、東ウクライナの武力紛争に参加した契約・徴用軍人の調査で自殺傾向が高いことが明らかになったと報告した。この主張は何度か公に異議を唱えられたが、ウクライナ国防省はいまだに徴用軍はドンバス紛争に参加しないとしているため、この専門家の発言は特に興味深いといえるだろう。

ウクライナ刑法335~337条、407~409条により、2020年1~11月に兵役忌避者に対する3361件の刑事手続が登録され、その中には自傷行為による18件が含まれている。同様の罪で、2019年には190人の徴兵忌避者と脱走兵が収監され、117人が逮捕され、24人が規律の大隊に拘束され、380人が裁判所から罰金を課された。

2020年 ウクライナのジャーナリスト、平和主義者、良心的兵役拒否者のルスラン・コツァバRuslan Kotsabaは、2015年に東ウクライナの武力紛争への動員のボイコットを呼びかけるビデオブログを公開したため、イワノ・フランクフスク州のコロミヤ市地裁で再び裁判にかけられた。反戦思想の表明のため、反逆罪と軍事作戦の妨害の罪に問われている。コツァバは524日間拘留され、2016年に正式に無罪となった。彼の現在の再度の裁判は、政治的動機に基づく起訴と司法に対する極右の圧力の結果である。検察官は、彼に財産の没収を伴う13年の禁固刑を宣告するよう裁判所に求めているが、これは明らかに公平性を欠く処罰である。EBCOはKotsabaに対する刑事訴追の即時かつ無条件の終結を求めた。[1] また、War Resisters’ International, Aseistakieltäytyjäliitto, Connection e.V., DFG-VK などがRuslan Kotsabaへの連帯を表明した。

2020年7月、修士課程の学生Igor DrozdとGeorgy Veshapidzeは、高等教育を受けるための徴兵延期権があったにもかかわらず、本人の意思に反してキエフのデスニアスキー地区軍事委員会から軍の部隊に移送され、不法に拘束された。彼らの話はメディアで取り上げられ、ウクライナ国会人権委員会(UPCHR)のアシスタントが軍事委員会を調査し、この他にも20歳未満の非自発的な徴兵などの違反があることが判明した。少年たちは釈放された。

2020年8月、UPCHR事務局は、Telegramのbotが個人情報を無断で使用して、軍を放棄した6907人の軍人のリストを公開したことを報告した。

ウクライナのいくつかの地域で、徴兵のコロナウイルス検査が導入された。2020年12月16日、ウクライナ軍医療部隊司令部は、ウクライナ軍で3,186人がSARS-CoV-2コロナウイルスによる急性呼吸器疾患COVID-19を発症し、12月31日には、1,937人の軍人が発症し、大流行期間中に、合計38人が死亡、12,026人が回復と報告した。

2020年4月8日、ウクライナ平和主義者運動のCOVID-19流行時の徴兵制中止の請願に回答したUPCHRの軍人保護問題担当のオレ・チュイコは、同委員が軍人の間のCOVID-19の蔓延防止について問い合わせをしたと伝えている。また、彼は、2019年に委員が徴兵者とその親族から50件以上の苦情を受け、軍事委員会の将校による100件以上の人権侵害について説明し、委員は侵害を止め、将来的に防止するために必要な措置を講じたことを伝えた。

エホバの証人のヨーロッパ協会は,2019年の国連人権委員会への提出書類の中で,ドニプロペトロフスク地方国家管理局が,これまでエホバの証人の代替的な市民奉仕の申請をすべて却下してきたと報告している。これは,代替的な市民奉仕の申請は大統領令が定める徴兵開始2カ月前までに行わなければならないことが法で定められているのに,近年は通常徴兵2カ月前より後に発行されているために申請が間に合わないことによる。[2] 2020年、政令は徴兵の3ヶ月前に発行された。ドニプロペトロフスク地方国家管理局がウクライナ平和主義運動に提供した統計によると,2015年から2020年にかけて68人の良心的兵役拒否者が代替奉仕活動を認められ,そのうち50人がエホバの証人だった。30の申請が拒否され,そのうち6件は時期尚早,4件は信仰心の純粋さを証明する証拠がない,10件は代替奉仕活動の仕事を忌避していたため,である。

2020年3月16日、EBCOのフリードヘルム・シュナイダー会長は、欧州評議会加盟国による義務と約束の遵守に関する委員会-監視委員会(Dzhema GrozdanovaとAlfred Heer)に対し、準備中の報告書草案について書簡を送付した。「ウクライナによる義務と公約の遵守」、また「欧州における良心的兵役拒否に関するEBCO年次報告書2019」を添付する。

2020年10月1日、人権理事会第45回定例会第31回会合で、国際和解の友(IFOR)は、現在のウクライナの良心的兵役拒否の権利の侵害について懸念を表明し、代替サービスの不釣り合いな長さと軍籍を持っていない人の雇用へのアクセスの欠如を確認し、国の領土保全のために憲法に明記されている義務は、良心的拒否に対する国際的に保護される権利に優先しないことを強調した。思想、良心、宗教の自由は、武力紛争の状況にかかわらず、無視できない権利であり、引き続き適用される。IFORはウクライナに対し、兵役に対する良心的兵役拒否の権利の完全実施を新たな人権行動計画に盛り込むよう促した。

また、2020年12月18日の人権理事会でIFORは、ウクライナの代替勤務は懲罰的で差別的な性格を持ち、ほとんどアクセスできないとの声明を発表し、リブネ州ホシュチャライオンで代替勤務の制限的な法的規制に適した雇用がないため代替勤務を開始できないペンテコステ派の良心的兵役拒否者24人の状況にも言及した。IFORは、国会が人権を侵害する法案3553を第一読会で採択し、2015年にウクライナ東部での武力紛争のための軍事動員に反対を表明した平和主義者ルスラン・コツァバの裁判を継続することに懸念を表明した。

ウクライナ大統領ヴォロディミル・ゼレンスキーが提案した法案3553「兵役遂行と軍籍登録のいくつかの側面の改善に関するウクライナの複数の立法措置の改正について」は、国会で第1読会が開かれ、採択さ れた。

以下のような雇用のための軍登録の義務化が含まれる。

●強制的な兵役登録や兵役に違反した場合の罰則をより曖昧にし、高額な罰金(現在の50~100倍に引き上げ)、TCRSSの罰金賦課権を強化した。

●行政違反者の逮捕とTCRSSへの強制的な移送。これは、警察や軍事委員会役員による街頭での徴兵狩りという現在の非公式な慣行の合法化とも考えられ、特に国連ウクライナ人権監視団によって報告された徴兵の恣意的な拘束である[3]。

●軍事登録、軍事訓練集会、「特別期間中の」徴兵(2014年のロシアのウクライナ侵略開始後に宣言)の忌避に対する刑事罰は、高額の罰金から最大5年の懲役までであり、強制集会や動員・徴兵から忌避した予備兵の処罰に焦点が当てられており、これは男性住民のさらなる強制的な軍隊化を意味しかねない。徴兵者は義務軍役期間を終えた後は予備兵として数えられるため、40%が軍役のための契約を結ぶように説得されているとされる。

●良心的兵役拒否者の兵役解除後の強制的な「軍籍」登録(今のところ、単なる「登録」と呼ばれている)。

●最高司令官であるウクライナ大統領が、予備役兵士を「特別期間」として最長6ヶ月間の強制兵役に動員する権限。

●国民の個人情報を本人の同意なしに徴兵者、軍事義務の対象者、予備兵の国家統一登録簿に含めることができる。特に、データは国家統一人口登録簿から自動的に移される(つまり、17歳以上のすべての男性人口を徴兵目的の軍事登録簿に自動的に含めることができる)。

●学生は「特別期間」に徴兵される可能性がある(現在は猶予の権利がある)。

●良心的兵役拒否者の公共サービスへのアクセスにおける差別。公職に就くすべての候補者に対する「兵役に対する態度の特別調査」と公共サービスでの求職に対する軍人IDの提出の要求によって導入された。

ウクライナのヴェルホヴナ・ラダ(国会)の中心的な学術専門家集団は、法案3553の採択は市民の権利と自由に悪影響を与える可能性があると警告した。

ウクライナ平和主義者運動による法案3553の撤回要求は拒否され、大統領府から国防省に宛てた公開書簡[4]は、法案を採択するために書かれたものであった。ヴェルホヴナ議会の国防委員会は、ウクライナ平和主義者運動の法案3553に対する異議申し立て要請を拒否した。

2013年の国連人権委員会は、義務的兵役に対する良心的兵役拒否の権利を良心に基づく非宗教的信念を持つ人に拡大する措置がとられていないようだと懸念を表明したが、ウクライナ平和運動と国際和解の会の、兵役に対する良心的拒否の人権の保護をウクライナの国家人権戦略および2021年から2023年の行動計画に含む提案も拒否された。また、代替服務の取り決めは、拒否を正当化する信念(良心に基づく宗教的または非宗教的な信念)の性質による差別なしにすべての良心的兵役拒否者が利用できるべきであり、兵役と比較して性質や期間において懲罰的または差別的であってはならないと強調している。[5] 2020年10月23日、UPCHRの外務代表ナタリア・フェドロヴィッチは、代替勤務に関する人権委員会のウクライナへの勧告は実現されておらず、委員はウクライナ憲法35条に従い、「代替(非軍事)勤務に関する」ウクライナ法を徹底的に更新・改善すべきと考えていると公式文書で述べている。

2020年12月25日、ゼレンスキー大統領はFocus誌のインタビューで、ロシアとの大きな戦争が起こった場合、総動員を計画しており、男女とも現役の軍隊に徴兵されると述べた。セルヒイ・クリボノス少将は、ゼレンスキーの計画は非現実的だと批判し、人々は戦いたくないと強調し、「徴兵の軍務はほとんどの場合、奴隷的だ」と述べた。この発言後すぐに、ゼレンスキーはクリボノスをウクライナ国家安全・防衛評議会の副書記のポストから解任している。

2019年に行われた3e! News Telegramチャンネル(1370人の有権者の87%が徴兵制に反対)、2020年キエフKRTテレビ電話世論調査(578人の参加者の91%がウクライナの兵役は任意とすることに同意)で、ウクライナでは徴兵制が非常に不人気であることが明らかになった。しかし、2020年7月17日の国会でアンドリー・タラン国防大臣は、ウクライナの徴兵制は当面継続されると述べ、前任のアンドリー・ザホロドニクによる徴兵制中止の可能性に関する発言を否定している。

2020年11月には、ウクライナ国家緊急事態局の職員を徴兵の対象から除外する法律が採択された。

ウクライナ領土の不法占拠が続く中、2020年、ロシア軍はジュネーブ条約第4条51項と国連総会決議に違反してクリミア住民3,000人の徴兵を発表した。欧州連合はこの徴兵の試みを非難し、ロシアに対してクリミア半島における人権と国際法のすべての侵害を停止するよう求めている。[6] 占領が始まって以来、ロシア連邦はすでに11回の徴兵キャンペーンを行い、その間に約25,000人がロシア軍に不法に徴兵された。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、刑事徴兵忌避事件に関するクリミアの裁判所の判決数十件を精査し、2017年から2019年の間に71件の刑事徴兵忌避事件と63件の有罪判決を確認した。すべての事件と判決が公開されているわけではないので、その本当の数はもっと多い可能性が高い。ほとんどの場合、被告人は5,000~60,000ルーブル(77~1,000ドル)の罰金を科された。[7]

ロシア占領下のクリミアでは、良心的兵役拒否者は国有企業の代替公務員として軍事委員会に申請することができるが、軍は彼らの信仰の「信憑性」を認めるか否かについて完全な裁量権を持つ。拒否は裁判所に訴えることができるが、勝算はほとんどない。良心的兵役拒否者は、手続き上の障害や宗教的、政治的、その他の理由による差別的な扱いを受けるなど、その拒否を認めるための厳しい障害に直面している。例えば,エホバの証人がロシアで禁止されていることから,バフチサライの軍事委員会が,エホバの証人に代替勤務を求めるために信仰を変えるよう要求したことが明らかにさ れた。クリミア人権グループの専門家アレクサンダー・セドフは,2020年にラジオ・リバティで,軍事委員会が代替勤務の申請を妨げ,自宅から非常に離れた他の地域での勤務や仮住まいの不衛生な状況など,耐え難い懲罰的条件に対する不満を犯罪として扱い,そうした不満を代替勤務からの逃亡として刑事罰で処罰すると述べた。

政府がコントロールできないウクライナ東部のドンバス地域では、ロシアが支援する分離主義勢力「ドネツク人民共和国」(DPR、推定兵力2万人)と「ルハンスク人民共和国」(LPR、推定兵力1万4000人)が、17歳の男性全員に軍登録を行い、軍隊やキャンプでの10日間の野外訓練を含む強制軍事行動に招集し、回避者は罰せられる制度を実施している。2020 年 9 月、DPR のデニス・プシリン党首は、具体的な詳細を伴わないまま、将来的な徴兵制を発表した。メディアは、LPRの軍事委員会が2021年にロシア軍への徴兵を組織し、特にこの地域の人々に大量に発行されたロシアのパスポートを持つ18歳以上の男性を対象にすると伝えている。ドンバスの分離主義軍とロシア職業軍への徴兵制導入の発表では、兵役に対する良心的兵役拒否の人権が尊重されるかどうかについては触れられていない。

[1] Brussels 8-12-2020 – OPEN LETTER to Court – EBCOはRuslan Kotsabaに対するすべての告発の取り下げを要求している。利用可能な場所: https://ebco-beoc.org/node/478

[2] 欧州エホバの証人協会、国連人権委員会への提出文書、ウクライナ、2019/09/23。利用可能なサイト: https://tbinternet.ohchr.org/Treaties/CCPR/Shared%20Documents/UKR/INT_CCPR_ICO_UKR_36874_E.pdf

[3] 人権理事会文書 A/HRC/42/CRP.7 “Report on the human rights situation in Ukraine 16 May to 15 August 2019”, 24th September 2019, para. 6, 49. 利用可能なサイト: https://www.ohchr.org/Documents/Countries/UA/ReportUkraine16May-15Aug2019_EN.pdf

[4] ウクライナ平和主義運動による声明。ゼレンスキーの軍事独裁に関する法案№3553は撤回されるべきである。利用可能なサイト: https://wri-irg.org/en/story/2020/statement-ukrainian-pacifist-movement-bill-no-3553-zelenskys-military-dictatorship

[5] 人権委員会、2013年8月22日のウクライナの第7回定期報告書(CCPR/C/UKR/CO/7)に対する最終見解、para. 19. 利用可能なサイト: https://undocs.org/CCPR/C/UKR/CO/7

[6] 占領地クリミアにおける違法な徴兵に関する EU 声明(2020 年 4 月 13 日)。利用可能なサイト: https://wri-irg.org/en/story/2020/eu-statement-illegal-conscription-occupied-crimea

[7] ヒューマン・ライツ・ウォッチ、「クリミア。徴兵制は国際法に違反する」。利用可能なサイト: https://www.hrw.org/news/2019/11/01/crimea-conscription-violates-international-law

出典:https://ebco-beoc.org/ukraine

戦争とプロパガンダ

以下は、Realmediaに掲載された記事の翻訳です。

March 15, 2022

戦争では、真実が最初の犠牲となる。現代ではありがたいことに、YouTube、Twitter、Facebookなどの巨大企業は、たとえその真実が後に間違いであることが判明したとしても、私たちが受け取る情報が真実であることの保証を高めてきた。

私たちのテレビは、国家公認のロシア・トゥデイが見られないことを伝え、スプートニクとともに、Twitter、YouTube、Meta、その他のプラットフォームから削除されたことを伝えている。

YouTubeは、そのシステムが「人々を信頼できるニュースソースにつなぐ」と言うが、その中には国家公認のBBCも含まれている。BBCは、イラクが大量破壊兵器で西側を攻撃する可能性があると言い、アフガニスタンを侵略しなければならず、リビアがバイアグラで住民をレイプしようとしていると報じたことを覚えているだろうか。すべてが嘘だった。

企業の検閲の津波の中で、前例のない犠牲者がこの戦争で出ている。


長年問題なく過ごしてきたグローバル・ツリー・ピクチャーズGlobal Tree Picturesは、突然、オリバー・ストーンの映画「Ukraine On Fire」を「グラフィックコンテンツポリシーに違反したため」YouTubeから削除される事態に見舞われた。

これを受けて、イゴール・ロパトノクIgor Lopatonok監督は著作権者として、Vimeoのリンクから自由に映画をダウンロードする権利を与え、どこに投稿してもよいと発表したが、このリンクも検閲されたようで、現在は機能していない。この映画は、YouTubeのさまざまなアカウントで再投稿されて見ることができ、2014年のウクライナのクーデターに関するいくつかの隠された真実をタイムリーに思い出させてくれるものである。

YouTubeの親会社はGoogleで、その信頼と安全担当ディレクターは、ベン・レンダBen Rendaだが、NATOで戦略プランナーおよび情報マネージャーとして雇われていた人物だ。


アメリカ国民は、イラク国民が砲撃されたように、砲撃されたのです。それは私たちに対する戦争であり、嘘と偽情報と歴史の省略の戦争だった。湾岸戦争が向こうで行われている間に、そういう圧倒的で壊滅的な戦争がここアメリカで行われたのです。- ハワード・ジン

リー・キャンプ – 写真 Real Media


コメディアンで活動家のリー・キャンプ(2019年にReal Mediaがインタビュー)は、過去8年間、風刺番組「Redacted Tonight」を毎週発表し、反帝国主義のニュースをコメディータッチで満載して配信していた。RT Americaが米国の制裁で閉鎖されたとき、彼は巻き添えとでもいうべき形でそこでの仕事を失った。しかし、金曜日、8年間にわたる強烈なインデペンデントな風刺は削除され、彼のチャンネルはYouTubeによって警告なしに閉鎖された。

リー・キャンプの作品の一部は、今のところまだYouTubeで見ることができる。一見の価値ありだ。

キャンペーンを展開中の調査ジャーナリスト、アビー・マーティンAbby Martinは、2012年から2015年までRTアメリカで「Breaking The Set」番組を運営し、その間、ウクライナでのロシアの軍事行動を極めて公然と非難した。その後、彼女はインタビューとドキュメンタリー番組「The Empire Files」を立ち上げ、2018年にアメリカの制裁まで、ベネズエラを拠点とするTeleSurで放送されていた。次にこれは、YouTubeとVimeoでインデペンデントな支援者が資金を提供してシリーズ化された。

彼女のパワフルなドキュメンタリー『Gaza Fights For Freedom』は現在も配信されているが、土曜日に彼女は、キャンプのそれと同様、彼女の作品全体が万能のYouTubeによって予告なしに削除されたことを発表した。


ロイターは、欧米のハイテク検閲の背後にある別の議題を暴露し、Metaプラットフォームが独自のルールを中止し、数十億のFacebookとInstaのユーザーがウクライナのネオナチ・アゾフ大隊を賞賛し(通常は危険な個人と組織に関するポリシーに抵触するので禁止される)、ロシア軍、リーダー、そして市民に対する暴力的脅迫を「その文脈がロシアのウクライナ侵攻にあることが明らかな場合」には許可するという異例の措置を取ったことを明らかにした

Metaの社長であるNick Cleggは、言論の自由を守っているという理由で同社の立場を擁護しているが、これは例外的な状況であることを率直に認めている。明らかに、この言論の自由は、最近の禁止されたユーザーや投稿の嵐には適用されていない。

検閲とプロパガンダは常に戦争の一部であったが、最近の出来事は、一握りの超富裕層のエリートが、我々が見たり共有したりできる情報に口を出すことをより容易なものにしている巨大なハイテク企業の力を露骨に示している。


「現在を支配するものは過去を支配し、過去を支配するものは未来を支配する」 – ジョージ・オーウェル

活動家ラッパーのLowkeyによると、TikTokのヨーロッパ・中東・アフリカ担当ライブストリーム・ポリシー・マネージャーのGreg Andersonは、NATOの「心理作戦」に携わっていたとのことだが、この記事を出稿する時点でこれを独自に確認することはできていない。

調査ジャーナリスト、エイサ・ウィンスタンリーAsa Winstanleは先週、ウクライナのナチスに関するツイートを削除することに同意するまで、自身のツイッターアカウントを停止させられた。彼が投稿したナチスのシンボルをつけたウクライナの女性戦士の画像は、AIによるファクトチェック企業「Logically」によって異議が唱えられたようだが、特に国際女性デーにウクライナ政府のアカウント2つが同じ画像を投稿しているように、彼らは何等きちんとした調査を行なっていない。Logicallyは問い合わせに回答していない。Asaは、このような組織がネット上の自由な発言を阻止する力を持つべきかどうかと問うている。


欧米のメディアは、ウクライナへの侵攻をノンストップで報道し、破壊、難民の殺到、そして非常に多くの悲劇的な個々の人間の物語を紹介している。メディアは、これは私たちの戦争であり、私たちはウクライナと共に立ち向かわなければならないと報じている。

英国が支援するイエメンでのサウジの戦争(Amnestyによれば、約25万人が殺され、1600万人が飢餓に直面している)と比較対照してみてほしい。サウジアラビアに対する厳しい制裁と、いたるところでのメディア報道によって、何百万人もの人々が救われたかもしれないことを想像してほしい。

また、実際に我々の戦争であったアフガニスタンでの報道と比べてみてほしい。ここでも25万人が殺されている。人口の98%が十分な食料を持たず、飢餓に陥っており、300万人の罪のない子供たちが栄養失調に苦しんでいる。


安全保障条約を求めるロシアのこれまでの平和的アプローチを西側諸国が考慮することを拒否していることについて、どれほどの分析、言及があっただろうか。あるいは、ロシアの現在の要求がどのようなものであるのかさえも。ある時点で、私たちは世界大戦と核兵器による全滅の可能性へとエスカレートするか、さもなくば合意に達しなければならない。どうすればそれが実現できるのか、ある程度の見当をつけておくのが合理的ではないだろうか。

最後に、もし欧米のメディアがウクライナの報道のように気候変動に関する報道をしていたらと想像してみよう。相互確証破壊mutually-assured destructionを回避し、平和的解決に至る方法を見つけることができたとしても、我々は緊急かつ根本的に生活様式を再構築し、有限の惑星における無限の経済成長神話を終わらせ、化石燃料の燃焼を止める必要がある。さもなければ、ウクライナは、私たちの周りでほとんど無視されながら展開されている大災害に比べれば、脇役に終わりかねない。

今月初め、アントニオ・グテーレス(国連事務総長)が警告したように、「人類の半分は今、危険地帯に住んでいる」のである。