『サイバースパイ・サイバー攻撃法案批判』を出版しました

以下プレスリリースを転載します。

2025年3月19日

国会に上程されたいわゆるサイバー安全保障法案等の名称で呼ばれている法案について、その経緯のなかで議論されてきた事柄や現在の世界情勢なども視野に入れた廃案一択のための法案批判の書です。ぜひ法案反対の活動に活用してください。本書はPDFで提供しています。

https://dararevo.wordpress.com/

紙版は3月末に発行予定。紙版の注文は下記で受け付けています。書店での販売予定はありません。

https://cryptpad.fr/form/#/2/form/view/Zf9aZ6eVuNWFqAZsznqkBSJu+woSoeQqc309NlV42fc/

著者について

小倉利丸(おぐらとしまる) 30年ほど富山大学で政治経済学、現代資本主義論、情報資本主義論などを教えてきた。現在JCA-NET理事として月例のセミナーを主催している。著書に『絶望のユートピア』(桂書房) など。ブログ https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/ および https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/ SNS(mastodon) https://mastodon.social/@toshimaru

目次

1. (序文)日本政府のサイバースパイ・サイバー攻撃を合法化する法律はいらない 8

サイバースパイを取り締ることは必要ではないか? 8
1.1.政府に依存することの危険性 8
1.2.政府によるスパイ活動の最近の例(英国がアップル社に出した命令) 9

「増加するサイバー攻撃への対処には新法も必要ではないか?」という疑問の罠 10
2.1 警察や自衛隊に私たちのサイバーセキュリティを守らせてはいけない 10
2.2.官民連携によるスパイ事件を暴露したのは軍でも警察でもなかった 11
2.3..電子フロンティア財団の市民のための自衛マニュアル 12

2.立法事実への批判 14

立法事実の問題点 14
1.1. サイバー攻撃の深刻度のデータについて 14
1.2. 実際の被害件数とその原因 19
1.3. 民間と自治体の被害の具体例からわかること 22
1.4. 地政学的脅威について 24

立法事実は改変されたり意図的に誇張されており、現実問題としては立法事実は存在しないといっていい 26

3.サイバー領域におけるスパイ行為――サイバー安保法案批判として 28

はじめに 28

そもそもスパイとは 30
2.1.定義 30
2.2. スパイ行為の国際法上の位置付け 32
2.3. 米国防総省の戦争法マニュアル 32

法案におけるスパイ行為の合法化 33
3.1. 提言・法案の意図 33
3.2. 令状主義を否定するサイバー通信情報監理委員会の新設 35
3.3. 情報収集の対象が国外であることの意味 38
3.4.官民連携によるサイバースパイ――日本国内の場合 40

サイバースパイ合法化の背景 43
4.1. 参照されている諸外国の法制度は情報機関関連の法制度だ 43
4.2. 欧州のGDPRの歯止めがかからない領域 46
4.3. 法案の背景説明にある海外の「アクセス・無害化」事例について 47

サイバー領域におけるスパイ行為は武力行使全般への入口になる 49

サイバースパイ行為もまたサイバー攻撃である 50

最後に 52

4.「無害化」という名のサイバー攻撃批判 53

はじめに 53

「無害化」=サイバー攻撃についての法案の基本的な考え方 54
2.1. 現行法での違法行為 57
2.2. 日本政府が「無害化」を行なうことの意味 59

Volt Typhoonの場合 59
3.1. マイクロソフトの報告 60
3.2. 長期・広範囲の潜伏活動 61
3.3. 「無害化」措置 62
3.4. ファイブアイズとの連携 64
3.5. 日本もVolt Tyhoonのような攻撃手法をとるようになる 66
3.6. 「無害化」措置でVolt Typhoonは駆逐されたのか 67
3.7. アトリビューションと国家間の敵視政策の問題 68
3.8. 教訓 71

地政学的な国家間の紛争から、国境を越えて繋りあう私たちの権利を切り離すべきだ 73

5.サイバー領域を戦場にしないために――サイバー安全保障「提言」批判 75

はじめに 75

「提言」の盗聴あるいは情報収集について 77

憲法21条と「公共の福祉」 78

通信の秘密は国外に及ぶのだろうか 80

「サイバー戦争」の四つのケース 82
5.1. サイバー領域で完結する場合 82
5.2. 情報戦 85
5.3. 自衛隊の陸海空などの戦力と直接連動したサイバー領域 86
5.4. アクセス・無害化攻撃が実空間における武力行使のための露払いとなる場合 86

アクセス・無害化攻撃と攻撃元の特定問題 87

日本が攻撃元であることは秘匿されるに違いない――独立機関による事前承認などありえない 89

アクセス・無害化攻撃と民間の役割 90

日米同盟のなかでのサイバー攻撃への加担と責任 92

憲法9条と国際法――サイバー戦争の枠組そのものの脆さ 95

6.能動的サイバー防御批判(有識者会議資料に関して)その1 97

官民の情報共有、通信情報活用そしてサイバー攻撃の未然防御 97

対応能力向上の意味すること 99
2.1. (スライド1)国家安全保障戦略「サイバー安全保障分野での対応能力の向上」概要――政府の現状認識 99
2.2. (スライド2) サイバー攻撃の変遷――米軍のサイバー・コマンド 103
2.3. (スライド3) ウクライナに対する主なサイバー攻撃(報道ベース)――米国防総省の2023年のサイバー戦略 107
2.4. (スライド4) 最近のサイバー攻撃の動向(事前配置(pre-positioning)活動)――なぜVolt Typhoonなのか? 109

私たちが考えるべきことは何か 113

7.能動的サイバー防御批判(有識者会議資料に関して)その2(終) 117

(承前)サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議 117
1.1. (スライド5) 国家安全保障戦略(抄)――先制攻撃と民間企業 118
1.2. (スライド6) 内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の強化――経費の問題 122
1.3. (スライド7) 全体イメージ――「社会の安定性」と「無害化」攻撃 125
131
1.4. (スライド8) 主要国における官民連携等の主な取組――ゼロデイ攻撃と脅威ハンティング 131
1.5. (スライド9) 主要国における通信情報の活用の制度概要 134
1.6. (スライド10) 外国におけるアクセス・無害化に関する取組例――FBIによるハッキング捜査とVolt Typhoon 136
1.7. (スライド11) 現行制度上の課題――表現の自由、通信の秘密と公共の福祉 142

スライドの検討のまとめ 148

8.能動的サイバー防御批判(「国家安全保障戦略」における記述について) 152

はじめに 152

安防防衛三文書における記述 153
2.1. 巧妙な9条外し 153
2.2. 「武力攻撃に至らないものの、国、重要インフラ等に対する安全保障上の懸念を生じさせる重大なサイバー攻撃のおそれがある場合、これを未然に排除」とは、どのようなことか。 154
2.3. 軍事安全保障状況の客観的な判断の難しさ 158

能動的サイバー防御の登場 159

9.能動的サイバー防御批判(「国家防衛戦略」と「防衛力整備計画」を中心に) 163

はじめに 163

国家防衛戦略における現状認識 163

戦い方の変化 166

従来の重要インフラ防御とサイバーセキュリティ戦略から軍事突出へ 170

組織再編 172

防衛力整備計画 174
6.1. 境界型セキュリティからネットワーク総体の監視へ 175
6.2. 性悪説に立ち、誰もを疑うことを前提に組織を構築 177
6.3. 統合運用体制―組織再編 179

おわりに―サイバー領域の軍事化を突破口に統治機構の軍事化が進む 182

10.サイバー領域におけるNATOとの連携――能動的サイバー防御批判 187

はじめに 187

NATOの軍事演習、ロックド・シールズとは 189

ロックド・シールズの軍事演習への日本の正式参加 194

自衛隊以外からの軍事演習への参加 195
4.1. 政府および外郭団体 195
4.2. NTTなど情報通信インフラ企業 198

軍事の非軍事領域への浸透が意味するもの 200

武器・兵器の再定義 203

11.私たちはハイブリッド戦争の渦中にいる――防衛省の世論誘導から戦争放棄概念の拡張を考える 206

1.戦争に前のめりになる「世論」 206
2.防衛省の次年度概算要求にすでに盛り込まれている 207
3.法的規制は容易ではないかもしれない:反戦平和運動のサイバー領域での取り組みが必須と思う 208
4.これまでの防衛省のAIへの関わり:ヒューマン・デジタル・ツイン 209
5.海外でのAIの軍事利用批判 211
6.自民党「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言」は偽旗作戦もフェイクも否定しない 212
7.ハイブリッド戦争と戦争放棄 213

12.ガザのジェノサイド:ビッグテックとサイバー戦争 215

戦争の枠組が変ってきた 215

標的の生産とAI 216

ガザ攻撃に加担するビッグテック 217

情報戦とビッグテックの検閲と拡散 218

監視と情報戦には停戦はない 219

13.インターネットと戦争―自民党「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言」批判を中心に 221

1 はじめに 221
2 政府の「次期サイバーセキュリティ戦略」 221
3 自民党「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言」について 225
4 サイバー領域で先行する軍事連携 229
5 武力行使、武力による威嚇 231
6 「グレーゾーン」と「ハイブリッド」への関心の高まり 232
7 憲法9条が想定している「戦争」の枠を越えている 236
8 何をすべきなのか 238

14.法・民主主義を凌駕する監視の権力と闘うための私たちの原則 241

プライバシーの権利は100年の権利だ 241

「デジタル」をめぐる三つの原則 242
2.1. 原則その1、技術の公開性―技術情報へのアクセスの権利 243
2.2. 個人情報を提供しない権利―匿名の権利 244
2.3. 例外なき暗号化の権利―通信の秘密の権利 246

3原則を無視したデジタル社会はどうなるか 249
3.1. ビッグデータ選挙―個人情報の奪い合いで勝敗が決まる 249
3.2. プライバシー空間が消滅する―IoTとテレワークが生み出すアブノーマルなニューノーマル 251
3.3. 現状の環境では、政府と資本によるデジタル化は権利侵害にしかならない 253
3.4. 現行の民主主義の限界という問題 254

三つの原則を維持するための方法はまだある 255

日本政府のサイバースパイ・サイバー攻撃を合法化する法律はいらない

サイバースパイ・サイバー攻撃法案反対の団体署名が呼びかけられています。下記に共同声明の本文と賛同方法の説明があります。
(共同声明)サイバースパイ・サイバー攻撃法案(サイバー安全保障関連法案)の廃案を要求します―サイバー戦争ではなくサイバー領域の平和を
https://www.jca.apc.org/jca-net/ja/node/440

ぜひ団体賛同をよろしくお願いします。

サイバースパイ・サイバー攻撃法案という言い方は、この共同声明ではじめて登場していて、とくに合意がとれているわけではありません。能動的サイバー防御法案などさまざまな言い方がされています。サイバースパイ・サイバー攻撃法案という表現がわかりにくいという意見もいただいてます。これは「日本政府のサイバースパイ・サイバー攻撃を合法化する法案に反対」という意味です。

サイバースパイを取り締ることは必要ではないか?

サイバースパイを取り締まるなら必要ではないか。また、サイバー攻撃は実際の被害があるから取り締ることは必要ではないか、という疑問の声をいただいています。この点についての私の意見を以下いくつか書いておきます。

サイバースパイの取り締まりをやらせてはいけない理由は以下です。どうやってサイバースパイを取り締るのかを考えてみるとわかるのですが、国際法上もスパイとは身分を偽り見破られないように潜んで情報を収集すると定義されています。ですから、スパイの発見のためには、網羅的に多くの人たちを常時監視してスパイと思われる兆候を把握する、ということになります。しかも、政府にとってスパイとは、「敵国」のスパイだけではなく、政府の動静を調査するジャーナリストや反政府的な言動のアクターも含まれうる可能性があります。実空間で公安警察が集会やデモを監視していますが、これと同じことがネットで起きているに違いない、と思わないといけません。しかしネットでは監視されている実感が伴わないので油断するのです。スパイの取り締まりのためにネットの監視権限を政府に与えると、私たちの通信の秘密は確実に侵害されることになります。だから、この法案をサイバースパイ法案と呼びたいと思います。

政府によるスパイ活動の最近の例(英国がアップル社に出した命令)

昨年から今年にかけて、英国政府が調査権限法(今回の法案作成で日本政府がお手本のひとつにした法律)を用いてアップル社に対して、ユーザーに知られないようにして、iCloudの暗号化されたデータに捜査機関がアクセスして暗号を解読して読めるようにする「裏口」を設置することを命じた事件があります。この件は極秘の捜査でしたが、ワシントンポストにすっぱ抜かれて明みにでました。英国は、アップル社をまきこんで、つまり、官民連携して、スパイ行為をしようとしたわけです。iCloudは日本も含め世界中の人が利用しています。そのなかにはいわゆる英国の「敵国」のスパイが利用している場合もあれば英国に移住して自国政府に対して反政府活動をしている活動家もいるでしょう。誰のデータなら英国政府が裏口から密かにアクセスしてよく、誰のデータはダメなのか、などということをあらかじめ決めることはできません。スパイであればOKという風に仕訳を事前にやることなどできません。だから英国政府はiCloudでの暗号解読をアップル社に密かに命じて網羅的に監視が可能な条件を整えようとしたのだと思います。この英国のアップルに対する極秘命令にアップルは応じていない可能性があり、現在も揉めておりアップルは英国政府を提訴したとも報じられています。

どの国の政府も、スパイ摘発とかテロ対策などを口実に私たちの正当な通信の秘密を侵害します。上の英国政府の例でも、いったん裏口からデータを取得できるようにしてしまえば、いくらでも政府の都合にあわせてこの仕組みを使うことになりますし、こうした裏口は必ず英国が敵とみなす国のスパイも利用しようと画策するので、逆にセキュリティ上は脆弱になります。

増加するサイバー攻撃には新法も必要ではないか?

もうひとつのよくある疑問として、現状ではサイバー攻撃がますます深刻になっているので、新たな防止策は必要ではないか、というものです。私の考え方は、新規の立法も法改正も不要であり、自衛隊や警察に私たちのコミュニケーションのセキュリティを守る能力もその動機もない、というものです。本法案の狙いは別のところにあると思います。

私たちのコミュニケーションのセキュリティを守る能力は私たち自身が協力して確保すべきものです。権利は私たちの不断の努力なしには保障できないことを憲法も明記しています。私たちには通信の秘密を防御できる能力もあるし手段もあるのです。政府はこうしたことに私たちが気づくことを望んでいません。市民自らによる防御の手段を使わせたくないのです。実空間での「攻撃」「防衛」との類推で私たちを不安にさせて、私たちには何もできないと思い込ませて警察や自衛隊に委せるべきだ、という世論を作りたいのです。

なので、サイバー領域の攻防の焦点は、国家に依存しないで自分たちの通信を防衛するというところになります。これが実空間での安全保障とは大きく異なるところになります。

官民連携によるスパイ事件を暴露したのは軍でも警察でもなかった

例を二つ挙げます。世界規模で起きた大きなスパイ活動として、イスラエルの企業NSOが世界中の政府に売り込んだスパイ技術をめぐる事件があります。Wikipediaに「NSOグループ」の項目があり、以下のように書かれています。

「NSO Group Technologiesとは、スパイウェアのPegasusなどを開発している、イスラエルの企業である。複数の国の政府などが顧客であり、同社が開発したスパイウェアはジャーナリストや人権活動家、企業経営者の監視に使用されている。AppleやFacebookはユーザーを監視したなどとして同社に対して訴訟を起こしている。アメリカ政府は2021年に、国家安全保障と外交政策上の利益に反する行為をしたとしてNSOグループをエンティティリストに含め、米国企業によるNSOグループの製品供給を事実上禁止した」
https://ja.wikipedia.org/wiki/NSO_Group

NSOの事案は標的型と呼ばれるスパイウェアを用いたものです。スパイの対象となる人物のスマホにこの仕組みを密かにインストールします。スマホの通話、メール、マイク、カメラなどを自由にコントロールして情報を収集できてしまう。このNSOグループの存在が発見されたのは、アラブ首長国連邦の人権弁護士が自分のスマホにちょっとした異変を感じて、カナダのトロント大学が運営しているシチズンラボに問い合わせ、シチズンラボが他の民間機関と協力して独自に調査して、スパイウェアの身元を明かにしたことに始まります。この調査には政府も警察も全く関与していません。調査の結果、このスパイウェアがイスラエルのNSOグループの製品でありアラブ首長国連邦の政府が関与していることを突き止めました。これが公表されたのがきっかけで、世界中で知られるようになり、NSOが他にも複数の政府に同様のスパイウェアを提供していたことも暴露されました。この大規模なスパイ活動は、各国とも官民一体となった技術協力を通じて行なわれているところが特徴的でもあり重要な点です。米国でNSOの製品を禁じているのは本当かどうか不明ですが、禁止措置をとらざるをえなかったのは、NSOに対する批判の声が世界規模で高まったからです。法案のなかの官民連携にはNSOのような企業との連携もありうることをしっかりと自覚する必要があると思います。

日本では小笠原みどりさんが注目して記事を書いています。
「スパイウェアに狙われるジャーナリスト 不都合な真実の消去に協力する企業」https://globe.asahi.com/article/14142629
「スパイ活動は国家間のフェア・ゲームか? 被害に遭うのは個人」
https://globe.asahi.com/article/14219502

しかし、残念なことに日本国内の運動の側は関心をもちませんでした。私も十分には取り組めていませんでした。日本政府とNSOとの関係はいまのところ不明です。

シティズンラボのレポートの日本語訳(機械翻訳)は下記にあります。
https://cryptpad.fr/pad/#/2/pad/view/UjG+-uMYVQToAwKCuBslbtPskrYsQonX+koLrKneMwg/
このなかにこのスパイウェアへの対処方法も記載されています。(iOSを最新バージョンにするだけですが)

NSOについてはアムネスティの記事があります。(機械翻訳のままです)
https://cryptpad.fr/pad/#/2/pad/view/-2on9u929fNqAyg0gVQIx-orc7hiNeg540P-Z4VJbog/

電子フロンティア財団の市民のための自衛マニュアル

もうひとつの例として、米国の電子フロンティア財団(EFF)の例を紹介します。EFFは独自に市民による自衛マニュアルを作成しています。一部は以下に日本語にしてあります。
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowledge-base/category/eff_%e8%87%aa%e5%b7%b1%e9%98%b2%e8%a1%9b%e3%83%9e%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%82%a2%e3%83%ab/
ここにはデモに参加する場合の注意からパスワードについての注意事項などまで、項目別に解説があります。米国の事例なので直ちに日本には適用できないところもありますが、参考になります。元のサイトが大幅な改訂をしているので改訳を進めています。翻訳に協力していただいている皆さんに感謝します。

実空間での安全保障での「防衛」となると、自衛のための武力行使の肯定といった薮蛇の手段をとるとか逃げるとかしかありませんが、サイバーでは自分たちでの防御がかなりのところまで可能です。私たちが防御の体制を構築することはどこの政府にとっても監視やスパイが困難になるので好みません。だからこそ彼らが好まないことをきちんと実践することが大切だと思います。とはいえ、苦手な人たちが多いのも事実で、これは私のようにネットで活動してきた者が十分説得力をもって民衆によるサイバーセキュリティの可能性を提起できてこなかったことによると反省しています。多くの国には有力な市民のためのサイバーセキュリティに取り組む団体がありますが、日本にはありません。これが私たちのネット環境を脆弱にしている一つの大きな原因だと思います。

—————————

3・16シンポジウム案内
-インターネット監視・先制サイバー攻撃法案に反対する‐
■とき 3月16日(日)14時~16時(13時15分開場)
■会場 文京区民センター3A集会室
■パネラー 
●青木理さん(ジャーナリスト)
●小倉利丸さん(JCA‐NET理事)
●海渡雄一さん(秘密保護法対策弁護団)
■発言 市民団体
■参加費 500円
■呼びかけ団体(3月9日現在)
「秘密保護法」廃止へ!実行委員会、共謀罪NO!実行委員会、
許すな!憲法改悪・市民連絡会、経済安保法に異議ありキャン
ペーン、平和をつくり出す宗教者ネット、ふぇみん婦人民主ク
ラブ、ND配備反対ネットワークかわさき、秘密法と共謀罪に反
対する愛知の会、秘密保護法対策弁護団、東京地域ネットワーク
JCA-NET
※オンライン配信あります。→
https://youtube.com/live/1AQdiDt0u6U

学術会議について

私には学術会議をめぐる非常に辛い思い出があります。

学術会議は2008年に文部科学省から、大学教育の分野別質保証の在り方について審議するように依頼を受け「すべての学生が身に付けることを目指すべき基本的な素養」を学問分野別に定めた「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準」を作成しました。いわば大学版の学習指導要領のようなものです。下記にその一覧があります
https://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/daigakuhosyo/daigakuhosyo.html

経済学の参照基準は https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-h140829.pdf

私は経済学を教えていましたが、この参照基準の「経済学」の内容は、定義も含めて全く賛成できません。なぜなら、経済学の参照基準はいわゆる主流派の経済学を唯一のパラダイムとして採用しており、わたしのようなマルクス経済学を基礎に、更にそこからも異質な要素を加味したような経済(学)批判としての経済学などは全く考慮される余地のないものとして否定されているからです。これは、私ひとりのことではなく、多様な学説が並立していることを完全に無視した内容で、これを読んで当時唖然となった研究者は決して少くないはずです。実際、当時いくつかの経済学の学会が異論を表明しました(付記1参照)

もしこうした参照基準に基づいてカリキュラムが作成され教員人事が行なわれた場合、非主流派の経済学は大学の教育で正当なポストすら得られないことになります。マージナルな領域は完全に排除され多様性は奪われます。

この参照基準を私が受け入れるということは、私が30年間大学で行なってきた教育を自ら否定することになります。この参照基準を読んだとき、私の教育者としての存在理由を否定されたと感じましたし、危機感を強く持ちました。にもかかわらず、私は、この危機感をやりすごしてしまいました。その理由の一つに、私にとっての学術会議の存在意義がほとんど「ゼロ」に等しかったこと、少なくとも私が在職中には参照基準が公然と教育のカリキュラムや人事に影響するようなことにはならなかったことがあったといえそうですが、今このような文章を書いていることからしても、いずれも言い訳がましい理由でしかないでしょう。もっと何かできたのではないか、という反省と自己批判がありはするものの、では、今何か行動する積りになれるか、といえば、そうとも言えない。

参照基準の策定に関して学術会議は、意見聴取をしていますが、大学の教授会など教育を担う組織にたいして公式に意見聴取などの手続きをとったのかどうかも疑問です。また、様々な異論を受け入れて参照基準の内容を抜本的に修正することもなかったと思います。当時わたしは学部の管理職をしていましたが、学術会議から何らかの問い合わせなどは一度もなかったと記憶しています。(このあたりの事実関係の経緯は私の記憶違いがあるかもしれません)勿論、参照基準の内容を修正すればそれでよい、という問題ではありません。

この分野別参照基準は文科省からの審議依頼です。教育・学問研究の内容に関して、文科省が関与する手段に学術会議が加担したのは、憲法に定められた学問の自由に抵触する行為だと私は判断しますが、学術会議はこの文科省の審議依頼を受け入れたのです。(文科省は巧妙に学術会議法を利用しているともいえます。)繰り返しますが文科省の依頼の意図は「すべての学生が身に付けることを目指すべき基本的な素養」を分野別に示した基準を作成することです。このような参照基準を一部の研究者が決めることがあっていいはずがありませんし、このようなことは決して可能ではないはずです。学術会議はなぜこれを拒否しなかったのでしょうか。

こうした参照基準を文科省が「悪用」する余地はいくらでもあります。定員削減の嵐の時代でしたし、文科省による学部への介入が非常にシビアな時代でした。もし文科省が「参照基準に沿った採用と教育をするように」とでも言いはじめるのではないかととても不安におもったことを覚えています。文科省の思惑は、むしろ、学術会議に参照基準を作成させ、大学が自主規制の手段として、この参照基準に沿った教育と人事を行なうように仕向けることを通じて、批判的な学問としての非主流派の経済学を脇に追いやるか排除するような効果をもたらすことだろうと思います。経済学の分野は、こうした文科省の思惑と学術会議側の利害が一致してしまった分野ですが、そうではない分野もあったのだろうと思います。邪推とみられるかもしれませんが、こうした参照基準のような活動が任命拒否ともどこかで繋がっているようにも感じられてなりません。

参照基準と関連する質保証委員会は現在もあるようです。国の事実上の外郭団体のような体制がもっている極めて危ない側面だと思います。もちろん法人化後の大学を経験している者にとって、独立しても問題は変わらないことも承知しています。どちらの場合であれ、学術会議が学問研究の自由と自立の砦にはなりえることはないでしょう。

以上のようなことがあるため、学術会議問題に関心を寄せている多くの市民の皆さんに、学術会議が進めてきた分野別参照基準の問題にも目を向け。その撤回と大学教育の分野別質保証委員会を廃止の必要性にも関心をもっていただければと思います。(ただし、参照基準の撤回や質保証委員会廃止のために、私にできることは、今ここでこうした意見を表明することが精一杯のところです。)

付記1

参照基準の作成当時、経済学に関係する学会などが出した見解は現在でも読むことができます。

経済学分野の参照基準(原案)に対する意見表明
経済教育学会理事会
https://ecoedu.jp/sansyoukijun-jsee.pdf

経済学分野の教育参照基準第二次修正案についての意見書
経済理論学会幹事会
https://www.jspe.gr.jp/%E5%AD%A6%E4%BC%9A%E5%A3%B0%E6%98%8E%E7%AD%89/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E5%88%86%E9%87%8E%E3%81%AE%E6%95%99%E8%82%B2%E5%8F%82%E7%85%A7%E5%9F%BA%E6%BA%96%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E6%A1%88%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E6%84%8F%E8%A6%8B%E6%9B%B8

基礎経済科学研究所常任理事会
基礎経済科学研究所
http://www.shokunoshigen.jp/docs/reference-standard/siryou6.pdf

日本フェミニスト経済学会2012-2013年度幹事会
https://jaffe.fem.jp/opinion

参照基準に反対の声多数 経済学教育の画一化を懸念(京都大学新聞)
2013.12.16
https://www.kyoto-up.org/archives/1956

私自身が個人として意見を提出したことはありません。これらの意見が汲み取られたとはおもえませんし、たとえ汲み取られたとしても、それで研究者、教育者個人の学問の自由が確保されるものとも思いません。そもそも文科省の下請けのような仕事を受けるべきではなく、参照基準そのものを撤回すべき、という私のような主張はあまりないかもしれません。なお、私はこれらの学会には所属していません。

付記2

私自身が経済学としてどのような講義を行なってきたのかについては、下記に講義ノートが掲載されているので参考にしてください。

https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/lecture_u-toyama/



「G7広島サミットを問う市民のつどい」ニュース
2022年12月12日

「G7広島サミットを問う市民のつどい」ニュース2022年12月12日

Table of Contents

  • 1. 12月17日にキックオフ集会:No War No G7 戦争と軍隊は最大の人権侵害・環境破壊だ
    • 1.1. 集会内容
      • 1.1.1. G7サミットとは何か?
      • 1.1.2. 各地から
      • 1.1.3. 広島から
      • 1.1.4. 5月行動提起
      • 1.1.5. オンラインでライブ配信します。
  • 2. 「つどい」への賛同を集めています。サミットはいらない!!の声を拡げましょう
  • 3. カンパのお願い
  • 4. サミットとは何なのか、なぜ反対なのか、なぜ広島なのか…
  • 5. 問い合わせ、連絡先

1. 12月17日にキックオフ集会:No War No G7 戦争と軍隊は最大の人権侵害・環境破壊だ

2023年5月に岸田政権は、G7首脳会合を広島で、大臣級会合を全国各地14ヶ所で開催します。私たちは、主要な核保有国が核武装への反省も軍縮の意志もないまま、広島に集まることに強い危機感を感じています。

G7は国際法上も何の正当性をもたない集まりです。G7はこれまでも世界各地で戦争や紛争の原因をつくりつづけ、グローバルな貧困や環境破壊に加担してきました。私たちは、こうした会合に、一切の決定を委ねるつもりはありません。

私たちは、来年5月のG7サミットに対抗する運動のキックオフ集会を以下のように広島で開催します。オンラインでの中継も予定しています。多くの皆さんの参加を呼びかけます。

■日時:12月17日(土)18時-20時
■場所:広島市まちづくり市民交流プラザ北棟6階
マルチメディアスタジオ (地図) http://www.cf.city.hiroshima.jp/m-plaza/kotsu.html
(袋町小学校の複合建物。電停「本通り」徒歩5分。電停「袋町」徒歩3分。

■カンパ:一口500円のカンパをお願いします。
地元の方には、できれば二口をお願いしたいのです。
来場できない方については、下記の「カンパのお願い」の郵便振替口座を利用してください。

1.1. 集会内容

1.1.1. G7サミットとは何か?

  • 「戦争、貧困、差別、環境破壊を招くG7――民主主義を殺すボス交の仕組み」●小倉利丸さん(JCA-NET)
  • 「G7サミットと共に人類は滅ぶのか それとも、すべての生き物が生き残れる道を選ぶのか!」●田中利幸さん(歴史家)(オンライン)

1.1.2. 各地から

  • 「北海道をエネルギー『植民地』にさせない」●七尾寿子さん(元G8洞爺湖サミットキャンプ実行委員会)(札幌・オンライン)
  • 「首都圏からG7を問う」●京極紀子さん(首都圏ネットワーク)(オンライン)
  • 「多国間安保の拠点となりつつある横須賀・厚木基地」●木元茂夫さん(「自衛隊は何をしているのか」編集委員会)(オンライン)
  • 「茨城に三度も来るな!やめろ、内務・安全担当大臣会合!」●加藤匡通さん(戦時下の現在を考える講座)(オンライン)
  • 「気候変動と途上国債務の被害はG7が賠償すべき」●稲垣 豊さん(ATTAC Japan 首都圏)
  • 「戦時下のG7外相会合を問う」●鵜飼 哲さん(一橋大学元教員)(長野・オンライン)
  • 「五輪・万博・G7、民衆不在のイベントはもうたくさん」●喜多幡佳秀さん(関西共同行動)
  • 「米国の原爆投下の責任を問う」●松村高夫さん(米国の原爆投下の責任を問う会、慶應大学名誉教授)(東京・オンライン)

1.1.3. 広島から

  • 西岡由紀夫さん(被爆二世、ピースリンク広島・呉・岩国世話人)
  • 溝田一成さん(ヒロシマ・エネルギー・環境研究室)

1.1.4. 5月行動提起

5月の広島サミットでの私たちの取り組みについて提起します。

1.1.5. オンラインでライブ配信します。

https://vimeo.com/event/2622621
下記の私たちのウエッブからも視聴できます。
ウエッブ
https://www.jca.apc.org/no-g7-hiroshima/

2. 「つどい」への賛同を集めています。サミットはいらない!!の声を拡げましょう

私たちは、5月に、「G7広島サミットを問う市民のつどい」を開催することを提案しています。
https://www.jca.apc.org/no-g7-hiroshima/

提案目次

  • G7サミットを広島で開催することの政治的目的は何なのか
  • G7、NATOとウクライナ侵略戦争の歴史的背景
  • 中国・ロシア封じ込めのためのNATOのインド太平洋進出計画と日本
  • G7広島サミット批判に向けて市民の力の結集を!

本文 https://www.jca.apc.org/no-g7-hiroshima/

短縮版 https://www.jca.apc.org/no-g7-hiroshima/yobikake-short/

英語 https://www.jca.apc.org/no-g7-hiroshima/proposal-for-a-citizens-rally-to-question-the-hiroshima-g7-summitin-may-2023/

ちらし(PDF) https://www.jca.apc.org/no-g7-hiroshima/wp-content/uploads/2022/10/%E5%91%BC%E3%81%B3%E3%81%8B%E3%81%91%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B7%E7%A2%BA%E5%AE%9Anog7_blog.pdf

賛同方法は下記をごらんください。 https://www.jca.apc.org/no-g7-hiroshima/sando_onegai/

12月11日現在で、賛同人は147名、団体賛同は33団体です。ぜひ多くの皆さんのサミットに反対の意思表示をお願いします。

3. カンパのお願い

私たちの活動は、有給の専従や事務所を構えることなく、集会における発言者も含めてボランティアベースを原則として、極力出費を抑えて活動する努力をしています。しかし、会場の借り上げや情宣など、避けられない出費があります。これらは、皆さんからのカンパで賄うことになります。カンパを是非お寄せください。カンパについては特に金額についての規定を設けません。皆さんの無理のない範囲でお願いします。

郵便振替口座 01320-6-7576

口座名義 「8・6つどい」

通信欄に「G7を問うカンパ」と明記してください。

4. サミットとは何なのか、なぜ反対なのか、なぜ広島なのか…

ブログに「ドキュメント」のコーナーを開設しました。

G7首脳会合だけでなく、G20などの様々な首脳会合や国際会議などへの批判、あるいは、これらの会合などで議論される議題に関連する諸問題に関する議論などを集めて提供しています。また、サミットは、広島だけでなく、全国各地でも開催されます。各地の動きや、過去のサミット反対運動の資料なども順次掲載する予定です。

5. 問い合わせ、連絡先

このメールニュースは、「つどい」実行委員会が発行しています。
問い合わせ、取材依頼などは下記までおねがいします。
info-nog7-hiroshima2023@proton.me
広島市中区堺町1-5-5-1001 〒730-0853
090-4740-4608(久野)

12・17「G7広島サミットを問う市民のつどい」キックオフ集会

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇      12・17「G7広島サミットを問う市民のつどい」キックオフ集会

No War No G7 戦争と軍隊は最大の人権侵害・環境破壊だ ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      

2023年5月に岸田政権は、G7首脳会合を広島で、大臣級会合を全国各地14ヶ所で開催します。私たちは、主要な核保有国が核武装への反省も軍縮の意志もないまま、広島に集まることに強い危機感を感じています。

  G7は国際法上も何の正当性をもたない集まりです。G7はこれまでも世界各地で戦争や紛争の原因をつくりつづけ、グローバルな貧困や環境破壊に加担してきました。私たちは、こうした会合に、一切の決定を委ねるつもりはありません。

  私たちは、来年5月のG7サミットに対抗する運動のキックオフ集会を以下のように広島で開催します。オンラインでの中継も予定しています。多くの皆さんの参加を呼びかけます。

■日  時:12月17日(土)18時-20時
■場  所:広島市まちづくり市民交流プラザ北棟6階
      マルチメディアスタジオ

http://www.cf.city.hiroshima.jp/m-plaza/kotsu.html(地図)
      (袋町小学校の複合建物。電停「本通り」徒歩5分。電停「袋町」徒歩3分。

■カンパ :一口500円のカンパをお願いします。

地元の方には、できれば二口をお願いしたいのです。


      

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

司会 岡原美知子さん

◆G7サミットとは何か?

 ■「戦争、貧困、差別、環境破壊を招くG7――民主主義を殺すボス交の仕組み」        
 
  ●小倉利丸さん(JCA-NET)

 ■「G7サミットと共に人類は滅ぶのか それとも、すべての生き物が生き残れる道を選ぶのか!」

  ●田中利幸さん(歴史家)(オンライン)

◆各地から

 ■「北海道をエネルギー『植民地』にさせない」
  
  ●七尾寿子さん(元G8洞爺湖サミットキャンプ実行委員会)(札幌・オンライン) 

 ■「首都圏からG7を問う」
 
  ●京極紀子さん(首都圏ネットワーク)(オンライン)

 ■「多国間安保の拠点となりつつある横須賀・厚木基地」

  ●木元茂夫(「自衛隊は何をしているのか」編集委員会)(オンライン)

 ■「茨城に三度も来るな!やめろ、内務・安全担当大臣会合!」

  ●加藤匡通さん(戦時下の現在を考える講座)(オンライン)

 ■「気候変動と途上国債務の被害はG7が賠償すべき」

  ●稲垣 豊さん(ATTAC Japan 首都圏)

 ■「戦時下のG7外相会合を問う」

  ●鵜飼 哲さん(一橋大学元教員)(長野・オンライン)

 ■「五輪・万博・G7、民衆不在のイベントはもうたくさん」

  ●喜多幡佳秀さん(関西共同行動)

 ■「米国の原爆投下の責任を問う」

  ●松村高夫さん(米国の原爆投下の責任を問う会、慶應大学名誉教授)(東京・オンライン)

◆広島から

  ●西岡由紀夫さん(被爆二世、被爆教職員の会会員、ピースリンク広島・呉・岩国)

  ●溝田一成さん(ヒロシマ・エネルギー・環境研究室)

◆5月行動提起

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■呼びかけ人

田中利幸 (歴史家)
豊永恵三郎(被爆者)
土井桂子 (日本軍 「慰安婦」 問題解決ひろしまネットワーク)
藤井純子 (被爆二世、第九条の会ヒロシマ) 
上羽場隆弘(九条の会・三原) 
小武正教 (浄土真宗本願寺派 僧侶) 
永冨彌古 (呉 YWCA We Love9 条)
木村浩子 (呉 YWCA We Love9 条)
中峠由里 (呉 YWCA We Love9 条) 
新田秀樹 (ピースリンク広島・呉・岩国世話人)
西岡由紀夫(被爆二世、ピースリンク広島・呉・岩国世話人) 
実国義範 (人民の力協議会)
日南田成志(ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)・広島)
久野成章 (8・6ヒロシマ平和へのつどい)
岡原美知子
七尾寿子 (元G8洞爺湖サミットキャンプ実行委員会)
中北龍太郎(関西共同行動)
小倉利丸 (JCA-NET)

■オンラインでの視聴

https://vimeo.com/event/2622621
 下記の私たちのウエッブからも視聴できます。
 ウエッブ
 https://www.jca.apc.org/no-g7-hiroshima/

■問い合わせ

info-nog7-hiroshima2023@proton.me
 広島市中区堺町1-5-5-1001 〒730-0853 
 090-4740-4608(久野)

■「つどい」への個人・団体賛同を募集中

私たちの活動に是非賛同してください。
 賛同方法など詳しくはホームページをごらんください。
 https://www.jca.apc.org/no-g7-hiroshima/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(参考)
G7サミット会合の場所と日程

●外務大臣会合            長野県・軽井沢町4月14日(金)~16日(土)
●気候・エネルギー・環境大臣会合   札幌市     4月15日(土)~16日(日) 
●労働雇用大臣会合          岡山県・倉敷市 4月22日(土)~23日(日)
●農業大臣会合            宮崎県・宮崎市 4月22日(土)~23日(日)
●デジタル・技術大臣会合       群馬県・高崎市 4月29日(土)~30日(日)
●財務大臣・中央銀行総裁会議     新潟県・新潟市 5月11日(木)~13日(土)
●科学技術大臣会合          仙台市     5月12日(金)~14日(日)
●教育大臣会合        富山市・金沢市 共催  5月12日(金)~15日(月)
●保健大臣会合            長崎県・長崎市 5月13日(土)~14日(日)
★G7首脳会合             広島市     5月19日(金)~21日(日)
 対抗アクションを                  5月13日(土)~14日(日)
●交通大臣会合            三重県・志摩市 6月16日(金)~18日(日)
●男女共同参画・女性活躍担当大臣会合 栃木県・日光市 6月24日(土)~25日(日)
●都市大臣会合            香川県・高松市 7月7日(金)~9日(日)
●内務・安全担当大臣会合       茨城県・水戸市 12月8日(金)~10日(日)

●貿易大臣会合            大阪府・堺市  不明

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

連載「意味と搾取」ご案内

青弓社のオンラインサイト「青い弓」で表記のタイトルで連載を開始しています。無料でお読みいただけます。現在、第二章まで掲載済みです。 人工知能の時代における監視社会に対する原理的な批判を意図しています。

表題の意味と搾取に含意されているのは、マルクスの搾取理論(剰余価値に収斂する価値理論)を搾取の特殊理論として位置づけ直し、搾取の一般理論の構築を目指すものです。つまり、搾取と呼ばれる事態は、マルクスが想定した剰余労働の剰余価値という事態を越えて労働(家事労働のようないわゆるシャドウワークも含む)総体から人間の行為や「(無意識を含む)意識」全体を覆う人間にとっての意味の資本主義的な「剥奪と再意味化」とでもいうべき事態と関わるものだという観点に基くものです。監視社会と呼ばれる事態がなぜもたらされてきたのかという問題は、資本主義が究極に目指しているのが、経済的搾取を越えて、この社会に暮す人々の意識と存在の文字通りの意味での「資本主義化」であり、完全な操作可能な対象としての人間という不可能な悪夢にあるという問題と関わります。そしてこの問題は、マルクスが十分に分析することなく脇に置いた商品の使用価値への注目を必要とするものでもあります。使用価値が人間(労働者であり消費者でもある存在)の行為の意味を再構築するだけでなく、それ自体がアルゴリズムの構造に組み込みうるかのようなテクノロジーの開発が突出してきた事態と関わります。20世紀資本主義はマルクスの資本主義批判への資本主義的な応答だと私は考えています。そのことを、土台の上部構造化、上部構造の土台化という唯物史観の資本主義的な脱構築と、コンピュータ化がもたらしたこれまで人類が経験してこなかった「非知覚過程」の構造化を通じた搾取の構造化として構想しています。更に、こうした資本主義的な包摂を支える科学への批判とともに、この包摂を超える観点を模索することを企図してこの連載を書きはじめました。ネットで読むには長すぎるかもしれませんが、ぜひお読みください。

序章 資本主義批判のアップデートのために

0−1 あえて罠に陥るべきか…

0−2 連載の構成

第1章 拡張される搾取――土台と上部構造の融合

1-1 機械と〈労働力〉――合理性の限界

機械が支配した時代

道具、機械、歴史認識

資本の秘技

1-2 身体性の搾取をめぐるコンテクスト

知識・技術・身体性の搾取

経済的価値をめぐる資本主義のパラレルワールド

非合理性と近代の科学技術

1-3 融合する土台と上部構造――支配的構造の転換

構造的矛盾の資本主義的止揚

資本主義の支配的構造

第2章 監視と制御――行動と意識をめぐる計算合理性とそこからの逸脱

2-1 デホマク

ビッグデータ前史

IBMと網羅的監視

制御の構成――社会有機体の細胞としての人間=データ

法を超越する権力

2-2 行動主義と監視社会のイデオロギー

意識の否定――J・B・ワトソン

支配的な価値観を与件とした学問の科学性

道具的理性――資本主義的理論と実践の統一

行為と動機――行動主義と刑罰


三章以下は7月以降に公開されます。

4.6秘密保護法廃止!共謀罪法廃止!NO!デジタル庁「12.6・4.6を忘れない6日行動」

12月2日:ATTAC首都圏連続講座ご案内:選挙と議会制民主主義?―米大統領選挙から考えたいこと

小笠原みどり講演会 10月11日(日)午前11時〜午後1時

横浜会場は予約制、ストリーミングのURLも変更の可能性あるので、下記の最新情報を確認していただくようお願いします。

https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/20201011shiminren/

集会概要

ライブ配信はこちらへ https://youtu.be/3q0ghsDedA0

10月11日(日)午前11時〜13時:小笠原みどりさん講演会(オンライン)
「新型コロナと監視社会」

●横浜会場にご来場の場合は予約をお願いします。(予約方法は下記をごらんください)(十分予約可能です 9/28日現在)

講演について(小笠原みどりさんからのメッセージ)

菅内閣は「デジタル庁」の設置を目玉にしていますが、デジタル化は監視と切っても切れない関係にあります。デジタル化の方向を間違えれば、私たちは暮らしをのぞかれ、政府と企業はますます秘密を蓄えていく、力の格差と不平等が増していきます。スノーデンが暴露した世界監視システムに日本政府が深く関与していることを思い出しながら、コロナ下で大規模な実験の機会を得た新しい監視技術が政治、経済、そして国際関係にどんな影響を与えるのかを考えます。

小笠原みどりさんのプロフィール

ジャーナリスト、社会学者。
横浜市生まれ。朝日新聞記者(1994−2004年)として盗聴法、住民基本台帳ネットワーク、監視カメラなど、個人情報を巡る調査報道を開始。2005年にフルブライト・ジャーナリスト奨学金により米スタンフォード大学でデジタル監視技術を研究。2016年、米国家安全保障局による世界監視システムを告発したエドワード・スノーデンに日本人ジャーナリストとして初のインタビュー。18年、カナダ・クイーンズ大学で近代日本の国民識別システムについての論文により社会学博士号を取得。現在オタワ大学特別研究員、21年よりビクトリア大学教員(ブリティッシュ・コロンビア州)。著書に『スノーデン、監視社会の恐怖を語る』『スノーデン・ファイル徹底検証』(共に毎日新聞出版)など。朝日新聞GLOBE+で「データと監視と私」を連載中。

主催者からのご挨拶

世界規模での新型コロナ・パンデミックのなかで、各国の政府は感染拡大を抑えるための方策として、感染者接触確認や感染経路特定などを理由にして、スマホのアプリなどを利用して人々の行動や人間関係などを広範囲に、把握しはじめています。同時に、人々が密集しがちな都市部では、従来以上の高精度の監視カメラの設置も進んでいます。

感染防止を名目とした個人情報の収集や行動などの把握に対して、世界各国の監視社会に反対して活動している団体や研究者などから、多くの疑問が提起されています。収集されている膨大な量の個人情報は、感染防止に必要なデータを大幅に上回っているのではないか、また、こうした個人情報が目的外に使用される危険性はないのか、そもそもスマホアプリのような手法が最善の予防策なのか、など、疑問は多岐にわたります。

これまで監視社会に反対する活動をしてきた市民連絡会は、昨年に引き続き、カナダ在住の監視研究の第一人者、小笠原みどりさんをお招きして、新型コロナ・パンデミックのなかで進行するこれまでにはみられなかった新たな監視社会の問題について、お話をいただくことになりました。海外で既に提起されている監視社会の深刻な問題などを含めて、コロナ対策を口実とした監視社会化を許さないために必要な、政府や監視テクノロジー企業とははっきりと異なる私たちなりの観点を、この集会を機会にみなさんと作り挙げていきたいと思います。


今回は、横浜会場とオンラインの平行開催になります。

■日時 10月11日(日)午前11時から13時
(小笠原さんのお住まいのカナダとの時差の関係でこの時間帯になります)
■横浜会場:かながわ県民センター301号室
アクセス:JR・私鉄「横浜駅」西口・きた西口を出て、徒歩およそ5分   http://www.pref.kanagawa.jp/docs/u3x/cnt/f5681/access.html
コロナ対策に基く定員(50名)までの入場となります。

参加ご希望の方は、以下のメールアドレスにお申し込みください。(十分予約可能です 9/28日現在)
申込み数の情況はウエッブで随時お知らせします。
samusunk@protonmail.com
参加費:500円

■オンライン視聴の方法
Youtubeの市民連チャネルに上記の時間にアクセスしてください。
https://youtu.be/3q0ghsDedA0
オンラインでの視聴については無料。予約や参加人数制限はありません。

*オンラインでの視聴については、予約や参加人数制限はなく、無料です。
  カンパは歓迎しますので、よろしくお願いします。
  ●振込先:郵便振替口座番号: 00120-1-90490
       加入者名:盗聴法に反対する市民連絡会

■主催:盗聴法に反対する市民連絡会
■賛同団体:JCA-NET/共謀罪NO!実行委員会/共通番号いらないネット

■問い合わせ
070-5553-5495 小倉
hantocho-shiminren@tuta.io

10月6日 ATTAC首都圏連続講座:「経済」の呪縛からの解放――コロナ・パンデミックのなかのパラレルワールド

名古屋市文化振興事業団宛の抗議文

名古屋市文化振興事業団が日本第一党愛知県本部主催のイベント、あいちトリカエナハーレ2020「表現の自由展・その後」に会場を貸与した件で、以下のような抗議文を提出しました。


抗議文

名古屋市文化振興事業団

理事長 杉山勝 様

役員の皆様

評議員の皆様

事業運営委員会の皆様

(上記の皆様に回覧をお願いします。もし回覧できないようでしたらご一報ください)

小倉利丸

元表現の不自由展実行委員

2020921

2020926日と27日に、名古屋市民ギャラリー栄において『あいちトリカエナハーレ2020「表現の自由展・その後」』という催しが日本第一党愛知県本部主催で開催されることを知りました。私は、日本第一党が主催するこのイベントに、地方自治体が会場を貸与することは、人種差別主義を黙認(あるいは助長)し、歴史の偽造に加担することに他ならず容認できません。よって、抗議するものです。

私は、昨年、あいちトリエンナーレの招待作家として出展した「表現の不自由展・その後」の当時の実行委員のひとりとして、出品作家たちとともに、深刻なヘイトスピーチの嵐を被った当事者です。今回の催しの開催について、名古屋市民文化事業団の会場貸与の決定に失望せざるをえません。

特に危惧するのは、主催者が、移民と外国人の排斥を主張し、いわゆる「従軍慰安婦」問題をはじめとする日本の戦争犯罪・戦争責任を「自虐史観」として否定することを明確に政策に掲げる日本第一党だという点です。このイベントが結果として人種差別主義を助長することになるのは明らかと考えます。

日本第一党とその党首の桜井誠については、米国のヘイトスピーチに取り組む有力な人権団体のひとつ、Southern Poverty Law Centerがその活動を危惧しており、2019年に公表したレポートでは日本第一党を特集し、その米国の人種差別団体との連携に注視しています。言うまでもなく、米国の人種差別は深刻であり、これに日本第一党が加担する構図があるのです。() 日本第一党の人種差別主義の問題は、名古屋や日本だけではなく、国際的にもマイノリティの人権をめぐる問題となっているということでもあります。国外の人権団体からもヘイトスピーチ団体として認知されつつある日本第一党の行動を軽視すべきではありません。

()Southern Poverty Law Center(SPLC), Intelligence Report, lissue166, 2019 Sprng, p.27-30 https://www.splcenter.org/sites/default/files/intelligence_report_166.pdf 以下も参照。SPLC, White nationalist conference in Tennessee will feature old-school racists and a few new international guests https://www.splcenter.org/hatewatch/2018/06/14/white-nationalist-conference-tennessee-will-feature-old-school-racists-and-few-new

2016年に制定された「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(以下ヘイトスピーチ規制法と呼ぶ)は国の法律ですが、その第四条で「地方公共団体は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする」、また第七条では「当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、住民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努める」として、自治体によるヘイトスピーチに対する取り組みを定めています。また、付帯決議(参議院)では、日本国憲法とともに人種差別撤廃条約を尊重し、ヘイトスピーチによって地域に「深刻な亀裂を生じさせている地方公共団体」に対しては特段に、その解消への努力のための「施策を着実に実施」することを求めています。

ヘイトスピーチ規制法が制定されたとき、名古屋市はホームページで「この法律は、不当な差別的言動、いわゆる『ヘイトスピーチ』は許されないことを宣言し、人権教育と人権啓発などを通じて、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動の解消に向けた取組を推進することとしています。」(1)と紹介し、更に今年3月には「なごや人権施策基本方針」(2)を策定し、そのなかでヘイトスピーチは許されないこと、また「差別的な言動(ヘイトスピーチ)の解消に向けた教育・啓発活動に取り組むとともに、現状把握を継続的に行」うことを「施策の基本的方向」(3)として約束しています。

また「基本方針」に添付された世論調査においても、ヘイトスピーチは「許されないことで、絶対にやめるべき」と「よくないことだと思う」と回答した市民が合せて75%になります。また外国人の人権問題についてもヘイトスピーチを挙げた割合は項目全体でも第二位と高く、ヘイトスピーチの問題は、名古屋市においても、一般の市民感情からみてもかなり深刻なものと受けとめられているといえます。(4)地域における差別と偏見は最重要課題になっているといえるのではないでしょうか。

(1)http://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000091086.html

(注2) http://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/cmsfiles/contents/0000127/127395/zennbunn.pdf

(3)なごや人権施策基本方針 p.28

(4)同上、p.71以降参照。

繰り返しますが、日本第一党は、ヘイトスピーチを繰り返してきた桜井誠が党首の政治団体で、その主張、とくに移民や外国人政策は、移民や外国人の排斥を公然と主張するものであり、また日本の植民地侵略の歴史認識を「自虐史観」と蔑視しています。その主張や過去の経緯からすれば、日本第一党がヘイトスピーチ規制法の趣旨にも名古屋市の人権施策基本方針にも抵触する行動をとるであろうことは明らかです。国際的にも問題となっているレイシストたちの行動は、一般に、自分たちの主張に同調しない者たちに対してはヘイトスピーチや時には暴力によって威嚇し、他方で、あたかも正当な市民運動や政治活動であるかのような装いもとって人種差別主義を市民に根付かせようとすることが常套手段になっています。暴力的なヘイトスピーチと一見すると穏健に見える『あいちトリカエナハーレ2020「表現の自由展・その後」』のような活動とは表裏一体であること、このことを踏まえて、行政や文化施設は、不当な差別的言動の解消に向けた取組に積極的な行動をとるべきだと考えます。

ヘイトスピーチ規制法に関しては、集会やイべントの施設利用について、憲法が禁じている検閲との兼ね合いが常に議論されてきました。日本第一党などは、表現の自由を主張してイベント開催を正当化しようとしていますが、彼らを含むレイシストやヘイトスピーチに加担してきた者たちが私たちの「表現の不自由展・その後」に対して昨年やったことは、表現の自由を踏みにじる行為だったということを私は忘れることができません。主催者である日本第一党のこれまでの主張と行動からみて、『あいちトリカエナハーレ2020「表現の自由展・その後」』なるイベントが明らかにヘイトスピーチといえる効果をもたらし、結果として地域のマイノリティの人々への偏見を助長しかねないことになるのは容易に推測しうることだと考えます。つまり名古屋市自身がそのホームページで対処すべき事態しして明記した「本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」となる可能性を秘めたものだということです。

憲法では、検閲を禁じると同時に、人権の尊重を最重要とも位置づけており、民族や出自などへの差別を偏見として認めていません。彼らの偏見に満ちた「表現の自由」には正当性はなく、地域で暮す多くのマイノリティの人権と自由が脅かされることになるのです。日本第一党のイベントは、マイノリティ当事者にとっては耐えがたいことであるということを、名古屋市と名古屋市文化振興事業団は自覚すべきです。私は名古屋市民ではありませんが、日本国籍をもつ者としても、このような人権侵害とヘイトスピーチに加担する名古屋市の決定を黙って見過すことはできません。

ヘイトスピーチには言論表現における威嚇、脅迫や罵詈雑言など暴力的な言葉だけではなく、事実を歪め、偏見を助長するような表現を通じて、人々が日本に住むマイノリティの人々の価値観や文化あるいはその存在そのものを否定したり、日本人のそれよりも劣るものとみなす言説もまたヘイトスピーチに含まれます。文化行政がこうした隠されたヘイトスピーチに対抗することなくして、多様な文化との共生を地域で実現することはできません。差別と偏見によって深刻な被害を被らないようにマイノリティの人権を確立し、人間としての平等を実現することもできません。もし、名古屋市が、『あいちトリカエナハーレ2020「表現の自由展・その後」』を容認するのであれば、その結果は、とりかえしのつかない差別と偏見、偽造された歴史認識の助長を招くことになるでしょう。これは、事実上、公権力による人権侵害の黙認であって、その責任は極めて重いと言わざるをえません。名古屋市及び名古屋市文化振興財団にとって今必要なことは、明確に排除と差別の言動を認めないためにとりうるできうる限りの行動をとることです。

ATTAC首都圏連続講座(小倉)第2回のおしらせ(音源アップ、7月7日オンライン)

テレワークやオンラインのイベントが花盛りですが、下記の講座はちょっと趣向が違っています。基本はかなりレトロなネットの仕組みを基本にしています。

あらかじめ講座での話はネットに音源としてアップして誰でも聞けるようにしてあります。資料も必要であればメールで送付します。オンラインのライブは、この講座の話をふまえた質疑や議論だけに絞って実施します。ただし、Zoomとかオンランの会議のほとんどが「顔出し」ですが、この講座では原則カメラは「オフ」です。一般に会議の主目的は、参加者の顔をまじまじと眺めることではないので、ほとんどの会議では「顔」は不要なはずなのに、なぜか映像を使う会議が主流になるのは、なぜなのか、これ自体が興味深いテーマではあります。表情がわからないとニュアンスが伝わりにくいことは事実なので、発言する時だけカメラを「オン」にしてもよいことにします。

また、カメラもマイクもないパソコンユーザーでもチャットで参加できるようにします。 これは、NHKのラジオ講座とか通信講座がやってきたことをネットの仕組みに移しただけですが、同時に、何でも映像優先の時代に、むしろラジオ的な声の力を再評価してみたいと思うのです。気になったらご参加ください。とはいえ、使うオンライン会議の仕組みはjitxi-meetですから、オンラインが不具合でうまくいかないこともあるかもしれません。最善を尽す予定です。小倉

神奈川:2月15日(土)14:00~16:30 市民監視の強化にどう向き合うか!

2月15日(土)14:00~16:30 市民監視の強化にどう向き合うか!

会場:日本キリスト教団蒔田教会礼拝堂(地下鉄蒔田駅徒歩3分)(アクセス)

参加費300円 講師:小倉利丸さん

共催:日本キリスト教団神奈川教区・秘密保護法反対特別委員会、非密保護法廃止へ!戸塚区実行委員会

【案内】「代替わり」に露出した「天皇神話」を撃つ! 2・11反「紀元節」行動

まずは、神話上の建国の日とされる2.11 反「紀元節」行動へぜひご参加下さい。

 

講 師 小倉利丸 さん(批評家)
[日 時] 2月11 日(火・休) 13:15 開場(13:30 開始)
[会 場] 文京シビックセンター区民会議室・4Fホール(地下鉄後楽園駅・春日駅)

*集会後デモやるよ!

主催 ●「代替わり」に露出した「天皇神話」を撃つ! 2.11 反「紀元節」行動