ウクライナの平和運動+ユーリイ・シェリアジェンコへのインタビュー

(前書き)下記に訳出したのは、ウクライナ平和主義者運動の声明とこの運動を中心的に担ってきたユーリイ・シェリアジェンコのインタビューです。この声明については、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会が4月に日本語訳を公開しています。以下の訳は、小倉によるものです。ウクライナはロシアからの侵略に対して武装抵抗としての自衛のための戦争を展開している。武力行使の正当性はウクライナ側にあるというのが世界でも日本でも圧倒的多数の人々の共通理解だろう。他方で、そうであっても、武力行使によって侵略者と戦うという選択肢をとらないとする人達がいる。それが下記のウクライナ平和主義者運動など、ウクライナのなかの少数派の主張になると思う。日本のなかでの自衛隊をはじめとして原則として軍隊に否定的な立場をとる論者であっても、ウクライナにおけるロシア侵略に対する武力による抵抗を積極的に肯定する意見をもつ人達も少くない。私は、侵略されても、なお武力による自衛権行使という手段をとることには否定的だ。なぜそういなのか、では、どうすべきなのか、といった問題は別途論じたいとは思う。(小倉利丸)


ウクライナ平和主義者運動の声明

2022年4月17日、ウクライナの平和主義者たちは、この運動の事務局長であるYurii Sheliazhenkoのインタビューとともに、ここに再掲された声明を採択した。

ウクライナ平和主義者運動は、ロシアとウクライナの間で紛争の平和的解決のための架け橋が双方で盛んに焼き払われ、何らかの主権的野心を達成するために流血を無期限に続ける意図が示されていることを深刻に懸念している。

私たちは、ロシアの侵略がエスカレートする前にドンバスでロシアとウクライナの戦闘員がミンスク合意で想定された停戦を互いに違反したことを改めて非難し、致命的なエスカレーションと数千人の死者をもたらした2022年2月24日のロシアのウクライナ侵略の決断を非難する。

私たちは、公式のプロパガンダによって過激で不倶戴天の敵意が強化され、法律に盛り込まれた、紛争当事者にナチスに匹敵する敵や戦争犯罪者という相互のラベル貼りを非難する。私たちは、法律は戦争を煽るものではなく、平和を築くものであるべきだと信じている。また、歴史は、戦争を続けるための言い訳ではなく、人々がいかにして平和な生活に戻ることができるかの例を示すべきであると考えている。私たちは、犯罪に対する説明責任は、特に大量虐殺のような最も重大な犯罪においては、独立した有能な司法機関によって、公平かつ公正な調査の結果、法の正当な手続きによって確立されなければならないと主張する。私たちは、軍事的残虐行為の悲劇的な結果が、憎悪を煽り新たな残虐行為を正当化するために利用されてはならないことを強調する。それどころか、このような悲劇は闘志を冷まし、戦争を終わらせる最も無血の方法を粘り強く模索することを後押しするものであるべきだ。

私たちは、双方の軍事行動や、民間人に危害を加える敵対行為を非難する。私たちは、すべての銃撃を停止し、すべての側が殺された人々の記憶を尊重し、十分な悲しみの後に、冷静かつ誠実に和平交渉に取り組むべきであると主張する。

私たちは、交渉によって達成できない場合、軍事的手段によって一定の目標を達成しようとするロシア側の発言を非難する。

私たちは、和平交渉の継続は戦場での最良の交渉ポジションを勝ち取ることにかかっているというウクライナ側の発言を非難する。

私たちは、和平交渉中の両陣営の停戦に対する消極的な姿勢を非難する。

私たちは、ロシアとウクライナの平和な人々の意思に反して、民間人に兵役の実施、軍事任務の遂行、軍への支援を強制する慣行を非難する。私たちは、このような慣行は、特に敵対行為中に、国際人道法における軍人と民間人の区別の原則に著しく違反するものであると主張する。兵役に対する良心的兵役拒否の権利を軽視するいかなるものも容認することはできない。

私たちは、軍事衝突をさらにエスカレートさせるようなウクライナの武装過激派にロシアとNATO諸国が提供するあらゆる軍事支援を非難する。

私たちは、ウクライナと世界中の平和を愛するすべての人々に、いかなる状況においても平和を愛する人々であり続け、他の人々が平和を愛する人々となるのを助け、平和で非暴力的な生き方に関する知識を収集し広め、平和を愛する人々を結びつける真実を伝え、暴力なしで悪と不正に抵抗し、必要で有益、不可避、そして正当な戦争に関する神話を否定していくよう呼びかける。私たちは、平和計画が軍国主義者の憎悪や攻撃の対象にならないようにするために、今、何か特別な行動をとることを求めてはいませんが、世界中の平和主義者が、最高の夢を実際に実現するための良い想像力と経験を持っていることを確信しています。私たちの行動は、恐怖心ではなく、平和で幸せな未来への希望によって導かれるべきなのです。私たちの平和のための仕事によって、夢がもたらす未来をより身近なものにしましょう。

戦争は人類に対する犯罪です。したがって、私たちはいかなる戦争も支持せず、戦争のすべての原因を取り除くために努力することを決意します。”

ユーリイ・シェリアジェンコへのインタビュー

●ウクライナ平和主義運動事務局長、ユーリイ・シェリアジェンコ博士にインタビューしました。
あなたは、急進的で原則的な非暴力の道を選びました。しかし、ある人々は、これは立派な態度だが、侵略者を前にすると、もう通用しない、と言います。あなたは彼らにどう答えるのですか?

私たちの立場は「急進的」ではなく、合理的であり、あらゆる実際的な意味合いにおいて議論や 再考の余地があります。しかし、伝統的な言葉を使えば、確かに一貫性のある平和主義なのです。私は、一貫した平和主義が「うまくいかない」ということには同意できません。それどころか、それは非常に効果的ですが、実際、どんな戦争の努力に対してもほとんど役に立ちません。一貫した平和主義は、軍事戦略に従属させることはできませんし、軍国主義者の戦いに操られ、戦争の道具にされることもありません。それは、何が起こっているのかを理解することに基づくものだからです。この戦争は、あらゆる面で攻撃者の戦いであり、その犠牲者は、暴力的行為者によって分割統治された平和を愛する人々、強制と欺瞞によって意に反して戦争に引きずり込まれ、戦争のプロパガンダによって騙され、大砲の餌にされ、戦争機械の資金調達のために収奪されている人々なのです。一貫した平和主義は、平和を愛する人々が戦争機械による抑圧から自らを解放し、非暴力で平和への人間の権利、そして普遍的な平和と非暴力の文化の他のすべての価値と成果を支持することを助けます。

非暴力は望ましい結果をもたらすな生き方であり、常にそうあるべきもので、単なる戦術のようなものではありません。たとえば、今私たちは人間だが、明日には獣に襲われるから獣になるべきだと考える人がいるとすれば、それは馬鹿げています……。

●とはいえ、ウクライナの同胞の多くは、武力抵抗を決意しています。それは、彼ら自身の決断の権利であると思いませんか?

戦争への全面的な参加は、メディアが伝えるところですが、それは軍国主義者の希望的観測の反映であり、彼らは自分自身と全世界を欺くためにこのような絵を描くために多くの努力を払っています。実際、最近の評価社会学グループRating sociological groupの世論調査では、回答者の約80%が何らかの形でウクライナの防衛に携わっているが、軍や領土防衛に従事して武装抵抗したのはわずか6%で、ほとんどの人は物質的あるいは情報的に軍を「支持」するだけであることが分かっています。それが本当の意味での支持かどうかは疑問です。最近、ニューヨーク・タイムズ紙は、キエフの若い写真家の話を紹介しました。彼は戦争が近づくと「強烈な愛国主義者になり、オンラインではちょっとしたいじめをする」ようになりましたが、その後、憲法や人権法をきちんと守らずに軍事動員を行うためにほとんどすべての男性が国境警備隊によって強制的にウクライナにとどまることを強制されていることに対して違法行為を犯して国境を越えるために密輸業者に金を払ったことで、友人たちを驚かせたそうです。そして、ロンドンから「暴力は私の武器ではない」と書いていたのです。4月21日のOCHA人道的影響状況報告書によると、510万人が国境を越えたのを含め、約1280万人が戦争から逃れたといいます。

クリプシス[動物生態学の用語で、外敵から身を守るために環境に溶け込んで見つかりにくくすること]は、逃げたり死んだふりと並んで、自然界で見られる最も単純な対捕食者適応・行動様式です。そして、環境平和は、すべての自然現象が真に矛盾しない存在であり、政治的・経済的平和、暴力のない生命のダイナミズムを発展させるための実存的基盤です。ウクライナやロシア、その他のポストソビエト諸国では、西側諸国とは異なり、平和文化が非常に未発達で原始的であり、支配的な軍国主義独裁者が多くの反対意見を残酷に封じ込めるために、平和愛好家の多くがこのような単純な決断に頼っているのです。ですから、プーチンやゼレンスキーの戦争への支持を人々が公然と大衆的に示すとき、それを本物と見なすことはできません。人々が見知らぬ人やジャーナリストや世論調査員と話すとき、そしてプライベートで考えていることを言うときでさえ、それはある種の二重思考で、平和を愛する反対意見は忠誠心のある言葉の層の下に隠される可能性があるのです。第一次世界大戦中、兵士が銃撃戦でわざと失敗したり、塹壕の真ん中で「敵」とクリスマスを祝ったりしているのを見て、司令官は人々が戦争プロパガンダの実存しない敵の話を信じていないことを悟ったのです。

また、私は暴力や戦争を支持する民主的な選択の概念を2つの理由から否定します。第一に、戦争のプロパガンダと「軍事的愛国主義教育」の影響下での誤った知識を持った無教育な選択は、それを尊重できるほど自由な選択ではありません。第二に、私は軍国主義と民主主義が両立するとは思っていない(だからこそ、私にとってウクライナはロシアの犠牲者ではなく、ウクライナとロシアの平和を愛する人々は、ソ連後の軍国主義的温情主義政府の犠牲者なのです)。多数決を強制するための少数派(個人も含む)に対する大多数の暴力が「民主的」だとは思わないのです。真の民主主義とは、公共の問題に関する誠実で批判的な議論への日常的普遍的関与であり、意思決定への普遍的参加です。民主的な意思決定は、多数派に支持され、少数派(一個人を含む)や自然を傷つけないほど慎重であるという意味で合意的でなければならず、反対する人々の黙認を不可能にし、彼らを害し、「人々」から排除するならば、それは民主的決定とはいえないのです。 これらの理由から、私は「正義の戦争を行い、平和主義者を罰するという民主的決定」を受け入れることができません。それは定義上民主的であるはずがなく、誰かがそれを民主的だと思っても、そのような「民主主義」に価値や正義があるのかは疑わしいのです。

●このような最近の動きにもかかわらず、ウクライナには非暴力の長い伝統があることを私は知りました。

これは事実です。ウクライナには平和や非暴力に関する出版物がたくさんありますし、私自身も「ウクライナの平和な歴史」という短編映画を作りましたし、ウクライナや世界の平和の歴史に関する本も書きたいと思っています。しかし、私が心配しているのは、非暴力が変革や進歩のためというよりも、抵抗のために使われることが多いということです。ウクライナでは、非暴力のふりをした反ロシアヘイトキャンペーン(市民運動「Vidsich」)が行われていましたが(現在も行われています)、今では公然と軍国主義に転じ、軍隊を支持するよう呼びかけています。プーチンが「民間人、特に女性や子どもは軍隊の前に人間の盾となる」と悪名高い発言をした2014年のクリミアとドンバスにおける親ロシア派の暴力的権力奪取の際には、非暴力的行動が戦争の道具にされたのです。

●西側の市民社会は、どのようにウクライナの平和主義者を支援できると思いますか?

このような状況で平和の大義をどのように支援するかは、3つの方法があります。まず、私たちは真実を伝えるべきです。平和への暴力的な道はないこと、現在の危機には双方の側に不品行の長い歴史があり、自分たちは天使であり望むことは何でもでき、彼らは悪魔であり、その醜さのために苦しむべきだというような態度を取れば、核の黙示録も排除せずにさらなるエスカレーションを招くでしょう。真実を伝えることは、すべての側にとって冷静さと平和交渉の助けになるはずです。真実と愛が東西を一つにするのです。真実は一般にその矛盾しない性質から人々を団結させますが、嘘は自分自身や常識を矛盾させ、私たちを分裂させ支配しようとします。

平和の大義に貢献する第二の方法:貧しい人々、戦争の犠牲者、難民や避難民、良心的兵役拒否者を支援することです。性別、人種、年齢、あらゆる保護されるべき理由によって差別されることなく、都市部の戦場からすべての民間人を避難させるようにすること。国連機関や、赤十字のような人々を援助する組織、または現場で働くボランティアに寄付すること。小さな慈善団体はたくさんあり、人気のあるプラットフォームでオンラインの地元のソーシャルネットワーキンググループを見つけることができますが、それらのほとんどは武装勢力に協力しているので、彼らの活動をチェックして、武器やさらなる流血とエスカレーションのために寄付していないことを確認するよう注意して下さい。

第三に、最後になりますが、人々には平和教育が必要です。恐怖と憎しみを克服し、非暴力による解決策を受け入れるための希望が必要です。平和文化の未発達、創造的な市民や責任ある有権者ではなく、むしろ従順な徴兵制を生み出す軍国主義教育は、ウクライナ、ロシア、ソ連崩壊後のすべての国に共通する問題です。平和文化の発展や市民としての平和教育への投資なくして、真の平和は達成されません。

●今後の展望をお聞かせください。

タラントのアウグスト・リギ高校のイタリア人学生数人が、戦争のない未来を願う手紙をくれました。それに対して私はこう書きました。「戦争のない未来に対するあなたの希望が好きだし、共感します。戦争のない未来に対するあなたの希望は、私も気に入っているし、共感します。それは、世界中の人々が、何世代にもわたって、計画し、築き上げてきたものなのです。よくある間違いは、言うまでもなく、Win-Winではなくて、Winになろうとすることです。人類の将来の非暴力的な生き方は、暴力を用いない、あるいは暴力を限界まで抑えた社会経済的・生態学的正義の達成と人類の発展に関する平和文化、知識、実践に基づくものであるべきです。平和と非暴力の進歩的な文化は、次第に暴力と戦争の古風な文化に取って代わるでしょう。兵役への良心的拒否は、そのような未来を実現するための方法の一つです。

私は、世界中のすべての人々が権力に真実を告げ、銃撃をやめて対話を始めるよう要求し、必要な人々を助け、平和文化と非暴力的市民としての教育に投資することで、軍隊も国境もないより良い世界を共に築くことができることを望みます。真実と愛が大きな力となり、東洋と西洋を包含する世界です。

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Yurii Sheliazhenko, Ph.D. (Law), LL.M., B. Math, Master of Mediation and Conflict Management, KROK University (Kyiv) の講師兼研究員である。さらに、良心的兵役拒否欧州事務局(ベルギー・ブリュッセル)理事、ワールド・ビヨンド・ウォー(米国・バージニア州シャーロッツビル)理事、ウクライナ平和主義運動事務局長を務める。

インタビューは、オーストリア・クラーゲンフルト大学(AAU)名誉教授で、AAUの平和研究・平和教育センターの創設者で前所長のウェルナー・ウィンターシュタイナーが担当した。

出典:https://wri-irg.org/en/story/2022/ukrainian-pacifists-war-crime-against-humanity

(Common Dreams)ボリス・ジョンソン、ゼレンスキーにロシアとの和平交渉を断念するよう圧力をかけた。(ウクライナ紙報道とともに)

(前書き)以下は、Common Dreamsに掲載された記事の翻訳および、その後ろに、この記事の根拠となっているウクライナのUkrayniska Pravdaの記事の翻訳を掲載しました。ウクライナの戦争は状況の進展のなかでその性格を変化させつつある。侵略者のロシアを徹底的に敗北に追いやろうとする欲望が西側諸国で支配的になってきた5月前後の時期に明らかになった開戦と停戦をめぐるウクライナ政府内部の動向だ。すくなくとも、この記事を信頼するとすれば、2月のロシアによる侵略当初、西側はウクライナの早い時期の降伏を計画し、亡命政権樹立を企図していたことになる。しかし戦況がウクライナに有利になるとみると、今度は、ロシアとの停戦協議を阻止するかの行動を英国がとるようになった。国家の行動を支えているのは国益であり、人々の権利でもなければ平和でもない。国益とは国家権力を握る社会集団の権力基盤の拡大再生産を意味していおり、これにイデオロギー装置が普遍的な価値をめぐる「物語」の衣裳をまとわせることになる。以下の記事がでてから1ヶ月以上たち、現在はロシアが東部で優勢であると報じられている。東部の戦争は2014年以降継続しており、長期化は、結果として人々の生存の権利を奪うことになる。正義の戦争ほど止めることは難しいし、敗北を甘受する理屈も立ちにくい。これが正義を戦争や暴力によって実現しようとするばあいの最大の難問でもある。正義と力の間には何ひとつ相関関係はなく、不正義が勝利することは当たり前のようにして歴史では繰り返さており、戦争が終結してみると、実は正義の側にも不正義が、不正義の側にも幾許かの正義があったりもする、というふうに、「戦後」の時代の価値観から歴史の再評価が行われたりもする。いかなる時代の評価になろうとも、事実として存在するのは、戦争によって犠牲となった人々の存在だ。こうした犠牲を最小化するために、戦争は何の役にもたたない。正義という概念の曖昧さを自覚してあえて言うのだが、目的を達成するための手段は、力の行使によることもありうるという人類の歴史を20〜21世紀の近代国家体制が極限にまで推し進めたことを反省すべきであり、未来の歴史において、正義であれ人権であれ、自由であれ平等であれ、普遍的価値お実現を暴力という手段に委ねることによっては、そもそもの目的それ自体も実現してない、ということを私たちはきちんと証明することに迫られている。(小倉利丸)


ストップ・ザ・ウォー連合は、「英国政府はウクライナの平和を阻害する存在となった。そこでの紛争はロシアとNATOの代理戦争に発展しており、その被害を被るのはウクライナの人々である」と述べた。

JAKE JOHNSON

2022年5月6日
ウクライナのニュースメディアUkrayinska Pravdaは木曜日、英国のボリス・ジョンソン首相が先月キエフを突然訪問した際、戦争終結のための和解に向けたウクライナとロシアのわずかな進展が見られた後でも、ロシアとの平和交渉を打ち切るようヴォロディミル・ゼレンスキー大統領に圧力をかけた、と報じた。

プラウダは、ゼレンスキー大統領の「側近」と顧問チームの匿名の情報源を引用して、「ジョンソンはキエフに2つの分かりやすいメッセージを持ってきた」と報じた。

「第一は、プーチンは戦争犯罪者であり、交渉ではなく、圧力をかけるべきだということ。そして第二に、たとえウクライナがプーチンと保証に関する何らかの協定を結ぶ用意があるとしても、彼らはそうではない。我々はあなた方(ウクライナ)とは(協定を)結べるが、彼とは結べない。いずれにせよ、彼は皆をねじ伏せるだろう」ゼレンスキーの側近の一人は、ジョンソンの訪問の本質をこう総括した…。

ジョンソンの立場は、2月当時、ゼレンスキーに降伏して国外脱出することを示唆した西側諸国が、今では以前想像していたほどプーチンが強力ではないと感じている、というものであった。

しかも、彼に「圧力をかける」チャンスはある。そして、西側はそれを利用したいと考えている。

ジョンソン首相は外遊中の公式発言で、英国は米国やドイツなど西側諸国と並んで、「この悲劇を終わらせ、ウクライナが自由な主権国家として存続・繁栄するために軍事・経済支援を強化し、世界規模の同盟を呼びかける」ことを誓った。

「私は今日、英国がこの進行中の戦いで揺るぎない立場で彼らと共ににあることを明らかにした。我々は長い目で見ている」と、英国の右翼指導者は語った。

4月9日のジョンソン訪問の前に、ベラルーシとトルコで開かれたハイレベル外交協議は外交的突破口を開くことができなかった。しかし3月中旬、ロシアとウクライナの代表団が、モスクワ軍の撤退と引き換えにウクライナがNATO加盟を断念する15項目の平和協定に向けて「大きな前進を見せた」との報告がなされたのだが。

しかし、ロシアが壊滅的かつ違法な攻撃を続ける中、協議はその後行き詰った。

4月12日、ロシアのプーチン大統領は、和平交渉は「暗礁に乗り上げた」と宣言した。そして、ゼレンスキーは3月下旬にプーチンと直接会談することを要求したが、ウクライナ大統領の顧問の一人は先月のラジオインタビューで、「今はまだ両大統領の交渉の時ではない」と述べた。

Mykhailo Podoliakは、「もう少し後になれば、おそらく(実現するだろう)。しかし、この交渉におけるウクライナの立場は、非常に強いものであってほしい」と述べた

ジョンソン首相もまた、紛争がすぐに外交的に解決されるとの見通しを公に否定している。ジョンソン首相は4月20日、記者団に対し、プーチン大統領との交渉は「足を顎でつかまれたワニを相手にするようなものだ」と述べた

ジョンソン首相は、「彼の誠実さの欠如が明らかな今、ウクライナ人がプーチンと交渉できるかは非常に難しい」と述べた。「彼の戦略は、明らかに、ウクライナを出来るだけ飲み込み、取り込もうとするもので、おそらく、強者の立場から何らかの交渉を可能にしようとするものだろう。」と述べた

和平交渉の停止を求めるジョンソンの報道に対して、ゼレンスキー自身がどう反応したかは不明だ。英国首相がキエフに到着した同日、ゼレンスキーはAP通信のインタビューに応じ、「この国を拷問した人物や人々とは誰も交渉したがらない」と語った。

「これは、すべて理解できる。そして、男として、父親として、私はこれを非常によく理解している」と続けた。

しかし、ゼレンスキーは、「もし機会があれば、外交的解決のための機会を失いたくない」とも付け加えた。

金曜日、ゼレンスキーはイギリスのシンクタンク、チャタムハウスでのバーチャル講演で、ロシアとの平和的解決に向けた「すべての橋が破壊されたわけではない」と述べた

プラウダの報道は、ジョンソンや他の西側指導者の公的な発言とともに、グローバルな大国が、何千人もの民間人を殺し、世界的な影響を及ぼす人道的危機を引き起こしたロシアの戦争に対する外交的解決の可能性を積極的に潰しているという長年の懸念を高めた。

英国を拠点とするストップ・ザ・ウォー連合the War Coalitionの呼びかけ人であるリンゼー・ジャーマンは、金曜日の声明で「英国政府は、大量の武器輸送と扇動的なレトリックによって戦争の継続を助長し、ウクライナの平和を阻害する存在となった」と述べた。「この紛争は、ロシアとNATOの代理戦争に発展しており、その結果を被るのはウクライナの人々である」。

「私たちは、計り知れない結果をもたらす紛争のエスカレートのリスクを軽減すること、即時停戦と交渉による解決を求めるキャンペーンを行っています」とジャーマンは述べている。

ロシアの侵攻は3カ月目に入り、モスクワはウクライナ東部に攻撃を集中させ、西側の兵器で重武装したウクライナ軍はロシア軍を主要都市から追い出そうとしている。

「ウクライナ軍兵士は金曜日、ウクライナ北東部のロシア軍に対して攻勢に出た。東部の領土を支配するための過酷な戦いは、どちらも大きな突破口を開くことができないまま、ますます残忍な消耗戦になっている」「ウクライナでは、西側同盟国から提供されたより高性能な武器と長距離砲が前線に流れ込み、ウクライナがより攻撃的な行動を取れるようになったため、国の一部において攻勢に転じたと主張した」と、ニューヨークタイムズは報じている

先週、Common Dreamsが報じたように、米国防総省のロイド・オースティン長官は、バイデン政権がウクライナ軍を武装化する目的は、「ロシアがウクライナに侵攻できない程度まで弱体化することを確認することだ」と述べた。

外交政策アナリストや平和運動家は、オースティンの発言は、米国がロシアとの長期的な代理戦争にコミットしており、核武装した2つの大国が直接対決する危険性があることを示す厄介なものだと受け止めている

政策研究所の新国際主義プロジェクトのディレクターであるフィリス・ベニスは、金曜日にCommon Dreamsに電子メールで「米国の行動は、ワシントンの優先順位が、ウクライナ人を守ることではなく、ロシアを弱めることであることを明確にしている」と語った。

タイムズ紙は水曜日に、匿名のアメリカ政府関係者を引用して、数十億ドル相当の最新兵器に加えて、バイデン政権はウクライナに 「ロシア将兵の多くをターゲットにして殺害可能にするロシア部隊に関する情報を提供し、その将兵たちがウクライナ戦争で戦死した」と報じた

国防総省はこの報道を否定したが、ジョン・カービー報道官は、米軍がウクライナにある程度の情報を提供しており、今後も提供し続けることを認めた。

クインシー責任ある国家戦略研究所the Quincy Institute for Responsible Statecraftのロシアとヨーロッパ問題上級研究員のアナトール・リーベンは、木曜日のコラムで、「ロシアの将軍に関する情報をウクライナに与えることは、危険な賭けである」と警告している。

「バイデン政権と米国のエスタブリッシュメントは、たった一つの質問を自問自答する必要がある。もし立場が逆だったら、第三国が意図的に米軍司令官の殺害を手助けすることに、米国はどう反応するだろうか?」と、リーベンは書いている。「バイデン政権は、米国の戦略はウクライナ防衛を支援することであり、ロシアに完全な敗北を押し付け、これを利用してロシア国家を弱体化させたり破壊したりすることではない、とロシアに保証するために直ちに行動しなければならない。」「最初のステップは、ワシントンが、クリミアとドンバスの地位の問題の外交的解決を支持し、ロシアがウクライナでの攻勢を止め、停戦に同意するなら、米国はその停戦を尊重することを公に宣言することだ」とリーベンは主張した。

この記事は、政策研究所のフィリス・ベニスのコメントを追加して更新された。

出典:https://www.commondreams.org/news/2022/05/06/boris-johnson-pressured-zelenskyy-ditch-peace-talks-russia-ukrainian-paper


ゼレンスキーの「降伏」からプーチンの降伏へ:ロシアとの交渉はどうなっているのか

ロマン・ロマニューク – 2022年5月5日(木) 09:30
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ロシアとの和平交渉は、ウクライナが70日間の全面戦争を経て、絶望から自らの強さと真の同盟者たちの輪を実感するまでの物語である。

「もし戦争が始まった日に、今のような和平協定にサインすることが許されていたら、我々は迷うことなくサインしていただろう。しかし、今やこの協定は我々にとって妥協に過ぎると思われる」と、ゼレンスキー大統領の側近がウクライナ・プラウダとの会話でオフレコで語っている。

一般的に言って、攻撃開始早々、ウクライナはある種の戦術的降伏を覚悟していたが、ロシアの将来の敗北を示す最初の試みに道を譲ったのである。

そのようなシナリオを公に認めることは、今のゼレンスキー陣営にとってあまりにも勇気のいることであることは明らかである。しかし、大統領府の閣内では、このような経過がもはや空想としてではなく、現実のものとして語られているのである。より正確に言えば、ウクライナが現実化できることである。

ゼレンスキーがそう信じる背景には、世界政治における2つの大きな変化がある。

第一に、ウラジーミル・プーチンとその軍隊の「力」の神話が、イルピンやルビズネの郊外で徐々に潰されつつあること。

第二に、西側の孤立主義とウクライナを本当に助けようとしない姿勢は、ついにブチャボロディアンカ、マリウポルの集団墓地に葬り去られた。

ウクライナ・プラウダは、この2つの変化がロシアとの和平交渉の行方にどのように影響しているのか、誰が誰と話しているのか、ボリス・ジョンソンの緊急訪問がどのように流れを変えたのかを調べてみた。

降伏までの72時間

ウラジーミル・プーチンは72時間以内にウクライナを攻略しなければならなかった。ウクライナの選択肢はただ一つ、降伏することだった。

この2つのシンプルな文章は、ロシアとウクライナの戦争と、それによる和平交渉の出発点を要約することができる。

このシナリオをキエフとゼレンスキーに報告したのは、クレムリンではなく西側のパートナーであることを、その信憑性を疑う人たちのために明らかにしておく必要がある。

「つまり、本格的な戦争が始まる前に、ゼレンスキーはウクライナを離れて亡命政権を樹立するという最初の申し出を受けたということだ。この申し出は、ミュンヘン会議中に大統領に誠実に行われたものです。そして彼らは、ウクライナに帰らない方が(ゼレンスキーにとって)良いと言いました」と、ミュンヘンでの代表団の一人がウクライナ・プラウダに内密に語っている。

ゼレンスキーは、ワルシャワかロンドンか、あるいは他の場所を「居住地」として選ぶように言われた。 パートナーたち全員が驚いたことに、大統領はウクライナに帰国した。

このときゼレンスキーは、「今朝はウクライナで朝食をとったし、夕食もウクライナでとる」と発言し、西側を批判する有名な演説と同様に、会議の聴衆に衝撃を与えた。

パートナーたちの立場は理解できる。彼らはプーチンの準備について知っていたし、彼の軍隊の計画についても知っていたし、ウクライナ各地に集まった120の攻撃大隊-戦術グループのさまざまなレベルの司令官たちに、参謀用の封筒でどんな任務が送られるかも知っていたのだ。そして、ウクライナに勝ち目がないことを「知っていた」のである。

「当初、私たちはロシア連邦の正確な計画を知りませんでした。しかし、キエフ近郊で死んだロシア軍司令官の参謀文書を押収したとき、すべてを理解しました。そこには、特定のグループがいつ、どこにいるべきか、精鋭の落下傘部隊が72時間以内にキエフの官庁街を制圧しなければならないこと、などがすべて記されていたのです。その72時間というのは、すべてのパートナーから聞いていたのと同じ時間です」 ゼレンスキーの「セキュリティ担当」トップの一人が、ウクライナ・プラウダとのインタビューでそう説明している。

1日が過ぎ、2日目が過ぎ、3日目が過ぎたが、キエフはまだ生きていた。首都周辺の森は、焼けたロシア軍の装甲と兵士の死体で埋め尽くされていたーそしてキエフはまだ生きていた。ホストメルやワシルキフの飛行場は火の海、ロシアのヘリコプターが飛んできては落ち、それでもキエフは耐えていた。

「3日目には、自分たちは生き残れるということを実感しました。私たちには力があるのだと。3日目になって、初めてシェルターから出ることができました」と、大統領府の代表者は言う。

そして3日目直後の2月27日朝、ロシアとウクライナは交渉開始を発表した。

фото: ツイッター Михайла Подоляка

“イスタンブール和平”

プーチンの計画の第一段階は失敗し、「世界第二の軍隊」による電撃戦は失敗に終わった。しかしロシア大統領は、会談中にウクライナを降伏させるに十分な力があるとまだ信じていた。

ウクライナ交渉団のリーダー、ダヴィド・アラカミア氏がインタビューで語ったように、ゼレンスキーの最初の任務は、ロシア側にウクライナが交渉の用意があるとの印象を与えることだった。

「成功すれば、ロシアの代表団が帰国して、この人たち(ウクライナ代表団のメンバー-UP)と話し合うことが可能で、何らかの検討が可能であると大統領に報告する感じになるように、任務を設定した」とアラカミアは述べた。

しかし、ロシア側は、第1回目の会談に、話し合うためではなく、ウクライナの降伏を正式に決定するためにやってきた。

「長い話を短くすると、その合意の本質は、我々(ウクライナ)はただあきらめるということ、このことをデビッド(アラカミア)がそれをどこか念頭に置いていた。そして、更にその上に、脱ナチ化とその他の(ロシア側の)要求もある」と、代表団の一人は言った。

代表団には、このような要求に応じる力も権限もなかったことは明らかだ。特に、大統領から与えられた指示はまったく違うものだったのだから。

「我々の代表団は、ロシアは2月23日時点の国境線に戻ること、つまり新たな占領や軍隊の撤収などを明確にした指示を受けて、2月28日の最初の会議に臨んだ」と、交渉準備に関わったゼレンスキー・チームの主要メンバーの1人は言う。

しかし、アラカミアたち(代表団)は大統領の主要任務を果たした。ウラジーミル・メディンスキー(プーチンの首席交渉官)とのコンタクトが確立し、現在も続いていると言わざるを得ないのである。

この公式の交渉ルートだけがロシアとの平和条約締結のために機能しているわけではないのだが。キエフとモスクワの交渉に──水面下で──参加しているもう1人の人物が、ロシアの大富豪ロマン・アブラモビッチだ。

「ロマンはアラカミアとも接触している。彼の利点は、プーチンに直接アクセスできる唯一の人物であることだろう。彼(プーチン)はどこにいようと、直接会っている。すべての(ロシアの)公式代表団は、自分たちのボスをテレビで見るだけだ。メディンスキーはプーチンと話すことができる──ただし、電話でだけだが」と、キエフのバンコヴァ(大統領府がある通り)の交渉に詳しいウクライナ・プラウダの情報筋は言う。

メディンスキーのプーチンへの接近度について、元Dozhdのジャーナリストたちによって設立されたロシアの調査報道誌『Proekt』が興味深い話を伝えている[Dozhd、別名「TV Rain」は、ロシアの独立テレビチャンネルで、2022年3月1日にロシア政府によって閉鎖された]。Proektによると、イスタンブール協定に関する有名な演説の後、政府の公式の目的に固執したことでメディンスキーが公式のプロパガンダによってボロボロになり始めたとき、彼はプーチンに電話をかけようとしたという。しかし、丸一日、電話はつながらなかった。

ところで、イスタンブールについて。これが今日のロシア・ウクライナ会談の重要なポイントだ。

イスタンブール会談後にメディンスキーが提起した合意事項のポイントは、実際に事実である。

「我々は “脱ナチ化”、”脱軍事化”、ロシア語などのくだらないものをすべて一掃した。我々はそこで、ウクライナが厳格で明確な安全保障と引き換えにNATOに加盟する用意がないことを指摘した。協定の枠組みは準備された。

しかし、その後、代表団はただ先に進むことができなかった。クリミアとドンバスの問題は、領土的な地位の問題です。ここでは誰もこの問題について話す権限さえありません。大統領たちが会って、どこに向かうかを決めればいい。首脳同士の会談が必要だ」とバンコバの情報筋の一人が語っている。

この会談はほぼ準備されていた。キエフ近郊と北部で非常に大きな損失を出し、チェルニヒフとハルキフの包囲に何ヶ月も失敗し、西側の厳しい制裁を受けたロシアは、ウクライナとの協定をどうしても必要としているのだ。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が、「ロシアの求めていることは正当であり、制裁解除のためにウクライナと交渉している」と、ロシアの要求が成立するように取り繕っているのには理由がある。彼らにとって、これは極めて重要な問題なのだ。

欧米はドイツのオラフ・ショルツ首相を通じて、ウクライナとの合意がない限り、誰もロシアへの制裁を解除しない、と明確な答えを出した。

“ボリス・ジョンソン”、さもなくばプーチンに “プレッシャー”

ロシア側は、誰が何と言おうと、シグナルを読むことができ、実はゼレンスキー・プーチン会談の準備はできていた。

しかし、2つのことが起こった。その後、ウクライナ代表団のメンバーであるミハイロ・ポドリアクが、今は大統領会談の「時ではない」と公然と認めざるを得なくなったのである。

まず、ロシア軍が一時的に占領したウクライナ領で行った残虐行為、レイプ、殺人、虐殺、略奪、無差別爆撃、その他何百、何千もの戦争犯罪が明らかになったことである…。

ブチャイルピンボロディアンカアゾフスタルについてプーチンと話すことができないとしたら、我々はいかにして、何について話すことができるだろうか。

プーチンと世界の人々の間のモラルのギャップ、価値観のギャップはあまりにも大きく、クレムリンでさえ、それをカバーできるほど長い交渉のテーブルを持ち合わせていない。

ロシアとの合意に対する第2の──もっと予想外の──「障害」が、4月9日にキエフで発生した。

イスタンブールの結果を受けて、ウクライナの交渉担当者とアブラモビッチ/メディンスキーが、将来可能な協定の構成について一般論として合意するとすぐに、英国のボリス・ジョンソン首相がほとんど予告なしにキエフに姿を現したのである。

「ジョンソン氏はキエフに2つのシンプルなメッセージを持ち込んだ。1つは、プーチンは戦争犯罪者であり、交渉ではなく、圧力をかけるべきだということ。そして2つ目は、たとえウクライナがプーチンと保証に関する何らかの協定に署名する用意があるとしても、それは無理だということだ。あなた方(ウクライナ)とは(協定に)署名してもいいが、彼とはできない。いずれにせよ、彼は皆をねじ伏せるだろう」、ゼレンスキーの側近の一人は、ジョンソン訪問の本質をこう総括した。

この訪問とジョンソンの言葉の裏には、ロシアとの協定に関わりたくないという単純な理由だけでは済まされないものがある。

ジョンソンの立場は、2月当時、ゼレンスキーに降伏して逃亡することを示唆していた西側諸国集団が、今ではプーチンが以前想像していたほど実際には強力ではないと感じている、というものだった。

Фото Лєри Полянськовоїна

しかも、彼を「押さえる」チャンスはある。そして、西側はそれを利用したいのだ。

ジョンソンは、今Vasylkiv roosterの幸せな所有者は、霧のアルビオンに戻って飛んで後3日後、プーチンはウクライナとの会談 “は暗礁に乗り上げていた “と公に述べた。

「我々はイスタンブールで一定の合意に達し、ウクライナの安全保障はクリミア、セヴァストポリ、ドンバスの領域には及ばないというものだった……。今、安全保障は一つのことであり、クリミア、セヴァストポリ、ドンバスとの関係を調整する問題は、これらの合意から排除されようとしている」とプーチンは述べている

その3日後、ローマン・アブラモビッチが再びキエフに到着し、ゼレンスキー大統領は、ロシアとの安全保障協定は2つあり得ると公式に述べた。1つはウクライナ自身のロシアとの共存を調整するもの、もう1つは安全の保証だけを対象とするものである。

「モスクワは、すべての問題を解決する単一の協定を希望している。しかし、誰もがロシアと同じテーブルに着くとは限らない。彼らにとっては、ウクライナの安全保障は1つの問題であり、ロシアとの協定は別の問題である。

ロシアはすべてを1つの文書にすることを望んでおり、人々は『申し訳ない、ブチャで起きたことを目の当たりにし、状況は変化している』と言っている」と、ゼレンスキーはジョンソンのプーチンへのメッセージを伝えている。

その後、二国間交渉は一旦保留となった。

今後どのように協力していくか、安全保障の保証人となりうる者をすべて交渉に参加させるにはどうすればいいか、誰を参加させるか、などを決めなければならなかった。

そして最も重要なことは、ウクライナは、ロシアとの対決において西側諸国がウクライナに寄り添う用意がどれほどあるのか、という宿命的な質問に対する答えを自ら理解しなければならなかったことである。

ウクライナは結局、欺かれ、破壊され、怒れるクレムリンと対面することにならないか。

21世紀のヨーロッパの交渉、戦争、歴史の行方も、この質問の答えにかかっている。

そして、このような複雑な質問に対する答えは、Ukrainska Pravdaで間もなく掲載されるであろう別の記事を読んでいただく価値があります。

ロマン・ロマニュク、UP
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