第9回:死刑廃止映画週間『フォンターナ広場』トーク
2月18日、死刑廃止映画週間に上映されたイタリア映画『フォンターナ広場』(日本語公式サイト)の上映後のトークイベントで話をしました。下記の動画の下にあるブログの文章はトークの記録ではありません。トークでは映画を観た方たち向けに話したのですが、ブログの読者は映画を観ているとは限らないので、話しきれなかったことなどを書くとともに、トークでは紹介できなかった音楽についても以下で紹介しました。 「フォンターナ広場」とは、1969年12月12日にミラノのフォンターナ広場に面したイタリア農業銀行で起きた爆弾テロ事件を指しています。16人の命を奪い、100人が負傷する大惨事になります。当初、この事件をアナキストたちの犯行だとして大量の活動家が検挙されます。この検挙者のなかに、後に取り調べ中に警察の建物から飛び降りて「自殺」するジュゼッペ・ピネリもいました。映画で描かれているように、この自殺は警察による組織的な殺害によることはほぼ間違いのないものです。この映画にはいわゆる死刑は登場しませんが、このピネリの「死」は、権力による非合法の処刑と解釈することができるという意味で、死刑を権力による殺人と定義する […]