いくつかのメーリングリストに投稿したものです。(2026/2/7)
高市と自民党のSNS発信への疑問が次々に指摘されています。YOASOBIを越える最速の1億回越えはどう考えても自然ではないと思います。しかし、これが単なる上げ底で、実際には自民党の得票は伸びないのでは、ということにはならないと思います。選挙はまだあと2日あります。SNSの使い方をぜひ今からでも見直してみませんか。
以下、最近の報道をいくつか紹介します。私の個人的な感想ではFRASHの記事がおもしろかった。
(FLASH)高市動画 “異常すぎる” YouTube再生数にインフルエンサーが続々と疑問表明…およそ9000万回 “ヒカキン級” メガヒット(なぜかエンタメ欄)
https://smart-flash.jp/entertainment/entertainment-news/390495/
(ピンズバ)高市首相のPR動画が“1億回再生”の日本最速記録を達成 YOASOBIの“伝説の記録”をあっさり超えネット騒然
https://pinzuba.news/articles/-/14187
時事通信 高市首相動画、異例の1億再生 SNS「広告」、疑問の声【2026衆院選】
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026020400969&g=pol
東京新聞「「高市動画」再生1億3000万回超のナゾ」2/7の特報記事の一部
https://www.tokyo-np.co.jp/article/467084
以下は私の意見です。わたしはこの手のビジネスを実際にしたことがないので、いくつかのサイトの情報などを総合して書いています。間違いがあったら教えてください。
Youtubeの動画で1億回再生は不可能ではありません、YOASOBIですら1億越えに1ヶ月かかっていますが。かなりハードルが高い。そもそも自民党のYoutubeチャンネル登録者は20万人(この選挙期間中に数万は増えている)しかいないのに、1億を越えるのは、普通にやっていたのでは不可能です。しかし、自民党には金があり、SNSのプラットフォーマーの経営者たちはみなトランプ政権を支持する大富豪である、ということを考えておく必要があります。
私たちはYoutubeとかSNSを無料で利用しますが、自民党などがプロパガンダに使う場合は広告の手段として使うので費用がかかります。費用は
・Youtubeでの広告出稿にかかる費用
・Youtube動画をX、Facebook、InstagramなどのSNSと連携させて広告を表示させる費用
となります。たぶん、2週間程度で1億を越える再生回数を稼ぐにはそれぞれ数億の投資は必要と思います。合計して10億を越えるかもしれない。
広告はテレビのように一律誰にでも同じものが表示されるわけではなく、視聴している人の動静や属性を把握して、広告主側が、誰に表示するかを選択できます。選挙なので未成年には表示させないとか、地域を限定するなどは可能なはずです。いわゆるターゲティング広告と呼ばれるものになります。広告費は、広告動画のクリック回数、動画を視聴しつづける時間とか、表示をオフにできるかできないか、表示場所がどこか、などで費用も変ります。
また、対立する候補者や政党の動画が表示されているときに、自党の候補者の動画広告が表示されるような設定も不可能ではありません。
わたしたちができる対策(対症療法)
どうしてもYoutubeの動画をみたいときは、Duck Playerで視聴する。
以下にDuck Playerの解説があります。Win、Mac、iPhone、Androidに対応。
https://duckduckgo.com/duckduckgo-help-pages/duck-player
Linuxの方はDuckDuckGoの検索サイトで動画検索を選んで視聴したい動画を探すことになります。
Youtubeで動画を配信する側は、その視聴者に対するリスクを確認してほしいと思います。そしてその視聴リスクをきちんと視聴者に伝えることができればよいのでは、と思います。長期的な動画配信の戦略の見直しをぜひ検討してほしいと思います。
とくにこうしたSNSの選挙運動で問題になるのは以下でしょう。
有権者の動静を詳細に把握できる可能性がある。
Youtubeなどでアカウントをもっていてログインしている場合。応援している候補者にコメントを残したい場合はログインが必要でしょう。Youtube側は、ログインしているユーザーの動静を把握可能です。年齢、性別、居住地、アクセス履歴や考え方の傾向などさまざまなデータが把握でき、これにもとづいて、広告の表示も変化します。ログインしていなければ、IPアドレスからおおまかな居住地が把握できる程度かもしれませんが、選挙区の有権者の動向把握には、これでも役にたつ可能性があります。ユーザーの視聴履歴などは相手も把握可能かもしれません。youtubeのアカウントのプライバシー設定を慎重に見直してみてください。
浮動票に対する再生回数神話の影響は無視できないかも。
Youtube動画では再生回数がアクセスする人に与える影響が大きいように思います。再生回数が多いものほどみなが支持しているとか人気がある、といった肯定的なバロメーターになるので、つい再生回数で評価してしまう。とくに無党派や判断に迷う層を引き寄せる上で再生回数神話は効果があると思います。たとえば、投票先を迷っている人が野党候補のYoutube動画をみて政策を知りたいと思ったときに、自民党の広告を目にして、その再生回数の多さにひかれてクリックし、結果として自民党への投票を選択する可能性がでてくる。こうした広告がなければ、野党候補の主張がもっとじっくり理解されたかもしれません。野党候補の動画をみる人のなかには判断に迷っている人がいるにもかかわらず、自民党の広告戦略によって、こうした浮動票をさらっていく場所に、自分のYoutubeサイトが利用されうることを念頭におく必要があります。(注 ただしこうした対抗的な広告が選挙で可能かどうかについては確認ができていません。一般に、商品宣伝の動画では、競争相手の広告が表示されることがありうると思う)
再生回数戦略にはかなりSNSの発信の仕組みに精通しなければならない。
資本主義の自由競争市場では、企業が商品を売りたいと思っていても、お金をもっている消費者が買うという決定をしてくれなければ売れません。なので、20世紀を通じて、いかにして消費者をコントロールして自発的に自社の商品を買いたい、と思わせることができるか、という広告の心理操作技術が飛躍的に発展し、これが現在では政治の投票行動技術に応用されています。通信大手や広告代理店などを含む業界であれ米国のプラットフォーマーであれみな自民党政権を支持する企業です。こうした企業が情報発信の基盤を支配しているなかでの選挙運動なのだ、ということを、とりわけ反政権側は自覚する必要があります。プラットフォーマーは中立ではありえないのです。
アルゴリスムがわからない。
SNSの動画の並び順や、拡散力の差などから検閲まで、プラットフォーマーがどのように動画配信の経営戦略をたてているのかについて、とくにその技術的な裏側はわかりません。しかし、検閲やユーザーの動静の把握、特定の方向への誘導といったことが可能なアルゴリズムの事例は海外ではよく知られています。上述したことから、配信の仕組みは金次第でもあり、経営者のイデオロギーにも左右される、と考えて、拡散を営利目的のプラットフォーマーに依存しない独自のメディア戦略を構築することが必須だと思います。
まだ二日あります。なんとかしたいです。質問などあれば遠慮なく。
参考
Google:YouTube のおすすめ動画の仕組み
https://support.google.com/youtube/answer/16089387?hl=ja
Google:収益化システム(広告アルゴリズム)の説明
https://support.google.com/youtube/answer/9269689?hl=ja
Youtubeの広告についての解説サイトを二つだけ紹介します。たまたま検索でみつけたもので、この種のノウハウを提供しているサイトはたくさんあります。
YouTube広告の費用相場は?仕組みや計算方法を詳しく解説
https://sienca.jp/blog/advertising/youtube-ads-benchmarkreport/
youtube広告の費用相場と課金方式を徹底解説
https://mobinc.jp/media/2026/01/01/youtube広告の費用相場と課金方式を徹底解説|企業・/