書評 アライ=ヒロユキ『検閲という空気――自由を奪うNG社会』(社会評論社)

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書評 アライ=ヒロユキ『検閲という空気――自由を奪うNG社会』(社会評論社) 本書は、その副題に「自由を奪うNG社会」とあるように、「NG」を連発するようになっている日本の現状を具体的な事例で紹介しつつ、その底流にある不寛容がいったい何に由来しているのか、そしてこれに対して、私たちの側からどのような対抗が可能なのかを論じており、挑戦的な仕事だ。本書で取り上げられた事例は非常に広範囲で、地域社会の日 […]

空族(くぞく)最新作 『バンコクナイツ』富山上映会(7月16日、17日)

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空族(くぞく)の最新作『バンコクナイツ』が富山で上映される。17日には私もトークに参加させていただきます。 わたしの映画評は下記にあります。 越境するアンダークラス──映画『バンコクナイツ』 アトリエ・セーベーの告知(転載) みなさん、こんにちは。 アトリエセーベーがあるLETTERが1周年を迎えました。 デッサン教室をベースに、読書会、映画、「みる」ことをいろんなかたちでおこなってきました。さま […]

もうこれ以上我慢ならない!──理性を越える情念の革命の復権?

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ロルドンの新著の邦訳は『私たちの”感情”と”欲望”は、いかに資本主義に偽造されているか』というものだが、「偽造」というよりもむしろ飼い馴らされた感情に耐え切れずに内破するマルチチュードの激情への熱い期待、とでもいった方がいいような内容であり、理性主義的な資本主義批判への徹底した疑義に貫かれた刺激的な本でもある。 ロルドンがとりわけ槍玉にあげるのが、合理的経済人を前提として組み立てられた支配的な経済 […]

越境するアンダークラス──映画『バンコクナイツ』

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空族の新作『バンコクナイツ』は、今年観た映画のなかで最も印象に残り、わたしがうかつにも忘れかけていた1970年代のタイの熱い民衆の闘争を思い起させてくれた。とはいえ、決して「政治的に正しい」行儀のいい映画ではない。そこが空族の最大の魅力だ。(以下、ネタばれは最低限に抑えたつもりだが、予断なしに映画を観たい方は読むのを控えてください) バンコクの歓楽街タニヤ、60年代から70年代にかけてラオスへの米 […]

書評:武藤一羊著『戦後レジームと憲法平和主義』れんが書房新社、2016

投稿日: 2件のコメントカテゴリー: ナショナリズム天皇制批判書評、映画評、音楽評など資本主義批判

刺激的な本に出会うということは、本の内容をそのまま受け入れるということよりも、本の内容に触発されて、著者がどう思うかとは別に、私自身の考え方に一歩でも新たな展開をもたらすようなことだと思う。武藤一羊の議論は、とくに私とは目のつけどころも方法論も違うけれども、現状への危機感は多くの点で共有できるという意味で、刺激的である。本書もまたそうであった。以下では主に、本書の理論的な枠組を提示している「総論」 […]

平井玄「真に畏怖すべきもの」をめぐって

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『季刊ピープルズ・プラン』73号(2016年8月10日)に掲載された平井の文章は、戦争法反対運動として高揚した国会前行動の「主役」を担ったSEALDsや総がかり行動などに対する苛立ちと怒りに近い思いに溢れたもので、近年めっきりお目にかかることが少なくなった熱い文章だ。 なによりも重要なことは、このエッセイが書かれたということだ。このエッセイは『季刊ピープルズ・プラン』の特集「対抗線をリセットする」 […]