グローバル化する治安警察体制とG8サミットの役割

-、グローバル資本主義の矛盾に満ちた「指令塔」

サミットは、冷戦体制下の資本主義世界体制の危機への先進国による利害調整のための危機管理の協議体として一九七五年にはじまった。七○年代は、六○年代の高度成長の終焉、戦後のドル体制の危機、ベトナム戦争敗北とインドシナの社会主義化や第三世界諸国による国連を舞台とした「新国際経済秩序」構想とブレトンウッズ体制への批判、産油国などによる資源ナショナリズムに伴う先進国と多国総資本による原油・資源市場支配の終駕といった国際関係の大きな変動のなかで先進国の圧倒的な主導権が後退する時期だった。他方で、先進国内の政治危機も深刻であって、六○年代の大衆都市反乱、七○年代いっぱい続くイタリア・アウトノミア運動、ユーコミュニズムによる先進国の「社会主義化」への脅威が目前にせまっていた。資本にとって、内外ともに資本蓄積の基本的な条件、資源と労働力への支配が危機的な状況にあった。サミットはこうした状況のなかで帝国主義相互の覇権争いから戦争へという回路を断ち、社会主義ブロックへの対抗のために経済システムのヘゲモニーを再度確立し社会主義を封じ込めるための統一戦線構築の一環であったといっていい。

冷戦後もサミットがグローバルな資本蓄積のための国家の枠をこえた政治・経済・派事のインフラ構築のための枠組作りという役割を担いつづけるが、その戦線の「敵」(抱き込みの対象)は社会主義ブロックや非同盟第三世界諸国から「テロリスト」や「越境組織犯罪」など多様な対象へと移行し、グローバルな資本がみずから生み出した貧困や環境破壊、債務といった問題をあたかも自然災害であるかのようにみなしてその解決の担い手として登場する。

サミットの正式メンバー八ヶ国が世界の政治・経済・軍事に占める影響力がいかに大きなものであるかについては、これまでもサミットに対する批判のなかで繰り返し指摘されてきたことである。しかし、数値で示されるようなサミット諸国の有り様がグローバルな資本主義の政治、経済・軍事の推力構造におけるサミット諸国の影響力の大きさに直ちに反映しているわけではない。わたしたちはサミット諸国を共通の利害によって結ばれた国家の均質な集合的な意思を体現するものであるかのように単純化し、サミット諸国対その他の諸国あるいはサミットの八人の指導者対六○億の民衆といった対置によって、サミットをひとつの共同意思にもとづく一握りの支配者集団に還元してその非民主主義的なあり方やその正統性の欠如を指摘することは必須であってもそれだけでは十分ではない。

サミットの構造をこのように単純化することは、サミットが有しているグローバル資本主義の覇権構造の本質をとらえたものとは言えない。その理由は大きく分けて二つある。一つは、サミットは、一つの意思に還元できるようなものではなく、むしろその内部に常に対立と矛盾をはらんだ不安定で不均衡な国民国家の諸権力の多様なベクトルの集合であるという現実を前提としたうえで、この矛盾と不均衡を巧みに調整あるいは隠蔽しつつ、外部にむけては一つの共同の意思として打ち出すようなレトリックと儀礼のパフォーマンスの場となっているというところにこそサミットの大きな特徴がある。矛盾とはどのようなことかといえば、自由貿易と市場の規制緩和といういわゆる新自由主義と、自国産業の保護、国益主義が併存しているからである。この矛盾をすべての参加国は承知の上で、対外的には自由貿易と保護主義批判を展開することによってグローバルな市場を先進諸国の資本に配分するための枠組みを構築できるような調整を図る。不均衡とは、こうした先進諸国の相互の政治・経済・軍事の力関係がこの三○年の間に大きく変化したことによる。日本の台頭と凋落、中国、インドなど非G8諸国の急成長によってG8はグローバルな政治経済システムの調整機能を低下させてきており、そのなかでのサミットの再構築が課題となっている。

サミットはそれだけで完結しているわけではなく、裾野の広がりがあっての「サミット」なのである。世界経済フォーラムのような民間部門との連携、国連やIMFなどの国際機関に対する働きかけ、ASEANやAPECのような地域の政府間機関、NATO、米国の二国間の安全保障協定などを通じたG8の枠を超えた安全保障の広がりなどである。司法灘察関連のサミットの動向はこうしたサミット全体の構造のなかで理解する必要があろう。

2、サミットにおける司法・警察関係議題の扱い

サミットにおける司法・警察関係の議題は、九○年代のポスト冷戦期以降、急速に主要議題の一角を占めるようになる。その中心的な議題は「テロリズム」と薬物などに関わる国際的な組織犯罪である。この流れが二○○一年の9.11同時多発テロ以降、司法警察サイドからのテロ対策と軍事・安全保障サイドからのそれとが融合し、警察の軍事化、軍隊の軍隊化が急速に進むことになる。その結果として、司法が従来主要な守備範囲としてきた国内の治安維持や犯罪捜査という役割を超えて、外国に対して法執行機関の強制力を行使可能な国際的な枠組み構築が模索されるようになる。警察のグローバル化がサミットの重要な議題となる背景として、グローバル化がもたらした「地域紛争」の新たな特徴がある。政府側が「地域紛争」とよぶもののなかには、宗教原理主義や排他的な民族主義から伝統的な左翼連動やゲリラ、武装闘争グループ、草の根の民衆運動にいたるまでそのベクトルは多様であり一つの方向に収敵していない。しかもこうした国家でも企業でもなく、さらに「市民社会」と総称されるような枠組みにもおさまらない国家と資本の秩序へのグローバルな亀裂こそがグローバルな司法勝察体制の構築を動機づける重要な背景である。G8サミットは、この新たな「地域紛争」に対して一方で軍事的な介入、他方で先進国の多国籍企業による投資機会を保障する経済安全保障と不可分な「平和構築」やPKOのプロセスにおける紛争国・地域における治安維持活動がシームレスに連動するような状況の中で、当初の役割を変化させることを迫られてきた。

現代のグローバル化では、情報通信のグローバル化を通じて、コミュニケーション領域も越境的となり、もはや地理的な意味での「領土」は主権国家にとって絶対的な意味をもたなくなってしまった。そして、9.11同時多発テロによって先進諸国は、国内の住民のなかに移民という新しい「敵」をみいだそうとすることになる。移民とその母国、移民の宗教や文化に基づく越境的なネットワークを脅威とみなし、従来の対外安全保障=軍隊、国内治安対策=警察という分業の見直しが進んだ。米国の反テロ愛国法や国土安全保障省の設置はその端的な現れといえた。とりわけ第三世界諸国の国内治安体制や刑事司法制度への介入可能なグローバルな司法警察体制の構築は、移民の流れをグローバルに監視・コントロールする一方で、第三世界の資源と市場への多国籍資本によるアクセスの確保と安定が必須の課題であり、先進国へゲモニーの構築にとって、軍事と警察のグローバル化の過程は、経済のグローバル化、軍事のグローバル化と不可分なのである。

サミットはこうした司法警察の動向と軍事安全保障を統一して討議する重要なメカニズムとなっている。サミットそれじたいは八ヶ国の首脳会合にすぎないが、これをある種の「司令塔」(八人の司令官の思惑は一致していないのだが)としてその外側へ、また各国の国内世論へと裾野を広げゆく機能をもつことによってグローバルな影響力を行使しようとしてきた。

3、トップダウンで浸透する「グローバル・スタンダード」

冷戦終結後のサミットの主要課題は、ソ連・東欧の旧社会主義ブロックの資本主義への統合プロセスの推進と同時に、これまでの冷戦期では焦点化されてこなかった薬物などをめぐる国際組織犯罪取り締まりに関心が大きく移ることになる。日本国内のこの間の大きな刑事司法制度の改悪の重要な部分もサミットに源流をもつものが少なくない。たとえば、マネーロンダリング(資金洗浄)の問題をとりあげてみよう。現在OECDに事務局が置かれているマネーロンダリング対策の国際機関であるFATF(金融作業部会)は、八九年のアルシュサミットの「経済宣言」に盛り込まれた麻薬対策に関するつぎのような合意に基づいて設置された。

「サミット参加国及びこれらの問題に関心を有するその他の諸国からなる金融活動作業グループを招集すること。その権能は、銀行制度と金融機関を資金の洗浄のために利用することを防止するために既にとられた協力の成果を評価すること、及び多数国間の司法面での協力を強化するための法令制度の適合等のこの分野における追加的予防努力を検討することである。」

この声明の翌年には「四○の勧告」とよばれる犯罪関連の資金監視のガイドラインの提案につながっていく。サミットをきっかけとして設立されたFATFは、サミットの枠組みを超えてOECD諸国を中心に参加国を増やし、現在のメンバーは「欧州、北米、アジアの主要な金融センターを含む二六の国と地域、ならびに、欧州委員会と湾岸協力会談」となる。マネーロンダリングは現在では「犯罪」としての認識が浸透しているが、犯罪で取得した資金を移転したり使用したり、別の合法的な資金と一体のものとする行為それじたいが犯罪を構成しうるかどうかについては、九○年代の日本でも専門家の間で争点となっていた。しかし、こうした疑問は次第に押さえられ、さらに9.11同時多発テロ以降、こうした犯罪関連資金の監視の制度はテロ資金の監視へとその性格を拡張される。FATFは現在では、アルカイダと関係のある個人や金融機関を公表し、資金の送金などの取引を排除する役割を担っている。

日本政府の国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部は、二○○四年一二月一○日「テロの未然防止に関する行動計画」のなかで弁護士を含めて依頼者のマネーロンダリングと疑われる取引を知った場合には「金融情報機関」への通報義務を定めた法整備に乗り出し、FATF勧告の完全実施を目指すための具体的な行動に踏み出す。同時に政府は金融情報機関をこれまでの金融庁から警察庁に移管させた。二○○七年二月の国会には「犯罪収益移転防止法」が上程され、可決・成立する。この法律によって弁護士もふくめて広範な事業者が疑わしい顧客の情報を密告する制度が確立してしまった。その結果として、日本が密告型、秘密蕃察型の社会へと変貌する大きなきっかけを与えたことはいなめない。

このように、サミットは、G8諸国が将来の長期的な主導権維持を視野に入れて、さまざまな制度化をもたらすためのひとつのきっかけをつくる役割を担ってきた。まずトップダウンで各国に共通する戦略を討議・策定し、これを各国ごとに制度化する長期に渡る調整プロセスとなる。マネーロンダリングの問題についても、早い段階からサミットでは議題とされ、日本の場合も「マネロン」という略語が定着するようになり、報道がくりかえしマネーロンダリングの犯罪性をその理由抜きに政府や籍察の言い分そのままで垂れ流すことを繰り返すなかで、人々の考え方に変化をもたらしてきた。そしてマネーロンダリングの犯罪化が社会的に認知されたことをふまえて、次に起きてきたのは金融機関、税理士などが犯罪収益に関する監視の義務を負ういわゆる「ゲートキーパー」制度の導入だったわけだ。八九年のアルシュサミットから数えれば二○年近くになる長期のプロセスである。これをもってサミットは非効率的だと判断することもできるが、むしろ逆に長期のプロセスがサミットでは担保され、毎年進捗状況をチェックする体制が制度化される結果として、国内世論や法制度の違いを徐々に解除し、ある種のグローバルスタンダードを司法警察から経済活動に至るまで浸透させる効果を有する制度であるとみなすこともできるのである。

こうした長期のプロセスを支えてきた制度として、法執行機関は、国際組織犯罪対策のリョングループやテロ対策のローマグループと呼ばれる専門家の会合や司法・内務閣僚会談を通じて諸外国の法執行機関との間で外交ルートとは別の直接的な連携の枠組みをサミットの枠組みの巾でつくってきた。法制化は各国の民主主義のプロセスに委ねられるが、出発点はトップダウンであり政権内部の独断による意思決定であって、法制化は現状の追認とさらなる権力の強化への布石として利用されるだけなのである。

4、盗聴法、共謀罪、コンピュータ監視法制とサミット

もうひとつの例を挙げよう。一九九○年代後半、日本政府は憲法に明記されている通信の秘密を遵守すべきとする国家権力への規制を強引な解釈の変更によって捜査機関による盗聴捜査の合法化を推進した。国会でも野党の反対を押しきって溢聴法を成立させた。この盗聴法成立の背景にサミットとリヨングループ、ローマグループの存在があった。サミットは七○年代から一貫してテロ対策に関しては非常に積極的だった。七○年代から八○年代のサミットのテロへの言及は主としてハイジャックや大使館占拠など個別の「テロリズム」に対する抗議声明が出されてきたが、一九七八年のポンサミットにおいてハイジャックや国際テロ活動を扱うG8テロ専門家会合(通称ローマ・グループ)が設置される。また、サミットおよびリヨン・ローマグループは各国の捜査機関に対して組織的な犯罪へと捜査強化のためにあらたな捜査手法の導入を繰り返し提言してきた。そのなかにはおとり捜査や泳がせ捜査などとともに「電子的監視」の積極的な導入が主張されていた。盗聴法案が法制審議会の議題になり国会に上程されていた九○年代後半は、リヨン/ローマグループが積極的に活動しており、盗聴法の新設はこのサミットにおける先進国の法執行機関の活動をふまえた内法整備であって、サミットの動向と密接に関わっていた。

現在国会に上程されている共謀罪およびコンピュータ監視.取締り法案についても事情は非常に似たものがある。共謀罪は国連の越境組織犯罪防止条約批准の国内法整備であり、コンピュータ監視.取締り法案は欧州評議会のサイバー犯罪条約批准のための国内法盤術であるが、これらの条約はいずれも九○年代を通じてサミットで議論されてきた国際的な組織犯罪の取締りと連動して、国連や欧州評議会を舞台として国際法の枠組みを構築しようとしたものだ。

サミット自体はこれまでみずから条約起草の主体となったことはない。つねに、サミットは他の国際機関に働きかけてそれら機関を通じてみずからの意思を制度化、あるいは具体化してきた。たとえば、一九九七年のワシントンでの司法・内務閣僚級会合の声明にはインターネットの普及にともなって「いかなる国も現在生起しつつあるハイテク犯罪問題に一国のみで対処することは不可能」として「国際ハイテク犯罪の捜査にあたって特に頻繁に必要とされる短い時間内に、情報の国際的な収集・交換ができなければならない」と述べられている。「情報の国際的な収集・交換」とは、各国の警察など法執行機関が収集した情報(それは多くの場合その国の主権者であり国家がその権利を保護すべき「自国民」であるわけだが)を必要とする他国に提供すべきだというのだ。このワシントン会合のコミュニケの次の文言は法執行機関の越境的な権力のありかたを端的に示している。

「我々は、双罰性の問題に柔軟に対処するなどの措置により既存の協力体制上の障害を除去することを決意し、コンピュータの重大な濫用に対し、引渡しを可能とするに足る十分な刑事罰を規定することを確保する。」

「双罰性の問題に柔軟に対処する」とは、自国では犯罪とみなされないケースであってもこれを犯罪とみなす国の法執行機関による越境的な捜査を認めるべきだということが含意されている。このワシントンの会合は九七年に開催されたわけだが、ちょうど同じ年に欧州評議会はサイバー犯罪専門家会合を設置し、二○○一年にサイバー犯罪条約が採択される。この条約においても法執行機関相互の協力や「双罰性」にとらわれない他国への捜盗権限の拡張が意図されており、サミットにおけるコンピュータ犯罪への注目とちょうど重なるのである。言い換えれば、司法内務閣僚のワシントン会合のコミュニケの趣旨は、ほぼそのまま欧州評議会のサイバー犯罪条約に盛り込まれたといってもいいのである。言うまでもないことだが、こうした九○年代の談論は二○○一年以降、犯罪からテロリズム取締りへとその焦点を移しながら強化されてきた。こうしてテロリズムを含めて、あらゆる「犯罪」に関する通信を監視し、さらに共謀罪に端的に示されているような通信それ自体を「犯罪化」し、したがって、グローバルなコミュニケーションそれ自体をグローバルに監視し取り締まる越境的な法執行機関の構築の必要を示唆していた。

こうした情報交換の相互協力のなかで最大の人権侵害をこうむるのは移住労働者や国境を超えて活動する反体制活動家たちだろう。あるいは、国境を超えてコミュニケーションをするさまざまな社会運動や民衆連動が国際的な監視にさらされるのである。サミットの文脈において組織犯罪というカテゴリーは、単にやくざやマフィアを意味するだけではなく、いわゆる民主主義国家による政治弾圧が刑事弾圧の体裁をとることからも明らかなように、さまざまな政治活動や社会運動をも暗黙のうちに「犯罪」とみなす立場をとっていることを忘れてはならない。

ここでは具体的な紹介は省くが同様の事柄は、九○年代にサミットで繰り返し議論されてきた越境的な組織犯罪対策と二○○一年一一月に国連で採択された越境組織犯罪防止条約(この批准のための共謀罪の新設が不可欠というのが政府見解である)との間にもいえることである。こうして、サミットの司法警察関係の議題は、主権国家の枠組みはもはや絶対的排他的な領土の権力であってはならず、必要に応じて必要な他国の法執行機関の介入が必要だと宣言しているのである。

日本政府が日本国内に立法を必要とするような状況がないにもかかわらずこれら条約の批准にたいして必死になるのは、それが国連や欧州評議会(日本はオブザーバー)であるからではなく、むしろサミットにおいてこれらの条約の批准が重要な各国の「宿題」とされているからに他ならない。このように考えれば、国連や欧州評議会のその他の人権に関わる条約批准に比べて上記の二つの条約への日本政府の固執の理由がよくわかるはずだ。

5、法執行機関の危機か?

洞爺湖サミットの主要課題は気候変動、アフリカに焦点をあてた貧困問題、世界経済、軍縮などだといわれている。しかしこうした日本国内の世論を味方につけるためのある種の「表の議題」の影に隠れてサミットでは一環してテロ対策が論じられてきた。特に九条にしばられている日本政府は「テロとの戦争」への「貢献」として司法警察プロセスへの関与に積極的であり、しかも「アジアの代表」として警察のグローバル化をアジア諸国にもたらす役割を穣極的に担っている。いうまでもなく、こうした方向は警察による反グローバリズム運動や現存システムへの抵抗運動への弾圧の枠組みとなっている。しかしこのことは別の面からみればサミットがみずからの国内治安維持すらおぼつかなくなっているとも言えるのだ。グローバル化という資本の要請がはからずもみずからの国民国家の統治碓造を揺るがし、国家権力をささえる暴力装置ともいえる法執行機関は自国の治安すら維持できないところにまで脆弱化する傾向をみせはじめているともいえるのである。馨察のグローバル化は言い換えれば法執行機関の危機でもあることを忘れてはならないだろう。

付記
本稿で引用、言及した文書類の出典の詳細は紙面の都合で省くが、すべて日本政府の外務省、警察庁のウエッブから取得できる。また下記の資料集にサミット関連文書が含まれており、九○年代のサミットと日本の司法・警察法制の転換の連動を知る上で参考になる。 法務省刑事局刑事法制課編『基本資料集組織的犯罪と刑事法国際的動向とわが国の状況』一九九七年、有斐間。

出典:インパクション162号 2008年