オリンピックにおける生体認証利用をめぐる資料

説明資料

政府関係の資料

政府は、民間企業と連携して生体認証技術の導入に積極的に動いてきた。以下は、いくつかの政府資料の抜萃である。
「顔認証 東京オリンピック・パラリンピックでは、大会関係者の入退場時の本人確認に NEC の顔認証 システムの採用を予定している。これまで関係者が入場する際の本人確認は目視で行われてお り、これはオリンピック・パラリンピックでは初めての試みとなる。システムとしては、NEC の生体認証「Bio-IDiom」の中核技術である、顔認証 AI エンジン「NeoFace」を活用した顔認 証システムを利用する。選手やボランティアなどの大会関係者約 30 万人を対象にすべての大会 会場において、顔と ID カードを組み合わせた本人確認を実現するとした。 具体的には、IC チップを搭載した ID カードと、事前に撮影・登録した顔画像をシステム上 でひも付け、大会会場における関係者エリアの入場ゲートのすべてに設置した顔認証装置を用 いて、顔と ID カードによる本人確認を行う仕組みで、顔認証装置は ID カードを読み取り機に 着券すると、即座に顔認証を行うため、スムーズな認証が可能になる。 顔認証の導入によって、IDカードの貸し借りや盗難によるなりすまし入場、IDカード偽装に よる不正入場の防止が可能になるほか、入場ゲートでの人手による本人確認作業の負荷を軽減。 また、確認者による間違いをなくし、混雑発生も防ぐことができる。 オリンピック後はエンターテインメント分野をはじめとしたさまざまな入退場の管理が必要 な場面において本技術の活用が期待できる。(2020年『社会全体の ICT 化に関する調査研究の請負 成果報告書』、総務省情報流通行政局情報通信政策課情報通信経済室 (委託先:株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所) https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/r02_02_houkoku.pdf
「[資料2-7を御覧下さい。この移動最適化システムは、2ページ目を御覧いただきまして、いわ ゆるオリ・パラ会場の例えば人の混雑とか、あるいは周辺の交通機関の例えば駅などの混雑をあら かじめ予測いたしまして、適切に情報提供することによって、そういった混雑緩和をすることで、 おもてなしを実現するといった取組でございます。 3ページ目を御覧下さい。これは具体的にさいたまスーパーアリーナにおきまして、移動最適化 システムに関する実証実験を行ったものです。左側の絵にございますとおり、既設のカメラや携帯 電話の基地局から得られる携帯電話の位置情報を集めて、いわゆる混雑データを集めて混雑予測を 行ったものでございます。 次のページ、実際に実証を行う中で、例えば予測精度を上げるために、カメラのデータや携帯電 話の位置情報のデータに加えて、例えば駅の改札を、いつ、何人ぐらい出場したかというのがリア ルタイムで得られれば、更に精度が上がるだとか。あるいは、実際にこういったシステムを有効に 動かすためには、どうしても周辺の住民に対するプライバシーの配慮が問題となります。これは顔 – 21 – 画像認識はしませんが、結果として顔を撮ってしまうため、プライバシー配慮に向けた周知をどう やっていくのか、その周知に関する情報をどうフィードバックしていくのかなどが課題として分か ったということでございます。 ただ、これによって、例えば来場者に、この辺はいつ混雑するから迂回した方がいいとかといっ た情報ですとか、あるいは公共交通機関や、周辺住民にこのような情報を配信して、混雑ルートの 周知をしていくことが考えられるというものでございます。 今後は、この右側にございますとおり、例えば顔認証システムですとか、顔認証ゲートなど、オ リ・パラ開催期間中にこういったシステムを更に導入・採用していくことで、スムーズな人流予測 システムを構築していきたいと考えています。」
第10回 2020年オリンピック・パラリンピック 東京大会に向けた科学技術・イノベーション の取組に関するタスクフォース推進会議 2019/3
東京都の資料では、オリンピック後の東京へと継承されるべき「レガシー」として、顔認証技術に言及されている。
戦略19 オリンピック・パラリンピックレガシー戦略
• ラストマイルカメラシステムにより雑踏事故 の未然防止や事件事故等に迅速に対応 
• 顔認証システムにより大会会場への入場をスムーズに
顔認証は、オリンピックの建設現場にも導入された。
建設現場における顔認証の導入
大会施設工事における安全衛生対策の実施状況(主なもの)
第7回2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会大会施設工事安全衛生対策協議会資料

警視庁によるバルーンを用いた網羅的監視

NHKなど各メディアがバルーンに監視カメラをつけて監視することを警視庁が実施することを2021年7月にはいって報じた。

ニュース映像から、使用されている機器がRTとOctopasであると判断できる。 octopasはイスラエルの企業で、丸紅エアロスペース株式会社は、スマートシティ向けの機器の売り込みのための資料のなかで、次のようにその性能について解説している。

「概要:  ネットに接続できる都市のあらゆる既存アセット(機材・インフラ・人員)を連結させ各アセットの運用効果を高め、都市の様々な課題に対処するクラウド上のプラットフォーム。

特徴:  イスラエル企業(Octopus社)による本プラットフォームには顔認証システム(AnyVision社)、映像分析システム(Agent VI社)他、AIや機械学習といったイスラエルの最先端技術が組み込まれており、各種ISO、EU一般データ保護規則(GDPR)に準拠しています。

実績:  ペタフ・ティクヴァ市、キリアット・ビアリク市(イスラエル)、シンガポールの各スマートシティプロジェクト

事例:  シンガポールのスマートシティ指定地区における各種施設(病院、スポーツ施設、大学、オフィス、住宅)で使用。更には交通管理や都市インフラの監視、セキュリティ要員や特定の車両の位置情報の管理を行っています。」

RTは、Octopasと提携関係にある会社である。 RT社のサイトでは次のような説明がある。(原文は英語)

「RT社は、諜報、監視、偵察、通信などの用途で使用されるSkystarシリーズのエアロスタッツを設計、開発、製造する世界的な企業。 継続的でコンパクトな空中支援を必要とする予防・準備・対応・回復の環境で活動するユーザーにとって、Skystar製品は最適である。 RTは、モバイルコントロールステーション、地上システムモジュール、テザー、空中軽量プラットフォーム、安定したペイロードプラットフォーム、および洗練されたセンサースイートで構成される、自己完結型で多用途、容易に輸送可能な、コスト効率の高い戦術的システムを提供する。SkyStarシステムは、操作が簡単で、迅速な展開が可能であり、世界中の様々な軍事的、民間的ミッションにおける様々な運用条件に合わせてカスタマイズされている。 現在、イスラエル、アフガニスタン、メキシコ、タイ、カナダ、アフリカ、ロシアなどの国々で導入されている。」

このように、警視庁が導入した機器は、上空からの網羅的な監視を生体認証つきで実施する能力をもつものだと判断できる。これらの機器はGDPR準拠ともうたっているが、テロ対策名目で導入されると国家安全保障関連として例外措置になる。なお、オリンピックでの上空監視には前例があり、アテネ以来、たぶんずっと継続されてきた警備技術のひとつである。リオでは高解像度の画像をリアルタイムで送信する無人飛行船3機を飛ばしている。  これもアフガンなどで使われた軍事技術の転用である。 明らかな軍事偵察用の機器を民間のコミュニティ監視に転用しようというものです。

個人情報保護法は歯止めになっていない

個人情報保護法の要配慮個人情報を本人の同意なしに取得していもよい場合が17条2項に列挙されている。警察が捜査や警備の必要で取得することは「法令に基づく」とされるか、あるいは「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合」に該当するなどの理由で正当化されそうだ。警備会社のばあいは「法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき」で正当化されそうだ。いずれのせよ個人情報保護法は歯止めにはならない可能性が高い。
本人の同意が不要な場合とは以下である。
    • 法令に基づく場合
    • 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
    • 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
    • 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。

更にガイドラインでは各項について以下の具体的な例示が示されている。

「(1)法令に基づく場合(法16条第3項第1号関係)

法令に基づく場合は、法第16条第1項又は第2項の適用を受けず、あらかじめ本人の同意を得ることなく、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことができる。
事例1)警察の捜査関係事項照会に対応する場合(刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第197条第2項)
事例2)裁判官の発する令状に基づく捜査に対応する場合(刑事訴訟法第218条)
事例3)税務署の所得税等に関する調査に対応する場合(国税通則法(昭和37年法律第66号)第74条の2他)
事例4)製造・輸入事業者が消費生活用製品安全法(昭和48年法律第31号)第39条第1項の規定による命令(危害防止命令)を受けて製品の回収等の措置をとる際に、販売事業者が、同法第38条第3項の規定に基づき製品の購入者等の情報を当該製造・輸入事業者に提供する場合
事例5)弁護士会からの照会に対応する場合(弁護士法(昭和24年法律第205号)第23条の2)
事例6)保健所が行う積極的疫学調査に対応する場合(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第15条第1項)
事例7)災害発生時の停電復旧対応の迅速化等のため、経済産業大臣の求めに応じて、一般送配電事業者が、関係行政機関又は地方公共団体の長に対して必要な情報を提供する場合(電気事業法(昭和39年法律第170号)第34条第1項)

(2)人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき(法第16条第3項第2号関係)

人(法人を含む。)の生命、身体又は財産といった具体的な権利利益の保護が必要であり、かつ、本人の同意を得ることが困難である場合は、法第16条第1項又は第2項の適用を受けず、あらかじめ本人の同意を得ることなく、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことができる。
事例1)急病その他の事態が生じたときに、本人について、その血液型や家族の連絡先等を医師や看護師に提供する場合
事例2)大規模災害や事故等の緊急時に、被災者情報・負傷者情報等を家族、行政機関、地方自治体等に提供する場合
事例3)事業者間において、暴力団等の反社会的勢力情報、振り込め詐欺に利用された口座に関する情報、意図的に業務妨害を行う者の情報について共有する場合
事例4)製造した商品に関連して事故が生じたため、又は、事故は生じていないが、人の生命若しくは身体に危害を及ぼす急迫した危険が存在するため、当該商品の製造事業者等が当該商品をリコールする場合で、販売事業者、修理事業者又は設置工事事業者等が当該製造事業者等に対して、当該商品の購入者等の情報を提供する場合
事例5)上記事例4のほか、商品に重大な欠陥があり人の生命、身体又は財産の保護が必要となるような緊急時に、製造事業者から顧客情報の提供を求められ、これに応じる必要がある場合
事例6)不正送金等の金融犯罪被害の事実に関する情報を、関連する犯罪被害の防止のために、他の事業者に提供する場合

(3)公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき(法第16条第3項第3号関係)

公衆衛生の向上又は心身の発達途上にある児童の健全な育成のために特に必要があり、かつ、本人の同意を得ることが困難である場合は、法第16条第1項又は第2項の適用を受けず、あらかじめ本人の同意を得ることなく、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことができる。
事例1)健康保険組合等の保険者等が実施する健康診断の結果等に係る情報を、健康増進施策の立案、保健事業の効果の向上、疫学調査等に利用する場合(なお、法第76条第1項第3号に該当する場合は、第4章の各規定は適用されない。)
事例2)児童生徒の不登校や不良行為等について、児童相談所、学校、医療機関等の関係機関が連携して対応するために、当該関係機関等の間で当該児童生徒の情報を交換する場合
事例3)児童虐待のおそれのある家庭情報を、児童相談所、警察、学校、病院等が共有する必要がある場合

(4)国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して、事業者が協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき(法第16条第3項第4号関係)

国の機関等(地方公共団体又はその委託を受けた者を含む。)が法令の定める事務を実施する上で、民間企業等の協力を得る必要があり、かつ、本人の同意を得ることが当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合は、当該民間企業等は、法第16条第1項又は第2項の適用を受けず、あらかじめ本人の同意を得ることなく、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことができる。
事例1)事業者が税務署又は税関の職員等の任意の求めに応じて個人情報を提出する場合
事例2)事業者が警察の任意の求めに応じて個人情報を提出する場合
事例3)一般統計調査や地方公共団体が行う統計調査に回答する場合」
生体情報は「個人識別符号」であり、また「要配慮個人情報」に該当する。(個人情報保護法、第2条2項) 政令では更に詳細に規定されており、顔認証に関しては「顔の骨格及び皮膚の色並びに目、鼻、口その他の顔の部位の位置及び形状によって定まる容貌」(第1条)がこれに該当するとされている。

生体認証の利用禁止・規制の動き

2019年にはカリフォルニア州サンフランシスコ市は公共機関における顔認証技術の使用禁止条例を可決した。同サンタクルーズ市やマサチューセッツ州ボストン市も禁止に動いている。メイン州議会は、全米で最も強力な顔認証法を制定し、極めて限定的な例外を除き、州、郡、市レベルの公務員および公務員が顔認証技術を所持、使用することを禁止した。EUは公共空間において、警察などが法執行目的で顔認証や生体認証技術を利用することを原則禁止した。しかし、多くの例外規定もあり不十分な法規制でしかないことから、さらに規制強化の要求が反監視・プライバシー団体から出されてきた。
欧州データ保護会議(EDPB)とヨーロッパのデータ保護のスーパーバイザー(EDPS)は、EUの機関などに対して、共のアクセス可能な空間における個人の遠隔生体認証がもたらす極めて高いリスクを考慮して、EDPBとEDPSは、公共のアクセス可能な空間において、顔、歩行、指紋、DNA、音声、キーストローク、その他の生体信号や行動信号の認識など、いかなる状況においても人間の特徴を自動認識するためにAIを使用することを全面的に禁止することを求めている。(「(EU プレスリリース)EDPBとEDPS、公共のアクセス可能な空間で人の特徴を自動認識するためのAIの使用、および不当な差別につながる可能性のあるその他のAIの使用の一部を禁止するよう求める」)また、世界各国の反監視、プライバシー団体が、顔認証技術のモラトリアムを求める署名運動を展開し、共同の公開書簡「集団的・差別的な監視を可能にする生体認証技術の世界的禁止を求める公開書簡」を出すなど、禁止へと向う動きが世界規模で活発になっている。
EUでは、欧州市民イニシアチブ(European Citizens’ Initiative=ECI)の制度に基く顔認証等の厳格な規制を求める立法化の運動が大規模に開始されている。生体認証技術と密接な関連のあるAI技術についてもユネスコが今年の秋の総会において規制の国際的な基準の策定に動いている。

海外における生体認証技術推進の動き

NECおよび組織委員会の対応

以下はNECと組織委員会に顔認証技術の利用について問い合わせて得られた回答です。
NECへの問い合わせとその回答
(質問①) 生体認証技術のオリンピックへの導入はすでになされているものと理解しています。 契約に際して生体認証の取得に関してはどのような契約になっているでしょうか。 個人情報を保有して管理する責任は、御社と組織委員会ないしIOC/JOCなどとどちらになるのでしょうか 
(回答①) NECは、東京2020大会において、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会との 契約により、大会関係者の会場入場時における顔認証システムを提供します。 弊社は個人情報保護法に基づいて適切なシステム運用を実施するための支援を行っておりますが、 顔画像等のアクレディテーションカードに必要な情報の管理・運営については東京オリンピック・ パラリンピック競技大会組織委員会にて実施しており、契約上の守秘義務があることから弊社からは 回答は控えさせていただきます。  
(質問②) 一般論として、御社の生体認証技術によって取得される個人情報の扱いについて どのような考え方をおもちでしょうか。 この件がわかる何らかのドキュメントなどがあればご紹介ください。 
(回答②) NECは、AI技術や生体情報等の利活用においては、各国・地域の関連法令(個人情報保護法等)や 規制を遵守して事業展開しており、その使い方は、プライバシーの侵害等につながる恐れがあることに 十分留意してビジネスを行っております。 また、2019年4月に「NECグループAIと人権に関するポリシー」を制定し、人権の尊重や プライバシーへの配慮を最優先に事業活動を推進しています。  
「NECグループ AIと人権に関するポリシー」を策定 https://jpn.nec.com/press/201904/20190402_01.html 
個人情報保護、プライバシー https://jpn.nec.com/csr/ja/society/privacy.html
組織委員会への問い合わせとその回答
問い合わせ内容
 (1) NECは、東京2020大会において、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会との契約により、大会関係者の会場入場時における顔認証システムを提供しています。顔画像等のアクレディテーションカードに必要な情報の管理・運営は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が実施主体であると理解しています。生体認証のデータについて、その取り扱い等を定めた文書などあればご教示ください。 
 (2) 生体認証のデータ管理は、NEC側とどのような役割り分担になっているのでしょうか。 
 (3) 生体認証の取得の対象者がこれを拒否してオリンピックに参加することは可能ですか。
  (4) オリンピックにおいて生体認証技術を導入することになった経緯を教えてください。あるいは経緯がわかる資料などあればご教示ください。
  
  組織委員会からの回答
  お問い合わせありがとうございます。
ご希望されているような資料の提供は出来かねます。 なお、公式HPにて公開されている以上の詳細につきましては、ご案内が出来かねます。 ご希望に添えず申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

過去のオリンピックにおける「監視」問題

バンクーバー
Privacy 
Games The 
Vancouver 
Olympics,
Privacy
 and
 Surveillance A
 Report
 to
 the
 Office 
of
 the
 Privacy
Commissioner
 of
 Canada 
Under the
 Contributions 
Program, March
2009
ロンドンオリンピック
北京オリンピック
北京五輪の取材記者ら、中国のネット検閲を不安視
リオオリンピック

組織委員会、企業などのオリンピックにおける生体認証導入について

以下は、関係するメディアの報道、レポートである。
NEC、顔認証システムを東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関係者の会場入場時における本人確認システムとして納入
~選手やスタッフ、ボランティアなど大会関係者約30万人の厳格かつスムーズな入場に貢献~
世界トップクラスの生体認証技術(NEC)
生体認証技術が拓く未来。世界中で活用される「顔認証」《NEC~顔認証:前編》 Tokyoオリンピック2020と技術レガシー(5)
教えて!東京五輪・パラのギモン 「警備」(日テレ)
五輪警備にIT「三種の神器」 スカイツリーからも監視
5G技術で警備革命 犯罪を阻む「三種の神器」
先端技術を駆使したセキュリティシステムを提供し「東京マラソン2019」の安全な大会運営に貢献約3万8,000人の「安全・安心」を見守る
2020年に向けたALSOKの取り組み
SF顔負けハイテク警備 東京五輪に向け主役の座へ

その他

平井拓也デジタル担当大臣とNECとの確執といったスキャンダルについて、今回の声明では一切言及していない。ただし、下記の報道は、オリンピックの監視レガシーがどのようにポストオリンピックで転用されるのかを示唆している。
「オリンピック後は別アプリへ移行
 だが、「平井大臣の発言には、もっと他に意味がある」と語るのは、IT業界に詳しいジャーナリストだ。
「オリパラアプリの受注はNTTコミュニケーションズ(NTTコム)やNECなど5社のコンソーシアムで、NECの取り分はわずか4億9500万円。NTTコムの45億7600万円と比べると微々たるものです。それなのになぜNECを“恫喝”したのか。実は38億円への減額は形ばかりで、オリンピック後はその冠を外し、出入国管理に使う別のアプリとして継続することにしたのです。オリパラアプリの契約期限は来年1月までですが、来年以降も継続してカネが落ちるようにしてやった。それなのにNECはぐちぐち言うのか、というのが、平井さんの本音なのではないでしょうか」
 デジタル庁になったら発注しないぞ、という発言の意味はそこにある、というのだ。とすると、早くもデジタル大臣はIT利権の分配役としておいしいポストだということを意味する。前出のIT室の関係者は言う。
「むしろNTTコムの方が問題です。再委託先に仕事の大半を投げていて、その金額は13億円あまり。そのほか、プロジェクトの管理だけで、別途10億円の予算を付けています。“管理”とは名ばかりで、幹部連中が集って、進行状況を会議で話しているだけなのですが……。それで満足したのか、NTTコムの方は減額要求にはすぐに応じたと聞いています」
 物分かりが良いNTTコムに比べて、ということでもあるらしい。大手紙の厚生労働省担当記者は、NECに怒った理由が他にもあるという。
「NECは厚労省が2020年7月に発注したワクチン接種円滑化システム、いわゆるV-SYS(ヴイシス)を随意契約の20億5876万円で受注しています。ところが、そのV-SYSの出来が悪く、ワクチン配布が大混乱しました。平井大臣の“恫喝”発言があった会議は、4月上旬に開かれました。まさにV-SYSがトラブルで止まったのとほぼ同時期のことです。オリパラアプリで文句を言える立場なのか、と平井大臣は言いたかったのではないでしょうか」
 図らずも外に漏れた平井大臣の「率直な発言」の裏には、どうやら業界の深い事情があったようだ。
デイリー新潮取材班
2021年6月15日 掲載
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