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ZOOMによるネット会議、最近様々な問題が指摘されています(導入は慎重に検討を)

テレワークが推奨されるなかで、ネットを介した会議システムが急速に普及しはじめています。なかでもZOOMは人気のあるもので、市民運動などでも導入の動きがあります。ZOOMの紹介や解説、あるいはビジネスでの活用などについては「Zoomとは」などのキーワードで検索してみてください。

100人規模のオンライン集会などにも利用できるので学校などでも普及しつつあり、市民運動でも集会の代替として使えるのではという発想もあるようです。しかし、いいことばかりではありません。

なにはともあれZOOMのややうんざりするプライバシーポリシーを読むことをお勧めします。(日本語のプライバシーポリシー)冒頭に「弊社はあなたの個人データを販売しません。」とか「Zoomは、Zoomサービスを提供するために必要なユーザーデータのみを収集します。」などプライバイーに配慮しているような文言が並びますが、その後の長々とした詳細の説明を読むと、果して言うほどプライバシーは守られているのか、疑問が残ります。

また外部への開示、とりわけ捜査機関などへの開示に関するポリシーは「Zoomの法的権利を保持するために合理的に必要な場合、データを開示する場合があります」という極めてあいまいな表現です。政府などへの抗議行動を組織する団体やグループが利用する場合は、集団の参加者や討議に実体をZOOMだけでなく捜査機関などの第三者(あるいは第三者を経由して捜査機関に提供されることもあるでしょう)への提供が裁判所の令状すらいらないような文言になっていることには注意が必要かと思います。

ZOOMのプライバシー問題についてはいくつかの批判的な論評がすでに出されています。 米国の電子フロンティア財団が出した「新型コロナウィルスのなかで、オンラインツールについて知っておくべきこと」という記事は端的にZOOMの問題点を指摘しています。この記事を抜き出して訳し、このメールの最後に添付しました。 MotherboardはZoom iOSアプリがFacebookアカウントを持っていない場合でもFacebookにデータを送信していることを明かにしました。ZOOMの利用者の知らないうちにこうしたデータ共有がアプリ開発そのものに関わってIT企業の間で行なわれうることに警鐘を鳴らしました。この記事がでたのが3月26日ですが、その直後にZOOMはこのiOSのアプリのFacebookにデータを送るプログラムコードを削除しました。

Kate O’Flahertyは、Zoom’s A Lifeline During COVID-19: This Is Why It’s Also A Privacy Risk(新型コロナのなかでのライフライン:しかしだからこそプライバシーリスクもある理由)(注)のなかで「プライバシーを重視するユーザーにとって、ズームは最良の選択ではないかも」と指摘しています。

また、Consumer Reportは「Zoom Calls Aren’t as Private as You May Think. Here’s What You Should Know. Videos and notes can be used by companies and hosts. Here are some tips to protect yourself. (Zoom通話は、思われているほどプライバシーを重視していない。 これがあなたが知っておくべきこと。動画やメモは企業やホストが使利用できる。身を守るためのヒントをいくつか紹介)(注)という記事を掲載して、ZOOMが利用者の何を知っているのか、また会議などのホスト役は何を知ることができるのかについて詳しく解説しています。

このConsumer Reportの記事がでたあとZOOMは、ターゲティング広告などにユーザのデータが利用できないようにプライバシーポリシーを厳格化しました。Consumer Reportはこれを一定程度評価しています。しかし実際にポリシーに抜け穴がないかどうかは、紙に書かれた「約束ごと」ではなく、実際に稼動しているプログラムや技術の内容です。憲法に戦争放棄と書いてあるから、日本には軍隊が存在しないと判断するのが間違っているのと同じです。書いてないよりマシという程度と判断しておく必要があると思います。

ZOOMは、企業が使う場合は、労働者管理に使えますし、学校が使う場合は、教員や学生監視のツールになります。こうしたツールを市民運動などが運動のツールとして使うことについては十分にその機能に組み込まれている監視の技術を理解しておく必要があります。こうした仕組みが、運動参加者の間の平等な関係や民主的な合意形成と整合するのかどうかなど、技術の仕様を含めて、慎重な検討が必要でしょう。相互監視の仕組みが、意図せざる結果として、運動のなかに導入されることによって、監視社会への抵抗力が弱くなり、社会全体の監視社会化が推し進められことを危惧します。

ZOOMをめぐるプライバシーについての危惧は最近になって注目されてきたばかりです。今後更に問題が生じる恐れもあります。便利かもしれませんが、技術は信じて使うものではなく、理解して使わないといけないにもかかわらず、コンピュータはあまりにも難解すぎます。

ZOOMのような利用者を監視できる仕組みをもたないオンライン会議システムとしてどのようなものがあるのか、今調べています。別途ご紹介できるようにしたいと思います。

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以下の電子フロンティア財団の記事の部分訳 What You Should Know About Online Tools During the COVID-19 Crisis By Lindsay Oliver March 19, 2020

ZOOMによる会議

人と接触できずに孤立することによる影響を防ぐ最善の方法は、友人、家族、同僚との連絡を維持することだ。ZOOMは社会的距離をとることや屋内退避の中で他のユーザーと連絡を取り合う選択肢として急速にその人気が上昇している。ZOOMを使用する場合、特にユーザーが研究や仕事に関連する活動のための会議用ツールに依存している場合に、注意すべき点がいくつかある。

出席者がちゃんと注目しているかどうかを追跡

ZOOMによる電話会議の主催者は、画面を共有しながら出席者の活動を監視することができる。この機能は、ZOOMバージョン4.0以降で使用できる。会議の出席者が、主催者が画面を共有している通話中にZOOMビデオウィンドウに関心を集中していない場合、30秒たつと、主催者はこうした参加者の名前の横に、ZOOMウィンドウがアクティブでないことを示すインジケータを表示できる。

管理者とユーザーの追跡

ZOOMを使用すると、管理者は、ユーザーの行動をリアルタイムで詳細にダッシュボードを使用して確認できる。ユーザーがZOOMをどのように、いつどこで利用しているのかの詳細を確認できるのだ。 Zoomは、総会議時間に基づくユーザーのランキングシステムも提供している。あるユーザーがZOOMを介して通話を録音した場合、管理者はビデオ、オーディオ、トランスクリプト、チャットファイルなどを含む録音された通話内容にアクセスできるだけでなく、共有、分析、クラウド管理の権限にもアクセスできる

実施された会議または現在進行中の会議について、ZOOMを使用すると、管理者は、各参加者のオペレーティングシステム、IPアドレス、場所のデータ、およびデバイス情報を確認できる。このデバイス情報には、マシンの種類(PC / Mac / Linux /モバイル/その他)、カメラやスピーカーなどの周辺機器のオーディオ/ビジュアルデバイスのメーカー/モデルの仕様、およびそれらのデバイスの名前(たとえば、AirPodsに与えられたユーザーが設定ができる名前)が含まれる。管理者は、その場での同意や通話参加者への警告なしに、オーガナイザーのZOOMインスタンスでいつでも通話に参加することができる。

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