(Women on web) GoogleのアルゴリズムがWomen on Webのオンライン中絶サービスへのアクセスを危険にさらす

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(Women on web) GoogleのアルゴリズムがWomen on Webのオンライン中絶サービスへのアクセスを危険にさらす

以下は、カナダのWomen on webの翻訳です。Googleはコアアップグレードを年に数回実施しています。コアアップグレードはGoogleの検索で表示される検索順位に影響を及ぼすために、Googleで集客を図るビジネス関係者には関心が高い問題だと思われます。しかし、下記の記事は、オンラインで人工妊娠中絶のサポートをしている団体が検索結果で深刻な影響を受けているというもので、女性の権利に関わる問題といえます。人工妊娠中絶は、国や地域によって深刻な政治的な抑圧の対象になったり、時にはクリニックが極右などにテロ攻撃を受けるといった場合もあり、その支援は大切な課題になっています。

ポーランドが中絶禁止を法制化したときにWomen on WebのFacebookのアカウントがブロックされ、テキサス州でも中絶が禁止されるとWomen on WebのInstagramが同様の措置を被りました。(この記事参照)このほかにも#abortionismurderなどのハッシュタグが#abortionishealtchareと一緒のフレームに括られたり、様々な検閲に直面しているとも報じられています。COVID-19のロックダウンでDVなどの暴力も深刻になっており、オンライン医療サービスへの期待があるなかで、逆にアクセスが妨げられるような技術的に狡猾な手法が水面下で進んでいる側面もあると思います。検索は言語に依存します。言語は文化とも関係性が深く、同時にそれぞれの支配的文化がマイノリティ文化を抑圧して偏見を助長する構造があるとすれば、それがアルゴリズムにも好ましくない影響を与えるかもしれません。検索結果がどのようなアルゴリズムで表示されるのかは、国や地域の政治、宗教などによる女性の権利への侵害が影響するかもしれません。Googleのアルゴリズムは、Googleの収益構造や政治との関わりによって左右されうるものであり、Googleに任せておけばよい方向に向かうといえる問題ではないでしょう。他方で、検索結果がアルゴリズムに影響されていることに私たちはほとんど無頓着なまま、検索結果に表示される順位に疑問を抱くことなく受け入れるという生活習慣が、検索ビジネスを支えてもいるということに改めて自覚的になることが必要がもしれません。(小倉利丸)



少なくとも年に3回、Women on Webは、私たちのオンライン中絶サービスを麻痺させたり強化したりする力を持つストレスの多いプロセスを強いられ、そのあと数ヶ月にわたって私たちのオンライン戦略と仕事の活動をするという繰り返しです。このプロセスは、私たちのスタッフの献身や、安全な中絶にアクセスできるようサポートしている人の数とは関係ありません。このプロセスは、Googleが提供する試練です。これは、Google Core Updateと呼ばれるもので、検索エンジンの検索結果の質と関連性を向上させるために、年に数回実施されるGoogleのアルゴリズムの更新が行なわれるものです。

Googleコア・アップデートの影響

Women on Webは15年以上にわたって運営されており、私たちのウェブサイトはGoogleによって何度も評価されなおされてきました。しかし、このアップデートが有している私たちのサービスや組織の存続に影響を与える力を完全に把握したのは、2020年5月になってからのことです。2020年5月のアップデートで、Women on Webはウェブサイトのトラフィックの80%を喪失しました。ほぼオンラインのみで運営されている中絶サービスとして、このアップデートは私たちの運営に壊滅的な影響を与えました。その結果、インターネットで私たちを見つけてくれる人が減り、私たちのサービスへのヘルプリクエストが激減しました。

2021年11月17日、Googleの最新のアップデートが開始されましたが、またしても私たちの計画が台無しにされたように感じました。しかし、リモートサービスや人工妊娠中絶の需要が減っていないことはよくわかっています。11月18日になっても前日と同じように私たちのサービスを必要としています。唯一変化したのはGoogleのアルゴリズムの方です。

毎年、私たちのサービスにアクセスする何千人もの女性や妊娠している人たちがいるということは、私たちの専門性、信頼性、権威を十分に証明しているはずで、年に何度もアルゴリズムによって議論に晒されるべきではありません。しかし、Googleは、私たちの遠隔医療による中絶サービスが、望まない妊娠を終わらせるための唯一の安全で安価な方法であり続けている国々においても、私たちが中絶を必要としている人々に関連するサービスを提供するかどうかを決定する力を持っています。

Googleのアルゴリズムは、人工妊娠中絶を必要とする女性のニーズを表していない

はっきり言って、私たちはこのようなアップデートが存在する理由を理解していますし、検索結果がインターネットを閲覧する人々の検索意図に対応するようにする戦略に抗議しているわけではありません。むしろ私たちが主張しているのは、Googleがこれらのアップデートを通じて、検索結果を改善したり、ユーザーに適切なコンテンツを提供したりしていないということです。というのも、安全な中絶を探している人が私たちのサービスを見つけられなくなっているからです。Googleが私たちのウェブサイトのランクを下げた場合、より関連性の高い他のウェブサイトを検索結果の上位に表示させることはできません。というのも、こうしたサービスが存在しないからです。望まない妊娠をした人が、人工妊娠中絶を受けられない国に住んでいる場合、その人の検索意図をアルゴリズムは解釈できるのでしょうか?アルゴリズムは、中絶治療だけでなく、オンラインの中絶サービスを探している人の好みを読み取ることができるのでしょうか?私たちはそれが可能だとは思いません。

Women on Webのオンライン中絶サービスはユニークで、世界でも最も遠隔地にある地域にも届けられています。このサービスは2005年以来、10万件以上の薬による中絶サービスを提供し、サービスのポジティブな結果について20以上の科学論文を発表しています。私たちのサービスや安全な中絶へのアクセスは、アルゴリズムによって決定されるべきではなく、私たちのような重要なサービスは、このようなアップデートから保護されるべきです。Googleは、これらのアップデートが引き起こす損害について説明責任を果たし、アルゴリズムが中立ではないことを認める必要があります。アルゴリズムは、特定の背景、意図、盲点を持つ人間によって構築され、訓練されています。このような人間は、中絶の権利やアクセスに関する世界的な現実から切り離されているため、中絶サービスを必要とする女性や妊娠中の人々のために正確で偏りのない判断を下すことができません。

Google Core Updateへの対策にご協力ください

私たちのサービスは不可欠であり、目に見える形で提供する必要があります。私たちのウェブサイトとサービスをあなたのネットワークで共有し、必要不可欠なサービスへのオンラインアクセスを保護するために、大手テクノロジー企業に責任を負わせるよう提唱してください。

復興支援のための寄付をご希望の方は、当サイトをご覧ください。また、FacebookInstagramTwitterLinkedInでも私たちの活動をご覧いただけます。

出典:https://www.womenonweb.org/ja/page/21214/google%E2%80%99s-algorithm-is-endangering-access-to-women-on-web%E2%80%99s-online

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