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EU:「Covid Pass」:欧州議会は監視、差別、そして終わりのない認証制度を阻止しなければならない

EU: 「Covid Pass」:欧州議会は監視、差別、そして終わりのない認証制度を阻止しなければならない
COVID-19 Civil liberties Discrimination Surveillance EU(COVID-19 市民的自由 差別 監視 EU)
2021年4月27日

EUが提案している「デジタルグリーン証明書」は、予防接種を受けたこと、COVID-19から回復したばかりであること、あるいは検査結果が陰性であることを証明できるようにすることを目的としている。その目的は、EU域内での自由な移動の復帰を促進することにある。しかし、Statewatchを含む28の人権団体は欧州議会に書簡を送り、証明書が監視を容易にし、差別を悪化させ、日常生活に恒常的に定着する可能性がある提案の問題点を解決しなければならないと警告している。

この提案は、3月中旬に欧州委員会が発表したものである。理事会は秘密裏に拙速に作業を進め、現在、協議段階にまで至っている。欧州議会も「緊急手続き」を支持しているが、悪法ほど性急に作られるものだ。Libertiesepicenter.worksがコーディネートした欧州議会議員への書簡では、考慮しなければならないいくつかの懸念事項が挙げられている。

科学的指針

この書簡では、ワクチンを接種した人や回復した人の免疫期間に関する科学的ガイダンスに沿ってのみ証明書が使用される保証がないないことを強調している。

監視

同書簡はまた、欧州委員会の提案には「個人情報保護が欠如している」と警告している。というのも、オンラインにおける確認プロセスに基づいた証明書を想定しているが、この証明書には「発行機関による監視への防御手段がない」からである。このようなセーフガードがなければ、証明書がいつ、どこでスキャンされ、認証されたかを発行機関が知ることがでる。

多くの加盟国が、企業、スポーツ会場、礼拝所などへの入場を規制するために証明書を使用する意向を示していることを考えると、これは特に危険だ。書簡では、欧州議会議員に対し、このシステムのさらなる使用を「禁止する」か、「データ保護の影響評価に基づいて国内法で規定する」ことを求めている。

差別

今回の提案は、差別を助長するものであると警告している。証明書が「予防接種のパス」にならないように、まだ予防接種を受けていない人や受けられない人が、(地理的にも経済的にも)容易に検査を受けられるようにしなければならない。

また、本提案は、EU市民とその家族、およびEUに合法的に居住している人々のみを対象としている。EUに多く存在する未登録の人びとが排除されていることは、「未登録の移民が社会生活を営む上で不当な問題に直面する」ことを意味する。証明書は、EU域内に居住するすべての人に(要求に応じて)発行される必要がある」と書簡は書いている。

携帯電話での表示をのみ目的としたデジタル証明書を加盟国が発行することは、そのような機器を持っていない人々を排除することになる。書簡では、欧州議会に対し、加盟国が 「証明書を(紙とデジタル)両方の形式で自動的に発行するか、または、証明書をデジタル形式のみで発行しようとする場合には、すべての人が証明書の保存と表示に必要なデバイスを持っていることを保証する 」ことを義務付ける条項を盛り込むよう求めている。

サンセット条項(訳註)がない

また、書簡では、状況が許せば証明書を失効させることも急務であると警告している。今回の提案では、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態 」が発生していない場合には、認証の停止が認められているだけだ。

今回の提案では、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態 」が発生していない場合には、認証を停止できるとしているが、書簡の署名者たちは「欧州の状況に焦点を当てた、認証を完全に停止できる明確な条件」を求めている。「欧州内を移動する際に健康状態を証明する必要があることが、普通の生活の一部になってはならない」と警告している。

訳註:サンセット条項 廃止期日が明記され、議会で再認可されなければ自動的に廃止される法律

書簡の全文は以下の通り。PDFでもご覧いただけます。


書簡全文

欧州議会議員の皆様へ。

2021年3月17日、欧州委員会は、EU内での自由な移動を促進するためのデジタルグリーン認証に関する規則の提案-2021/0068(COD)と、EU内に合法的に滞在または居住する第三国人に関する付随提案(2021/0071(COD))を提示した。2021年3月24日の本会議討論では、欧州議会議員の大多数が、COVID-19の予防接種、検査、回収に関する相互運用可能な証明書の発行、検証、受け入れのための共通の枠組みを確立するデジタルグリーン証明書(Covid Pass)の迅速な作成のための緊急手続きを支持した。

この書簡の署名団体は、欧州議会がこれらの提案を急いで受け入れることのないよう警告し、欧州議会のメンバーに以下に記載されている懸念事項に対処するよう求めている。パンデミックの状況下で公衆衛生を理由に自由な移動を制限する措置を協調して解除することが望ましいことに同意する一方で、ワクチン接種者および回復者の免疫の持続期間と種類に関する科学的な不確実性に懸念を抱いている。本規則では、証明書のさらなる使用方法を示す科学的ガイダンスの発行を健康安全保障委員会the Health Security Committeeに求める可能性が認められているが、証明書が前記科学的ガイダンスに沿ってのみ使用される保証は、本規則には盛り込まれていない。

署名した団体は、欧州委員会の提案に個人データの保護が欠けていることに憂慮している。デジタルグリーン認証の真正性と有効性の検証には、現在のところ、発行機関による監視(オンライン認証)に対するセーフガードがない。公開鍵基盤を用いたオフラインの認証のみがプライバシー・バイ・デザインの原則に準拠することを、規制で明確にする必要がある。証明書が認証されるとき、発行者は認証プロセスとその状況についての知識を得てはならない。この規制が改正されなければ、EUは極めて低いプライバシー基準を世界に輸出する危険性がある。

同様に、加盟国がデジタルグリーン認証の適用を他の目的に拡大した場合に生じるデータ保護のリスクを軽減するように規則は最大限の努力を払うべきである。すでにいくつかの国が、事業所や礼拝所、スポーツ会場や同様の集まりへの入場規制に使用することを発表している。したがって、アーキテクチャに関する不透明性は、認証システムの監視を可能にし、人々の移動、所属する宗教、私生活に関する広範なデータ記録を作成する危険性がある。さらに、このシステムのさらなる使用は、禁止するか、国内法によって規定する必要があり、規則はデータ保護の影響評価に基づかなければならないことを、規則の説明文で明確にすべきである。最後に、第9条(2)の規定と同様に、認証プロセスで得られたデータを保持したり、さらに処理することを禁止するよう、加盟国の義務を規定すべきである。このようなセーフガードがなければ、ごく少数の悪質な行為者によってシステム全体の信頼が簡単に損なわれてしまう。

さらに、欧州委員会が差別を避けたいと考え、ワクチン接種を自由な移動の前提条件とすることはできないという確固たる意見を持っていることを評価する一方で、私たちの理解では、本提案では証明書が差別なく、かつ包括的な使用について適切な保証が欠けている。

第一に、証明書が「予防接種パス」ではなく、欧州委員会が検査結果も管轄当局に受け入れられることを予見しているとしても、単に検査結果を受け入れるだけでは、証明書によって予防接種を受けた者が一連の権利を完全に享受する一方で、予防接種を受けていない者が同様の権利を享受する上で不当な障害を受けるという二層構造の社会を招かないようにするには不十分である。これは、加盟国が、ワクチン接種していない人々が(地理的にも経済的にも)容易に検査にアクセスできるようにして初めて確保されるものである。

第二に、提案によれば、証明書は「EU市民とその家族」および「EUに合法的に居住する人々」に対して発行される。もし、証明書が旅行やサービスを受けるための(法的または現実的な)条件となれば、未登録移民など、在留資格を持たない人々は、社会生活を営む上で過度な問題に直面することになる。証明書は、EU域内に居住するすべての人に(要求に応じて)発行される必要がある。

第三に、提案2021/0068(COD)によると、加盟国は「デジタルグリーン認証を構成する認証書を、デジタル形式または紙ベースの形式、あるいはその両方で発行することができる」としている。デジタル形式は、モバイル機器で表示・保存することを想定している。しかし、デジタル証明書のみを発行する加盟国は、不平等や社会的排除を悪化させる可能性がある。したがって、加盟国は、自動的に両方の形式で証明書を発行するか、または、デジタル形式のみで証明書を発行したい場合は、保存および表示に必要なデバイスをすべての人が持っていることを保証するよう求められるべきである。

また、提案されている証明書が無制限であることにも懸念を抱いている。書類上、提案は「COVID-19パンデミック時にEU内で自由に移動する権利の行使」を容易にすることを目的としており、国民が一生持ち続けなければならない身分証明書や旅行証明書を導入するものではない。しかし、デジタルグリーン認証は取り消されることはない。国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」が発生しなければ、その範囲内で、デジタルグリーン認証が停止されるだけだ。しかし、私たちは、欧州の状況に焦点を当てて、証明書の使用を中止するための明確な条件を設定する必要があると考えている。欧州内を移動する際に健康状態を証明する必要があることが、当たり前のことになってはならない。

繰り返しになるが、本提案は、欧州連合基本権憲章への準拠や、欧州連合の基本的価値観への適合に関して、多くの懸念をもたらす。私たちは欧州議会に対し、適切な修正を加えて上記の懸念に対処し、両規制が欧州連合が基礎とする価値観に沿ったものとなるよう要請する。

敬具

• Access Now, International
• Aktive Arbeitslose, Austria
• Begegnungszentrum für aktive Gewaltlosigkeit, Austria
• Bulgarian Helsinki Committee
• Citizen D, Slovenia
• Civil Liberties Union for Europe (Liberties), International
• Civil Rights Defenders, Norway
• Defend Democracy, International
• Dutch section of the International
Commission of Jurists
• Elektronisk Forpost Norge, Norway
• epicenter.works – for digital rights, International
• European Digital Rights (EDRi)
• Homo Digitalis, Greece
• Human Rights Monitoring Institute, Lithuania
• Hungarian Civil Liberties Union
• IT-Pol Denmark
• Legal-Informational Centre for NGOs, Slovenia
• Panoptykon Foundation, Poland
• Peace Institute, Slovenia
• Privacy International
• Rights International Spain
• Solidarisches Salzburg, Austria
• Statewatch, International
• The Irish Council for Civil Liberties
• Verband Freier Rundfunk Österreich, Austria
• Verein Gegen Tierfabriken, Austria
• Verein Respekt.net, Austria
• Vrijschrift, The Netherlands

Image: Jernej FurmanCC BY 2.0

出典:https://www.statewatch.org/news/2021/april/eu-covid-pass-meps-must-prevent-surveillance-discrimination-and-a-never-ending-certification-scheme/

付記:下訳にhttps://www.deepl.com/translatorを使用しました。

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