(PI) 報告書:政治キャンペーンにおけるマイクロターゲティング。法的枠組みの比較分析

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(PI) 報告書:政治キャンペーンにおけるマイクロターゲティング。法的枠組みの比較分析

カナダ、ブラジル、フランス、イタリア、スペイン、英国における政治的マイクロターゲティングを規定する法的枠組みの比較研究。

報告書

2021年1月14日

報告書表紙
写真:Possessed Photography on Unsplash

本稿では、6つの国における政治キャンペーンでのマイクロターゲティングを規定する様々な法的枠組みを検証している。カナダ、ブラジル、フランス、イタリア、スペイン、イギリスの6カ国において、政治キャンペーンにおけるマイクロターゲティングを規定する様々な法的枠組みを検証している。その目的は、各国の実践を評価し、それぞれの枠組みにおけるギャップを指摘することにある。まず、マイクロターゲティングがどのように定義されているかを検証し、その後、マイクロターゲティング活動に適用される法的規定を検証している。

また、マイクロターゲティングを構成する一連の活動(個人情報の収集、プロファイリングのためのデータ利用、有権者個人へのパーソナライズされたコミュニケーションの送信)を分かりやすく説明し、分析している。

本報告書は、エジンバラ大学ロースクール、デジタルメディア・IT法講師のPaolo Cavaliere(パオロ・カヴァリエール)博士の指導のもと、プライバシー・インターナショナルと共同で作成されたものである。

主な調査結果

1.マイクロターゲティングの定義: 6つの国のいずれにおいても、この行為に関する明確な法的定義は存在しない。その結果、政治的マイクロターゲティングを規定する法的枠組みは、データ保護、プライバシー、選挙法の異なる側面に関連する断片的な規定であることがほとんどであり、キャンペーンが容易に利用できる多くのギャップや抜け穴が存在することになる。
2. 個人情報の収集:データの収集は、一般に公開されている選挙人名簿に含まれる情報から始まるが、これは他の情報源からのより詳細な情報を追加するための「背骨」である。選挙人名簿は、識別子、すなわち氏名や住所など個人を一意に特定するデータの重要な情報源である。
3. プロファイリングのためのデータ利用:プロファイリングはどの国でも明確に禁止されているわけではないが、データ主体の同意の重要性とともに、提供される関連ガイダンスに関して、かなりの程度多様化していることが示されている。
4. マイクロターゲティング:マイクロターゲティングは、調査対象国のいずれにおいても禁止されておらず、また、特定の同意要件の対象にもなっていない。その代わり、各国政府は政治広告の透明性を向上させるための措置を講じている。これらの規定は、その範囲も効果も様々だが、主に有権者が政治広告とその発信者の身元を容易に特定できるようにすることを目的としている。

用語集
広告のターゲティング 広告は、広告の対象となる製品やサービスに基づいて、特定の特性を持つ視聴者に向けて発信される場合、「ターゲティング」される。
広告のパーソナライズ 広告が「パーソナライズ」されるのは、認識または推測される興味や特性に基づいて、特定の人をターゲットにした場合。これらの興味や特性は、訪問したWebサイトや使用したアプリなど、過去のオンライン活動から導き出される。
添付資料
UoE_PI Micro-targeting in policital campaigns comparative analysis 2021.pdf

出典:https://privacyinternational.org/report/4364/micro-targeting-political-campaigns-comparative-analysis-legal-frameworks

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