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(OONI)新規立ち上げのお知らせ OONI計測集約ツールキット(MAT)
新規立ち上げのお知らせ OONI計測集約ツールキット(MAT)
Maria Xynou2022-04-12
MAT
本日、Open Observatory of Network Interference (OONI) チームは、OONI Measurement Aggregation Toolkit (MAT) のリリースを発表します!
MATは、世界中から収集されたリアルタイムのOONIデータの集約表示に基づいて、独自のカスタムチャートを作成することができるツールです。
MATを使用して、リアルタイムのOONIデータに基づいて、世界中のインターネット検閲を追跡してください。
MATについて
あなたは、世界中のインターネット検閲の調査に興味がある研究者、ジャーナリスト、人権擁護者ですか?OONIの新しい測定集計ツールキット Measurement Aggregation Toolkit(MAT)は、あなたのために作られました!
MATは、世界中のインターネット検閲を追跡し、リアルタイムのOONIネットワーク測定データに基づいて、独自のカスタムチャートを作成することができます。
OONIデータとは?
2012年以来、OONIは、様々な形態のインターネット検閲を測定するために、あなたがインストールして実行できる無料のオープンソースアプリ(OONI Probeと呼ばれます)を構築してきました。OONI Probeアプリを通じて、あなたのネットワーク上でテストを実行し、ウェブサイトのブロッキング、インスタントメッセージングアプリ(WhatsApp、Facebook Messenger、Telegram、Signal)のブロッキング、検閲回避ツール(PsiphonやTorなど)の可用性の測定など多くのテストが可能です。デフォルトでは、すべてのOONI Probeテスト結果は、自動的にOONIサーバーに送信され、処理され、リアルタイムでオープンデータとして公開されます。
つまり、OONIデータとはOONI Probeのテスト結果なのです。そして、OONI Probeのテスト結果には、世界中のWebサイトやアプリのテストに関するネットワーク測定値が含まれており、多くの場合、インターネット検閲の証拠が含まれています。
2012年以降、OONIは240の国と地域の2万4千のネットワークから収集した8億800万以上のネットワーク測定値をオープンに公開しています。世界中のOONI Probeユーザーがより多くのテストを実行すると、毎分、新しい測定値が自動的にリアルタイムで公開されます。したがって、OONIデータベースは、インターネット検閲に関するオープンデータセットとしては、これまでで最大級のものとなっています。
なぜMATを使うのか?
一般の人々がOONIデータを探索し、世界中のインターネット検閲を調査できるように、私たちはOONI Explorerを作成しました。これは、ユーザーが検索ツールでOONIの測定値を探索できるようにするウェブプラットフォームです。しかし、OONI Explorerは個々の測定値を一覧表示するため、ユーザーは1つ1つの測定値を調べる必要があります。このため、サービスのブロッキングを特定・確認するためには、多くの測定値を一括して(「集計」して)見る必要があり、傾向やパターンの観察が困難な場合があります。
そこで私たちは、以下のような重要な問題に答えるために、長年にわたってパートナーや幅広いコミュニティにデータ分析サポートを提供し、OONIデータの分析を行ってきました。
●あるサービス(例:Facebook)のテストにおいて、ある国でテストされるたびにブロッキングの兆候がみられるのか?これは、誤検知の除外に役立ちます。
●どのような種類のウェブサイト(例:LGBTQIウェブサイト)が各国ごとにブロックされているか?
●特定のウェブサイト(例:bbc.com
)がブロックされるのはどの国か?
●異なるアプリ(例:WhatsAppやTelegram)のブロックは国によってどのように違うのか?
●サービスのブロックは国やネットワークによってどのように違うのか?
●あるサービスのブロッキングは時間とともにどのように変化するのか?
MATには私たちのデータ分析技術が組み込まれており、データ分析のスキルがなくても、ボタンをクリックするだけで、このような質問に答えることが可能です。また、リアルタイムのOONIデータの集計ビューに基づいて独自のカスタムチャートを作成し、ソーシャルメディアで共有したり、調査やアドボカシーの一環として使用することができます。
MATの使用方法
MATは、OONIデータの集計ビューに基づいてチャートをプロットするために、気になるパラメータを選択するためのフィルタを提供します。
具体的には、MATには以下のフィルターがあります。
●Countries 国名。国:ドロップダウンメニューから国を選択します(「すべての国」オプションは、グローバルなカバレッジを表示します)。
●Test Name テスト名。測定値を取得したいOONI Probe test を選択します(例えば、Webサイトのテストを表示するには、Web Connectivityを選択します)。
●Domain ドメイン。測定したいウェブサイトのドメインを入力します(例:twitter.com)。
●Website categories ウェブサイトのカテゴリ。測定したい website category を選択します(例:ニュースメディアのウェブサイトはNews Media)。
●ASN 測定を希望するネットワークのASNを入力します(例:Vodafone ItaliaのAS30722など)。
●Date range 日付の範囲。FromとUntilのフィルターを調整し、計測の日付範囲を選択します。
●X axis X軸。グラフの横軸に表示する値を選択します。
●Y axis Y軸。 グラフの縦軸に表示する値を選択します。
調べたい内容に応じて、MATフィルターを調整し、「Show Chart [チャートを表示]」をクリックしてチャートを作成します。
例えば、世界各国のBBCのテストを確認したい場合。
● Domainの下に www.bbc.com と入力します。
● Y軸の下にあるCountriesを選択
● Show Chart[グラフの表示] をクリックします。
下図のように、全世界のOONI Probeテスト(www.bbc.com)に基づき、多数のチャートがプロットされます。
MATグラフの見方
MATグラフ(および関連する表)には、以下の値が含まれています。
● OK count OKカウント。測定に成功した(つまり、インターネット検閲の兆候なし)
● Confirmed count 確認済みカウント。自動的に確認されたブロックウェブサイトの測定値(例:ブロックページが送られた)。
● Anomaly count 異常のカウント。ブロッキングの可能性のある兆候を示した測定結果(ただし、誤検出が発生する可能性があります。)
● Failure count 失敗の回数。実験に失敗し、破棄されたもの。
● Measurement count 測定回数。OONI計測の総量(選択した国、リソースなどに関するもの)
サービス(例:twitter.com)のブロッキングを特定しようとする場合、以下を確認する。
● 測定値が確認済みと注釈され、ウェブサイトのブロッキングが自動的に確認される。
● 大量の測定値(全体の測定数と比較して)に異常(すなわち潜在的な検閲の兆候)が見られる場合。
例えば、ロシアでInstagramがブロックされる可能性をMATで確認したい場合。
● 国名でロシアを選択
● ドメインに「www.instagram.com」と入力します。
● how Chart [グラフを表示する]をクリック
すると、以下のようなMATチャートが生成されます。
上記のチャートから、www.instagram.com は以前はロシアでアクセス可能であり、2022年3月13日にブロックの兆候を示し始めたことがわかります。2022年3月14日以降、大量の異常が観測され、それ以降も継続していることから、ブロッキングの強いシグナルとなっています。また、一部のネットワークではInstagramのブロッキングが確認されていることも確認できます(測定結果では、www.instagram.com のブロッキングが自動的に確認されました)。さらに、ここ1ヶ月の計測で、www.instagram.com がアクセス可能であったことが確認されていることから、ロシア国内のすべてのネットワークでブロックが実施されているわけではないことが示唆されます。www.instagram.com のブロッキングが国内のネットワークによってどのように異なるかを調べるには、MAT の Y 軸で ASN を選択します。
誤検出が発生する可能性があるため、異常の存在が常にブロックの存在を示すわけではないことに注意してください。大量の異常があれば、ブロッキングの可能性を示す信号が得られる可能性がありますが、そのようなデータを他の関連リソースで(可能な限り)裏付けすることが有用です。例えば、TorやPsiphonなどの回避ツールの到達性テストに関する測定値を見る場合、Tor MetricsやPsiphon Data Engine(どちらも使用状況統計を共有しています)も見ておくとよいでしょう。同様に、www.youtube.com のテストに関する OONI のデータは、Google Transparency Report の YouTube トラフィックデータと相互参照することができます。ウェブサイトのテストに関するOONIデータも、一般にCensored Planetから収集したデータと比較することができます。
MATチャートのバーをクリックし、関連する測定リンクをクリックすると、生のOONIデータにアクセスすることができます。
私たちは、インターネットの自由のコミュニティが、世界中のインターネット検閲の出来事を調査し、対応するためにMATが有用であることを望んでいます。
ご質問やご意見、機能のご要望がありましたら、ぜひお聞かせください。チケットかメールでお問い合わせください。
謝辞
MATをサポートし、測定値を提供してくれた(そしてこれからも提供してくれる)世界中のOONI Probeユーザーの皆様に感謝します。また、コミュニティメンバーの皆様からの貴重なご意見にも感謝いたします。
出典: https://ooni.org/post/2022-ooni-mat/#using-the-mat
付記:下訳にDeepLを用いました。