今こそ、欧州連合（EU）の政策立案者は、欧州におけるスパイウェアの禁止に向けて行動しなければならない。昨日、欧州議会国防委員会のメンバーが電話ハッキングの標的になるなど、EUの民主主義に対する重大な攻撃が報じられている。

EDRiによる– 2024年2月22日

今こそ、欧州連合（EU）の政策立案者たちは、欧州における スパイウェアの禁止に向けて行動しなければならない。昨日、欧州議会の国防委員会のメンバーが電話ハッキングの標的になるという、EUの民主主義に対する大きな攻撃が報じられている。この種の侵入は、選挙や意思決定のプロセスを妨害し、公開討論の完全性を損なうことで、民主主義に脅威をもたらす。

しかし、このようなプライバシー侵害は今に始まったことではない。ジャーナリスト、人権擁護活動家、活動家は、ペガサスのような監視マルウェアを持つ国家によって何年も狙われてきた。私たちの民主主義は、スパイウェアからEU全体を守る枠組みを作るというEUの政策立案者の責任にかかっている。2024年の選挙が近づくなか、EUの政治家たちは、スパイウェアを禁止することによって、人々の安全と民主主義の完全性を最優先するという当然の選択をするのだろうか？

「現実には、私たち全員がスパイウェアが生み出す脅威に苦しんでおり、不安や恐怖を体験しているが、同時に、私たちを取り巻く市民的な空間が徐々に侵食されていくのを目の当たりにしている。最近のスキャンダルは、個人のプライバシーと市民の自由を守るために、スパイウェアをEU全体で包括的に禁止する緊急の必要性を強調している」。

– イクサソ・ドミンゲス・デ・オラサバル、EDRiポリシー・アドバイザー

危険な道だ： スパイウェア産業の繁栄は、EUの民主主義を危険にさらす！

スパイウェアやその他のハッキング技術は、 私たちのプライバシー、セキュリティ、民主主義に対する重大な 脅威である。スパイウェアは、ジャーナリスト、政治活動家、人権擁護活動家に対する国家や悪意ある行為者の攻撃的な意図を助長し、表現の自由や公共空間への参加を萎縮させる効果を生み出している。欧州議会防衛委員会への攻撃は、EUの議員たちでさえも、監視を免れる者はいないことを示している。

例えばハンガリーでは、アムネスティ・インターナショナルが行ったフォレンジック分析により、 ヴィクトル・オルバン政権が、外交・国家安全保障界に幅広い情報源を持つ有名な報道記者、サボルチ・パニを含め、調査報道機関「Direkt36」に所属する2人のジャーナリストの携帯電話をスパイウェア「ペガサス」に感染させていたことが明らかになった。

これらのスキャンダルは、しばしばパレスチナの人々のような脆弱なコミュニティでテストされた監視技術産業が、いかに国家による人々への管理を促進しているかを浮き彫りにしている。この業界は、政府のスパイ能力を制御不能なレベルまで高めている。ペガサスのような暴露を受けて大騒ぎになっているにもかかわらず、EU各国政府は監視テクノロジー市場の違法化の足を引っ張っている。

「EUは、スパイウェアの悪用の責任を追及するとき、すぐに外国勢力を指弾する。しかし、各国政府のハッキング行為を規制せず、管理しきれないセキュリティ産業に対して寛容であるため、ヨーロッパだけでなく世界中の脆弱なコミュニティに深刻な被害を与え続けている。私たちは、次のEU任期が最終的に適切な措置をとることを期待している」。

– クロエ・ベルテレミー、EDRiシニア・ポリシー・アドバイザー

2024年の欧州選挙： 政策立案者はスパイウェア禁止を通じて民主主義を支持できる

現EU政策立案者および次期EU政策立案者は、安全、安心、そして繁栄する欧州市民社会を守るため、EU全域でのスパイウェア禁止を制定することによって、人々に対する責任とEU圏の基本的権利を守らなければならない。

国家のハッキング行為を規制するEUの行動は、世界的な議論や政治的展開に影響を与え、プライバシーとデータ保護における欧州のリーダーシップを改めて示すことができる。

基本的権利の基準や国際的な法的文書に沿った強固な法的枠組みを構築することが最も重要である。EUは、これらの原則を損なう手法や慣行を厳しく禁止し、世界的なプライバシー保護の基準を設定しなければならない。

https://edri.org/our-work/press-release-brussels-rocked-by-major-spyware-scandal-urgent-call-for-ban