Categories
Table of Contents
< Back
You are here:
Print

(EU)オンラインでのテロコンテンツに関する規制案に関する市民社会団体を代表しての公開書簡

オンラインでのテロコンテンツに関する規制案に関する市民社会団体を代表しての公開書簡

2020年11月10日

ベルリン、2020年11月9日

署名した人権団体およびデジタルの権利団体は、オンライン上でのテロリストコンテンツの拡散を防止/対処するための欧州議会および理事会の規則のための提案について、欧州連合基本権憲章を遵守し、表現の自由、情報の自由、インターネット利用者の個人情報保護を完全に尊重する更なる改正を議論するよう三者協議の参加者に呼びかける。

I. テロリストコンテンツの定義

  1. 規制案におけるテロリストコンテンツの定義は不当に広範である。最近の不幸な攻撃やメディアの報道が示すように、ジャーナリスティックな内容、研究や教育的な内容が容易にテロの定義に該当する可能性があり、人々の情報アクセスを妨げる可能性がある。
  2. 表現の自由と健全な国民の議論を守るためには、ジャーナリズム、芸術、教育、科学を目的としたもの、あるいはテロへの批判やそれに対する政治的な反応として発表されたものを除外することが最も重要である。

我々は、テロリストコンテンツの定義を狭く限定し、違法なコンテンツを厳密に定義することを提案する。

II. 強制的なアップロードフィルター(訳注1)は認められない

  1. コンテンツの自動削除は、合法的な情報の自由な流れと情報へのアクセスの自由を危険にさらす可能性がある。したがって、取られる措置は慎重であるべきあり、適切な保護措置を含むべきである。基本権憲章や一般的な監視義務に関するCJEU[欧州連合司法裁判所]の判例を完全に遵守しない解決策は、容認できない。
  2. 特に、このような方法でコンテンツをフィルタリングすることは、基本権憲章第11条(訳注2)に定められた表現の自由を侵害することになる。アップロードフィルターは、言語や文化の違いを理解しておらず、表現の文脈を正確に評価することができない。
  1. 利用者のコンテンツを積極的に監視することは、電子商取引に関する指令 2000/31/EC の「監視する一般的な義務はない」規則に反する。電子通信をフィルタリングするためのシステムを設置する要件は、Scarlet Extended (C70/10)とNetlog/Sabam (C360/10)の裁判で、司法裁判所によって2度も却下されている。
  2. 一般的な監視義務は、一般データ保護規則GDPRにも違反する。アップロードフィルターを使用するなど、アルゴリズムで管理されたコンテンツの修正は、最終的には個人データの処理を必要とする。GDPR第22条に基づき、ユーザーは人間の介入なしに自動化された意思決定の対象とならない権利を有している。(訳注3)この一般的なルールは、アップロードフィルタにも適用される。自動化された意思決定プロセスに異議を唱える権利は、ユーザーに、人間の介入なしのいかなる種類の自動化フィルタリングにも同意しない権利を与えている。

我々は、インターネットホスティングプロバイダーが、オンラインでテロリストのコンテンツへのアクセスを避けるために実施する措置を選択できるようにすべきだと提案する。強制的な自動化フィルターは、EU法の下では合法ではない。強制的なアップロードフィルターは、表現の自由、情報へのアクセスの自由、個人データ保護を危うくする。

III. オンラインコンテンツの国境を越えた除去を行うために必要なセーフガード

  1. コンテンツの削除手続きに関与する権限をもつ機関は、裁判所や独立した行政機関など、独立した機関でなければならない。コンテンツの合法性は、難しい作業であり、独立した機関によってのみ評価されるべきである。
  2. 管轄官庁は加盟国によって異なるが、これらの指定機関を適切に評価することが重要である。
  3. 法的確実性を確保し、加盟国の憲法上の伝統を尊重し、表現の自由の適切な保護を確保し、比例関係の要件を尊重し、コンテンツの所有者に代わって救済メカニズムへのアクセスを確保するために、削除命令の事前の独立した精査は、関係するすべてのEU加盟国の司法協力に基づいて行われるべきである。

我々は、削除命令が独立した裁判所または行政当局によってのみ発せられなければならないことを義務づけるよう、三者協議の参加者に求める。

IV. 1時間という時間枠(訳注4)

  1. 1時間という時間枠は、オンライン・ホスティング・プロバイダーが裁判所に事前の判断を求めるには不釣り合いであり、不十分である。1時間以内にコンテンツをブロックすることは、ヨーロッパの新興企業のように迅速に行動するリソースを持たない小規模企業にとっては、例外的に負担が大きくなる。

1時間という厳格な時間枠ではなく、「過度の遅延なく行動する」という基準を使うことを提案する。この解決策は、当初の考え方、つまり、大企業は1時間以内に行動し、中小企業はできるだけ早く行動すべきだという考え方を支持することでもある。

我々は、三者会合の参加者に対し、規制案を再検討し、基本権憲章に規定されている利用者の基本的権利を尊重するように文言の修正を求める。

敬具

Dr. Balazs Denes
Executive Director
Civil Liberties Union for Europe

Access Now
Antigone
Article 19
Center for Democracy and Technology
Chaos Computer Club
Copyright 4 Creativity
Digitale Gesellschaft
European Digital Rights
Electronic Frontier Foundation
Homo Digitalis
Mnemonic
Peace Institute
Rights International Spain
Save the Internet
Statewatch

出典:https://www.statewatch.org/news/2020/november/open-letter-on-behalf-of-civil-society-groups-regarding-the-proposal-for-a-regulation-on-terrorist-content-online/

(訳注1)アップロ=ドフィルター ユーザーがネットに投稿するときに、サイト管理組織やアプリが内容を機械的にアルゴリズムを用いて事前にチェックして問題がないかどうか判断する仕組み。欧州ではすでに「EU著作権指令」でこの仕組みが導入されている。この著作権で導入されたアップロードフィルターには強い批判がある。下記を参照。「欧州著作権指令:アップロードフィルターとリンク税のこれまで、そしてこれから」https://p2ptk.org/copyright/1664

(訳注2)基本権憲章11条「表現の自由と情報の自由 1. すべての人は、表現の自由の権利を有する。この権利には、公権力による干渉を受けることなく、また、国境を問わず、意見を述べたり、情報や思想を受け取ったり、伝えたりする自由が含まれる。 2. メディアの自由と多様性が尊重されなければならない。」https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:12012P/TXT

(訳注3)下記を参照。「EUデータ保護規則(GDPR)ーデータ主体の権利⑧:自動処理による決定の対象とならない権利/プロファイリングが明記されました」http://informationlaw.jp/2016/10/27/eugdpr-data-subject-rights-automated-individual-decision-making-profiling/

(訳注4)コンテンツの投稿から1時間以内に削除の是非を判断する。11月10日にオンラインで開催されたフランス、ドイツ、オーストリア、オランダ、欧州連合(EU)首脳会議でも、フランスのマクロン大統領が「(投稿の確認から)1時間以内にコンテンツを削除できるようにしたい」と発言したことが報じられている。(朝日新聞11月11日)

付記:下訳にhttps://www.deepl.com/translatorを使いました。

Print Friendly, PDF & Email
Previous (Tutanota)ジョー・バイデンの暗号化に対するスタンスは? バイデンが次期米大統領になったら暗号戦争は続くのか?
Next CDT、GPD、インターネット・ソサイエティは、時代遅れの暗号化バックドアの主張を認めない