(Tutanota)ジョー・バイデンの暗号化に対するスタンスは? バイデンが次期米大統領になったら暗号戦争は続くのか?

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(Tutanota)ジョー・バイデンの暗号化に対するスタンスは? バイデンが次期米大統領になったら暗号戦争は続くのか?

ドイツに拠点を置く暗号化メールサービス、Tutanotaのブログから転載し訳しました。

 

2020-11-06

ほぼ全ての票が数えられ、ジョー・バイデンが次期アメリカ合衆国大統領になるだ。これは多くの問題に大きな影響を与える。また、プライバシー保護者と国家監視主義の間で進行中の暗号化戦争にも影響を与える。では、新大統領の就任は暗号化にどのような影響を与えるのか?ジョー・バイデンに期待できることは何か?

暗号化戦争

暗号化戦争はもう何十年も続いている。興味深いことに、ジョー・バイデンは、大衆に暗号化をもたらす上で大きな役割を果たした。

90年代初頭にバイデンは、テロ対策法案包括的テロ対策法(SB 266)にアメリカの当局が人々のオンライン通信を盗み見することを可能にする若干の文言を追加した。この時点では、これは基本的に電子メールの通信を対象にしていた。

暗号化を大衆に

2012年のWiredの記事の中で、フィル・ジマーマンPhil Zimmermann(訳注1)は次のように述べている。「バイデン法案が出たとき、私たちは通信の現場の現実を変えなければならないと思いました。」そこでジマーマンは、誰もが使える最初のエンドツーエンドの電子メール暗号化方式であるPGPを完成させるために、日夜働き始めた。

フィル・ジマーマンはその後、PGP(Pretty Good Privacy)訳注2)をオープンソースとして公開し、どのようなことがあっても利用できるようにした。ジマーマンは、暗号化を大衆に広めたことでインターネット協会の殿堂入りを果たしたが、ジョー・バイデンらが起草したテロ対策法案は、市民的リバタリアンや業界団体の激しい抗議を受けて可決されなかった。

それにもかかわらず、米国政府が暗号の一般利用を制限しようとする暗号戦争は今日まで続いている。人々のプライバシーを破壊することになる最悪の法案のうちの2つが、2020年に導入されている ― EARN IT ActとLawful Access to Encrypted Data Actだ。

ジョー・バイデンと暗号化

そのため、ジョー・バイデンの暗号化に対するスタンスを検証することがさらに重要になってくる。彼が大統領になった場合、私たちは何を期待できるのだろうか?自社製品に暗号化のバックドアを含めるよう米国のハイテク企業に求めることで、大衆のための暗号化を禁止しようとする前任者の道を続けるのか?

暗号化戦争への彼の最初の関与は、良い期待を抱かせるようなことではないが、フィル・ジマーマンは、バイデンが2008年に副大統領に立候補したときに、ジョージ・W・ブッシュ政権下で起こったことと比べれば、90年代初頭の戦いに戻る方がマシだと述べた。

9.11テロの後、ブッシュ政権は最も厳しい監視法案をいくつか導入し、PRISM監視プログラムで頂点に達し、これが後に内部告発者エドワード・スノーデンによって明らかになった。

バイデンは現在、どのようなスタンスをとっているのだろうか。

暗号化についてのジョーバイデンのスタンスは何か、そして次期大統領として彼がやるべき政策に暗号化はどのような影響を与えるのか、という疑問が残っている。

アメリカの新政権に何を期待しうるかは分からない。トランプの下で最近導入されたEARN ITとLawful Access to Encrypted Data(暗号化されたデータへの合法的アクセス)や、アップルのiPhoneの暗号化に対するトランプの戦いを考慮すると、確かに言えることは、政府が変わって事態がより悪化することはないということくらいだ。

しかし、バイデンが副大統領を務めていたオバマ政権下で、当局が暗号化を復号化できるテック企業に要求していたことを考えると、見通しはバラ色とは言えない。

インターネットが誕生して間もない頃から、ほとんどの米国政府は、監視手段を増やそうとし、監視手段を減らそうとはしてこなかった。ジョー・バイデンが急にギアを変えて反対の方向に進む可能性は極めて低いだろう。

暗号戦争は続く

だから、残念ながら、私たちは、次の米国大統領として発表された人物が誰かに関係なく、暗号戦争は継続すると考える必要がある。その結果、プライバシーの権利のために戦うためには、私たちが知っていることにこだわらなければならない。Tutanotaが次のような事を重視するのはこのためなのだ

エンド・ツー・エンドの暗号化
オープンソース
ポスト量子暗号の可能性
これにより、Tutanotaはあなたのデータとプライバシーの権利を確実に保護する。


著者のMatthiasはTutanotaの共同設立者であり開発者。私はプライバシーの人権を守るためにコードを書いています。使いやすく、安全で、スパイを締め出すクラウドサービスを作りたい。私たちは本当にもっと良いものを手に入れたいと思っています。

https://www.tutanota.com/blog/posts/joe-biden-encryption

(訳注1)フィル・ジマーマンについて https://www.philzimmermann.com/JA/background/index.html

フィリップ R. ジマーマン ( Philip R. Zimmermann )は電子メール暗号化ソフトウェアパッケージであるPretty Good Privacy の生みの親である。元々は人権のためのツールとして設計されたPGPは1991年にインターネットに無償で公開された。そのために彼は3年間犯罪捜査のターゲットとなった。なぜならばPGPが世界に広まったことに対し、政府は暗号ソフトウェアに対する米国輸出規制の違反を適用しようとしたからだ。資金不足、スタッフ不足、会社の後ろ盾もなく、その上に政府からの迫害があったにもかかわらず、それでも世界中で最も広範囲に使われる電子メールの暗号化ソフトウェアとなった。1996年初頭に政府が 本件を取り下げた後、ジマーマンはPGP Inc.を設立した。この会社は1997年12月にNetwork Associates Inc (NAI)に売却され。後の3年間、彼はシニアフェローという肩書でその会社に留まった。 2002年8月にPGPはNAIから PGP Corporation と呼ばれる新しい会社へ売却された。 現在、彼は特別顧問とコンサルタントとしてこの会社にサービスを提供している。 ジマーマンは現在、いくつもの企業や組織に対して暗号技術に関連する コンサルティング を行っており、また Stanford Law School’s Center for Internet and Society のフェローでもある。

PGP Incを設立する前のジマーマンは20年以上の経歴を持つ暗号技術、データセキュリティ、データ通信、リアルタイム組込みシステムなどを得意分野とするソフトウェアエンジニアだった。暗号技術の政治的側面に対する彼の関心は 軍事政策への懸念という背景から来ている。

(訳注2) PGPについては、Simon Gerfinkel 『PGP 暗号メールと電子署名』、ユニテック訳、オライリージャパン、1996参照。

付記:下訳にwww.deepl.comを用いました。

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