声明文

   

オリンピック招致に関する申し入れの回答に対する意見表明」

私達、「オリンピックを考える市民の会」は11月26日お呼び、12月18日にオリンピック招致に関する申し入れを行いました。それについて12月27日に招致委員会、28日に都招致本部より、文書による回答が届きました。

申し入れの内容は、12月上旬に予定されていた世論調査に向けて、@オリンピックにかかる一切の費用を(A終了後の維持費も含めて)明示した上で行うこと、またB豊洲新市場予定地の汚染状況を明示すること、C町会を通じての署名を中止することなどの項目です。後半にはDIOCに対する申請ファイルの公表についても申し入れしました。

以上に対する回答でしたが、問題の多い不誠実な回答と考え、下記意見表明します。

まず@の回答についてですが、「(回答) 世論調査は、12月1日から3日及び12月6日から8日の2回にわたり、インターネット調査により実施しました。調査の際には、施設整備費が記載されている開催基本計画及び大会運営経費等が記載されている開催概要計画書へのリンクを張り、開催経費の内容がわかるようにしました。しかし、申し入れのAやBについては提示しておりません。」

アンダーラインのリンク先について、招致委員会に問い合わせました。リンク先である招致委員会のホームページに拠ると、開催基本計画は07年11月に発表された競技施設整備費の見込みで、恒久施設2405億円+仮設843億円、合計3248億円となっています。開催概要計画書は東京都招致本部のホームページ上で06年06月に発表されたものです。それに拠ると財政収支の概要には収入2943億円、支出2943億円と開催都市負担ゼロで大会が運営されることが記されています。その中の競技施設費用は795億円のままです。今年11月の基本計画ではその4倍の3248億円に膨れていますから、競技施設のみでもオリンピック事業収入を超えてしまっていることになります。概要で示された「開催都市負担ゼロ」の基本はすでに崩れています。したがって、世論調査の資料として、開催概要計画書の記載先をリンクしたことは大変問題です。嘘の情報で世論調査が行われたことになるからです。

開催概要計画書自体の不透明さは、競技施設に限ったことではありません。築地に建設が予定されているメディアセンター(MPC+IBC)については53億円の予算が組まれていますが、 総延べ面積13万平米の建物で、平米単価4万円は何を指すのか不明です。その他の項目についても、その数字の根拠が何であるかは公表されず、疑問の多い内容です。いずれにしても私達の求めている「費用の明示」には程遠いものです。

A、Bの回答についても、提示がないことについての説明がありません。オリンピック後も都民が負担し続けるリスクについては、事前に充分な説明が必要です。その点を伏せたままの与論調査は公平を欠いています。説明が無いことも不誠実です。
C町会回覧の署名集めについての回答は、「(回答) 署名活動は、様々なチャンネルを通じて、 オリンピック・パラリンピック東京招致に賛同する都内や全国の方々に、あくまでも任意で、署名をお願いしたものです。また、記入いただいた氏名等の個人情報は、厳重に管理し、招致活動以外の目的には使用いたしません(その旨、署名用紙にも記載しております)。 なお、署名活 動については、11月下旬を取りまとめ期限としたことから、本日(12月27日)現在、ほぼ終了していると認識しております。」でした。

アンダーラインの部分は当然のことです。又任意で署名する点も言うまでもないことです。私達が問題にしていたのは、町会で集めるということは署名用紙が回覧されるのであるから、回収過程で個人情報が露出されてしまうと言う点です。町会連合会に署名を要請する時点で招致委員会はこの問題は分っていた筈です。この署名によって、地域を二分する軋轢が起こっていることは確かです。申し入れ後1ヶ月も町会の署名が続けられ、「今回ほぼ終了した」との報告では私達は納得が出来ません。改めて町会を通じての署名要請に抗議するものです。

DのIOCに対する申請ファイルの公表についての回答は、「(回答) 申請ファイルにつきましては、IOCへの提出期限まで公表を禁じられておりますので、現時点では公表できません。なお、公表が可能になった場合には、公表を検討してまいります。」でした。

私達に公表されているオリンピックの事業はいまだに不透明な部分が多いことは、前述した開催概要計画書についてでも明らかです。都知事には「オリンピック憲章に定める総ての責務を尊重し遵守する」ことに署名した保証書の提出が求められています。事業の全体が不透明なまま、都知事に白紙委任して良いのだろうかと言う思いが強く残ります。

少なくても06年6月に提出された、「第31回オリンピック競技大会概要計画書」の財政計画資料の更新(07年11月開催基本計画に対応したもの)と公表を求めます。また、25項目についても可能な限り速やかな公表を求めるものです。

27日の東京新聞にオリンピック関連の石原都知事のインタビュー記事が掲載されました。
「巨額の累積赤字を抱える新銀行東京について、どう考えるか。」の関連質問で『「都のポテンシャルの活用」を新銀行の課題に挙げていた。』に対して「 都に関する金の動きがある。たとえばスタジアム建設にしたって、そういったものの商品化が、金融の中でできるわけだから。そういう才覚がまったくなかった。」とありました。新銀行に関連付けて、オリンピック施設の金融商品化が語られていることに驚きを感じます。11月26日の招致委員会の申し入れの際、「基本計画で発表した、競技施設整備費には、後利用する施設(売却予定地)は予算に計上されていない。築地メディアセンター、有明選手村マンションなど。民間に売却の予定。」と説明を受けました。それらも都知事の「都のポテンシャルの活用」と言うことになるのでしょうか。築地市場の移転先である豊洲地区は現在都の専門家会議で汚染状況を調べている最中であり、結論よっては移転不可の場合もあるはずです。その場合の代替地の手当ても無いまま、築地をオリンピックの重要施設として、そしてオリンピック後の売却まで語られていることに強い違和感を覚えます。東京都にとって、都民の食の安全より、オリンピックを冠した大型事業が優先なのか、今後とも私達は注目して行きます。                     

2007年12月29日       

「オリンピックを考える市民の会」 代表 片山薫 
 

連絡先 事務局 水谷  FAX020−4663−7242
オリンピックを考える市民の会メールアドレス:kangaeru-c@hotmail.co.jp


※上記の内容で年明けに抗議文を作成、招致委員会、招致本部に提出する予定です。

 

 

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