ATTAC首都圏主催の連続講座第2回をオンラインで開催します。
テレワークやオンラインのイベントが花盛りですが、下記の講座はちょっと趣向が違っています。基本はかなりレトロなネットの仕組みを基本にしています。
あらかじめ講座での話はネットに音源としてアップして誰でも聞けるようにしてあります。資料も必要であればメールで送付します。オンラインのライブは、この講座の話をふまえた質疑や議論だけに絞って実施します。ただし、Zoomとかオンランの会議のほとんどが「顔出し」ですが、この講座では原則カメラは「オフ」です。一般に会議の主目的は、参加者の顔をまじまじと眺めることではないので、ほとんどの会議では「顔」は不要なはずなのに、なぜか映像を使う会議が主流になるのは、なぜなのか、これ自体が興味深いテーマではあります。表情がわからないとニュアンスが伝わりにくいことは事実なので、発言する時だけカメラを「オン」にしてもよいことにします。
また、カメラもマイクもないパソコンユーザーでもチャットで参加できるようにします。 これは、NHKのラジオ講座とか通信講座がやってきたことをネットの仕組みに移しただけですが、同時に、何でも映像優先の時代に、むしろラジオ的な声の力を再評価してみたいと思うのです。気になったらご参加ください。とはいえ、使うオンライン会議の仕組みはjitxi-meetですから、オンラインが不具合でうまくいかないこともあるかもしれません。最善を尽す予定です。小倉
テーマ:ロックダウンと規制解除―残るも地獄、去るも地獄の資本主義:権利としての身体へ
概要は最後にあります。
●音声データをあらかじめ公開しています。 前回同様、私の話は下記に音声データとしてアップしてありますので暇なときにお聞きください。60分ほどです。間に一回休憩の音楽があります。 https://archive.org/details/20200707-attac-kouza
●オンラインの講座開催の日時 この音声データをお聞きになった上で、下記の時間にオンラインでの議論。質疑の時間を設けます。発言されたい方、質問のある方などご参加ください。 7月7日(火)19時から20時30分ころまで
●参加方法 オンライン会議室へのアクセスURLは当日18時半過ぎに、ATTACのメーリングリストに投稿します。 参加希望の方は、18時半以降、パソコンの前に座ってATTACのメーリンリストの投稿をチェックし、このメーリに記載されているURLにアクセスして、開始までお待ちください。 前回とは異なり、アクセスに際して、事前の予約申し込みは不要です。 また、音声データをアップしているサイトにも18時半以降掲示します。 https://archive.org/details/20200707-attac-kouza
●参加費 後払い(もし気に入れば) 今回の講座について、参加してよかったとお考えの方は、参加費500円をお振込ください。カンパもお寄せいただけるとたいへん有り難いです。 振込先:郵便振替口座 00150-9-251494 加入者名:アタック・ジャパン 申し訳ありませんが、振込手数料は負担してください。よろしくお願いします。
●オンライン会議について オンライン会議ではjitsi-meetを使います。パソコンからアクセスする場合は特別なソフトや登録などは不要です。(スマホの場合はアプリが必要になります) オンラインの講座は、原則としてカメラとマイクを切った状態での参加をお願いします。発言されるときだけカメラとマイクを入れていただきます。ラフなスタイルで食事しながらでも構いません。カメラに映りませんから。
●参加に必要な器材 最低限、インターネットに繋がるパソコンがあればチャットでの発言ができます。 パソコンにマイクがあれば口頭での発言ができます。 スマホでカメラとマイクが使えるものがあれば発言ができます。スマホでもマイクとカメラを切っていただきます。
ブラウザ Chrome,Chromium,Brave,Firefox,Microsoft Edge(最新バージョン),Operaなど。一部対応しないブラウザがあります。 オンラインでの参加に際しての注意事項などは当日ご説明します。
下記にjitsi-meetのマニュアルがあります。 https://pilot.jca.apc.org/nextcloud/index.php/s/QMPfEBrXmtCRqB4 スマホ https://pilot.jca.apc.org/nextcloud/index.php/s/ir7BAabQ6YbQi9S
問い合わせ 070-5553-5495 小倉
以下、講座の概要です
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ロックダウンと規制解除―残るも地獄、去るも地獄の資本主義:権利としての身体へ 今日のテーマは、なぜ市場も政府も新型コロナ、COVID-19パンデミックに十分に対応できずに、感染の拡大を阻止できないのか、という問題を、政策レベルの問題ではなく、資本主義のメカニズムとの関係で捉えかえしてみることに主眼を置く。
オルタナティブの回路を閉ざさないために
緊急事態宣言の解除から経済再開への転換は、資本がもはや運動の停止に耐えられなくなった証拠でもある。人々のリクスへの不安と経済的な困窮による不安がここでは両天秤にかけられている。感染リスクに対して経済的困窮のリスクが相対的に高まることによって、人々のリスクと安全の主観的な閾値がリスクを許容する方向に移動しはじめているが、これを誘導したのが資本と政府の「経済」という脅し文句だ。感染リスクを最小化するために必要な自主的な隔離に伴う経済的な損失を補うに十分な経済的な保障をせず、自営業者や中小零細企業を盾にして経済再開の圧力をかけてきた資本と、この資本と運命共同体でもある政権とは、隔離政策がめざしたパンデミックの完全な収束あるいは「アンダーコントロール」状態の失敗から「with コロナ」へと方針を転換して、人々にコロナのリスクを受けいれさせうるような感情へと誘導しつつある。
経済的な危機は労働者の貧困と生存の危機をもたらすから、労働者は生存に必要な所得を獲得せざるをえず、資本のいいなりになる選択をさせることで資本の労働者への支配を強化するわけだが、労働者が資本への依存を拒否して別の生存手段を獲得できてしまった場合、この資本による制御は有効性を削がれる。労働者が団結して資本と対峙したり、失業と貧困による生存の危機に対して、資本に依存しない自立を可能にするオルタナティブな経済基盤を準備することによって、この資本の目論見を挫くことが可能になる。この民衆の自立に対して、政府もまた資本を支える方向で、民衆の自立を阻止します。政府は財政支出を通じて、失業や貧困への補償を約束したり、公共投資によって雇用の削減を抑制し、景気を刺激するといった政策をとることによって、オルタナティブへの回路を塞ごうとする。政府は労働者を資本の支配の下に再度統合するための政治的な役割を担う。人口の大半は、こうして労働市場で<労働力>を供給するシステムに縛られ続けることになる。この資本と国家の利益を、国民国家の体制は「国民」が全体として一致協力して、感染防止の生活規範に従うことを正当化し、この全体への同調だけが唯一のパンデミック対策であると主張します。民衆の「夢」を実現性のない妄想の類として否定するわけですが、こうした全体を一体のものとするシステムの傾向は現代における全体主義といっても差し支えないものだ。
わたしたちは、こうした全体への同調の背後に、資本主義を支える市場と国家の限界と民衆への犠牲の転嫁のメカニズムがあることを理解することが必要だ。
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話のポイント
- ロックダウンと経済優先政策に共通する不安の政治学
- 不安感情について
- 知る権利としての検査
- 市場は本質的に不平等な制度である
- (休憩:music Des+karadas “Antifascista”)
- 市場経済による二つの危機への対応
- COVID-19による危機に内在する資本主義に共通する制度の限界
- おわりに:オルタナティブの回路を閉ざさないために
- (music HK “Salam alaykoum”)
概要の他に、音声データの文字版を別途用意しています。参加を予定される方で、あらかじめ文章でも読みたいという方は、小倉までご一報ください。